「お前は・・・一体?」

氷川は、そう言った・・・だが。

その拳を向け、翔一・・・いや、ジャガーたちによって「アギト」と呼ばれた生物は襲い掛かってきた。

「ふん!」

ぐがしゃあっ!!

その拳が、G3の胸を叩く。

蹴りが、唸る。

「ぐああああっ!!」

氷川はたった二発の攻撃で、吹っ飛ばされる。

がしゃしゃああっ!!

フェンスが砕ける。

圧倒的だった。

攻撃を何とか放つ氷川だったが、そのすべてが見切られ、かわされ、さばかれていた。

『GM-01、ロストしました!』

尾室の声が、耳に響く。

その様子を、Gトレーラーから見ていた小沢は驚愕していた。

「そんな・・・」

その時、唐突に画面がブラックアウトした。

「暗視サイトユニット破損!バッテリーも限界です!」

尾室が叫ぶ。

「システム停止まで、後30秒!」

「氷川君離脱しなさい!」

その叫びにわれに返ったように、彼女はそう言った・・・

「グあ・・・ああ・・・」

何とか立った氷川だったが、その耳にさらに絶望的な言葉が飛び込む。

『防御システム、完全に作動しません!』

『K、早く援護に入って!』

「く・・・くそぅ・・・・」

その時、すでに勝負を決めた悠子とKがようやく到着した!

「大丈夫ですか、氷川さん!!」

「ひどいね・・・これは・・・こら、キミがやったのか!?」

氷川に駆け寄る二人だったが、「アギト」は・・・

先ほどの、白ジャガーを倒したキックを放つためか、その角を、再び開放した!

「・・・問答無用?冬の嵐よ・・・氷の壁となれっ!!」

きいんっ!

吹雪は、空気中の水分を凝固させ、バリアのごとき防壁を作り上げた。

だが・・・・

「はぁぁぁ・・・はっ?!・・・ぐぅっ!」

「アギト」は突如、まるで夢でも見ていたかのようによろめくと・・・

自分の腕を、見る。

頭を振って、こちらを見る。

そして・・・

すぐに、どこかへ立ち去って行った・・・

『G3システム、機能停止!』

「大丈夫ですか、氷川さん!!」

「だめ、気絶してるよ・・・早くどこかへ・・・」

G3システムは、粉々・・・とは言えないものの、かなり破損していることが見受けられた。

「あたしも手伝うから、そっちもって!いっせーのせっ!」

「は、はい!」

それからすぐに、Kと悠子は、氷川をGトレーラーに運び込んだのだった・・・



「アギト」は、バイクに手を当て、頭を落としていた。

きいぃぃぃ・・・パシュッ!

