アトラスの転校生8

 

ガラガラガラ・・・。

 

教室のドアを開ける・・・。

 

とりあえず、事情は話してあるので、お咎めなどはない、有彦はどうなるかわからないが。

 

すでにアルクェイドの自己紹介などは終わっているらしい・・・黒板には『アルクェイド=ブリュンスタッド』と普段大雑把なアルクェイドとは思えないほど、綺麗な字が書かれてあった。

 

そして、自分の席に座ろうとすると、その隣には金髪の女性が座っていた・・・言うまでもない、アルクェイドだ。

 

今さら驚くことでもないか・・・隣の席になるくらい考えられたわけだし。

 

席に座る際ふと、目があう・・・別に初対面な訳じゃないし、こういう時どうすればいいのか結構対応に困る。

 

しかも、さっき廊下で会ったしな、さてどうしよう。

 

「はじめまして、アルクェイド=ブリュンスタッドです。あっ、長いからアルクェイドって呼んでね。よろしく」

 

「あ・・・あぁ、こちらこそよろしく」

 

これも・・・知識なんだろうか、ごく自然に挨拶をかわしてくれた。

 

「あぁ、それじゃ、HRを終わる。今日は毎年恒例の夏休み明けのテストだからな。留学生の2人には悪いが・・・とりあえず、受けてくれ」

 

それだけ言うと、国藤は教室を後にした。

 

その途端、クラスメイトがアルクェイドとシオンのもとに集まりだした・・・。

 

案の定たたき出されてしまう・・・というかこれからテストだろうが。

 

といっても、範囲のないテストだし・・・この夏休みの勉強のせいかがとわれるといったもの。

 

・・・やばい、吸血鬼の騒ぎとシオンの手伝いでほとんど勉強などしていない。

 

こりゃあ、やばいかな。

 

真っ先に浮かぶのは小言を言う秋葉の顔だった。

 

今さら考えても仕方ない、一長一短でどうにかなるものでもないだろうし。

 

これから高校を卒業したら俺はどうするんだろう。

 

秋葉は高校を卒業したら正式に遠野家の当主としての仕事をするみたいだ、当然大学には進学しない。

 

多分、選択肢はたくさんあるんだと思う・・・でも、1人で決められるものでもないし・・・。

 

それに・・・遠巻きからアルクェイドとシオンの様子を見る・・・それにしても凄い人気だな。

 

アルクェイドたちと関わっていたら、多分まともな進学とかは出来ない気がする。

 

何よりもまず、秋葉と話をしなければならない・・・アルクェイドやシオンのことを含めて全部。

 

・・・とりあえずはテストの準備をするか。

 

・・・・・・・・・。

 

キーンコーンカーンコーン・・・

 

さて・・・午前中の授業全てを使った、テストが終わった。

 

昼休みの後、一時間クラスでの後期の委員とかを決めるHRがあり、今日は終わり。

 

まずは、昼飯を食べるかな・・・有彦は・・・いないか。

 

テストが始まる直前、戻ってきたが終わるとそのままどこかにいってしまったようだ。

 

アルクェイドとシオンは相変らず、クラスメイトに囲まれている・・・いや、すでに留学生が来ていることは知っているのだろう、他のクラスから野次馬がたくさんきていた。

 

表情を見ると・・・何だか困っていた、シオンの方は上手くやっているようだが、あんなにたくさん人に囲まれて話すことなどないのだろう。

 

普段のアルクェイドなら全員ふっとばすぐらいのことするのだろうが・・・。

 

ふと、目があう・・・。

 

にこっと笑った・・・どうやら大丈夫と言っているようだ、いつもわがまま言ってくるくせに・・・こういうときこそ、頼れっての。

 

彼女を連れ出す方法は・・・ジェスチャーとか考えたが、伝わらなくては意味がない・・・。

 

変な意味でとられても困るしな、何かいい方法は・・・。

 

・・・思い出した、あいつって凄く耳がいいんだっけ。

 

以前、シエル先輩にあいつ抜きで話しがしたくて相談したときに・・・。

 

「内緒話なら無駄ですよ。20メートル先の会話などアルクェイドには筒抜けですから」

 

と言われたことがあったな。

 

なら、ここで小声で話しかけても彼女には伝わるはずだ。

 

