8月某日 与那国島

・・・ザ・・・ザン・・・

波打ち寄せる水際・・・

穏やかな海・・・

先日、この周辺を襲った台風の面影を残すも、台風一過・・・

ぎらぎらと、夏の太陽が照らしていた。

「ザ・・・ザ・・・先日、沖縄を襲った・・・ザザ・・・16号は・・・」

波打ち際には、その台風で打ち上げられた、あるいは飛ばされてきたガラクタがうずたかく積まれていた

「まったく・・・いつまでたっても、海のごみはへらねえなぁ・・・」

「そうだな・・・」

二人の漁師が、そう言いながら、ガラクタの中の再利用品を見繕っていた。

そのときだった。

「何じゃ・・・ありゃあ・・・」

片方の漁師が、波打ち際に、奇妙な物体を見つけた。

無数のダイヤルのついた、金属質の光沢を持つその物体は・‥

あれだけ、ゴミ拾いしまくった海岸に・・・突如として現れた。

「何だ・・・これ・・・?」

彼は、その物体に近づき・・・そして、触ってみた。

・・・すると・・・

っきゅういいいいいい・・・・

その物体は、まるで命を与えられたかのように、動き出した・・・



スーパーヒーロー作戦SPIRITS
第五話「謎の新英雄」


私立城南大学付属空雪高校 校庭隅の大きな木の脇

蒼天の中・・・

悠子と榊、観奈美、そして、咲耶と秋子は、5人で昼食を囲んでいた。

その場には、観奈美の持ってきた重箱(たぶん三人分以上・・・を越えている。おそらく、十数年後・・・美坂妹が出してくるものに匹敵)・・・秋子の弁当(二人分)、それから咲耶の弁当(おかずだけ二人分・・・量多し)・・・それから、悠子の弁当(一人分・・・のはず)が広げられていた。

・・・そう、この日はなぜか、秋子・観奈美・咲耶が同時に、榊用の弁当作ってくるという事態が起こっていた。

・・・とても普通なら食いきれない量だろうが・・・悠子と榊は順調にその量を減らしていた。

・・・はっきり言って人間業ではない。

それほどに量が多かった。

特に、一人分のはずの悠子の弁当と、観奈美の持ってきた重箱は。

(・・・おそらく観奈美は、悠子の分もとって持ってきたのだろう・・・)

といっても、悠子と榊は・・・厳密には人間ではないのだが。

だからだろうか・・・ものすごい食欲であった。

弁当の中身が、ほぼ3分の一ほどになったころ、榊ははたと気づいた。

「・・・なぜだ・・・?」

榊は、怪訝そうに眉をひそめる。

「どったの?」

悠子は、そんな彼に声をかけた。

「いや・・・なんと言うかな、この空間は・・・いやに女性率が高くないか?」

「・・・オウ、そういえばそうだ。」

「でも、大勢で食べたほうが楽しいですよ〜」

「・・・お嫌いですか?陣内さん。」

そんな、ほかの男子から見れば・・・不遜、傲慢、あるいは無自覚ととられかねないせりふを吐いた榊に、秋子を除く三人は、それぞれそう答えた。

「大体さ・・・榊は贅沢だと思うんだけど。」

「・・・そうか?」

「そりゃそうだよ・・・美人三人に、お弁当作ってもらえるなんて・・・学校どころか、ここら辺に多分いないよ?・・・日本中でもいないかもね。」

悠子が、自分の弁当のいなり寿司を口に運びながら、そう言う。

「美人だなんて・・・」

「そんなつもりはないのですが・・・」

「いやですよ〜悠子ちゃん〜〜〜」

口々に、そんな事言う三人に、悠子は、

「こっちはこっちで、無自覚なんだね・・・」

と、少し苦笑を含んだ口調で言った。

「それより・・・悠子ちゃんこそ、無自覚だと思うけど・・・」

と、秋子が言う。

「何で?」

「・・・だって・・・そのお弁当の中身。普通じゃ出来ないわよ?」

にっこりと笑ってそう言う彼女。

「え〜・・・お寿司・・・普通じゃないの?」

「そうじゃないです・・・握り寿司を入れる人は少ないんじゃないか、と。」

不満を漏らす悠子に、咲耶はそう言った。

「でもさぁ・・・たかが、イカとサーモンといなり寿司と、玉子に赤貝・・・後アナゴだよ?少し苦労すれば、出来るんじゃぁ・・・?」

「出来ねえよ。そんなにきっちりと握れるのは、本職の寿司屋だけじゃねえのか?・・・しかも、今の時間ぐらいに一番うまくなるように味付けされてやがるし。」

今度は榊がそう言う・・・箸には、悠子の弁当に入っていたキュウリの糠漬けが挟まれていた。

「それに・・・その糠漬け、一口いただきましたが・・・とても、普通の家庭では出来ないほどよく漬かってます。・・・どこかで修行したんですか?」

「エー・・・出来ないの?みんな・・・」

『出来ない』

咲耶の突っ込みに答えた悠子に、みんなはそう言った。

「むぅ〜〜、でも、悠子・・・漬物とお寿司・・・ほかには、うどんくらいしか作れないんだよ?後は・・・玉子焼き・・・くらいは出来るけど。」

「・・・それ、偏りすぎだろ。」

「そうかな〜・・・でも、あたしの相棒・・・いや、兄貴はさ、カレーとラーメン、それからスパゲッティとトンカツしか作れないんだよ?前にビーフストロガノフ・・・とか言うの作ろうとして失敗してた。」

「お兄さんは洋食ばかりですか・・・」

榊は呆れ顔、咲耶は苦笑混じりで悠子の言葉に返していた。

「・・・そういえば・・・」

その時秋子が口を開いた。

「・・・私のクラスメートに、風谷真魚ちゃんって子がいるんだけど・・・その子の家に居候してる人が、美味しい野菜を作ってるらしいよ?」

「へぇ・・・」

その言葉に、悠子が反応する。

「う〜ん・・・その子紹介してもらえるかなぁ?いくら辺鄙って言っても、ここ東京だし・・・本当に美味しい野菜って、あんまりお目にかかれないんだよね。」

「同感ですね。うちの神社のお供え物にする野菜も、自分の家で作らないといけませんし。実際、美味しいお野菜は少ないですね・・・」

悠子に同調して、咲耶もそう言った。

「う〜ん・・・どうかな・・・」

少し困った様子で、秋子がそうつぶやく。

こうして、昼のひと時は過ぎていっ・・・

次の日、その場所で・・・

何が起こるかも、まだわからずに。



警視庁未確認生命体対策班 G3演習ルーム

がしゃっ・・・がしゃっ・・・

金属質の足音が響く・・・

防音室を改造したと思われるその部屋に入ってきた男・・・

メタリックブルーの装甲に身を包んだ男は、部屋の中央付近に立つと、腰のホルスターから拳銃を取り出した。

それを、防弾ガラスの向こうから見つめる女性・・・

それは、日本の誇る強化服研究の権威・・・小沢澄子女史だった。

目の前にいる、この強化服を着た男・・・

この強化服は「G3システム」と呼ばれている。

三年前、日本を恐怖のどん底に突き落としたある事件・・・

「未確認生命体事件」と呼ばれるそれは、関東と長野県を中心に、全国で十万人を超える死傷者を出した、空前の獣害(?)であった。

明らかに知能を持っていた、それら・・・グロンギは、「ゲゲル」と称して殺人ゲームを行っていた。

そして・・・この殺人ゲームは、ついに「究極の闇」と呼ばれる、最悪の状況を生み出した。

だが、それは・・・それまでに出現した未確認生命体をことごとく葬った・・・未確認生命体第四号・・・「クウガ」の手によって阻止された。

そして、クウガは姿を消し・・・警視庁は科警研のメンバーを軸に、未確認生命体対策班・・・SAULを創設し、そしてそうしたものの発見を急ぐために、国内の・・・場違いな出土品「オーパーツ」を研究する、SAULの補佐機関「オーパーツ研究局」が設立された。

