―――追憶


夢のように。


この時を、待っている。


そんな自分がいた。


まるで、風のように。


僕の目の前に、妖精のような人がいた。


僕は、その男か、女か、子供か、大人か・・・


よくはわからないけど、その人を待っていた。


さぁ、僕に教えてくれ。


君に纏わるすべてを―――






























人は・・・

嬉しいこと。

悲しいこと。

楽しいこと。

うとわしく、嘆かわしく、忘れたいこと

決して色褪せぬ、永遠に心に留め置きたいこと

―――全てを。

――――想い出という名の。

引き出しへとしまっていく。

―――でも、こんなことはないだろうか?

ふと、あのことを想い出し、郷愁に駆られ・・・

ふと、懐かしい記憶に、顔綻ばせ。

或いは、ふと、後悔に身を浸す。

想い出という名の美酒に酔い、想い出という名の毒に苦しむ。

―――そんなことはないだろうか?



ここに、一人の化生がいる。

名は・・・

名は・・・・・・

名は・・・・・・・・・

すまない。

どうにも失念してしまったようだ。

しかし、想い出すこともあるだろう。

なぜなら、この子は「想い出お化け」。

想い出という、時に残酷で、時に優しい、そんなものを司るモノなのだから。

さぁ、「私」と「この子」。

二人の想い出を語ろう。

そして、多くの人々の想い出を語ろう。

その中で、貴方が郷愁に駆られれば、幸いである。

その中で、自らの後悔を見るならば、不幸かもしれない。

さぁ、この「モノガタリ」を始めよう・・・

「想い出お化けの想い出」を。

















あとがき

短いDeath。

まだ、まだ、序章。

これから、書いていくと思います。

ちなみに、「私」は拙者ではないので、悪しからず(笑

これは、童話風の話で進めたいモノです。

でも、ここだけは。

童話ではないです。

「夢追い人の吹きだまり」の管理人、最礼恩殿の了解を得ているのですが。

この物語を作成するに当たって、「風の中に生を享けて」という歌を根底のイメージとしています。

―――この物語を、最礼恩殿と・・・

――――今は亡き、ある人物へ。

捧げるつもりで、書いていきます。

では、また―――

シュワッチュ!!