そんな音と、さっきと同じ金の光を発して、彼は・・・翔一に戻った。

額に手を当て、しばし夢・・・悪夢を見ていたように頭を振ると、彼はバイクに乗って走り出そうとした。

その時、向こうから、真魚の乗った自転車がやってきた。

翔一に気づくと、彼女はまっすぐに向かってきた。

「翔一くん!」

呆然と立つ彼の腕をつかむと、彼女は「どうしたの、なにがあったの・・・?」と言った。

「それに・・・あの格好、何?」

おびえた風もなく、そう言った彼女に翔一は、

「わからない、わからない・・・」とうわごとのように言い続けた。

「いいよ、怖がらなくても・・・私も、怖がらないから。」

まるで、慈母のごとくそう言った彼女に。

彼は・・・

まるで、救いを求める子供のように・・・

「助けて」

と、しがみついたのだった・・・



スーパーヒーロー作戦SPIRITS
第六話「黒の疾風、蒼の嵐」




夜9時ごろ ジャンパーソンと榊

「あんた、一体何者だ?」

榊は、変身を解かずに、そう言った。

まだ、正体を見せたくない。

少なくとも、彼が敵ではないとわかるまで。

そう思ったからだった。

「キミこそ、何者だ?私を呼んだのは、君なのか?」

ジャンパーソンは、逆に質問すると、キュイ、と音を立てて榊に向いた。

「何だと・・・?」

「私は、呼ばれたのだ。そう・・・私と、ある人物しか知り得ない回線を使って、私に呼びかけたものがあった。それは、君ではないのか?」

質問を続ける彼に、榊は「いや・・・俺じゃぁない」と言った。

「そうか、知らないか・・・」

そう言った彼は、榊に「ありがとう、助かった。」と言った。

「待ってくれ、もしかしたら・・・」

「もしかしたら?」

そういいかけた榊は、確証が無い、と思ったのか、「いや、なんでもない」と言って、

「秋子姉を助けてくれて、ありがとう。名前は・・・ジャンパーソンだったな。」

と続けた。

「ああ、また会うこともあるかもしれない。キミが正義と平和のために戦うなら。」

「そうだな・・・俺の名は・・・この姿のときは・・・仮面ライダー黒狼。覚えておいてくれ。」

そう言うと、榊は変身を解き、「陣内榊だ、よろしくな。」と言った。

「そうか、私はジャンパーソン、特捜ロボジャンパーソンだ。」

そう言うと、腕の端末らしきものをいじる。

すると、黒い・・・漆黒の車がやってきた。

「また会おう」

バタン!

車に乗ると、彼はそう言って去って行った。

「あ、そうだ・・・秋子姉迎えに行かなきゃ・・・」

彼の名を心に刻む。

彼を呼んだのは・・・もしかしたら悠子かもしれない。

そう思いながら、榊はルガーを置いてきた公園のほうへ走って行った・・・



翌朝 美杉宅

「どうしたんだよ〜翔一〜、起きて飯作れよ〜」

少し横柄な、子供の声。

心配そうに、真魚と太一は、布団をかぶって寝ている翔一を見守っていた。

「熱でもあんのかな。翔一が朝寝坊するなんて、何かあったのかな?」

「そうだね・・・」

「昨日も、突然いなくなっちゃうし・・・うちの親父怒ってたぜ?」

真魚は知っていた。

彼が起きてこない理由・・・

(あの姿・・・一体、なんだったんだろう。)

