これは便利！〜世界をつなぐCDDB〜
遅れている、と言われてしまいそうだが、最近便利なものを知った。Music Columnsのページを見ていただければおわかりになるのではないかと思うのだが、私は洋楽系の音楽が好きだ。それも、最新ヒットチャートものよりも、古めのロックやポップスが一番好きなのだ。よくそういうCDを輸入CDショップなどで買い漁っている。
CDは、基本的にはオーディオ（ささやかなものだが）で聴いたり、車の中で聴くことが多いのだが、ちょっと仕事が忙しくなってくるとパソコンのCD-ROMドライブを利用して聴くことが増えてくる。そのために、デスクトップマシンには外付けスピーカーを接続しているし、ノートＰＣのそばにはヘッドフォンを常に置いている。パソコンでCDを聴くときは、ソフトウェアのCD Playerを利用することになるのだが、大概のCD Playerには、アルバムのタイトルや曲名リストを登録できる機能が付いている。この機能を利用すれば、一度タイトルや曲名を打ち込んでしまえば、次回からは、そのCDをかけるたびに、タイトルと曲名が表示されるのだ。
しかし「一度タイトルや曲名を打ち込んでしまえば」と言うのがくせ者で、逆に言えばデータを自分で打ち込まなければ、タイトルも曲名も表示されないわけだ。CDのタイトルや曲名ぐらい打ち込めばいいじゃないか、と言う声が聞こえてきそうだが、私にはこの作業が面倒で面倒で仕方がない。ずっと以前、フリーのデータベースソフトを入手したので、自分の所有するCDのデータベースを作ろうと思い立ち、実際に作り始めたことがあった。最初はタイトル、アーティスト、収録曲、発表年など結構詳細に入力していたのが、そのうちに面倒になって曲名までは入力しなくなり、ついにはデータベースの作成そのものを諦めてしまった。曲名を入力するというのは、それぐらい面倒くさいのである。
最近知った便利なものというのは、CDDBと言うインターネット上のパブリックサーバー上に構築された音楽CDデータ専門のデータベースのことだ。これは、インターネットに接続しているパソコンユーザーであれば、基本的に誰でも無料で利用できる。CDDBのデータは、世界中のユーザーがデータをアップロードすることで日々更新されており、出たばかりの新譜から、相当古いレアなものまで、およそ何でも検索できるのだ（注：今のところ洋楽に限られている）。
更に、専用のクライアントソフト（多くの場合、CDDBにアクセスする機能を持ったCD Playerである）を利用すれば、インターネット経由で今聴いているCDのタイトルやアーティスト名、曲名リストまで、そのソフトに取り込む形でデータを無料でダウンロードすることもできるのだ。大概のクライアントソフトは、一度ダウンロードしたデータを自分のマシンのＨＤに蓄積して記憶しておくことができるから、次回からはインターネットに繋がなくてもCDを入れればそのデータを表示してくれるようになる。
これは非常に便利でありがたいソフトだ。今まで自分のCD Playerが表示するタイトル欄や曲名欄は、「Untitled」か「Audio CD」と言う何とも味気ない表示が当たり前だったのだが、CDDB及びそこにアクセスできる機能を持ったCD Playerを入手して以来、ちゃんとタイトル名や曲名がソフトのウィンドウに表示されるようになった。
CDDBと言う、実にUsefulな仕組みを作り上げた人々、パブリックサーバーを提供している人々、クライアントソフトウェアを開発している人々、更に日々データをアップロードしている世界中のCDDBユーザー達にも、感謝したい。
CDDBは、その道のプロから見ればインターネットの使い方として、あまり高尚な使い方ではないのかもしれない。しかし、CDDBがかいま見せてくれるインターネットの姿は、我々一般ユーザーに対して、とてもわかりやすい形で、インターネットとはWebブラウズやメールやFTPだけではなく、こういう事だってできるのだと言う大きな可能性を示すとともに、そのデータを世界中の人々と共有することを通じて、インターネットが、まさしく世界を一つにつなぐネットワークであることを実感させてくれる。
データを世界中の人々と共有することが、こんなに簡単にできる・・・考えただけでもわくわくするではないか！
22nd,March,1999 by Osamu Yamanaka