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 本当に気が向いたときにしか更新しない、気ままな音楽紹介のページの4ヶ月ぶりの更新です。今月は、新旧取り混ぜて、最近のFavoriteを3枚!


「やっぱ、こうじゃなきゃ!」November 1999

 

NiNa1.「NiNa」   NiNa

 

 私の今一番の注目株、NiNa です。デビュー・シングル「Happy Tomorrow」を初めて聴いたときからチェックしていたのですが、アルバムを聴いて改めてこのバンド(ユニット?)の魅力を再確認しました。プロデューサーにして多分このグループの仕掛け人であろう佐久間正英氏の音楽的な魅力もさることながら、ジュディ&マリーのYukiとB52'sのKateの、英語と日本語がごっちゃになったツインボーカルが最大の魅力です。何よりも、Pop Musicを、きちんと魅力的な音楽として成立させ、かつ古くささの微塵も感じさせないスリリングな展開を聴かせてくれるのが嬉しい限りです。

 最近、R&B系と称される音楽が巷に溢れていますが、それに今ひとつなじめない人には最高のアルバムではないかと思います。サンプリング系の音楽に飽きた人には、大推薦です!

 ちょっとマニアックな話になりますが、元JAPANのMick Karnがベースで全面的に参加しているのですが、相変わらずのフレットレス・ベースっぽい低音をウニョウニョ鳴らしてくれているのが、何ともはや、佐久間氏の音楽的出自を感じさせてくれます。このベース、好きか嫌いかは別にして、やっぱり超個性的です。

 閑話休題、このバンドの英語日本語をごった煮した歌詞と言い、ワールドクラスのサウンドスケールと言い、違和感無く肩肘張ることもなく、自然に世界に通じる音楽が突然降って沸いてきたように感じます。イギリスとか、ヨーロッパ各国あたりで発売したら、結構良い線行けるんじゃないでしょうか??

 

YMO GO HOME2.「YMO GO HOME」   YMO

 

 正直のところ、懐かしさだけで買ってしまったアルバムなのですが、ハマってしまいました。私は、リアルタイムでYMOが活躍していた時代を知っています(中学生だった)。しかし当時は、YMOを聴いたことは、ほとんどありませんでした。根っからの洋楽党であった私には、何となく彼らの「コンピューターミュージック」「テクノ」に違和感があり、特に面白いとも格好いいとも思わず、そのままやり過ごしていました。後期の「BGM」だとか「Technodelic」あたりを聴いたときは、「おっ!」と思ったのですが、その後の「浮気な僕ら」で、また興味を無くしました。それから幾年月、YMOのことはすっかり忘れていたのですが、先述の通りちょっとした出来心からこのアルバムを聴いてみたら、すっかり「好き」になってしまいました。

 彼らの音楽は、やっぱり今でも「テクノ」「コンピューターミュージック」と言われていますが、実際の音を聞くと、最近のサンプリング中心のダンス系などと比べれば、はるかに肉体的かつアナログ的です。まぁ、当時の技術的な問題もあったのでしょうけど、コンピュータやシンセサイザーの技術が未熟な分だけ、アーティストとしてのYMOの音楽がより的確に表出されていて、ミュージシャンがしっかりが音楽しているのが感じられます。私が惹かれた理由は、単純に音楽の良さです。サンプリング系のダンスミュージックからはあまり感じられない「音楽」がしっかりと存在しているところが素晴らしいというか、流石です。

 20年近くも前の日本の音楽を、これだけ新鮮に今聴けること自体驚きです。なんとなく興味本位で聴いてみても、楽しめること請け合いです。かつて世界クラスの音楽を作り出したこの日本のバンドは、つくづく本物だったのだなと思います。

 

Guilty3.「Guilty」   Barbra Streisand

 

 このアルバムは、かつて洋楽党だった私が、それこそ中学生の頃から気になっていた往年の大ヒット・アルバムです。しかし、アーティストがショー・ビズの権化のようなバーブラ・ストライザンド、プロデューサーがこれまた商業音楽の巨匠バリー・ギブ(Bee Gees)となると、なかなか買って聴く気にはなれず、今に至るまでアルバム1枚を通して聴いたことはありませんでした。

 それが、これまたちょっとした気まぐれで、とうとう買ってしまいました。クレジットを見ると発売は1980年ですから、制作されてから既に20年を経過していることになります。ジャケットの写真を見ると、抱き合っているバーブラもバリーも意味もなく濃い口で、20年の月日をしっかり感じさせられます。

 しかし、音を聴いてみると、音楽はどこまでもみずみずしく、時代を感じさせない王道AORものに仕上がっていて古さは全然感じません。CDをプレイヤーにセットした瞬間から、なめらかかつオリジナリティのあるメロディ、厚めの豪華なサウンド、バーブラ・ストライザンドの「うまい!」としか言いようのないボーカルとが相まって、心地よい極上の音楽を奏でてくれます。

 「ヒーリング」と言う言葉が世間で盛んに言われるようになってからどれくらい経つのかわかりませんが、これ以上リラクゼーションのための音楽として適するものはないような気がします。リラックスして、体を休めたい夜のBGMに最高です。

11th,November,1999(平成11年11月11日) by Osamu Yamanaka


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