第二回目は、洋楽編CD Rackからひとつまみです。第一回目のJ-Pop編では、比較的最近リリースされたアルバムばかりとなりましたが、昔から聞き続けている洋楽編では、古今東西取り混ぜてのセレクトになりました。
3rd,February,1998 by Osamu Yamanaka一発目は、去年からラジオで良く聴いていたのにアーティスト名がわからなかったバンドを、ついに突き止めて入手した新進バンド、CHAMBAWANBA!
1.「THUBTHUMPER」 CHAMBAWAMBA
最近の洋楽チャートはつまらない。そんな感じを抱いていたときに、彗星のようにあらわれた摩訶不思議なPOPバンド、それがCHAMBAWAMBAです。詳しいバンドのプロフィールは不明ながら、どうやらイギリスで火がついたのが昨年の世界大ブレークのきっかけになったようです。男女取り混ぜての8人編成というのも、最近のチャートものでは珍しいのではないでしょうか?
音楽性は、一言で言って良質のPOPです。それもただのPOPではなく、恐ろしく勢いのある曲を、恐ろしく勢いのある楽しい気分の演奏で聴かせてくれます。一見雑なようですが、実際は実に良く作り込まれていると思います。曲によっては、過去の名曲からの巧みな引用を散りばめたアレンジを聴かせるなど、なかなかの音楽マニアっぽさも洋楽ファンには楽しめます。
楽曲はどれもキャッチーで、ラジオ映えのしそうな曲ばかりなのですが、お勧めは大ヒットした1曲目「Thubthumping」、5曲目「The Good Ship Lifestyale」、7曲目「Outsider」などです。
二つ目は、昔懐かしいBruce Springsteenだっ!
2.「The River」 Bruce Springsteen
いまさらながら、Springsteenです。彼のいままでの全作品を通じてのベスト作だと思う、1980年発売の2枚組大作です。単純に販売枚数で言えば「Born In The USA」の方が何倍も売れていますし、良く知られていはると思いますが、内容的には「The River」こそがピークであったと思います。
Springsteenについては既に様々な音楽メディアで伝説的に語り尽くされていますが、Springsteenに入れ込んだ思い出のある人以外にとっては、そんなことはどうでも良いことであり、今聴いたときに楽しめるかどうかが最も重要なのではないかと思います。私が最近よく聴いているのは、この2枚組アルバムの1枚目の方です。
「The River」の1枚目は、時代背景や音楽の進歩などに関わりなく単純に楽しめる非常に良くできたRock & ROllアルバムです。曲の中で展開されるはつらつとした物語は、非常によく練られており、サウンドも勢いのあるRock & ROll Bandの音がします。18年も前の作品なのですが「時代を超える音楽」の実在を感じさせられる傑作だと思います。
ちなみに2枚目の方は、当時彼なりに新しい試みにチャレンジしたような感じの作品になっているのですが、こちらは流石にちょっと古さを感じさせられます。
お奨めは1枚丸ごとと言いたいところですが、強いてあげれば、2曲目「Sherry Darling」、5曲目「Independence Day」、6曲目シングルヒット曲の「Hungry Heart」、11曲目「The River」などです。
3つ目は、復活した80'sの申し子、Daryl Hall John Oatesでい!
3.「Marigold Sky」 Daryl Hall Joan Oates
1980年代を通じて大活躍した男性二人組の久々のコンビ復活作は、都会の夜がよく似合う、大人のWhite Soulアルバムです。80年代中盤に盛んに行っていた時代との調和や、時代の半歩先を行くような実験的な色合いは影を潜め、長いキャリアに応じた余裕の作品に仕上がっています。
このアルバムは主にクルマの中で聴くことが多いのですが、人工の光に照らし出された都会の夜の道を走る時に、最高にマッチします。シチュエーションを選ぶかわりに、はまればビシッと決まる、そんなタイプの音楽です。日本も含め、世界的に見ても80年代の彼らのようにはブレイクしなかったと思いますが、音楽がシチュエーションを選んでしまうこともその原因の一つかもしれません。
曲の完成度は流石の一言、音楽的な実力は最近の人気バンドにも全く負けていません。
1曲目「Romeo is Bleeding」のイントロから、彼らの世界に引きずり込まれます。
最後は、これまた古いなぁ・・・Xanadu!
4.「Xanadu」 Soundtrack
「Xanadu」は、1980年に大ヒットしたSoundtrackアルバム。アルバムの方は、全米チャート1位を、あの「The Wall」(Pink Floyd)と争う程の大ヒットを記録したのですが、肝心の映画の方は「そんな映画あったっけ?」と言うほどずっこけた、曰く付きの作品でもあります。音楽は、当時絶好調だったElectric Light Orchrstraと、映画の主演でもあったOlivia Newton-Johnが担当し、CDでは一続きになってしまっていますがアナログLPでは、通常のA面が「ELO Side」、B面が「ONJ Side」に分かれて、それぞれの演奏が収められていました。旧「ELO Side」には、E.L.O.とOliviaが競演したタイトル曲「Xanadu」も収録されています。
Bruce Springsteenのところでも書きましたが、昔の音楽を感傷的にならずに聴くには、今聴いて楽しめるかどうかと言う基準で聴くことが必要だと思います。そういう基準で聴いても十分に楽しめる曲こそが名曲であり、名盤であるのだと思います。ここで紹介した「Xanadu」は、非常に優れたPopアルバムであり、その極めて個性的なサウンドは決して色あせることのない、名盤だと思います。
お奨めは、1曲目「I'm Alive」、4曲目「All Over The World」、5曲目「Xanadu」、6曲目「Magic」、8曲目「Dancin'」あたりです。