3体問題


3体問題[万有引力で引きあう3個の天体の運動を考える問題]

万有引力

・すべての天体には、引力(引きあう力)がはたらいている。
・天体は別の天体からおたがいの質量と距離だけに関係する力で引かれている。

 力を受けると、天体の位置や速度は変わります。すると、万有引力の大きさや向きも変わります。すると、 位置や速度は変わります。すると、万有引力の大きさや向きも変わります。すると、位置や速度も変わります ・・・

運動の3法則

 1.力を受けない物体は、止まっているか、あるいは まっすぐに速さを変えずに運動する。
 2.運動の変化は、加えられた力に比例する。運動は、加えられた力の方向に変化する。
 3.ある物体が別の物体に力を加えると、その物体は別の物体から逆向きに同じ大きさの力を 受ける。


万有引力のメリット

 天体が丸く均一なら、その天体の外側におよぼす力は、天体のすべての質量が中心にあるとしたときにおよぼす力に等しい。したがって、天体を大きさの無い「点」であるとして運動を考えてもよい。

 万有引力の2体問題は、多くの周期軌道があります。

より正確には、

 常に原点の方向を向く力のうち、運動が有界である軌道が閉じているのは、距離の2乗に反比例する力か距離に比例する力だけである
(Bertrand (ベルトラン) の定理)。

 これらの万有引力のメリットによって、運動の記述は簡潔になりました。地球は太陽の周りをまわり、 約1年後にはほとんど同じ場所に戻ってくるのです。


3体一致の困難

 天体を大きさの無い「点」であるとして運動を考えます。これは、運動を考える上でメリットであると同時に、困難をもたらしました。天体どうしが どこまでも近づけるからです。 完全に一致してしまうと、万有引力は無限大になってしまいます。

 万有引力の式で 分母 R が 0 になる。
0で割るのは具合が悪いのです。

 実は2体だけが一致しても、その後の軌道をつなげることが出来ます。一致するかしないかの運動を、一致する運動に近づけていけば、2体が跳ねかえる運動とみなしてもよいのです。

 それに比べ、3体が同時に一致したときに困ったことが起きます。下図は、3体が同時 に一致する運動のひとつです。

3体が正三角形の頂点にあり、速度変化の方向が3体の重心に向いている場合、その後3体は同時に一致する。


 その運動に近い運動を2つ見てみましょう。1体の位置をある方向に少しだけずらした場合の軌道が下図上段です。
上から来た天体は、上の方に去って行きます。

 1体の位置を逆の方向に少しだけずらした場合の軌道が下図中央です。
上から来た天体は、下の方に去って行きます。

 左右にある運動を、3体が一致する運動に近付けた場合、上から来た天体は上に行くのでしょうか下に行くのでしょうか?3体が一致した後につなげられる軌道を、一つに定めることは出来ません。

 これが災いして、3体の状態をほんの少しだけ変えても、その後の運動が大きく変わります。


ラグランジュ点

 ラグランジュ点とは、例えば図のように惑星と衛星1に対して、正三角形のもう一つの頂点に当たる同一の軌道上にある衛星2が存在する点のことです。

ラグランジュ点

 同様に、衛星3もラグランジュ点となります。

 他にもラグランジュ点はありますが、安定して存在できるのは、この2点です。
ラグランジュ点の関係にある天体は、小惑星帯にも発見されています。 これらのラグランジュ点の関係にある天体は、その位置関係を崩さずに安定して存在するので、同一軌道上にある衛星が決して衝突することなく、惑星の周りを回り続けるのです。

 本来は、3つの天体が存在すると、その運動を正確に予言することは一般に不可能なのですが、ラグランジュ点は3体問題が解ける特別な例なのです。

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