SAULは、当初は装備開発を中心とする技術者集団であったが、小沢の開発したG3・・・そして、「ロボット刑事」と呼ばれる自律型警官ロボットの完成を持って実働部隊に移動したのである。

そうした経緯から、G3には未確認生命体を確実に倒せる性能が要求され、またそれを満たしていた。

『氷川君、準備は良い?』

スピーカーから小沢の声が聞こえる。

「はい、準備OKです。」

氷川と呼ばれた、G3装着員・・・

彼もまた、逸話を持っていた。

・・・奇妙な嵐に遭遇した、船の乗客・乗員を、無傷で全員救助したのだ・・・

「小沢君、彼が・・・そうなのかね?」

小沢の後ろに控えている、男がそう言った。

「ええ、彼があかつき号事件の・・・」

そう答えると、小沢はスピーカに「G3マニューバ、開始!」と告げた。

ビー!ビー!

警報が鳴る。

それと共に、壁の付近に設置された機械から、無数の鉄球が飛び出してきた。

びゅんびゅん!

がきっ!がつっ!ごっ!!

無数に向かってくるそれを、彼は弾き、避け、受け止める。

じゃか!

さらに迫ってくる鉄球に、彼はその銃で狙いをつける。

どむどむどむどむ・・・!

ばんっ!ばんっ!

それから次々と放たれる銃弾は、鉄球を粉々に破壊していった。

「いいわよ〜いい感じよ、氷川君。」

モニター側の数字・・・GM-01と表示された画面の数字が減っていく。

・・・その銃、GM-01の残り装弾数を示していた。

その数が60を切ったところで、鉄球の射出が止まる。

モニター側では、小沢の後ろの男たちが、満足そうにうなづきあっていた。

小沢も微笑み、「今日のマニューバは、これで終了よ!」とスピーカに告げる。

がしゃっ・・・がしゃっ・・・

キュイ、パシュッ!

氷川は、奥の少し高くなっているところまで行くと、銃を置きマスクをはずした。

振り向き、これまた満足そうに微笑むと、彼は部屋の出口へと歩み去っていった。



警視庁未確認生命体対策班オーパーツ研究局

「霧島さん!」

氷川誠は、そこに来ていた。

先日発見された、オーパーツの調査状況を確認するためであった。

無数のダイヤルで構成されたそれは、すぐさまここに運び込まれ、研究が続けられている・・・

「ああ・・・キミか。三雲なら出張中だ。」

「こんにちは、霧島さん・・・研究は進んでいますか?」

「ああ、順調だよ・・・稼動状態にまで持ち込むことが出来た。」

彼女の名は、霧島誠子・・・城北大学の教授職にある、若き考古学者・・・いや、最近になって確立されつつある、新分野「超考古学」の研究者である。

ちなみに年は30歳。

長い髪をポニーテールでまとめて、白衣もまぶしい独身美人だ。

そんな彼女は、このオーパーツ研究局の主任・三雲咲子の親友で、少々複雑な経歴を持つ。

アルケミーチルドレンの存在が注目されるようになった、15年ほど前・・・

弱冠十五歳にして、城北大学心理学部の門をたたいた娘がいた。

順調に単位を取得し、やがて研究室に配属される・・・それは普通の光景だ。

だが、配属された研究室が問題だった。

その教授は、生徒受けもそこそこによく、彼女も嫌ってはいなかった。

しかし、彼は、超常現象的なものを、一切学問の範疇に置くということをしなかった。

そのため、人間心理と超能力の関係・・・そう言ったことを卒業論文に選んだ彼女は・・・ありていに言って「干された」。

嫌がらせを受けるとか、そんなことにはならなかったものの、明らかに仲は険悪になった。

それを耐えられないものと認識した彼女は、大学を中退・・・

その翌年に何の臆面もなく同大学の考古学部を再受験し、合格した。

卒業した後、請われたにもかかわらず大学院に入らず、彼女は消えた・・・

彼女の消えた先・・・

そこは、灼熱の国エジプト!

そこで、いかがわしい・・・盗掘を生業とする一族の元で修行して、3年前日本に帰国。

そのまま、城北大学で講師をするうちに、エジプトで発見(盗掘?)した副葬品などが、高い評価を受け、教授試験を受けることになり・・・

現在は教授として、この大学に存在している。

そして先年から、大学時代の友人三雲咲子に請われてこのオーパーツ研に通いつめているというわけである。

「これは大変なものだよ・・・三雲も驚いていたな。」

巨大な装置につなげられた、そのダイヤルの塊のようなオーパーツは、銀色の光をたたえながら、せわしなくダイヤルを動かしている。

「こんなものを・・・いったい、誰が?」

感嘆してそう言った氷川に、彼女は「少なくとも、紀元前40万世紀以上前・・・」とつぶやき、言葉を続ける。

「少なくとも、紀元前40万世紀以上前・・・現人類の祖先とされている、3000万年前文明人たちですら、地球上に存在しなかった超々古代だ。」

「・・・そんな昔にいったい誰が・・・」

「人類でないことは・・・といいたいところだが、そうとも限らん。10年前・・・東北のピラミッドとニュージーランド沖の遺跡・・・それらのおかげで・・・公表されてはいないが、この星の歴史研究すべてが覆された。」

彼女はそこで言葉を切ると、氷川に向き直り、さらに続けた。

「TPCも混乱を恐れて、我々研究者や、キミたちのような仕事についているもの・・・言ってみれば、各国の軍上層部と、キミたち危険生物対策班のような仕事についている人間以外には秘密と来ている。」

ふう、と息を吐くと彼女は、

「と言うわけだから、決して人類外のものが作ったとは言い切れない・・・だが、その可能性のほうがはるかに高いのは間違いないな・・・」

「そうですか・・・」

そう言うと、氷川は続ける。

「それにしても・・・どうやって、これを調べているんですか?膨大な数になるでしょう?とても人の手では・・・」

そう、言いながら霧島を見る。

霧島は呆れたように、「キミ・・・」とつぶやき、

「・・・ずいぶんとアナログな思考をしているなぁ・・・20年前から比べると、コンピューターは日々進歩しているよ・・・スーパーコンピューターで、パターンを調べている。それこそ天文学的だが、後数日もあれば解析は終わるよ・・・」