あれから、真魚も結構考え込んでいた。

過去の記憶、それと何か関係あるのだろうか、そう考えていた。

太一は、彼が寝ていると思っていた。

だが・・・

彼は、あの後、まんじりともせず、夜をすごしたのだった・・・



警視庁 中央会議室

三人の、上層部と思しき男たちがいる。

その一人が声を出した。

「これが、キミの遭遇したと言う、未確認生命体らしき生物かね。」

不機嫌そうな声だ。

その空間に、氷川誠とKはいた。

「戦闘オペレーションの実行時間は、21分40秒・・・だと言うのに、録画された映像はわずか数秒・・・どういうことかね?」

ディスプレイに映像が写っている。

ゆがんだ映像。

何が写っているかもわからないそれは、G3のカメラ、そしてKが捕らえた映像のすべてだった。

「わかりません。なぜ写っていないのか、私には・・・確かに、G3に装備されているカメラでその姿を捉えたのですが。」

「しかし・・・私はうそをつけません。また、記憶装置の中には、鮮明に映像が残っています。」

氷川もKが困惑した声を上げる。

「誰も、うそ・・・とは言っていないよ。」

「K君がうそをつけないように設計されていることは、私たちもよく知っているからね。」

「それから・・・最終的に、未確認らしき生物を倒した、第4号らしき生物・・・「アギト」と言ったか。G3を破壊したのも、それだそうだが・・・」

「未確認はすでに滅んだ。一体、何なのかね。」

男たちは、声を荒げて次々と言う。

「わかりません・・・しかし・・・」

「我々が遭遇したのは、未確認生命体ではないと思います。もし未確認生命体なら・・・ゼロ号が相手でもない限り、G3で倒せるはずなのです。」

氷川の言葉をKが続ける。

明らかに、疑問と焦燥で混乱している氷川を、見ていられなかったからだ。

「未確認生命体を超える、新たな敵が現れたとでも言いたいのかね・・・」

怪訝な声。

それに対し氷川とKは声をそろえて、「はい!」と言った。

「埒が明かんな・・・そうだとするなら、君等が遭遇した生物はアンノウンとでも言うしかない・・・君は、どう思うかね、北条君。」

その時、脇で控えていた、プライドの高そうな男に話題は回された。

「氷川主任の言はともかく、Kの言うことは信用できると思います。なぜなら、機械はうそをつけない。」

機械。

彼はその部分を強調した。

氷川は、Kの顔色が変わったような、そんな気がした。

彼の名は北條透。

警視庁きってのエリート・・・であると同時に、毒舌で知られている男だ。

彼は続ける。

「だとするならば、我々は未確認を上回る敵を得たことになる・・・それは疑いないでしょう。ならば、早急に対応策を打ち出すべきです。」

冷静にそう告げ、続けて、

「まず、G3システムの重要性を認識し、対策班全体の強化を急ぐべきです。」

と言う。

「具体的には、同システムの量産・組織化が重要だと思います。現状で、アンノウンに対抗できるのはG3しかない・・・それを認識すべきです。以上、発言終わります。」

そう言って、彼は席に着いた・・・



氷川と北條は、会議室の外の廊下を歩いていた。

一足先にKはGトレーラーへ戻り、彼と北條は、不本意ながらも一緒に歩いていた。

「助かりました、北條さん。・・・今まで、対策班の人間は、何かと色眼鏡で見られてきましたから。」

「いえ・・・そういえば、以前嫌味を言ったことがありましたね。」

氷川のほうも向かずに、彼はそう言う。

それに対し氷川は、

「ええ・・・あの時は、僕も辛辣になってしまいましたが・・・」

と、若干申し分けなさそうに言った。

「まぁ、そんなことはどうでもいいでしょう。とにかく、アンノウンが出現した以上、G3システムが警視庁を引っ張っていくことになる。期待していますよ。」

「はい!」

氷川を向いてそう言う北條に、氷川はうれしそうに返事をしたのだった。

そして、北條は、気に入らんとばかりに唇を動かすと、早足で去っていった。



Gトレーラー内部

「すいません・・・僕が未熟なせいで、G3を傷つけてしまいました。」

申し訳なさそうに、氷川は小沢に頭を下げていた。

「一応、修理に出すことには出したけど・・・おかげ様で直るには時間がかかりそうね。」

「すいません!」

そう言う小沢に、氷川は本当に申し訳なさそうに、謝った。

その時、気づいた様に彼は「ところで・・・G3システムの量産は可能だと思いますか、小沢さん。」と言った。

それに、小沢は何かに気づいた様に、

「あんた・・・北條君あたりになんか言われたでしょ・・・あいつの言うことは、信用しないほうがいいと思うわよ?実はね、あいつ・・・G3計画が表に上ったとき、真っ先に装着員に志願したの。」

