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私立遠野高等学校(補習)
寝る場所を巡って始められた麻雀大会・・・。
俺の意見など聞いてはもらえないがこの麻雀、とても興味深いものがあった。
それは5人が5人とも全く違う打ち手だったということ。
何で5人とも麻雀なんか知っているかということはこの際置いておいて・・・。
まず、アルクェイド・・・「麻雀は知識としてはあるけどやったことはないよ」と言っていた割にはしっかり打てている。
打ち筋としては真祖らしいのかどうかはわからないがでかい手ばかりを狙っている。
勿論上がれる回数はそんなにないのだが、上がれたときの破壊力は素晴らしいものがある。
しかし、打ち慣れた人にとってはこういう打ち手って結構相性良いんだよな・・・。
何狙っているのかすぐわかるし、対応もしやすいから絶対に振らない・・・。
シエル先輩は・・・とにかく仕掛けが早い。
とにかく鳴きまくっての超逃げ足麻雀である。
大物手狙いのアルクェイドに、逃げ足麻雀のシエル先輩・・・相性の悪さってこんなところにも出るんだな・・・。
秋葉はお嬢様らしいのか、鳴いて牌をさらすのを恥と思っているのか、とにかく鳴かない、面前で仕上げるタイプのようだ。
一番オーソドックスな打ち手と言えるだろう。
しかも秋葉は相手がツモ切りなのか手牌から抜いて打ったのかをしっかり見ている・・・その分だけ待ちの読みを確立性を増す。
これだけ見るとすごい打ち手に見えるのだが、秋葉は弱点があった・・・。
それは・・・振り込むとすごい機嫌が悪くなることだ。
いくら待ちが読めるといっても必ずしも全部よめるわけではない・・・リーチを書けてればツモ切りしかないわけだから、振り込むをするときもある。
そうなると途端に機嫌が悪くなり周りが見えなくなる・・・打牌も荒い、間違いなく一緒に打ちたくない打ち手の一人と言えるだろう。
翡翠は・・・基本的にダマで上がることが多い、琥珀さんは基本的に引っ掛けややまごしなどを得意とするようだ。
しかもこの2人、コンビで打っているのだから性質が悪い・・・間違いなくこの2人のコンビがトップを取るだろうと俺を思っていた・・・。
そして俺は・・・。
「ちょっと兄さん、紅茶はまだですか?」
「遠野君カレーのおかわり欲しいんですけど」
「志貴〜、私志貴の作ったラーメンが食べたい」
完全に雀荘かなにかのマスターと化し、ほぼ強制的に働かされていた。
「志貴さま・・・やっぱり私がやります」
翡翠が声をかけてくれる・・・。
「いいよ、それに翡翠は麻雀に参加してるんだし、動きまわって人の手牌見たら反則になっちゃうぞ」
「でも・・・」
「いいよ・・・それよりも、頑張ってね」
「・・・はい」
翡翠は頬を赤らめて琥珀さんの隣に座った。
「そうよ翡翠ちゃん、この麻雀には志貴さんの隣で寝られるという素晴らしい特典があるんだから集中しなくちゃ」
「・・・・・・・・・」
琥珀さん、わざわざ翡翠を追い込むこともないだろうに。
恥ずかしくて麻雀どころじゃ・・・。
「志貴さま・・・」
「何?」
「私頑張りますから」
「あ・・・あぁ」
よくわからないけど、琥珀さんの激が利いたんだろうか、やる気になっているようだ。
現在の所・・・予想通りトップは翡翠・琥珀さんペア、二位がアルクェイド、三位が秋葉、四位がシエル先輩となっている。
現在南3局・・・半荘も終盤に差し掛かっている。
まぁ麻雀最後までどうなるかわからないからな・・・直撃とかなら一発でトップがひっくり返る。
アルクェイドも秋葉も一発逆転を狙っているはずだ・・・。
捨て牌からも明らかに何を狙っているのかがわかる・・・2人とも完全に染め手に走ったか・・・。
「ロン・・・」
そこへシエル先輩のロンの声・・・振り込んだのはアルクェイドだ。
「役牌のみです」
「シエル・・・あんた何てことすんのよ。しかもこんな安っぽい手で・・・わかってるの?トップとらなきゃ意味がないのよ」
それは俺も同意見だ・・・シエル先輩、そんな終盤に何で。
「わかっていないのはあなたです、アルクェイド。私はオーラスの親なんですよ。この南3局で上がり癖をつけて一気にトップに上り詰めるのです」
なるほど、シエル先輩の言いたいことはよくわかった。
「ふぅん、そんな思い通りにいくかしらね」
そう、思い通りにいかないのが麻雀だ。
しかも、上がり癖って確かにオーラスに照準を合わせて上がり癖をつけるというのも解る。
しかし、東1局から鳴き麻雀をしまくって場やら流れやらを滅茶苦茶にしてきたシエル先輩に果たして流れなど来るのだろうか。
