忘レナ草 

 

 

大抵私のゲームは結構本能のままにかいてることが多いのですが(というかほとんど)、今回はちょっと真面目にゲームの考察をしてみようかなと・・・それは、テーマが“死”についてだからです。私のこのテーマだとかなり真面目にというか自分なりの持論みたいのを持っているので、これがテーマになっている場合は真面目に語ることが多いです。真面目な話しをする前にこのゲームを買ったいきさつだけ話しますと、Windとかなり迷いました。結果としてWindを先に買ったのですが、結局終わらしたのはこちらの方が先でしたね。それはまぁシナリオにのめり込んだからなのですが。さてユニゾンソフトさんのHPからストーリーをお借りすると

 

 

かつて両親の離婚により我が身を翻弄され、他人を頼ることをやめ、
誰をも遠ざけて一人きりで生きていくと決めた主人公、矢部正広はある日、
いつものように刹那的に徒党を組む集団と目的もない喧嘩をして、
大けがを負ってしまい、とある病院で入院生活を送ることになってしまう。

その病院にて、正広はある三人の少女との出会いを果たす。
一人は遙か昔に別れてそのまま連絡すら取り合っていなかった幼なじみ、朝比奈香澄。
昔三人でよく遊んだよね…… など話しながら、香澄は正広に昔通りに接しようとするが、
今の正広にそんな香澄の態度は鬱陶しいだけだった。
二人目は冷たい印象と儚さを持ち合わせた無口な少女、真柴沙耶。
三人目は、ギブスを足に着けたままでも元気に病院内を走り回っている
まるで少年の様に元気な少女、坂崎こより。

そんな三人に出会いながらも、正広は窮屈な病院を嫌がり、抜けだそうとするのだった。
しかし逃げだそうとしたその夜。
正広は月夜に浮かび上がる、黒い服に身を纏って大きな鎌をもつ、不思議な少女に
出会い、「死神」と名乗るその少女に、自分の死期を告げられるのだった

愕然とする正広に対し、その死神、エアリオは生き残る術を教える。
それは他人との交合 を通じて「生」を吸い取ると言うことだった。
選択の余地がない正広は、そのまま病院に残る事を決意した

 

 

ということなのですが多分ゲームをやられた方、このストーリーを読まれた方大半がこの主人公に良い印象を持ってないですよね。勿論私もです。この主人公は何を思い違いしてるんでしょうね、人間が生きていくために人と関わらずに生きていくことは不可能なんですよ。だから何かをするにあたって人と人とコミュニケーションというのは必要不可欠なんですよ。ゲームとはいえ、このような事を安易に考える人ははっきり言って好きにはなれませんよね。確かに親の離婚というのは子供には何の責任もないと私も思います、しかしそんなことで人間不信に陥るとは甘い証拠ですよ。とまぁ、この最悪の主人公は入院するわけですけど、ストーリーに書いてあるとおりいきなり“死ぬ”と宣告された主人公の助かる術はただ一つ、異性から「生」を分けてもらうのですがここで疑問が一つおこりますよね、他人に頼ることが嫌ならここで

 

 

 

 

死んでしまえばいいんですよ!!

 

 

そう思いませんか?自分のことを嫌い、他人を嫌い、誰も信じることが出来ないならばここで「死」という選択肢を選ぶべきだと私はおもいました。多分その目にみえてわかる「死」という恐怖にそんな甘えた感情は消え生き残る選択をする主人公です。

 

 

 

 

 

はぁ・・・どこまで甘いんだか

 

 

まぁここで死んでしまう選択肢を選ばれてしまってはゲームが進まないのでいいのですが・・・ストーリーの中で主人公の心境も変わってきますから・・・。

 

それで、この病院の中で出会うヒロイン達との会話を通じて変わって行くんですけど、この出会うヒロインそれぞれに心の枷を引きずっています。ではそれぞれのヒロインにスポットを当てていきましょうか(ここからは本当にかなりネタバレです)。