「そうですか・・・」

「その時、何が出てくるか・・・裁きの神か、慈愛の御手か、それとも・・・狡猾な悪魔か・・・あるいは、それ以外の何かかもしれない。」

「・・・ずいぶんと詩的な表現をするんですね。」

うっとりとそう言う彼女に、氷川もまた感心した顔でそう言った。

何かに気づいたように瞳を落とし、あごに手を当て彼女は言った。

「ふむ・・・このくらいわかるということは、案外単なる体力馬鹿ではないようだな?」

ふふっ、と微笑むと、彼女はその瞳を氷川に移した。

が、その先で彼は・・・

「・・・た、体力馬鹿ですか・・・がっくり」

膝を落として落ち込んでいた。

「あ、ああ・・・!?すまん、もしかして気にしていたか?」

「うう・・・・」

あわてて言いつくろう彼女だったが、氷川はちょっと再起不能と疑うほどに落ち込んでいた。

「いや、別に不器用とか、そう言うことでは・・・」

言いつくろうたびに、傷を深めているような気がする・・・

そう思いながら、彼女は氷川を励まし続けた。

悲しいほどに、彼は冷や汗を流しつつ、肩を落としていく・・・

オーパーツ研の朝は、こうして過ぎて行った・・・○



空雪高校

「よっしゃ、パス!!」

「あ〜取れませんよ、悠子ちゃん〜〜」

「・・・もらいます。」

その日の一限目は体育だった。

実に平和な日であると、悠子も榊も思っていた。

・・・光太郎が、「ゴルゴムの仕業だ!」とか言って、マグロ養殖業者のところに行ってしまったこと以外は。

「あの人どこ行っちまったのかなぁ・・・マグロが買えないだけで、あの騒ぎはないと思うんんだが・・・」

遠くで女子のドッジボールが行われているのを横目に、榊はサボっていた。

「なんか、神経症気味だよなぁ・・・光太郎は。いくら俺でも、ああまでむきにはな・・・なるかも知れんけど・・・マグロで出かけることはないと思うんだが・・・」

そのときである。

横目に見ていた女子が悲鳴を上げる。

「きゃあああああああっ!!」

(・・・なんだ?!)

甲高いその声を聞き、榊は走り出した。

・・・そこ・・・昨日、彼らが弁当を食べていた場所・・・そこには・・・

木の洞に、明らかに不自然な形で詰め込まれ、絶命している少年の姿があった・・・

「・・・なんだ・・・これは・・・」

「・・・こ・・・れ・・・やっぱ人間の仕業じゃないね・・・」

つぶやく榊に、その場に近づいてきた悠子が放しかけた。

「みんな、先生呼びに行ったから・・・スキャンしてみるね。」

「お前・・・ずいぶん冷静だな?」

「・・・一応こういうのには慣れてるから・・・慣れたくはなかったんだけどさ。」

「そっか・・・」

これ以上聞くべきではないと判断して榊は話を中断する。

途端、悠子の金色の瞳は輝き、彼女は絶命した少年をスキャンし始めた。

「・・・これは・・・」

「どうだ?」

「・・・骨が、折れてるんじゃない・・・おかしな方向に曲がってる・・・なんか熔けた鉄か何かみたいに、グニャグニャになってるみたい。」

「何だと・・・」

そうもらすと、榊は、

「また、新しい敵かよ・・・いい加減にしてほしいな。」

と、ウンザリするようにつぶやいた・・・

・・・その時、榊は異様な気配がしたような気がした。

だが、それはすぐに消える。

(・・・調査すべきだな・・・)

そう考えると、悠子とともにその場を離れた・・・

そして、それを見る影ひとつ。

それは・・・

ジャガーのような、化け物・・・・・・



城北大学・美杉研究室

「岡田君・・・行き詰っているようだね?」

一人の男が・・・おそらく教授であろう・・・一枚のプリントを手に、学生らしき人と話していた。

切羽詰っているのだろうか、深刻な顔で、学生は黙って聞いていた。

「『緊急時の人間におけるX機能の発現について』・・・やはり、卒論のテーマとしては相応しくはなかったんじゃないのかね?」

「・・・どうしても、これでやってみたかったんです。」

「しかしだ・・・超能力なんて、解明されてもいないものが、心理学のテーマとして通用すると思うのかね?」

そこで言葉を切り、さらに続ける。

「・・・大体、人間の第六感という物は、経験や五感で得た情報を組み合わせた・・・勘のようなものだろう?超能力とは関係ないのではないかね。」

「はぁ・・・でも、美杉先生・・・僕はこれで書きたいんです。」

そこで、美杉と呼ばれた教授は、

「いや、いささか辛辣になってしまったが・・・君がそれで行きたいというなら、別にかまわない。がんばりたまえ。ただ、私としては、専門外になるから手助けは出来ないだろう。」

と言った。

「わかりました・・・では。」

少々落ち込み気味で、岡田は部屋を後にした・・・

彼の名は美杉義彦・・・この大学で、心理学の教授をしている、学者である。

その後、美杉が考え事をしていると、急に扉が開いた。

「こんにちは、美杉先生。元気してるようですね。」

そこに現れたのは、白衣の美人・・・霧島だった。

「・・・君か、何か用かな?」

にこりと笑って、そう言うと、美杉はいそいそとお茶の用意をし始めた。

「あのころよりは、頭柔らかくなったようですね、先生。なんせあの時は・・・」

「そうだったね・・・君の卒論テーマを強硬に反対した、私の講義を受講者全員に働きかけてボイコット・・・その上、さまざまな嫌がらせをしてくれたっけねぇ・・・はっはっは。」

「・・・はっはっは。」

いすについて、お茶に手を伸ばそうとしていた彼女に、美杉は彼女の過去の悪行を並べ立てていった。

誠子もまた、乾いた笑いを上げる。

「まったく、私は天才肌の人間とは、ほとほと相性が悪いらしい・・・去年の事だが、城南大学に講義に出かけたんだが・・・そのときも、高山とか言う学生に内容の間違いを指摘されて恥をかいたし・・・」

