はがきとE-Mail
年末年始のご挨拶というと、年賀状がすぐ思い浮かびます。この年賀状という習慣、日本独自のものかというと、形は少し違いますが世界中にあるものです。欧米で最もポピュラーなものはクリスマス・カードです。年賀状ではありませんが、意味や用途を考えると同じものと言えると思います。あまり連絡を取れなくなってしまった友人知人に自分の近況を伝えたり、相手の近況を知ったりするのに季節の挨拶カードを利用することは、洋の東西を問わずに昔から行われてきたことなのです。
E-Mailでご挨拶と言うのは、ちょっと味気ないような気がしますが、海外の友人知人やネット上で知り合った方々への挨拶は、E-Mailの方が便利です。海外へカードを送っても、国によってはいつ配達されるかわかりませんし、ネット上で知り合った人の場合、普段の連絡はネット上で済んでしまっているので相手の住所を知らない場合が多く、教えて貰わなければなりません。一人二人なら良いですが、大勢になってくるとちょっと面倒です。
「E-Mailでは絵や写真が送れないじゃないか」と思われるかもしれませんが、実はそんなことはありません。E-Mailで絵や写真を送る場合、絵や写真をパソコンに取り込んで、ファイルにして送ります。具体的な方法は、お使いのE-Mailソフトによって違うのでここでは説明しませんが、基本的には「ファイル添付」と言う方法で行います。この方法でE-Mailと一緒に絵や写真を送れば、日本中はもとより、世界中にグリーティングカードを届けることが出来ます。デジタルカメラやスキャナが普及しつつある昨今の状況を考えると、そのうち「電子メールでご挨拶」と言うのが一般的なものになって来るのかもしれません。
まあ、そうは言っても季節の挨拶を葉書で貰う嬉しさは、E-Mailを貰うのとは全く違う感激がありますので、国内の友人知人には基本的には今まで通り郵便で送りたいものです。
ところで、季節の挨拶は、普段あまり会えない多くの友人知人にも出すものです。考えようによっては、これは自分のE-Mailアドレスを相手に伝え、E-Mailを使って今までの不義理を解消する千載一遇の大チャンスなのです。E-Mailを使ったコミュニケーションは、手紙や電話と比べて遥かに気軽なものです。お互いにほとんど負担を感じることなく、簡単に、しかも複数の人と頻繁にお互いの近況を連絡し会うことが出来ます。なかなか会えない友人との連絡に、これを使わない手はないと思うのですがいかがなものでしょう。葉書を書くときには必ず自分の住所を書くものですが、ついでに、電話番号と一緒に自分のE-Mailアドレスも載せておく事をお薦めします。こうしておけば、相手がE-Mailアドレスを持っている場合や、新たに取得した時に、相手からメールが届く事が期待できるからです。最近テレビや雑誌等でホームページのURLをPRする企業が増えていますが、個人でも積極的にE-Mailアドレスを友人知人にPRすることは良いことだと思います。
僕は3年ほど前から、季節の挨拶や年賀状に自分のE-Mailアドレスを載せていましたが、最近になって、思いも掛けない知人や、懐かしい友人からE-Mailが次々と舞い込むようになり、お互いの近況や他の友人の消息等を交換するようになりました。何年も会っていない友人と急に頻繁にE-Mailのやり取りをするようになって、何で今まで何年も連絡しなかったんだろう、と思うと同時に、E-Mailのコミュニケーション手段としての便利さと気軽さをつくづく実感しています。
「今年はもう年賀状出しちゃったよ〜」とおっしゃる方のために最後に一言。季節の挨拶は年賀状だけではありませんよ〜。これからだって「暑中見舞い」があるじゃないですか!いままで年賀状しか来なかったのに、夏にも季節の挨拶が来れば相手だって嬉しいはず。ましてやそこにE-Mailアドレスが書いてあったら…。返事はメールでも来ること請け合いです。電話番号も相手に知って貰って初めてかかってくるものです。E-Mailだって同じ事。手軽で気軽なE-Mailコミュニケーションのきっかけは、是非自分から仕掛けましょう。では、また。
※この文章は、1996年11月に某雑誌で発表したものに加筆訂正したものです。
25,May,1997 by Osamu Yamanaka