モバイル de 通勤?
今から6年ほど前、初めてパソコン(Macintosh)を買った。最初のうちは「高い買いものをしたんだから、元を取るまで使い倒してやろう」という、実にさもしい考えで、毎日結構無理矢理に使おうとしていたのだが、そのうちMacの楽しさにはまり、無理をするまでもなく毎日Macに向かうようになった。
しかし、何事でもやりすぎれば飽きが来るもので、最近は一応Macの電源を入れはするものの、用途は通信とE-Mail、WebBrowsingぐらいに限られ、Macに触っていて楽しいという感覚は、とうの昔に忘れ去り、なんだかんだで起動すらしない日も増えて来ていた。
ところが、ごく最近になって、またちょっと変化があり、毎日のようにMacに向かい、ごそごそと作業をするようになった。その変化というのは、日本語版PalmPilotすなわちIBM WorkPadを購入したことだ。IBM WorkPadは、パソコンとのデータ連携が売り物の知る人ぞ知るPDAだ。WorkPadと言うモバイル環境に思わずはまってしまったことで、その母艦としてMacintoshでこなすべき作業ができ、今は毎日のようにWorkPadのための作業をMacintoshで行なっている。
WorkPadでは、毎日通勤の電車の中で、その日の朝までに届いたメールを読んだり、Webサイトから落したニュースを読んだり、「Macintoshトラブルニュース」のような読み物系Webページを読んだりしている。Macで行なっている作業と言うのは、そんな情報をインターネットから拾って来て、WorkPadに転送する作業が主だ。せっかくパソコンがあるのに、何でわざわざそんなことをするのか?と言われそうだが、ノートパソコンは持ち歩くには重いし、稼働時間も短く、結構不便なのだ。知りたい情報の量と持てる時間のバランスを考えると、今のところ、軽くコンパクトなWorkPadを利用して通勤時間に読むのが一番効率が良い。また、その気になれば、WorkPadでちょっとしたテキストを作成することもできるので、パソコンのかわりとしても結構使えるのもありがたい。※
パソコンを補佐することを開発コンセプトとして設計されているはずのWorkPadが、すっかり主役を食ってしまった形だが、毎日とても重宝している。
「モバイル」と言う言葉が一般的になって久しいが、軽く持ち歩きの容易なPDAの、こういう使い方も良いのではないかと思っている。携帯電話でメールチェックだけがモバイルではないのだ。
※実際、このテキストは、WorkPad + GoType!の組み合わせで電車の中で作成している。
5th,June,1999 by Osamu Yamanaka