「そうそう、今警察で仕事してる、小沢君も先生の教え子でしたね・・・?」

茶をすすりながら、うんざりしたようにそう言う彼の話をそらすため、誠子は、間接的に同僚である、小沢の話を持ち出した。

「ああ・・・彼女も、何が気に食わなかったのか・・・君と同じようなことをしたよ・・・」

「う゛っ・・・」

薮蛇である。

もうどうしようもない。

早めに用件を済まして帰ろうと思った。

「今日は実は・・・・」

「話をそらすんじゃない。」

「う・・・」

「・・・で、何があったのだね?」

その用事を聞く気になった美杉に彼女は話そうとした。

「実は・・・」

その時・・・

こんこん、と扉がノックされた。

「はい。」

と美杉が答える。

がちゃ。

扉が開き、男が部屋に入ってきた。

「失礼します。」

柔和な微笑を浮かべた、茶髪の男だった。

「ええと・・・これで良いんですよね?」

そういいながら、彼はかばんの中から、2冊の結構分厚い専門書を取り出し、美杉に渡した。

「ああ、これでいいんだ・・・すまなかったね?」

「いえ・・・それより、今晩の夕食はどうしましょう?」

楽しげに、彼がそう言うと、美杉は、なぜか微妙にいやな顔をして、「また・・・君が作るのかね?」といった。

「はい!」と元気にいう彼に、美杉は、「いや・・・今日は、外で食べていくことにしよう。」

と、またも、なぜかわざとらしく言った・・・

「はぁ・・・」

残念そうにいう彼に、誠子は、「ふむ・・・ならば、キミもどうだい?私が美味しいものをご馳走してあげよう。無論、美杉先生にもね。」

と言った。

「本当ですか?」

「君・・・いいのかね?」

彼は心底うれしそうに、美杉は怪訝そうにそう言った。

「ふっふっふ・・・私の副業は、危険手当もついてるので、結構入るんですよ・・・5〜6人分の食事代くらいは払えますよ?」

手を振りつつ、自慢する彼女・・・

「用事ってのは、それです。何せ、三雲が出張してるんで、知り合いがここら辺には先生しかいないのが現状なんですよ・・・そうだ。」

唐突に気づいたように、誠子は彼に質問した。

「ところで、君の名前は?美杉先生と親しいようだが、息子さんかい?」

「あ、いえ・・・」

ちょっとしどろもどろになった彼に代わって、美杉が、

「ああ、彼はちょっと事情があって、うちで預かっているんだ。」

「津上翔一です、よろしくお願いします!・・・ところで、あなたは?」

「私は、霧島誠子・・・このボンクラ教授の最初の頃の教え子さ。」

おどけてそう言う彼女に、美杉は「おいおい、それはないだろう?」と言った。

「それを言うなら、君こそ、私が引き止めるのも聞かず・・・しかも、学部変更も出来ると言うのに、突然大学をやめて・・・」

「あははは・・・あの頃はまだ若かった・・・」

「何言ってるんですか!まだまだ若いじゃないですか、誠子さん!」

少し、過去を後悔する彼女に、翔一は心外な感じでそう言った。

「・・・若いとは、外見云々ではない・・・その心の成熟具合・・・だと思う。」

歌うようにそうつぶやくと、翔一に向き直り、「それでも、うれしいものだよ・・・キミは・・・結構、「美人」と呼ばれる人種に弱いようだな」と、柔らかな口調で言った。

「う・・・」

図星を指されたような顔をした翔一を、二人はおかしそうに眺めていた。

「ところで、事情とは?」

「昔から変わってないな・・・単刀直入なのは。実はね・・・」

そう言う美杉をさえぎり、彼は言う。

「記憶喪失なんですよ、俺。」

「・・・そうか・・・しかし、ずいぶんと軽く言うものだな・・・」

「気にしても仕方ないですから。」

そういって、彼は朗らかに笑った・・・



城北大学、屋外

ぶろろろろろろろろ・・・・

きっ

紅いバイクを駆る男は、それを止めると、歩みだした。

男の名は、葦原涼。

やがて、大きな運命に身を投じる男・・・

そう、先刻の津上翔一と同様に。

彼が歩みを速めつつ、目的の場所へ向かおうとする・・・

階段を上り始めたとき、上から男が下りてくるのがわかった。

翔一だった。

(能天気そうな面で笑ってるな・・・)

(誠子さんと食事かぁ・・・どんな所だろ?)

二人とも、ぜんぜん違う思考をしていた・・・

すれ違う。

その時・・・

涼は、ふと、何か違和感・・・いや、予感のようなものを感じた。

振り向けば、翔一は階段をすでに降り、バイクに乗って帰っていった・・・

それは、彼にとっても、あるいは翔一にとっても、運命が動き出した瞬間・・・だったのかもしれない。



ずるずるずる・・・・

翔一はバイクを引きずって歩いていた。

「参ったなぁ・・・」

美杉の家までは、まだだいぶある。

「早く帰らなきゃ、今夜の食事のこと・・・」

チリーン

その時、自転車のベルが鳴った。

「翔一くーん!」

・・・若い女性・・・高校生くらいの女の子が、声をかけていた。

「真魚ちゃん!」

声をかけていたのは、肩ぐらいまで髪を伸ばした、黒髪の少女だった。

「どうしたの、そのバイク?」

困った顔で、翔一は、「いやぁ・・・ガス欠。」と言うと、彼女は「はぁ?」と呆れたような、それでいて楽しんでいるような・・・そんな言葉を出した。

「それよりかさぁ・・・翔一くん、って言うの、やめてくれないかな・・・一応年上なんだしさ。」

そう、困った顔で彼が言うと、真魚は、笑いながら、「だって、翔一くんは翔一くんじゃない。“翔一さん”って感じじゃないでしょ?」と言った。

つづけて、

「ねえ、どう?何か思い出した?」

と、彼女は聞いた。

ちょっとげんなりして、翔一は、

「それもやめてくれないかなぁ・・・毎日そんな風に聞かれると、結構プレッシャー感じちゃうんだよね。」

「翔一くんのためじゃない?気持ち悪くないの、記憶喪失のままで?」

「別に今のところ、不都合ないしね。それにほら。」

ちょっとおどけて、

「記憶が戻って、もし凶悪な犯罪者とかだったらどうする?」

と言うが、逆に「もしかしたら、大金持ちのお坊ちゃんかも?」と言われてしまった。

「そしたら結婚してあげる!じゃ、先行ってるね!」

そういって、彼女は走り去ってしまった。

「やっぱ思い出さないほうが良いかも・・・」

彼の、やぶへびかなぁ・・・といった感じの言葉は、虚空に消えていった・・・



ごぽごぽごぽ・・・・

涼は、一人、もう利用時間も終わったプールの中にいた。

彼は、大事故・・・

バイクを運転している際に、トラックと正面衝突すると言う事故から、奇跡的に回復していた。

リハビリの結果、以前よりもタイムを伸ばした彼は、元からの「天才水泳選手」として、復帰が期待されていた。

だが・・・

彼は、体調の不備を抱えていた。

事故以来、体がよく火照り、どうにもいられなくなるときがある。

腹部に走る激痛。

そうした、体調の不良は、彼に不安を与えていた。

そして、事故と同時期に失踪した、彼の父・・・

それも心配だった。

(どうすればいいのだろう?)

彼は、思い悩んでいた。

その時、水上から声が聞こえる。

(コーチ・・・)

彼は、泳ぎだし、久々にコーチに会う喜びを得ていた。



未確認生命体対策班・G-トレーラー内部

「ごめんねー。でも、これが終われば改造完了だから。」

氷川誠から、G3システムを脱がしつつ、小沢澄子はそう言った。

改良の終了に、上機嫌な彼女に対して、氷川は思い悩んでいた。

手を下に組み、下唇をかみ締めて彼は考え込んでいた。

怪訝そうに彼を眺めた小沢は、彼の隣に座ると、彼に言った。

「考えてること当てて見ましょうか・・・例のオーパーツのことでしょ?」

「ええ・・・それもあるんですが、大気ヶ丘特別区の空雪高校・・・それから、その近くの住宅街での事件、ご存知ですか?」

「ええ・・・木の中に生徒やサラリーマンの死体が入ってたって、あれでしょ?」

そう言うと、彼女は、

「しかも、被害者は親子だったって話だけど・・・それがどうしたの?」と言った。

「気になるんですよ・・・普通なら、そんなことありえない。」

うつむいて、そう言う氷川。

「それで、この写真を借りてきたのですが・・・」

「この写真は?」

「ええ、被害者の佐伯昇が死ぬ、前日に撮られた物だそうです。」

その写真には、綺麗な沼と、その向こうに山が写っていた。

下の部分には、きちんと「2025.X.XX」と刻印されている。

「おかしいんです、この写真は・・・」

そう言うと、怪訝そうに彼女は「どこが?」と言った。

「この肩の手・・・心霊写真のようでしょう?」

「確かにね・・・」

そして、今度はもう一枚の写真を取り出す。

「鑑識の知り合いに頼んで、この山がどこか・・・探してもらったんですが・・・」

「ですが?」

なんとも不可解・・・と言った感じで、彼は、

「この場所・・・蕪前岳が見える場所なんですが、その沼は、30年近く前に埋め立てられていると言うんですよ・・・」

と言った。

「ちょっと待って。それってどういうこと?」

驚き、彼女はそう言う。

科学者である彼女には、到底容認しがたいことに思えたのだろう。

「うーん・・・Kはどう思う?」

写真を、隣にいる男に手渡す。

「この写真にしても、今回の事件にしても・・・私のようなロボットには、まったく不可解としか言いようがありません。この写真にはトリック・・・つまり、映像の合成などの改変はかけられていません。」

