あかりSS「誕生日」〜二人のマフラーその後〜


第1章
朝、目が覚めたとき変に頭痛がした。
まあ、最近忙しかった上に昨日は遅くまで起きていたのが
いけなかったのかもしれない。
体もだるいし…。
もう、体力が残っていないのかな。


最近あかりと会っていない、原因は俺の仕事が忙しいせいにある。
決して喧嘩したとか別れたということではない。
電話では毎日話はしている、すぐ近所にいるのに。
会おうと思えばいつでも会える、しかし夜中にならないと家に帰れない。
電話では何を話しているのかって?
「浩之ちゃん毎日忙しそうだけど、ちゃんとご飯食べてる?」とか
「浩之ちゃん会いたいよー」なんて泣かれたこともあったっけ。
正直言って俺もあかりに会いたい。
社会人なんて忙しいだけで時間もないし大変なだけなんだよな。
でも、電話でのデートにも限界を感じているし、
もう欲求不満も溜まりまくっている俺とあかりは
明日の久しぶりの休みの日に一日ゆっくりといっしょに居ることにした。


しかし、体がだるい俺も年をとったのかな。
「いや、そんなことはないさ」
俺は自分に言い聞かせるつもりで言った。


起きて誰もいない居間に行く。
親父たちは相変わらず、会社近くにアパートを借りている。
いつまで実家に帰ってこないつもりなのかね。
しかし、歩くたびに頭が響く、


「ちきしょう、何の此れしき」


腹は減っているんだけど、食欲はないという変な状態だが
とりあえず朝ご飯にすっか。
しかし味がわかんねーな。


「あかりのやつが来るまでに体の調子を元に戻さないと」
だが、ひたすら眠いし体もだるいし、とうとう部屋に戻ることにした。


「あかり、ごめんな」
俺はつぶやくように独り言を言った
「よっこらせ」
立って部屋に戻ろうとした時、周りの景色がゆがんだ。
あれっと思ったとたんに目の前が真っ暗になった…。
どうしちゃったんだろう、俺やっぱ変だ…。
………………………………………………………。




………………………………………………………。
「ふぁ〜あ…」
何時間たったんだろう、おれは今何所にいるかわからずに
きょろきょろとあたりを見渡してみると、しっかり自分の部屋のベットの中だった。
カーテンはしまっているが、雰囲気から夜中みたいだった。
「あれからどうやって部屋に戻ったんだろう」
俺はあたりを見渡しながらつぶやいたとき、いすの上に掛けてある
一つのマフラーが目に付いた。
「ピンクのマフラーかそんなもん家にあったかな」
そのマフラーは、ちょいと古ぼけているが大切に使っているよなそんなマフラーに見えた。
「そう言えば、あのマフラー何所かで見た覚えがあるな」
俺はまわらない頭で思い出そうとした。
ベットの上で天井を眺めながら考えていたとき。



「あ、そうかあれだ」
そうあれは、俺がまだ高校生のときだったけ。
…………………………………………………………。



「ねえねえ、浩之ちゃん見てこれ」
「あん?」
「このマグカップ可愛いでしょ?」
「ったく、お前はくまなら何でもいいのかよ」
「…そうかな? でもやっぱり可愛いよ」
「ったく、しょがねーなー」
「えへへ」


オレ達は、映画の始まるまでに時間があったので、ウインドウショッピングで時間をつぶしていた。
って言っても、何も買う気はないが…。

もちろんマフラーは着けままだ、人が多いところは避けたかったが、隠す気にはならなかった。
あかりの気持ちが分かった気がする今、恥ずかしさよりあかりの気持ちを大切にしたかった…。

「ねえねえ、このカップ浩之ちゃんの家においといていいかな?」
「あん? ああそう言えばお前の物はほとんど無かったな?」
「うん、朝ご飯がパンの時あるでしょ? これで一緒にコーヒー飲もうよ」
「ああ、そうだなパンの時か…」

あかりはたまに泊まりに来る時があるが、内の家には可愛い感じ食器は無かったな。
って、泊まるときって…。

「お、おいあかり、朝飯って泊まったときの事考えてんのか?」
「あっ…」

あかりもそれに気か付いたらしく、見る見る顔が赤くなる。

「だ、だって…」

あかりは何も言えなくなってうつむいてしまう。
くぅ〜 可愛いヤツだ。

「そ、そうだな、でもその前に寝間着を買わないとな?」
「えっ?」

って、フォローになってないぞ!
オレまで赤くなってきちまった、一寸やべーな。

だが肝心のあかりは、うつむきながら「こくん」と小さくうなずいた。

「…あかり…」
「…うん…」



と、オレ達が場違いな雰囲気になってると。

 パシャ!

