会計学基礎論・過去問(教官・実施年月日は不明)
1.次の文は、正しいものと誤っているものがあり、誤っているものは漢字2文字を別の漢字2文字に置き換えれば正しい文になる。正しい文には○印をつけなさい。また誤っているものについては、どの2文字をどのように訂正すれば正しい文になるかを、次の例に従って示しなさい。(17点)(例題)多くの企業の貸借対照表は固定性配列法で作成されている。
(解答の記入方法) 固定−−>流動
2.下に示したA〜Hは、複式簿記における一巡の手続をバラバラに列挙したものである。文中の空欄(オ)〜(コ)に正しい言葉を記入するとともに、A〜Hが正しい順序になるように、次の空欄(ア)〜(エ)に各文の記号A, B, C_を記入しなさい。(10点)
正しい順序 E--->(ア)--->(イ)---> F --->(ウ)--->(エ)---> H ---> C
A 収益と費用の各勘定の残高を(オ)勘定に振り替える。
B 期中取引を、相互に対立する2つの経済的価値の流れとして分析し、(カ)に
記入した上で(キ)へ転記する。
C 資産・負債・資本の各勘定の残高を残高勘定に振り返る。
D 決算整理仕訳を行う。
E 期首の貸借対照表に基づき、開始仕訳を行う。
F 総勘定元帳の各勘定の残高を集めて合計(ク)を作成し、転記の正確性を確
かめる。
G 未払費用や前受収益のような(ケ)勘定項目があれば、再振替仕訳を行う。
H 損益勘定の残高は純利益を意味し、これは資本主に帰属するから、その残高を
(コ)勘定に振り替える。
3.次の文章は期間損益計算の原理について述べたものである。文中の空欄に適切な用語を記入しなさい。(12点)
現金主義会計のもとでは、(ア)から(イ)を控除して利益が計算されるのに対し、現在、広く行われている(ウ)主義会計では、各期間の企業の利益は、その期間の(エ)の金額から(オ)の金額を控除することによって算定される。
(エ)は、(ア)の時点とは無関係に、それが(カ)した時点で計上する。ここに(カ)とは、財貨・用役が外部へ引き渡され、反対給付として対価が成立することをいい、通常それは(キ)の時点である。他方、(オ)もまた(イ)の時点とは無関係に、財貨・用役が費消された時点で計上する。
したがって支出と費消が同じ会計期間で生じる場合は、その(イ)額がその期間の(オ)の金額となるが、支出が費消より前の期間で生じた場合は、その支出額がいったん(ク)として認識され、そのうち費消された部分だけが(オ)となる。
商品売買に関する(ケ)や、建物・機械の(コ)は、そのような費用の典型的な例である。逆に、費消が支出より前の期間で生じる場合には、費消の時点で(オ)が計上されるとともに、将来の支出額が(サ)として認識される。
たとえば、多くの企業の貸借対照表には、将来において従業員に支払う退職給与の支出に備えて、退職給与(シ)が計上されている。
4.下の文章は、ある企業の1985年と1986年の損益計算書の一部に基づき、「営業利益がゼロになってしまうような売上高はいくらか」という問題に答えるための手順を示したものである。文中の空欄(ア)〜(コ)に適切な用語または数字を記入して、文章を完成しなさい。(13点)
費用の中には、売上高が変動しても一定額として発生するものと、売上高の変動に伴って比例的に増減するものがある。前者のような費用を(ア)、後者を(イ)といい、以下では前者をAで表し、後者を売上高で割った比率をBで表すことにする。さらに、費用の合計をYで、また売上高をXで表せば、費用Yは、[Y = A + BX]と表現することができる。
いま、左に示した企業の費用の構造に変化がないものと仮定して、1985年と1986年の費用を、Y = A + BXの式で表せば次のようになる。
1985年 (ウ)= A+(エ)B 1986年 (オ)= A+(カ)B
この連立方程式を解けば、A=(キ)、B=(ク)という解が得られる。営業利益がゼロになるのは、売上高Xが費用Yと等しくなる場合であるから、その時の売上高Xを求めるには、次の方程式を解けば良い。 X =(キ)+(ク)X
したがって、営業利益がゼロになってしまうような売上高は、X =(ケ)である。この分析方法を(コ)分析という。
5.次に示すある商店の当期(19XX年1月1日〜同年12月31日)の期末の決算整理事項を読み、下の精算表の空欄(ア)〜(コ)に当てはまる勘定科目または金額を記入しなさい。(19点)
決算整理事項 (1)期末商品棚卸高は\100である。
(2)売掛金の期末残高に対し5%の貸倒れを見積もる。
(3)備品の減価償却を行う。残存価額は取得原価の10%、耐用年数は9 年 とし、定額法による。
(4)家賃の未払分が\6ある。 (5)保険料の前払分が\6ある。
精算表(単位:円)
6.次に示すのは、ある企業の当期(昭和61年4月1日〜昭和62年3月31日)の損益計算書と、当期末の貸借対照表である。これらの財務諸表の空欄(ア)〜(キ)に当てはまる適切な用語を記入するとともに、下の文(1)〜(8)の空欄(ク)〜(ツ)に正しい数字を記入しなさい。(29点)
(1) 当座資産は(ク)億円である。
(2) 運転資本は(ケ)億円である。
(3) 流動比率は(コ)%である。
(4) 負債比率は(サ)% である。
(5) 自己資本比率は(シ)%である。
(6) 利益として当期純利益を用いると、総資本利益が(ス)% =売上高純利益率(セ)%×総資本回転率(ソ)回となる。
(7) 受取手形と売掛金を売上債権というが、売上債権回転率は(タ)回であるから、売上債権回転期間は(チ)日である。
(8) わが国の商法によれば、この企業が次の株主総会で決定できる配当の上限は(ツ)億円である。