ちょっと真面目なコラム


■ ノートパソコンのある生活

 

 昨年2月にApple PowerBook G3 Series(233Mhz/14.1inch)を購入して以来、パソコンは基本的にノートパソコンしか使わなくなってしまった。PowerBook G3 Seriesは、知る人ぞ知る超弩級サイズの大きなノートパソコンで、いわゆるモバイルとは無縁の存在である。しかし、そういうものであっても、やはりデスクトップパソコンとはだいぶ趣は違っており、その使い方も自ずとこれまでとは変わってしまった。

 ノートパソコンの最大の利点は、場所を選ばず使えるということにつきる。デスクトップパソコンを使おうと思えば、人間がパソコンのある場所に移動しなければならないのだが、ノートパソコンなら、パソコンをひょいと持ち上げて人間のいる場所に持ってくることができる。例えば、テレビの前に構えたこたつの上にパソコンを持ってきて、カウチポテトがてらインターネットなどということも気楽にこなせてしまう。こたつでテレビを眺めながらパソコンをいじっていると、何となくパソコンと自分との距離が縮まったように感じられて、本当にこれが身近な存在に感じられるのだ。

 よけいなことかもしれないが、「最近パソコンを買ったのはいいが、どうも使う気になれない」あるいは「忙しくて触れない」という人は、手持ちのパソコンをノートPCに変えてみてはいかがだろうか。パソコンを自分の都合にあわせて移動できるというのは思いのほか楽なもので、なにも構えることなく自然にパソコンに向かうことができるようになると思うのだが。

 しかし、自由に持ち運べるノートパソコンにも実は重要な欠陥がある。それは、ケーブルの問題である。インターネットをするにも、周辺機器をつなぐにも、ケーブルを使わなければならない。せっかく場所を選ばないノートパソコンであっても、実際にはケーブルの呪縛からは逃れられない。場所を選ばないというのも、あくまでもケーブルの範囲に限っての話なのだ。

 最近は、ネットワークに関してはワイヤレスが注目されているので、近い将来ネットワークに関してはかなり自由になるのかもしれないが、それでも周辺機器を使うときにはケーブルが必要である。どうせなら周辺機器もワイヤレス化できればいいのにと思ってしまう。

 私は、外出時もパソコンを持ち歩いて、いつでもどこでも一日中パソコンを使いたいとは思わないのだが、部屋の中にいるときは可能な限り構えずにリラックスしてパソコンを使いたい。そのためには、やはり外部機器ワイヤレス化は是非実現してほしいものだ。

 現在私が最も頻繁に使っているのは、2台のノートパソコンである。1台は先述したApple社の巨大なPowerBook、もう一台はSonyのVAIO NoteにWindows2000 Profesional RC2をインストールしたA4ノートPCである。仕事の関係で、MacintoshとWindowsの両方のパソコンを使い分ける羽目になっているのだが、2台ともノートパソコンであるがために一つの机(こたつ)の上に両方を置き、自分は座る位置を変えることなく2台のパソコンをとっかえひっかえ交互に使うことができる。無精といえばその通りかもしれないが、これはとても便利だし、思いの外ストレスも少ない。もし2台ともデスクトップだったとしたら、2台のパソコンを並べてその前に陣取り、二つのモニタの間を自分が動きながら仕事をすることになっていたことだろう。それでは、やっぱり疲れるだろうし余計なストレスも多いに違いない。

 パソコンを家の中の好きな場所で勝手なスタイルで使うことは、これまで長い間デスクトップパソコンを中心をしてきた私にとって、改めてパソコンを身近な道具として見直すいい機会だったように思う。しかし、インターネット中毒気味の私がノートパソコンのらくちんさを手に入れたと言うことは、今まで以上にぐーたら度が増す恐れがあり、それだけが唯一の懸念ではあるのだが・・・。

30st,January,2000 by Osamu Yamanaka


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