 

朝比奈香澄:主人公の幼なじみ。幼い頃に別れたきりだったが偶然にも病院で再会することになる。幼い頃から病弱だったが、芯は強く、明るい性格。

これに加えて香澄は生き物の死というものが見ることが出来ます。

ゲームの定番では幼なじみのヒロインは始めから主人公好き好きのことが多いのですが香澄も例外ではありませんね。主人公は最初は鬱陶しく思っていたのですが、一緒にいるうちに過去のことを思い出しつつ惹かれていきます。そして主人公告白するものの、あっけなく振られてしまいます。これはよくあるシナリオですけど、香澄には姉がいて幼少の頃は主人公と姉は相思相愛だった。でも、その姉は死んでしまい残った自分が主人公を愛することが出来ないという。しかも姉の死が見えたとき助けられたかもしれないという気持ちが更なる追いうちをかけています。でも死を見れたからって必ずしも助けられたとは限らないですよね。しかし、後悔というものは必ずあるものですよね、どうしても悪い方向に思考がいってしまうのは仕方のないことです。それを乗り越え二人は結ばれるのですけど、ここにきて香澄の病状悪化し今度は逆に主人公が助けようとします。最初は香澄を助けるためだといってるのですが生物の死が見えてしまう香澄には段々と主人公が衰弱していくのがわかります。それでも主人公は香澄を助けたいと強く願います。ここからが問題なのですがこのゲーム、残された人ということをかなり追求したゲームだと思います。この自分を犠牲にしても助けたいという気持ちと好きな人が死んでまで自分は助かりたくないという気持ちの両方がとてもよく表されています、このシナリオ。一番のトゥルーエンドですとここでエアリオが手を差し伸べてくれて二人とも生き残りハッピーエンドなのですが、こんな奇跡をかなえるにはそれ相応の犠牲もあり・・・それは二人は知らないので一応のハッピーエンドと言えるのかもしれませんね。

 

真柴沙耶:華奢な体にどこか冷めた瞳を持つ少女。あることをきっかけに、他人を信用できなくなってしまった。

このヒロインも主人公と同じくして人を信じられなくなっていますね、境遇はかなり主人公とは違いますけど。ちなみにこのヒロインこのゲームでは一番好きなヒロインでもあります。かわいいのは勿論なのですが、シナリオがこのヒロインの良さを最大限に引き出してると思います。それまで唯一心を開いていたのが友人の東堂真綾ですけど、この少女が沙耶を守りたい一心でいろいろと決めてしまう、それに沙耶は従うだけの人形だと思い始めてしまいます。そしてクライマックス香澄と同様に重い病の沙耶は近いうちに死んでしまうとエアリオから宣告されどうするか、即ち主人公が犠牲になり沙耶を助けるか、沙耶を助けず自らが死を選び主人公に生きてもらうか・・・沙耶自身が決めることに・・・ここまでは別になんら変わらないゲームかと思いました。しかし、沙耶の一言で一変感動のシナリオに・・・今まで自分で何も決めたことがない沙耶が自分で決めて出した決断に・・・かなり感動しました。

 

坂崎こより:小柄な身体に豊かな表情と溢れんばかりの元気を持つ、子供のような少女。主人公は遊び友達であり、優しいお兄ちゃんでもある。

このシナリオが一番のいい終わり方なのかなと時して思います。要するに誰も死なない・・・確かに死なないだけが良い終わり方ではないのはわかりますけど、それに付け加えてのシナリオも素晴らしいものがありますね、ことりシナリオは。重い病にかかっているわけではないのですが、心に深い傷を負っていることり。主人公以外の唯一の友達を失った彼女はその悲しみから逃れるために、全ての記憶を抹消しようとします。何とか覚えていてもらいたい主人公ですけどそれをすることによりことりが壊れてしまうとエアリオから告げられ・・・しかし、最後に思い出してもらいまた、記憶リセットされたことりとの再会を果たします。これは・・・現実にある現象なのではないでしょうか?よく言われる二重人格者などは現実にある悲しみから逃れるための自己防衛なのだと私は思っています。それがことりの場合が今までの全ての記憶をリセットすることだと思います。