服を着たロボット・・・黄色い目と体中のスリットが特徴的な彼は、そう答えた。

彼の名は「K」。

G3計画と並行して進められた、警官ロボット開発計画によって誕生した、ロボット刑事である。

「また、この殺人事件の資料を見ると、「骨が、まるで飴のようにグニャグニャになっていた」とあります。こんなことが出来るのは・・・あるいは、未確認生命体なのかもしれません。どちらにせよ、この二つには「不可能」の文字が付きまといますね・・・」

不可能。

彼はそう言った。

彼の高度なコンピューターでも、解析不能な事件・・・

これが何を意味するのか・・・



その日の夜 美杉家の近所の寿司屋

美杉家の面々と、誠子はそこに来ていた。

結構高そうな店だった。

それこそ、一人一万円オーバーは確実なくらい。

それだけに、味は申し分ない。

誠子はここの常連なのだそうだ。

誠子いわく、「味は最高。常連を大事にしない代わり、一見さんにも親切」だそうだ。

美杉は、本当に申し訳なさそうに、

「いや、本当にすまんねぇ・・・」

と言うのだが、誠子は一切気にしてはいない。

「良いんですよ、ほら、大勢で食べると美味しいですし。」

「ほら、太一。こぼすなよ。」

「わかってるって。」

朗らかに、誠子は美杉に言う。

「気にする必要ないですよ、先生・・・私が好きでやってるんですから。」

「どういう・・・こと?」

誠子の言葉に、それまで黙っていた真魚が口を出す。

「いや、何。一年に一度くらいは、人におごることにしてるんだ。それも、盛大にね。これは私なりの感謝祭さ・・・」

そう言うと、彼女は豪快に日本酒をあおった。

「・・・大丈夫かね?そんなに飲んで・・・」

「この程度では酔いませんよ・・・少なくとも、後2本は空にしないとね。」

「って・・・もう、一升瓶が空になってるじゃないですか!」

心配して声をかける美杉や翔一にもかまわず、彼女は酒をあおり続けていた。

その時。

「はは・・・すごいね・・・ぐっ?!」

急に、翔一は苦しみだした。

ぎぃぃぃぃいいいいいいい・・・・

(すごい・・・耳鳴り・・・ぐぅうううう・・・・・)

「どうした・・・酒でも飲みすぎたか?」

冷静に、そう言う誠子は、手ぬぐいで彼の汗をぬぐった。

「・・・行かなきゃ・・・」

突然すっくと立つと、彼は、外へ向かって歩き出した。

みんなの制止も気にせずに・・・・

運命が動き出すところへ、向かっていた・・・・・・



同時刻 葦原涼の自宅

「ぐああああああ・・・」

涼は苦しんでいた。

「くああああ・・・腹が・・・ぐあああああああああああっ!!!」

腹部の中央下部・・・腰の辺りにうごめく光・・・

涼には、何が起こっているのか、さっぱり理解できなかった。

理解できない中、彼は苦しんでいた。

理不尽だ。

こんな理不尽があっていいのだろうか。

そう思いながら、彼は苦しみ続けた・・・

「うあ、うあああああああああああああっ!!!」

これも、運命の・・・前触れ・・・



それより少し前 大気ヶ丘特別区

悠子と榊は、放課後になってから、例の事件の調査を始めていた。

「手がかりなんて・・・闇雲に探してもだめか・・・」

「手分けして探すのがいいな・・・もしかすると、そっちから出向いてくれるかもしれないぜ?」

「それもそうだね・・・」

そう言うと、二人は別の道を歩き出した。

「まったく・・・普段なら、もう寝てる時間なんだがな・・・」

ぶつらぶつら文句を言いながら、彼は歩調を速めた。

そうして、一時間がたった頃・・・

唐突に、気配を感じた。

(来たか・・・)

そう思うと、いつでも変身できるように、「気」を高めていった。

だが・・・

「榊・・・こんなところで何してるの?」

気配の正体は秋子だった。

「秋子姉・・・なんで?」

「ちょっと、お買い物の帰りなんだけど・・・榊こそ、何してるの?」

「いやちょっと・・・」

きいぃぃぃぃいい・・・

軽い耳鳴り。

その時、榊の耳にそれが起こる・・・

(今度こそ本命か・・・不味い・・・秋子姉がいちゃ、変身できねえ!!)

木の影から、気配が表れる。

(クソ・・・ここは、逃げるか?)

現れたのは・・・

蟻を模したような化け物だった・・・

「な・・・何、あれ・・・」

「秋子姉、逃げろっ!!」

榊が叫ぶ・・・だが。

後ろからも、蟻の化け物が現れる・・・

「マジかよ・・・」

二人は、絶体絶命の危機に陥っていた・・・



その頃悠子は・・・

(ここか・・・サラリーマンが殺されたところって・・・)

「キミ、こんな時間に何をやっているんだ?」

悠子は、サラリーマンが殺されたと言う現場に来ていた。

手がかりがあるとすれば、ここしかない・・・

そう思って彼女はここに来たのだが・・・

なぜか、そこには刑事がすでにいて、職務質問・・・と言うより、補導されてしまった。

「子供が一人で出歩いて良い時間じゃないぞ?」

実直そうな男を、半ば無視しながら、悠子はその周辺を歩き続けていた。

と言うより、気にすると、ぶっ飛ばしたくなるからだった。

(いい加減にしてほしいなぁ・・・子ども扱いだけで、頭くるのに・・・しつっこい・・・)

悠子は、すばやく木によじ登ると、その木を調べ始めた。

(これと言って変なところは無い・・・どうやったら、あんなこと出来るんだろ・・・地球人の科学力じゃ出来ないのは当然だけど・・・)

サラリーマンがつめられてたと思われる、木の洞を覗く。

(死臭がする・・・いつ嗅いでもやだなぁ・・・)

見れば、刑事がやはり何事か叫んでいる。

(心配してるのかなぁ・・・でも、むかつくことには違いないや。)

「んしょ・・・」

洞から顔を出し、枝に腰を下ろすと、目を閉じておさらいをした。

(・・・人間には不可能。それでも地球の生命体に出来ないわけじゃない・・・少なくとも、虚が言ってたような連中なら。)

