将棋上達法
万人に合った上達法はない。
アマトップクラスが普段勉強している内容を初心者が真似たところで上達はしない。それぞれ個人に合った最善の上達法はあるだろうしどうしたら・何をしたら上達できるのか考えるのも将棋の楽しみのひとつといえる。
ここでは 私自信の今の棋力(そこらの街の将棋センターで三〜四段、将棋倶楽部24で二段・R1800点程度)になるためにどのような勉強をしてきたかという形で上達法を考えてみる。
よって初段ぐらい以下の方々対象ということになります。自分自身の上達法を探すための参考にしてください。
総合・終盤・中盤・序盤と分けてみた。全体を通していえるのはとにかく自分の頭で考えるということである。単なる暗記だけでは初段以上は難しいでしょう。
総合
将棋盤を持つ
将棋盤・駒を持っていないと話しにならない。最近では将棋ソフトの機能も上がり棋譜管理や定跡研究などでき非常に便利。ただし、それらのデータを打ち込むのが目的になり本人の頭には身に付かないということになりかねない。
プロ棋士の方々は将棋盤などなくとも頭の中だけで棋譜を再現できる。にもかかわらず将棋盤を使って将棋の勉強をしています。
定跡書も曲者で分かりやすく書かれている本はいちいち将棋盤で再現しなくても理解できる構成になっている。しかし実際には分かったつもりで終わるでしょう。やはり面倒なようでも将棋盤で再現するのが一番身に付く。
高い将棋盤・駒でなくてもいいでしょう。デパートなどで売っているものでも十分。
感想戦をやる
感想戦をやる人とやらない人とでは上達過程において大駒一枚の差はできるだろう。
対局相手や周りの観戦者を交えての感想戦がベストだが後で自分一人で対局内容を検討するのも感想戦の一種といえる。
自分の過去の対局(とくに負けた対局)を検討し反省しなければ上達は望めない。いつまでも同じミスをすることになる。性格が素直でないと上達できないという説は本当でしょう。
自分より強い人と対局する
実戦で強い人と対局して相手の終盤の速度計算・中盤の構想力・序盤の駒組みなど吸収できるものは貪欲に吸収することで上達できる。
ただし、あまりにもかけ離れたレベルの人と対局しても相手の指し手が理解できず意味がない。4〜5割勝てる程度の人との対局がベストだと考えている。
当然負けることが多くなり気が重くなるが上達するためには我慢も必要。
終盤
詰め将棋
終盤で一手違いになったときは詰め将棋を普段からやってる・やってないは影響大だ。アマ将棋の場合は特に終盤秒読みになることが多いので読まずに詰む・詰まないが判断できるのは大きな武器。
詰め将棋の手数は長くても19手詰めまでで十分だと思う。それ以上長い詰め将棋は趣味としてなら良いが実戦には役に立たない。実戦に役立たすには5手〜13詰めぐらいの問題を数多く解くのがいい。
私は最近は詰め将棋やらなくなってしまったが10代の頃はよく解いた。ただ失敗したのは自分にとってレベルが高い問題を数少なく解いていたこと。ひとつの問題を何週間もかけて解くということをしていたのだがこれは趣味としては良いが実戦には役立たない。
一問長くても5分程度で解けるレベルのものを何題も解くという方法がベストだと考えている。
必至・次の一手
詰む・詰まないよりも必至がかかるかどうかの方が重要な場合が多い。基本的な必至の形を覚えることは終盤力を上げる第一歩。
次の一手の問題は実戦では役に立たないものも多い。問題の性質上奇抜な手が答えになるが実戦で似たようなケースが現われるとは思えない。
ただし、終盤の問題は速度計算に役立つだろう。
終盤の反芻
プロの棋譜・本人の実戦などの終盤を題材にいろいろ検討してみるのも終盤力アップにつながる。プロの棋譜を題材にしてその手が本当に最善なのか疑いの目を持って検討してみる。はっきりいっていくら考えても分からなくてもそれでもとにかく考える。
実戦では難しい局面になった時の指し手が重要であり普段から終盤の反芻をしておくことは非常に役立つ。
中盤
プロ棋士の棋譜を考える
プロの棋譜をただ単に盤面に並べるのはどうだろう?。一手一手指し手を隠して自分で指し手を考える。またはポイントとなる局面を自分で考えるというやり方でないと意味ないと思う。
それだと一局見終えるのに時間がかかる。プロの棋譜を並べた絶対量も必要だろう。例えば棋譜が100局あったら20局は自分で考え80局は単に並べるという方法でバランスをとると良いだろう。
手筋を覚える
手筋系の本を一冊は見たほうが良いと思う。基本的に実戦の中で手筋は覚えられるが相手が筋悪かったりすると覚えられない。 手筋を知っているのと実際に使いこなせるのは全く別で実戦で使えて初めて手筋を覚えたといえる。
序盤
定跡を覚える
基本的な定跡を覚えることは大事。定跡を知ることで例えば振り飛車の捌き方とか相居飛車のかけひきなど会得できる。
ただし私もそうなのだが、必要以上にこだわるとプロの指し手(定跡)を真似ることだけに眼がいき自分の頭で考えることを怠ってしまう。また、相手の知らない戦法を使い楽して勝とうという気持ちにもなってしまう。
序盤の勉強は基本的に暗記するだけなので楽だし知識が付けば強くなった気分になれるのでつい力をいれてしまう。だが、序盤の勉強に必要以上に力入れることは上達の妨げになると考えている。
一番良い上達法は楽しんで将棋することです。楽しくないことしても意味がないでしょう。苦にならない程度に自分の頭で考えるということが大事。