零幕〜刹那〜



 笹峰村、雪名(刹那)はかつてこの村にしばらくの間、滞在したことがあった。自分のことを「お姉ちゃん」と慕ってくれる少女「静」のことを今でも忘れることはない・・・。ちょうど今から3年ほど昔のことになる・・・もともと、長居するつもりは無かったのだが、この村にとどまって、はや一月がすぎようとしていた。その理由は、雪名が泊まっている宿の娘「静」の存在であった。
 静は、年の頃は十三ぐらいで、小柄で可愛らしい女の子であった。 ただ、三年ほど前にかかった病気のために目が不自由であった。しかし、当の本人は、その事を負い目に感じさせず、明るく立ち振る舞っていた。母親と祖母の3人暮らしで、笹峰村では唯一といっていい小さな旅籠を営んでいた。静は雪名に三年前の流行病で亡くなった姉の姿を思い浮かべるのか非常に懐いており、静の母「キヨ」も雪名に「宿代は結構ですので、静のためにできるかぎり長くいてもらえませんか。」と頼むほどであった。キヨは戦で無くなった父親の代わりに一日中働いていて、静にかまってやれないことを気に病んでいた。



 静 > 「雪名さ〜ん。どこにいるの〜。」と静は杖をつきながら、家の外にでようとしています。

 雪名 > 丁度戻ってきた所で「あら、静。出てきて大丈夫なの?」小走りに駆け寄る。

> 静は雪名の声を聞くと・・・ほっと安心した表情になります。

 静 > 「もう、旅に出ちゃったのかと思って・・・」と少し涙ぐんでいます。
   「雪名さんはこの村にいつまでいてくれるの?」

 雪名 > そっと手を握って「大丈夫よ、もうしばらくはここにいるわ」
   「別に急ぐ旅でもないし、目的があるわけじゃないしね」

 静 > 「もうしばらくってことは・・・いつかは旅にでてしまうんだよね?」

 雪名 > 「ん、まあね。でも、今日明日ってわけでもないし、それに・・・」
   ぎゅっと後ろから抱きしめて「鈴がいるからね、当分はここにいるよ」(にこっ)

 静 > 「うん、ありがとう。わがままいってごめんなさい・・・」
  少し恥ずかしそうにしながら「あの・・・お姉ちゃんって呼んでも良い?」
   「お姉ちゃんが生きていたら、きっと雪名さんみたいな感じだったと思うの・・・。」


 雪名 > 「もちろん。私も妹ができて、うれしいよ。」
   「私は家族のことは、憶えてないから(くすっ)」ほんの少しだけ寂しげに微笑む。

  八重 > 合気一枚御進呈> 「私は家族のことは、憶えてないから(くすっ)」

 静 > 「じゃあ、わたしが雪名・・・お姉ちゃんの妹になってあげるね。」と、雪名の寂しい気持ちを吹き飛ばすように明るく話しかけます。静は目が不自由な分、他人の感情の流れには敏感なのでしょう。

  八重 > 義兄弟の契りに一枚進呈>静
   > それなんか任侠みたいな感じが・・・(汗)<義兄弟
   八重 > 三国志の方にしましょうよ...>義兄弟

 雪名 > 「(くすっ)ありがと。」そういってほんの少しだけ抱きしめた腕に力をこめる。

 > 静はその抱擁に、雪名の暖かさを肌に感じて穏やかな笑みを浮かべていました。

 雪名 > 「(この感じが家族って感じなのかな?)」 まるで失うことを恐れるように抱きしめた腕に力をこめる

 > では、マスターからはまとめて・・・一連の流れと、因縁に絡んだ「家族」のキーワードで合気2本。

 静 > その抱擁に答えるように、静もそっと雪名の背中に手を回して、「お姉ちゃん・・・」と呟きます。



 そして、しばらくの間、笹峰村で静と過ごしてから雪名は再び旅を続けることにした。もし、笹峰村の近くに寄ることがあったら、静の元に必ず顔を出すことを約束して、雪名は村を後にした。

 静 > 「お姉ちゃんのこと、絶対忘れないからね〜。みんな家族だと思ってるから、必ず、また、会いに来てね〜」

  という別れ際の静の声が今も雪名の心に深く刻み込まれていた。



 そして、それから3年・・・雪名は再び天峰国を訪れていた。

 雪名 > 「笹峰村・・・3年ぶりね。静は元気にしてるかしら?きれいな娘に、なってるだろうな。結婚とかもしてたりね(くすっ)」

 雪名は静との再会に思いを馳せながら3年前通った道を歩んでゆく。


 

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