会社の仕事で使うならWindows NT、ゲームマシンに使うならWindows98、そしてその二つ以外の用途に個人でパソコンを所有して使おうというのなら、Personal Computer For The Rest Of UsことMacintoshが私のおすすめです。
パソコンは、専門家やマニアでないとわからない部分が実に多い機械です。普通に使おうとしても、どうして良いのかわからないことが多々あります。これだけパソコンが普及し、それに関する技術が進歩しても、専門知識がないと限られた使い方しかできないことが多いのです。それ故に、せっかくパソコンを持っていても、「パソコンって、こんなものか」と思ってしまっている人がなんと多いことでしょう。
同じ「パソコン」と言う枠の中で語られてしまう事が多いIBM互換機(多くの場合Windows互換マシン）とMacintoshですが、実は開発のベースになっている考え方が全く異なった機械である事をご存じでしょうか。今では機能的にも見た目にも、ほとんど同じような印象のあるIBM互換機とMacintoshですが、IBM互換機は、そもそもがBusiness Machineとして開発された機械であり、組織の中で仕事をするために開発された機械です。一方Macintoshは、仕事に使うにしても個人が自分の力をパワーアップするために使うツールとして、文房具を目指して開発された機械なのです。
Business Machineなら、会社の仕事で使わせるために、機械を管理する役割の人が使いやすいように作れば良いわけで、個人の使い勝手は二の次でいいのです。また多くの機械を管理するためには、専門知識のない人が勝手にいじれない仕様の方が好都合です。
しかし、自分のためのツールとして考えた場合、専門知識がなければいじれないのでは限定した使い方しかできず、不便で仕方がありません。誰もがある程度いじれなければ、個人のツールとしては不適格だといえるのです。
Macintoshは、Computerを自分のパワーアップのために、組織ではなく個人が使えるものにしようと考えて創作された機械です。つまり、専門知識がなくても、もてる力の80%ぐらいは、誰でも引き出せるような機械を目指して開発された機械なのです。そして、その開発思想を象徴する言葉として採用されたキャッチフレーズが、「For The Rest Of US」と言うフレーズです。私は、Appleが言うところの「Rest（取り残された）」に属する機械が苦手な文系人間です。だからこそ、こうして使い続けられるMacintoshと言うマシンがあって良かったと思っています。もしMacOSが存在していなかったら、今でもパソコンを苦手としていたと思いますし、たぶん自宅にパソコンを買うこともなかったでしょう。現在私は、仕事ではIBM互換機とWindowsNT4.0やWindows98を組み合わせたパソコンも使用しています。しかし、個人で所有するマシンは、Macintoshです。
これまでも、これからも、個人のパワーを増強することを基本に使い勝手を考えられているコンピュータが他に現れない限り、私は自分の文房具としてMacintoshを使い続けていくことでしょう。私が、何故パソコンを使うのか？と問われれば、文房具のように使いこなせるコンピュータにもっとも近い存在のMacintoshがあったから、と答えるでしょう。だから、私はMacintoshを使っています。
昨年８月に発売になり、この１月に大幅グレードアップ＆カラーバリエーションを増やしたiMacが狙っているのは、ちょっと大げさな言い方になるかもしれませんが、インターネットを初めとする様々なネットワークの中で個人の存在をパワーアップすることのように思います。つまり、Apple Computerが昔掲げたMacintoshの思想は、ビジネス化し、またネットワーク端末化していくパーソナル・コンピュータの存在意義のなかでも、今持って脈々と生き続けているのです。
もし、まだ自分のパソコンを持っていなくて、これからなにを買おうかな、と検討している人がこのページを見ていたら、私はMacintoshを検討することをおすすめします。世の中、パソコンという製品はいくらでも売っていますが、本当に「Personal」な「Computer」は、幸か不幸かMacintoshしかないのです。
個人で使う道具としてのコンピュータを、あなたも手に入れて、使って見ませんか？
23rd,January,1999 by
Osamu Yamanaka