零幕〜八重〜
八重は各地を放浪し、氷鏡(ひかがみ)と戦うための力を蓄えていた。無論、同じ場所に長くとどまれば、いずれその正体が知られることになるだろうし、妖狩りを生業とする者から逃れるためにも、そして八重を満足させるだけの獲物を得るためにも、いろんな土地を旅して回るのは都合が良かった。
ただ、新たに訪れたこの土地では・・・八重の舌を満足させる獲物には残念ながら出会うことはできなかった。
八重 > 「ここは.....だめね...」
「まだ、力が足りないわ...。もっと良い贄を...」
> そろそろ、この地を離れようか・・・そのような考えを八重が巡らせていると・・・茶屋で腰を下ろしている旅人の世間話が耳に入った。
旅人A > 「なんでも、ここから西の天峰国では、大きな戦があったそうだ」
八重 > 「(...いくさ?めずらしくもない)」
旅人B > 「そういや、天峰国のあたりでは、人を襲う妖がでたって噂も聞いたことがあるぜ」
旅人A > 「その話は俺も聞いたことがあるな。どちらにせよ、物騒なことだ。天峰国には向かわない方が良いだろう」
八重 > 「(氷鏡か?...)」
旅人B > 「ああ、でも。物好きなヤツラもいるぜ。この前、坊主だったかな・・・蜘蛛の妖怪について熱心に聞き込みまわったいたみたいだが、あの調子だと天峰国に向かったようだ」
八重 > 「(私の事じゃないようね。天峰国?やつはそこにいるのね。今は...)」
「(戦なら、妖に対しても手薄...坊主のことも気になる。そう、あいつの事も...)」
> そのような話を聞いた八重は天峰国を目指し、旅を続けた。
八重 > 「(天峰国か...しばらくは退屈せずに済みそうね)」かすかに微笑む
> 合気1つ。正規のギャラリーがいないと寂しいねぇ(涙)
八重 > さんきゅう。一応1名ほど居るはずなんですが...
そして、八重はこの町をでて西へと進み、天峰国の隣国である憐鐘国(れんしょうのくに)へとたどり着いた。戦が始まっているためか、町の中にも、傭兵であろうと思われる武器を持った流れ者の姿が目立っている。八重は、妖・・・特に蜘蛛の妖怪について捜していたという法師について聞いて回っていた。蜘蛛の妖怪が現れたという話については・・・なんら情報として役に立つものはなかったが・・・八重と同じく、蜘蛛の妖怪を捜している法師の姿を見たという話も聞くことができる。なんでも、2,3日前に天峰国へ向かったらしい。
八重 > ついでに、贄も...
> あと、「牙王丸」という、犬の大妖が天峰国に出現して暴れているらしいという話を聞く。
八重 > 「牙王丸」...初めて聞く名前?
> はじめて聞く名前です。<牙王丸
八重 > 聞き込みは、軽い魅了を使って、記憶に残らないように聞き出す...かまわない?
> 魅了はイメージ重視にしたいので、なにか魅了の方法というか、手段を決めて欲しいなぁ。ちなみにNPCの夕霧は、人を恍惚とさせる甘い香りと、その怪しく輝く金色の瞳で魅了します。
八重 > 当然、枕事と絡めて(笑)...誘う様なそぶりを見せて。吸い込まれるような赤い瞳で怪しく見つめて...
> 話を聞いて回っている八重に対して後ろからいきなり声をかけて、肩に手をかけてくる人影があります。
八重 > 「だれだ!」一瞬睨み付ける。
> 振り返ってみると、がっしりとした体躯の人相の悪い大男で、おそらく傭兵であろうと思われます。
男 > 「怖い顔しなさんなって。あんたの捜しているヤツに心当たりがあるぜ」
八重 > 「...あら失礼しました。それで?」
男 > 「俺の方はちょいとこれから用事があるんでな。それがすんでからなら話をしてやってもいい」
八重 > 「それはご親切に...。ところで、用事とは何ですか?」
男 > 「夜になりゃ、体が空くからよ。この道を先に行った”しぐれ屋”って店にいるから、興味があったら来てくれ(にやり)」
> と言って、男は去っていきます。 男が去る前に何か反応はあります?
八重 > 愛想笑い程度...心の中で、下衆めっと悪態は付きますが...
> では、夜になりますが・・・どうします?