答えはNOである。
俺も麻雀やって長いがそんなことは一度もない。
そして、アルクェイドが怒るということは今の局はアルクェイドか秋葉にツキが来ていたのだろう。
それをシエル先輩に流されたなら・・・。
「ロン、ピンフ。終了です」
やっぱり・・・琥珀さんが安手で上がって終了。
「あ・・・」
「あ・・・じゃないわよシエル、何が上がり癖よ。一度も上がれてないじゃない」
「こ・・・これは・・・」
「はいはい、恨みっこはなしですよ。勝負は結果が全てです」
琥珀さんがアルクェイドとシエル先輩を諭す。
「確かに仕方ないわね、私達は勝負に負けたのですから」
てっきり雀卓をひっくり返すのかと思いきや意外と冷静な秋葉がいた。
「兄さん、何か失礼なこと考えていませんか」
「そんなことはないぞ」
そんなに思ってることとか顔に出るかな。
「それはそうと・・・琥珀、貴方達ペアなのよね」
「はい、そうですよ」
「兄さんと一緒の布団で寝られるのは1人なのよ」
「おい・・・」
だんだんと条件が違ってきているぞ。
しかも個人的に悪い方向に・・・。
「そういえばそうですね。どうする、翡翠ちゃん?」
「え・・・あの・・・その・・・」
「そうよね、そんなの決められないよね」
翡翠の言葉を勝手に代弁する琥珀さん・・・。
「だから、私は志貴さんの左隣に寝るから翡翠ちゃんは右隣ね」
「「・・・何がですか」」
思わず翡翠と言葉がハモる。
「え・・・何がって一緒の布団で寝る場所のことですよ」
誰が一緒に寝るんですか。
「ずる〜い、私はそんな約束承諾してないわよ」
アルクェイドが文句をつけ・・・。
「あなと同意見というのは癪にさわりますが同意見です。私もそんな約束認めません」
シエル先輩が文句をつける。
これは・・・形成逆転のチャンスかも。
「そうだよ、初めはどの場所で寝るかだっただろ、一緒の布団なんかで寝るなんて認めては・・・」
「あは〜ならこうしましょう」
俺の意見を言い終える前に琥珀さんが次の提案をあげる。
「麻雀で2連勝した方が志貴さんと同じ布団で寝られるというのはどうでしょう。勿論1回目で勝った人は志貴さんの隣の布団で寝られる権利を持ちます。つまり2連勝とはその権利を賭けて次の権利を勝ち取るという感じで・・・どうでしょうか」
「さ〜んせ〜い」
アルクェイドがすぐに賛同し・・・。
「私も同じく賛成です、次は負けませんよ」
シエル先輩も賛成する。
「さぁ早く始めましょう」
秋葉に至っては、もう次の半荘の準備をしている。
もしかして秋葉がさっき冷静だったのはこうなることを予測してのことだったのだろうか。
そうなると、わざわざ話しを飛躍させてアルクェイドやシエル先輩が文句を言う状況を作ったのも解る。
しかし、俺にとってはどうでもいい。
・・・なんだか疲れて眠くなってきた。
時間ももう22時・・・・・・22時!?
これは、俺にとって何とも不利益しかもたらさない勝負を中断させる最後のチャンスかも。
「おい、秋葉・・・22時だぞ、22時」
「あら、もうそんな時間なんですか、早いですね」
「いや、そうじゃなくて22時になったら部屋に戻らないといけないんだろ」
「あら、兄さんは知らないんですね、遠野家の家訓第92条に『緊急時の場合就寝時間を遅らせる』というのがあるんです」
「・・・は?」
緊急時って全然そんな風に見えないんだが。
「ですから、大丈夫なんですよ。あっ、申し訳ありません、中断させてしまいました、再開しましょうか」
・・・はぁ、解った・・・本当に解ってしまった。
もう、俺が何を言っても無駄ということが。
もう寝よう、誰が勝とうがどうでもいい・・・。
願わくばあの勝負がずっと続けばいいと願いながら、人数分敷かれた布団の1つに入り眠りについた。
続く
息抜きのつもりで書いたSSを挟んだら、こんなにも続き書くのが遅くなってしました。というわけで今回は麻雀です。本当は熱い麻雀の闘牌なんかを書こうかなとも思ったのですが、そうなると話の筋道から大きくはずれてしまうので、各ヒロインの打ち方だけ書いておくことにしました。打ち筋のタイプは上手く性格にはまったかなと思っています♪♪ 私のタイプは多分、秋葉が一番近いかなって思っています。打ち筋というより振り込むと不機嫌になるあたりでしょうか♪♪ 次の局で鳴きまくって場を荒らしまくったりしますから♪♪ それにしても長かったですね、やっと志貴の授業に入ることが出来ます。終わりも間近でしょうか(わからないですけど)。ではまた次のお話で・・・。
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