「さて・・・ゴルゴムの連中とかなら、話は早いんだろうけど・・・それも無いよなぁ・・・」

新しい敵・・・

想定できてはいたが、嫌な事態だった。

「いい加減話を聞いてください!!」

その時、これまでとは違う、かなり大きな声を出して、刑事が叫んだ。

「何・・・?まだ8時だけど、何か言うことある?高校生に失礼じゃない?」

「え・・・?」

「やっぱり、子ども扱いか・・・はっ飛ばされたいの、キミ?」

そう言うと、悠子は枝から飛び降り、握りこぶしを作って言った。

「意外と礼儀知らずなんだね、G3の装着員って。」

そう、その刑事は氷川だったのだ。

「まったく・・・体力だけで選んだんじゃないのかなぁ・・・」

ボソッとそう言う悠子に、氷川は、

「なぜ・・・それを知っているんだ?!」

と、敵意も露にそう言った。

「・・・そんなこと・・・待って!」

その時だった。

異様な気配を感じたのは。

「・・・来た・・・?」

ゆっくりと振り向き、後ろを見ると、悠子は、

「どーやら、来たみたいだね・・・・」

そういって、困惑する氷川を見た。

「あっち見て・・・静かにね・・・あそこにいるの、何だと思う?」

「あ・・・あ・れは・・・・佐伯さん!?」

「やっぱり・・・奴等でもなければ、ゴルゴムでもない・・・か。」

悠子は、たらりと汗が流れたような気がした。

そこには、木の中から突き出ている、女性の手と・・・ジャガーを模したような化け物があった・・・・



ヤバイ・・・

二人は完全に囲まれていた。

『シャアァァ・・・・』

一体、また一体と数を増やしていった蟻は、襲い掛かっては来ないものの、いつでも二人に襲いかかれる体勢で、こっちを指向していた。

榊の力に怯えているのかもしれない。

じりじりとした時間が過ぎていく。

「何・・・何なの・・・」

秋子は、完全におびえていた。

三年前・・・未確認生命体事件の頃、秋子は未確認生命体第42号に襲われ、寸での所で茂に助けられたことがある。

その経験を含めても・・・・

「秋子姉・・・・」

限界だ。

榊はそう思った。

このままいれば、遠からず秋子の精神が参ってしまう。

かといって、自分が変身すれば・・・

その正体を知らない秋子に、それを晒すわけには行かない。

(八方塞がり・・・か?!悠子のほうは、大丈夫か・・・?)

このままでは、二人ともいずれ。

榊がそう思った・・・

その時!

キィン!

乾いた音が、その場に満ちた。

ギイイイ・・・

耳鳴りのような音と、猛烈な光が空間に満ちた!

そして・・・

光の収まったとき・・・

一人の・・・いや、一体の紫色をしたロボットが立っていた。

そのロボットは、服を脱ぎ捨て、銀のマスクを装着し・・・

そして、言った。

「Janperson,for Justice!!」



「はい、そうです、G3システムの出動を要請します!」

氷川は電話の向こうに必死で訴えていた。

「現在、大気ヶ丘特別区で謎の怪物に遭遇!民間人の少女が、それを追っています!早く!!」

切羽詰った声で、携帯に叫ぶ氷川。

小沢の声が返ってきた。

『きたきたきた・・・!尾室君、K、出番よ!!』

『え、でも、上の許可を取らなきゃ・・・』

『そんなこと言ってる場合ですか?ジョーカーで先行します。』

『Gトレーラー出動します!!』

ファンファンファン・・・・

電話からは、サイレンの音が聞こえ始めた。

『氷川君は、近くの道路に出ていて!』

「了解しました!」

そう言うと、彼は電話を切り、駆け出した。

路地を出て、周りを見回すと、そこには・・・

「あんた、何ものだっ!?」

悠子が、怪物と向き合っていた。

「グルル・・・」

「・・・どうやら、話す機能は無いみたいだね、キミ。」

そう言うと、手をかざす。

「なら・・・あんな、ひどいことしたキミを、ほうっておくわけにはいかない・・・影転!!」

それは、氷川には信じがたい出来事だった。

目の前の少女が異形に変わっていく。

「な・・・うそ・・・だろう?」

悠子の影転が終わるとほぼ同時に、ジャガーは逃げ出した。

そのスピードは、人間には決して出せない速度だった。

「まぁてええええええええぃっ!来て、サイドブレイカー!!」

悠子が叫ぶと、空中から、かなり大きなバイクが飛んできた。

それにまたがると、悠子は叫ぶ。

「待てえええええっ!!」

そういって、悠子は怪物を追っていった。

「な・・・何なんだ、あれは・・・いや、今はそんなことを考えてる場合じゃない!!」

そういって、彼は近くの少し大きな道路へ出て行った。

やがて、氷川はGトレーラー、そしてジョーカーが到着すると、トレーラーの中に入った。

「氷川君、行くわよ。」

「はい!」

黒いアンダースーツを着る。

真ん中から分かれた、胸アーマーに体を通し・・・

腕アーマーが装着され。

バッテリーも取り付けられる。

そして、小沢が彼の顔に、マスクをかぶせる・・・

仮面を・・・

くいくいと、マスクの付け具合を確認するようにあごと額に手を当てる。

「装着完了!」

尾室がそう言う。

小沢からガードアクセラー・・・G3専用バイク「ガードチェイサー」の起動キーを受け取ると、それにまたがった。

ぶおおお・・・・

Gアクセラーを差し込むと、彼の愛車は命を得る。

カタパルトが作動する。

扉が開き、床がスライドする。

「20:32、G3システム・・・起動します!」

小沢の声が、響く。

「ガードチェイサー、離脱します!」

尾室が、そういってレバーを下げると、ガードチェイサーはGトレーラーを離れ、疾走を始めた!

隣には、Kの愛車「ジョーカー」がいる。

ぐおおおお・・・・

アクセルを振り絞り、彼らは、ジャガーを追っていった!



(強い・・・何者だ?)

榊は、内心で感嘆していた。

「ジャンデジック!」

ドギュドギュドギュゥッ!!

カッ!

どっがああっ!!!

銃から、レーザービームが放たれ、また一体蟻が爆散した。

「ジャンブレーダー!!」

右腕に、巨大な剣が装着される。

それで、蟻を切り裂きながら、彼・・・ジャンパーソンは言った。

「早く逃げたまえ!」

蟻の攻撃をまったく意に介せずに、切り払っていく。

「アークファイヤー!!」

今度は、火炎放射器だ。

「秋子姉、逃げよう。」

榊は、彼の強さをかなり正確なところまでつかみ、そう言った。

(こいつ・・・強い。間違いなく。)

榊の見るところ、蟻どもは決して弱くはない。

彼との実力が、隔絶しているのだ。

スピードでは黒狼に劣るものの、黒狼と同等クラスのパワーとそれを上回る多彩な武器・・・

それらは、蟻どもを追い詰めていった。

「う・・・うん。」

「ほら、乗ってくれ!」

腰を抜かしている秋子を背負い、榊は駆け出した。

(・・・でも、これ以上増えたら、彼でもやばい!)

そう思いながら、走る。

(秋子姉、ごめん!)

そう心で言うと、彼は、少しだけ「気」を開放した。

変身するために高めていた気を、一部開放したのだ。

「えっ?・・・はう・・・・・・・・・」

黒狼、そして榊の、強烈な精神圧は秋子の意識を容易に奪う。

ぶるるるるる・・・・

目の前には、ルガーがいる。

心配するように、エンジンをうならせるルガー。

すっ・・・

彼女を、ルガーの背に乗せると、榊は「すまん、秋子姉を頼む」と言った。

そして、駆け出す。

戦場へ。

「・・・
変身!!