 

エアリオ:幼い見た日からはかけ離れた落ち着きのある物語は、見るものに恐怖すら感じさせる。彼女に死を宣告された時、物語は始まる・・・・・・

このエアリオという死神の設定、「水夏」の名無しの少女と非常に設定が似ていると思いました。死神自体に命を左右する力はなく課された命を運ぶだけ・・・そして、死神になれるのはやさしい少女であるということ。そしてエアリオは香澄のお姉さんでもあります。もしかしたらこの病院にいるのも香澄のことを見守っていてくれたのかもしれませんね。香澄のシナリオを勧めていると出てくるエアリオルート。このエアリオエンドがゲーム「忘レナ草」のエンドみたいです。しかし、私はそうは思いませんでした。エアリオでこのゲームのエンドを作るなら香澄ルートの途中にしてはいけないのだと思います。それだと香澄の立場がないですし、それまでは香澄攻略で進めてるわけですから、設定がおかしくなってしまうと思います。

 

 

ここまで読んでくださった方々ありがとうございます。今回は本当にレビューが長くて、でもこれは私のテーマですからね。それでは元のレビューに戻しましょうか。・・・・・・

 

 

 

 

 

Windより先に買えば・・・

 

 

と思います。というかそれまでは何か買う気がせずユニゾンソフトさんは敬遠していたのですが、テーマがテーマだけに今回は買って・・・・・・

 

 

 

 

 

 

大後悔!!

 

 

忘レナ草がじゃないですよ。今までこのメーカーさんのゲームを買わなかったことにです。ちくしょう・・・

 

 

 

 

 

絶対買ってやるからな!!

 

 

まずは、

 

 

 

 

胸キュンはぁとふるから!!

 

 

キャラは↑にも書きましたが、

 

 

 

 

 

真柴沙耶!!

 

 

最初は香澄でした、勿論シナリオも香澄から進め期待通りの素晴らしさに終わり・・・後は適当に流すかなんて思っていた最悪な私・・・次に沙耶を攻略し、見事に

 

 

 

 

 

逆転ホームラン!!

 

 

この主人公馬鹿ですね、一時の気の迷いとはいえ真綾のところにいくなんて・・・というか許せないです。まぁこの展開は予想できていたことなのですが、

 

 

 

 

 

選択肢作れよな!!

 

 

何勝手に主人公承諾してるんですか、真綾と付き合うのに・・・っていうか、

 

 

 

 

 

拒否権なしかよ!!

 

 

お前がなぁ了承してる時に、こっちは、

 

 

 

 

 

やめろ〜!!

 

 

と叫んでいたのをお前は知らないだろう・・・何故か画面に向かって怒ってる私ですけど、何か??

沙耶が真綾以外に笑顔向けたと知ったときには、ウハウハというか・・・どう表現していいかわからないですよ。

 

 

総括はもう期待通りの一言!!キャラでは多少予想外のことがおこりましたが(勿論いい意味でですよ♪♪)、やって良かったですね。出来ればこういうゲームをやり続けたいものです。やっぱり2002年上半期は水月、うたわれるもの、D.C.〜ダ・カーポ〜、忘レナ草、Windと本当にいいものばかりでした。後は結い橋を残すのみ。これで上半期良いと言われたゲームは全て完了だと思います。幸運かどうかはわからないですけど下半期はどうやら期待できないみたいですからね(2002年11月11日現在)。ゆっくりと結い橋を買ってやりたいと思います。・・・何か上半期の総括みたいになってしまいましたが、たまにはね・・・。近々ビジュアルファンブックを買うつもりです。私がファンブックを買うと決めた時、それは

 

 

 

 

 

 

選ばれたゲーム!!

 

 

ということですから・・・滅多には買わないですからね。

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