と、後ろから写真を撮る音がした。
慌てて振り向く。

「いやー、今日は暑いわねー」

そこには、手に使い捨てカメラを持った予想道理のヤツが居た。
さ、最悪だ、やっぱり志保だ!!
とてもマフラーは外せねーが、何言われるか分かったもんじゃねー。

「お、おめーいつから居たんだよ!」
「し、志保」
「今朝は寒かったのに、急に暑くなっちゃった〜」

あかりは何も言えずにうつむいてしまう。

「い、いや、これはだな…」
「あなた達も暑そうね〜 ほとんど真夏に近いんじゃない?」
「な、なに言ってんだよ」
「あかり〜 マフラー似合ってるよ〜」

志保はオレを無視してあかりに話しかけた。

「あ、ありがとう…」

あかりは恥ずかしそうに返事してる。
ったく、こっちは返事どころじゃねーよ。

「ヒロもやるわね〜」
「う、うるせーよ 今日は特別なんだよ!」
「へー特別ねー なに? プロポーズでもしたの?」
「バ、バカ! なに言ってんだよ!」

何とか言い返そうとするが、上手く言えねー。

「あ…」

あかりが何か思いだしたらしい。
急にそわそわし始めた。気になったので小声で聞く。
もちろん志保に聞こえないようにだ。

「どうした、あかり」
「べ、別になんでもないよ…」
「なんだよ気になるじゃねーか」
「…うん、さっき浩之ちゃん」

あかりはさらに小声になった。

「…絶対に離さないって…」
「えっ、ああ…」

うっ、思い出すと我ながら照れるセリフだ。

「あれって…」
「……?」
「そ、その…」
「……?」
「…プ、プロポーズみたいで…」
「……」
「……」

そ、そう言われるとそう思える。
そんなつもりは無かったが、そのまんまじゃねーか!!


「なに? 二人でなに話てんの?」
「……」
「……」

志保が聞いてくるが絶対に言えねー。
それどころかなにも言えねーよ!!

「……」
「……」
「……」

少しの沈黙…が、こんな時に限って志保はカンがさえてる。

「ま、まさか…プロポーズ?」
「ち、違うぞ!! そんなつもりじゃねーぞ!」
「ひ、浩之ちゃん」

「…し、知らなかった…」
「だから!…」
「志保ちゃん情報を上回ってるとは、…私もまだまだねー」
「ち、違うって」

「あかり、良かったね。」
「し、志保〜」
「おい! 聞けって!」

「ハァー そんな格好でなに言ってんの?」
「うっ…」

それを言われるとなにも言えなくなる。
と、とにかく学校で言われるのだけは防がないと…。

「と、とにかくみんなには言うなよ」
「う〜ん、どうしよっかな〜」
「悩んでんじゃねーよ!」
「アハハ、まっ、ヒロはともかくあかりに迷惑かけられないもんね」
「ありがと、志保」

「でも、ただってのは、ムリね」
「別にただでもいいんだよ!!」
「なに言っての? こんな情報志保ちゃんが黙ってると思う?」
「他人事みたいに言ってんじゃねーよ!!」
「もう、志保ったら」
「アハハハ、ムキになってるぅ〜 ヒロ可愛いわよ〜」

くそー完全に言われたい放題だ。
しかし、しょうがないヤックのセットぐらいなら安いもんだ。

「分かったよ、バリューでいいか?」
「はぁ? なに言ってんの?」
「て、てめーなにが欲しいんだよ!!」
「バカね、お金じゃ買えない物よ」

えっ? 意外なこと言うから驚いちまうぜ。
だが、なんか怖いぞ。

「これよ、これ」

と、志保は使い捨てカメラを見せる。

「…なにを撮るつもりだよ」
「分からないの? もちろんあんた達よ」
「そう言う意味じゃねーよ! なんでそんな物撮るんだよ!」
「もちのロン、ヒロの恥ずかしい写真よ」
「ち、ちょっと志保」

このヤロー、堂々と言いやがって。

「で、どうするの私はどっちでもいいのよ?」
「くっ・・・・分かったよ、好きなだけ撮れよ」
「うんうん、さすがヒロ物わかりがいいわねー」
「お前が言うな!!」

で、10枚以上の写真を撮られてから解放された。
しかもポーズまで撮らせやがって、あのヤロー。
こんど逆に弱みを握ってやる!!




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