榊の姿が、異形に覆われていく。

人間を超えたその脚力で、あっという間に先ほどの場所にたどり着いた。

案の定、ジャンパーソンは、その数を増やした蟻どもに苦戦していた。

少し、装甲の継ぎ目から煙を上げ、ジャンパーソンはひざをついていた。

「・・・」

「大丈夫か、あんた!」

キュイ

近くまで来ると、駆動音が聞こえる。

「あんた・・・ロボットか。」

「・・・今はそれどころではない。」

そっけなくそう言うと立ち上がり、続けて、

「キミも、人間ではない・・・な。協力してくれるなら、助かる。」

「わかったよ・・・これが終わったら、少しくらい話を聞かせてくれよ!」

ルガーがここにこれないから、武器なしか・・・

そう思いながら、黒狼はそう言った。

「黒狼・・・パンチ!!」

砕く。

「ワイヤーパンチ!」

砕く。

「行くぜ・・・秋子姉を怖がらせた手前らに、手加減は無しだ!!」

『シャ・・・シャアア・・・・』

黒狼の気合に、蟻どもは一瞬ひるんだように見えた。

だが、それもつかの間、襲い掛かってくる。

榊は、足に全身の力が集まっていくのを感じていた。

ジャンパーソンも、どこから取り出したのか、砲身の長い、大型のバズーカのようなものを背負っている。

「行くぜ、
黒狼・・・キィイイイック!!!

「・・・
スピンドルキャノン!

黒狼の格闘能力、そして、ジャンパーソンの背負ったバズーカが、蟻どもを蹴散らすのに時間はかからなかった・・・・



その頃。

町外れの廃工場で・・・

「黒いの、白いの、黄色いの・・・よりどりみどりだねぇ・・・最悪。」

悠子は、囲まれていた。

悠子の力を察したのだろう、ジャガーは仲間を呼んでいたようだ。

『ゴアアアア・・・・』

「・・・とりあえず、キミたちを許すつもりは、無いよ・・・」

じゃきじゃきっ!

少し、額に汗を見せると、彼女は爪月と雪刃を手に出現させた。

ファンファンファン・・・

その時、ちょうど氷川たちが到着した。

「助かった・・・おーい、キミたち!手伝ってくれない?」

明るい声で言うと、Kがジョーカーから降りてくる。

「あなたは、何者ですか?」

「んー・・・今のところ、通りすがりの女子高生かな?」

「「は?」」

質問にそう答えると、氷川もKもこけそうになる。

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ?あたしは、あの黒いのをやるから、キミたちは、残りお願い。」

見れば、そいつらは、頭の上に光の輪を出現させ、そこから武器を取り出していた。

黄は手甲、黒は槍、白は弓を取り出していた。

「・・・わかりました。説明は後にしましょう。」

Kはそう言うと、氷川に「そう言うことでいいですね、氷川さん。」

と、なぜか有無を言わせぬ口調で言った。

「え・・・いや、しかし・・・・」

『そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!』

懸念を示す彼に、通信の小沢はそう怒った。

「・・・わかりました」

渋々とそう言ったとき、小沢から「GM-01、GS−03、アクティブ!発砲を許可します!」と言う声が聞こえた。

じゃき。

GM-01と、GS-03・・・高周波ブレードをガードチェイサーから取り出すと、彼は構えた。

「ゴー!!」

Kも、服を脱ぎ捨て、戦闘モードに入る。

満足そうに微笑むと、悠子は叫ぶ。

「じゃぁ・・・散!」

ここでも、戦いが始まった!


ばしばし!

Kの拳が黄色の胸をたたく!

(パワーでは、こっちが勝っている!)

『がぁっ!!』

ジャガーの攻撃を避け、捌く!

「食らえっ!」

どがしゃあっ!!

Kの強烈な蹴りが、ジャガーを弾き飛ばした。

(さっきの、武器を取り出したことといい・・・説明がつかない。)

戦いを優勢に運びながらも、彼は思い悩みつつ戦っていた。

「ロボット破壊銃を食らえ!」

腰の一部が開き、銃身が伸びる。

バリバリバリバリ・・・

雷を思わせる音を立てて、銃弾はジャガーに吸い込まれていく。

タタタタタタ・・・

ジャガーがひるむ。

だが、そのダメージを与えた銃弾が描いた軌道・・・

それは、彼にとって信じがたい動きをしていた。

(一瞬減速しただって・・・?!不可視のバリアーでもあると言うのか?!)

そう、何かにさえぎられ、銃弾は一瞬減速していた。

(どうすれば良い・・・教えてくれ、マザー!)

心の中で、彼の母・・・巨大コンピューター「マザー」の名を叫ぶ。

「くっ・・・・」

だが、逡巡も一瞬、彼の電子頭脳は、至極当たり前で、それでいてかなり力技の戦法を決意した。

(減速するものの、ダメージは与えられる・・・なら!)

「倒れるまで、打ち続けてやる!!」

バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ・・・・

雷が、間断なく敵を打ち続ける。

そんな印象を与えるような、連続射撃だった。

おおおお・・・!!

『グルアアアッッ!!!』

ド・・・ドンッ!!

残弾も尽きるころになって、ジャガーは一声そう鳴くと、頭上に光の輪を現出させて爆散した・・・


「てええい!!冬の嵐よ、行けえええっ!!!」

しゅっごおおお・・・・

『グ・・・ガ・・・』

雪刃から放たれた吹雪は、黒のジャガーの動きを完全に止めていた。

「今のうち・・・スキャン開始・・・」

そう言って、バイザーの奥の瞳が光る。

「えええええええっ?!うそぉっ!!」

突如、彼女は素っ頓狂な声を上げた。

(解析不能・・・その上、こっちのシステムに介入しようとした・・・なんてヤツ!)

「仕方ないか・・・・」

悠子は、そうつぶやく。

「翼よ、出でよっ!」

叫ぶ。

バサアッ!!

すると、鎧の色と同じ、紫黒の翼が背中から飛び出す!

「はあああああああああっ!!」

翼がはためき、悠子の体ははるか上空へ登っていった!

必殺!!雪崩・・・・残月っ!!!!!!

高速で急降下し、彼女は雪刃を振り下ろす!

ざっしゃあああっ!!

黒ジャガーの腕が断たれる!

そして、返す刃で、地面を凪ぐように接近して・・・・

とおおりゃああああああっ!!!!

斬・・・っ!!!

下から、突き上げるように薙ぐと、黒ジャガーの体は真っ二つに裂け・・・

どんっ!

光の輪も、声すらも上げずに、四散爆発した・・・・


悠子とKが勝負を決めた頃・・・

氷川は苦戦していた。

GM-01の威力がロボット破壊銃に劣ることなど、承知の上だった。

まさか、ここまで利かないとは。

確かに当たっては、いる。

だが、ダメージを与えられるほどの打撃ではない。

GS-03も、敵の武器が弓では、あまり役には立っていなかった。

「ク・・・くそっ!」

何とか、ガードチェイサーまでたどり着いた彼は、ケースからGG-02と呼ばれる、グレネードランチャーユニットを取り出し、GM-01に接続した。

『GG-02、アクティブ!』

がちゃっ!

「発射!!」

どんっ!!

どおおっ!!

発射されたグレネード弾は、白ジャガーに当たった!

だが・・・

『グ・・・グル・・・・』

利いていない!!

「・・・ま、まさか・・・」

敵と、GG-02を交互に見る。

白ジャガーは弓を引き絞ると、矢を放った!

ばしっ!

ずがしゃあああっ!!

