「いい子ね…それでこそ私の下僕(ミーディアム)だわ…」
声が聞こえる。
この部屋には僕一人しかいないはずなのに、声が聞こえる。
部屋にあるものと言えばパソコンに数々の怪しげな通販グッズ。
そのガラクタもクーリングオフを利用して期限ギリギリで返してしまう。
そんな部屋に声が、気位の高さの中にわずかなあどけなさが残る声が響く。
目を覚ますと、そこには真紅のドレスに包まれたアンティークドールが佇んでいた。
「夢…じゃなかったのか…この人形…」
「人形じゃないわ。薔薇乙女(ローゼンメイデン)の第5ドール、真紅よ。一度で覚えられないなんて、つくづく人間というのは程度の低い生き物ね」
その身に纏ったドレスの色と同じ名を持つ少女人形は、そのドールアイに軽い侮蔑の色を浮かべながら呟いた。
「ところで何してるんだよ」
真紅はいつの間にやら僕のベッドに上がり、眠っていた僕のパジャマのズボンを引きずりおろしていた。
「決まっているでしょう。あなたは私の下僕であり、力の源なのだから。常に良い状態に保っておかなくてはならないのよ」
真紅の手は止まらない。
「こんなに生理状態が不安定では私の下僕は務まらないわ。私がその原因を取り除いてあげるんだから、感謝なさい」
抗議する間も無く、真紅の手は僕のトランクスの上からペニスを撫で始めた。その手はとても人形とは思えないほど柔らかく、熱かった。
細い指が布越しにペニスの輪郭をゆっくりとなぞってゆく。その動きはか細いが、体に電撃が走り始め、抵抗する気力もなくなり、判断力も無くなっていった。
「どう?気持ちいいでしょう。あなたは私の下僕。下僕の事くらい何だって分かるのよ」
感情など表せぬはずのドールアイに妖しげな光が灯る。
「もっと…して欲しい?して欲しかったら自分でお言いなさい」
その言葉と同時にまたゆっくりとした愛撫が始まり、僕の口からはうめき声が漏れた。
「さあ、言うのよ。『私の汚いペニスを、貴方の手と口で清めてください』と」
「そんな事、誰がッ…」
目の前が霞み、頭が白くなるのを感じながらも、抵抗をしてみる。
「言うのよ」
真紅の手に力がこもり、強い刺激が与えられる。それと同時に僕の声で、
「僕の……汚い…ペニスを、貴方の手と…口で…清めてください」
という台詞が聞こえた。
「そう…それでいいのよ」
それと同時に僕のトランクスは一気に引き下ろされ、ペニスが外気に触れ、ひやりとする。
その冷たさと入れ替わりに真紅の手の熱さが伝わり、ペニスがそれを悦ぶかのように屹立する。
「あら、ずいぶんと固くなったこと」
言いながらその手は幹をゆっくりとなぞり、片手でその頂点を撫で回す。頂点の割れ目からは粘性の液体が滲み出し、真紅の手を滑らせ、にちゃにちゃと卑猥な音を立てた。
「悦んでいるのね…ここはとても素直で可愛いわ」
真紅は軽く背伸びをし、小さな口でその液体を啜った。それに伴う振動と、割れ目を嘗め回す小さな舌の感触が強烈で、体が震える。
愛撫はなおも続く。真紅は片手で睾丸を刺激しつつ、全身を幹に這わせる。その名と同じ色のドレスの滑らかな感触が、手とはまた違った快感を生み出す。
「さあ、そろそろ最後よ」
そう言いながら真紅は靴を脱いでペニスに抱きつき、口でペニスの先端を、両手と胸で幹を、そして足で睾丸を刺激し始めた。
先端には痛いような、それでいて痺れるような、どこか甘酸っぱい刺激が。幹には柔らかく密着する刺激が。そして睾丸には手と同様の、あるいはそれ以上に熱く柔らかな刺激が。
3種類の異なる刺激がいちどきに送り込まれた。
「出しなさい」
「うっ…くあ…」
その快感は耐え難く、ペニスからは精液がほとばしり、真紅の顔を、髪を、ドレスを白く染めた。
「まあ…こんなに溜めて…」
彼女は精液を素早くふき取ると、いつもの強気な表情を崩さずに僕に告げた。
「私は薔薇乙女(ローゼンメイデン)の第5ドール。言ってしまえば人形よ。あなたは人形と性行為をしたの。もう元には戻れないわ」
沈黙。
「でも安心なさい。あなたは私の下僕でいる限り、私に力を供給する。そして私はあなたの中に溜まったものを処理してあげるわ。いいわね?」
「お願い…します」
もう戻れない…改めて僕は感じていた。