指で口元を指差し、そして・・・。

 

「昼飯買って中庭で待っているから」

 

それだけ伝えると、パンを確保するために足早に教室を出た・・・この時間だと人気のパンは、微妙だなぁ。

 

・・・購買に行ってみたが案の定人気のパンは売り切れてしまっていた、それでも何とか普通のパンが手に入ったのは幸運といえる。

 

「遅い、遅いよ志貴。自分で中庭に来いなんていっておきながら何で遅れてくるのよ」

 

折角アルクェイドの分までパンを買ってきたというのに、何故か彼女はご立腹のようだった。

 

「昼飯買ってくるって言っただろ・・・学食ってのは混むものなんだ。これでも早く来たほうなんだぞ」

 

適当な場所に座りアルクェイドにパンを渡す。

 

「でも、良かった。やっと志貴としゃべれるよ。折角志貴と少しでも長くいるためにこの学校に来たのに、話せないんじゃ意味ないもの」

 

「それにしても、やけに大人しかったな。もっとはちゃめちゃになると思って心配してたんだけど」

 

「・・・・・・・・・」

 

彼女はむ〜と顔をしかめたかと思うと・・・。

 

「何よ〜、志貴が大人しくしてろって言ったんじゃない。志貴に迷惑かけちゃいけないって思って凄く我慢してたのに、そんなこと言うの?」

 

・・・そっか、アルクェイドはアルクェイドなりに、頑張っていたのか。

 

「いや、そんなつもり言ったんじゃないんだ。気を悪くしたなら謝る、ごめん」

 

「まぁ、いいけど。それにしても、志貴のクラスメイトってみんなあんな感じなの? なんかいろいろと質問攻めにされていい気分じゃなかった」

 

「いや、そんなことない。ただ、前に言っただろ。お前はいるだけで目立つんだって」

 

「そうね・・・最初は悪い意味で言ってるのかなって思ったんだけど、それは志貴誉めてくれているんだよね」

 

「・・・・・・・・・」

 

そんなの恥ずかしくて言えるか・・・。

 

「ほら、もうすぐ予鈴なるぞ、教室に戻ろう」

 

ジュース飲み干しゴミ箱に捨て教室に向かう・・・。

 

「あ、ずるい・・・質問にちゃんと答えなさいよ」

 

後から・・・アルクェイドが追ってくる・・・しばらくこれで問い詰められそうだな。

 

教室にいるアルクェイドは違った印象を受けたけど、やっぱりアルクェイドはこういう性格の方があっている・・・なんていったら、怒るだろうか。

 

 

続く

 

 

 

 

   おまけ

「な・・・なんということ、と・・・遠野君とあの馬鹿女が一緒にお昼ご飯を食べているなんて・・・しかも、あんな楽しそうに」

 

「そうですか? なんかアルクェイドさんは怒っているように見えますけど」

 

「お昼休みに遠野君と中庭で食事だなんて、今までは私だけの特権だったのに」

 

「そうですか? どちらかというと茶道室の方が多かった気がしますし・・・その茶道室もマスターがでっちあげた架空の部なのに・・・その架空の部できっちり部費もせしめていますよね」

 

「主人公が先に席をたって、ヒロインがあわててかけていく・・・そんなワンシーン・・・これで出ればすでにルートに入ったも同然の行為を、あんな安々と」

 

「ルート? 何ですかそれ? って、いたたたた・・・何するんですか?」

 

「貴女はどちらの味方なのですかセブン・・・」

 

「そんなの決まっているじゃないですか。マ・・・マ・・・マスターに・・・決まっています」

 

「何故そんなに顔と声がひきつっているんですかねぇ」

 

 

あとがき

一年まえくらいから書き始めて何故終わらぬ・・・書けぬ。根本的に私が怠け者だからなのですが、相変わらず、シエル先輩はギャグキャラですね・・・ヒロインはシオンなのに、アルクェイドがヒロインっぽくて、真剣な志貴くんの考え事では秋葉がヒロインに上がってきそうで、シオンはどうしたの??というかんじがありますね・・・まぁ、優柔不断な性格があらわれてしまっていますね・・・今度こそ、更新は早くしようかなと。では、また次のSSでお会いいたしましょう。

 

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