『胸部ユニットに強度の衝撃!ショックアブソーバーが働きません!』

尾室の声が、スーツの絶望的な状況を伝える。

『氷川君、根性出しなさい!!』

「ぐっ・・・ううう・・・」

絶体絶命。

まさにそんなときであった。

その場所に、一人の男が現れた。

・・・それは、寿司屋から、突如姿を消した、翔一だった。

翔一は、呆然とした顔をしながらも、その目はジャガーのほうを向いていた。

手をクロスし、そして、手を脇に絞り、一定のポーズをとる。

すると、腰に金色の石が埋め込まれたベルトが出現した!

変身!!

そう言って、ベルト脇を叩くと、金の光が彼を覆う!!

光が消えたとき、そこには金の装甲に覆われた、「戦士」が立っていた・・・

「ふん!」

鼻息のように、そう言うと、彼はジャガーに襲い掛かって行った。

『ア・・・アギト・・・』

ジャガーはそう言うと、「アギト」に襲い掛かる。

「はっ!」

その拳は、一撃でジャガーをはるかかなたに弾き飛ばした!

ジャガーが体勢を整えようとしたとき、「アギト」はすでに次の行動に移っていた。

「はぁぁぁぁぁぁ・・・・」

息を吐く。

すると、頭の角が開き、2本だったそれが6本になる・・・

腕をゆっくりと開き、舞うように腕を、体を回すと、地面に光の紋章・・・が出現した!

『がぁぁぁぁぁ!!』

ジャガーはそれを妨害しようとしてか、彼のほうに突進した!!

「はぁぁ・・・・はっ!!!」

だが、その動きを意にも介さず、彼はジャンプする・・・

そして。

「はぁぁーーーっ!!!!」

片足で、ジャガーの胸を蹴った!!

どっがぁぁぁぁぁ・・・

ずしゃあああああああああ・・・・

ジャガーは地面を滑っていき、そして・・・

『グ・・・ゴアアアア・・・・』

ぎゅああああ・・・・

ジャガーの頭上に光の輪が出現し・・・・

どっがあああああっ!!!

爆散した!

その余韻に浸るでも無く・・・

「アギト」はその分かれた角を元に戻し、氷川のほうを向く。

GG-02を構え、「お前は・・・一体?」と言う氷川・・・

今日、理解不能な事態が続出して、混乱気味だった彼は、思わずそう言った。

だが・・・

「むぅぅ・・・・」

「アギト」は、唸りを上げると、拳を握り締めて・・・

だっだっだっだ・・・・

氷川のほうへと走り出し・・・

「ふん!!」

その、拳を繰り出した。


続く







次回予告

突如現れた、「ジャンパーソン」。

そして、「アギト」。

榊の前に現れて以来、東京各所に出現して犯罪を防いでいく、ジャンパーソン。

不可能犯罪の場に、必ず現れる謎の存在、アギト。

困惑する翔一・・・

そして、動き出すゴルゴム。

大きな運命が、今。

次回、スーパーヒーロー作戦SPIRITS

「黒の疾風、蒼の嵐」

魂より継がれし物語、今こそ語ろう・・・・






あとがき

おかしい。

前回より相当短くなる予定だったのに、原稿用紙数枚分しか違わない。

なして?

まあ、それはそれとして。

ジャンパーソンがスピンドルキャノン使ってるのは、アールジッコを筆者がまだ出す気無いからです(核爆

これの戦闘シーン書き始めた頃に、萎えることがありました。

弟に頼まれて、作っておいた英語の訳の印刷を忘れて、まったく無意味になってしまった。

あの数時間は一体。

そんな訳で、戦闘シーンがヘタレに感じたら、それはそのせいです(爆

秋子「情けないですねぇ・・・」

柊「ほんとに、何考えてやがるのか・・・」

うう・・・そんなこと言わないでぇ・・・

柊「ところで、俺の出番は?」

う・・・(汗

柊「出番は?」

え・・・エーと、その、次は7話(汗汗

柊「はぁ?ふざけてんのか、こらぁっ!!」

ひぃっ!すいません・・・(激汗

でも、一文字さんと競演できるので、許してください〜

柊「あのな、それはいずれ、登場人物全員そうなるわい!」

あうううう・・・

柊「まぁ、本郷さんに続いて、俺が一番で競演できるのはうれしいけどさぁ・・・」

秋子「だめですねぇ・・・気合入れます?」

いえ、いいです(キッパリ

秋子「そう・・・残念。」

柊「早く6・7話書き上げろよ!?」

はい。それはもう。

では、今回はこの辺で・・・

今回も、Y首領殿に、無限の感謝を・・・

シュワッチュ!!



秋子「私にも、もっと出番くださいね?」

は、はい〜〜〜(汗

そ・・・それと、ウルトラセブン1999の「オメガファイル」について、重大な勘違いがあったことをお詫びします・・・

以下に、スパヒロSPIRITS版のオメガファイルの設定・・・それと、ウルトラセブン1999題6話「わたしは地球人」の中から読み取れる、原作のオメガファイルについてを書いときますぅ・・・

どうか、お許しを・・・

秋子「ホント、だめねぇ・・・」


返す言葉もございません・・・・・・



設定追加

オメガファイル
地球先住民族ノンマルトが残した、ノンマルトと、ガタノゾーア・・・闇の勢力の脅威から宇宙に逃げていた3000万年前文明人の帰還者との戦いの描かれたデータファイル。
これは、あくまでノンマルト側の目から描かれたもの。もうひとつ、3000万年前文明人の側から描かれたファイルがあるらしい・・・
また、旧TDFの最重要機密文書と同じ名前であるが、このファイルの存在をカモフラージュするためのものか・・・?
(本当は、地球防衛軍の最高機密が記載してあるデータファイルです。これにアクセスしようとしたために、旧ウルトラ警備隊隊長キリヤマさんを始め、多くの人間が人知れず抹殺されました・・・)

冬の嵐
ヴァーティセスの技。雪刃から、猛烈な吹雪を発生させ、敵の動きを止める。
それを利用して、空気中の水分から、強固な氷壁を作り出すことも出来る。
威力・・・3〜30t。

カイザード新武器設定
ファイアクレスト・・・カイザービームのバリエーション。高温の火球を放つ。
クレアスケア・・・カイザービームのバリエーション。自然治癒力を高め、傷をふさぐ。
メルトビーム・・・カイザービームのバリエーション。破壊力より、高熱であること優先された溶解光線である。
ダブルレーザー・・・カイザービームのバリエーション。通常のレーザー攻撃である。普通はこれを使う。
ショックアタック・・・カイザービームのバリエーション。相手に、衝撃を与え気絶させたり、強度によっては殺害することもできる。その強弱は調節可能。
ナイトメアアンク・・・相手を睡眠状態にする、カイザービームのバリエーション。別に悪夢を見るわけではない。

銀河連邦警察特殊処理部隊「天」
銀河連邦警察の精鋭部隊。その性格は、宇宙刑事が通常の部隊、あるいは警察であるとするなら、特殊部隊である。
その主な任務は、マクーやフーマのような、全宇宙規模の脅威に対するものではなく、むしろ、その規模が数人から数十人・・・それでいて星を数個滅ぼせるような戦闘力を持ち、かつ他星系への侵略・犯罪行為を行う意図のある集団を抹殺することである。
通常編成は500〜1000人規模で、支援部隊を含めても、その規模は数万にしか過ぎない。基本的に(宇宙刑事と同じく)単独行動を主とする。
しかし、その戦闘力は、(そうした連中の相手にするがゆえに)強力であることが求められる。
銀河連邦警察の中でも、最も損耗率・戦死率の高い部隊である。

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