八重 > しぐれ屋にまいります
> しぐれ屋はわりと小さい店で、中にはいると、先ほどの男が仲間と談笑しながら食事をしています。
八重 > 「昼間の件...お伺いできますか」
男 > 「おお、あんたか、まあ、こっちにでも座りな」と隣の席を空けます。
八重 > 「では...失礼します」席に座ります
男の仲間 > 「しかし、アニキの言ってたとおりに、こんなべっぴんさんが来るとは思ってもいなかったなぁ」
八重 > 「...どうも」愛想笑い
> 男とその仲間を含めると、人数は5人です。店の中には、他に客の姿はないですね。
八重 > 「...で、早速お話を聞かせて下さいませ」ところで、店員は?
> 店員は厨房の方に1人と、給仕するのが1人かな?
八重 > 「蜘蛛の妖の事かしら?それとも、そいつを追っている坊主の事かしら?」
男 > 「ああ、たしか妖の話だったな。まあ、そんなにせかさなくても良いだろう?」と言って、にんまりと笑う。
八重 > にんまりされてしまった...
男 > 「まあ、せっかくだから酌でもしてくれると嬉しいんだがな。あんたも一杯どうだい?」
八重 > 「頂きますわ」お酌します
> てな感じで、のらりくらりと本筋を外して会話したかったけど、時間の都合である程度、端折りましょう!(笑)
八重 > 了解>端折り
八重 > で、結局情報は得られたのでしょうか?
> というわけで、お酌をしたり、腰に手を回されたりしましたが・・・蜘蛛の妖怪に関しては、特に新しい情報はないです。
八重 > 腰に手を回された時は、殺すぞ!睨みます(笑)
> 酒が回っているので、睨み程度では気圧されないかも(笑)
八重 > 脅しじゃなくて、本当に殺すつもりで睨みますから...(笑)
> ただ、牙王丸について、情報が手に入りました。なんでも、天峰国で50年前に滅んだとある領主の飼い犬が変化したと噂されているそうです。
八重 > 暴れているだけ?人を襲ったりするの?
> 戦場から落ち延びた集団が皆殺しにされたということだそうです。それで、近くの村でも被害を恐れて、人身御供を捧げたという話も聞きます。
八重 > 最近の事ですか?
> 最近のことです。だいたい、得られた情報はこんなものですね。
八重 > 「(嫌なことを思い出させる)」>人身御供
> そして、話があらかたすんでその場を去ろうとする八重であったが・・・その腕を男がつかんだ。
八重 > 「その手をお放し...」
男 > 「まだ、夜は長いじゃないか?もう少し楽しんでいこうぜ?」といやらしく笑っています。
> ちなみに男はそこそこ腕が立ちそうです。周りの子分は普通かな?
八重 > 「そう...相手をして欲しいの...」
> 「相手を・・・」に合気1つ。
雪名 > こちらも「相手を・・・」に一本
男 > 「おや、話が分かるじゃないか・・・これは助かる。力づくってのは趣味じゃないんでね」
八重 > 「...でもね、お断りよ。泥豚!」殺気全開
> いつの間にか店員は姿を消しています。ゴタゴタに巻き込まれるのはいやなんでしょう。あるいは慣れっこなのかも。
八重 > こっちも慣れっこ(笑)>ごたごた
男 > 「しかたない・・・お前ら、逃がすなよ!」と男が声を上げると・・・周りを仲間が取り囲みます。
八重 > 子分達に魅了とかかけられるかな?
> え〜殺さないの?(笑)<魅了
八重 > 殺し合いをさせるの♪
> OKなり。では、そういう結末で・・・端折ります。
八重 > さすがに素手ではかなわないでしょうし...こんなところで正体さらしてもしょうがないし...
その時、しぐれ屋で何が起こったのかを知る者はいない・・・ただ、後にはあたりを真っ赤に染める血の跡と、仲間同士で殺し合った死体が残っているだけであった。
瓦版には次のようにある・・・偶然、その場を通りかかった子供が騒ぎに気付き、しぐれ屋の中の様子をを隠れて覗いてみたところ、虚ろな目で斬りつけあう男達の側で、怪しく微笑む紅い瞳の女の姿があった。その女の姿格好は、危うく難を逃れたしぐれ屋の店員の話によると、男達が連れ込んでいたという女と一致している。
この事件は、後に「しぐれ屋の怪」、「紅い瞳の鬼女」と呼ばれ、町の者を不安がらせたという。
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