と言ってコーヒーをすする。

「でも、結局、あなたが装着員になった・・・快く思っているはずが無いわ。」

そう言って、口調を一転させて、

「第一、こんな高い代物、量産なんか出来るわけ無いじゃない。G3一着で、警視庁舎の改築工事が出来ちゃうわよ。」

と言って笑った。

「え・・・!そんなに高いんですか?」

そう言う氷川に、ちょうど隣に来たKが「そうですねぇ・・・それくらいでしょうか?」と言って、何か書いた紙を渡した。

「げっ・・・こんなにするんですか!」

その紙には、目の玉が飛び出るほどの金額が書かれていた。

「こんなに・・・壊してしまって、本当にすいません!」

ますます縮こまって、真剣に謝る氷川に、彼女は、

「いいわよ、壊れちゃったのは・・・いいから、あのアギトとか言う馬鹿を、アンノウンごと八つ裂きにしなさい!弾も新しいのになるから。」

と、語気を荒げていった。

すると、氷川は、

「はぁ・・・でも、アンノウンを倒したのも彼です。」

と反論したが、いかんせん今の彼女に言葉は通じなかった。

「G3ぶっ壊したのもね!いいから、シミュレーションでもやってなさい!?」

切れた。

氷川はそう思った。

その時・・・

「アー・・・なんで、不器用っぽいのに、人の心えぐるようなこと出てくるのかなぁ・・・」

奥から出てきた少女・・・悠子だった。

「・・・っ!」

氷川は絶句して、

「君は・・・昨日の!」

と言った。

「ちわっす。取調べも終わったし・・・もう帰っていいかな?」

悠子のその言葉に、小沢は「アー・・・そうね、連絡先と学校だけ教えてくれない?」と言った。

「おおけえ。えと・・・」

そう言って、悠子はKにメモを渡した。

これでいいよね?

そう言うような顔をした悠子に、小沢は「オッケー。行っていいわよー。」といった。

「どういうことですか?!何で彼女がここに!」

だが、小沢は「めんどいわ。Kお願い。」

と言って、書類の処理に入った。

こうなっては、彼女の集中力を妨げられるものなど存在しない・・・

Kは事情を説明し始めた。

「それはですね・・・」

あの後、気絶している氷川を運び込んだ彼女は、そのまま行こうとした・・・

それを小沢が呼び止め、氷川には、上への報告が済むまで、自分のいることを内緒にする・・・という条件で事情聴取を受けることになったのだった。

勿論、「上が混乱するから」と、悠子のことの報告を二人にさせなかったのも小沢である。

映像が、ろくに残ってなかったのも、幸いだった。

そこで、悠子は、自分の身分とアンノウンが出たら協力すると言うこと・・・そして、いずれG3ユニットにも協力を頼みたいことを告げた・・・

と、以上の様な事を、Kは氷川に説明した。

「そうだったんですか・・・すいませんでした!」

「キミ、謝ってばっかだねぇ・・・肩こらない?」

謝る氷川にそう言うと、悠子は「じゃ、学校あるから。」と、Gトレーラから出て行った・・・



「おやっさん・・・怒ってたぜ・・・」

朝、会うなり、榊はそう言った。

「あ、やっぱり・・・」

悠子も、それを予想していたか、悲観的な声を出す。

結局遅刻寸前になった悠子は、同じく遅刻寸前の榊と廊下を走っていた。

ちなみに、すでに秋子は二階の教室へ向かっている。

昨日のことは、かなりショックだったようだが、秋子は強かった。

「大丈夫」と言って、学校への道を駆けてきたのだった。

「連絡くらいしろよな・・・」

「ごめん。忘れてた・・・」

呆れたようにそう言う榊に、悠子は謝った。

「ま、いいけどよ・・・おやっさんはあんま気にする人じゃねえし・・・」

「うん・・・」

そういいながら、悠子のかばんの中身をのぞく。

当然ながら、昨日のままだ。

「・・・用意も出来てねえなぁ・・・教科書貸すか?俺、寝てると思うし・・・」

そう言うと、「くあぁああ・・・」と、心底眠そうなあくびを出して「いつも10時間は寝てるんだけどなぁ」と言った。

「いいよ・・・一応、頭はいい方なんだ。」

榊には意外に思えたが、その思いも眠気が凌駕していく。

興味なし、といった感じで榊は、

「あっそ・・・」

とだけ言った。

がらっ。

教室に飛び込む。

どうやら、まだ先生は来ていないようだ・・・

席に着くと、観奈美がいつものように、「今日もいつもどおりですね〜」とのんびりした声を出した。



放課後 空雪高校体育館裏

普通、こういうところは、男女の逢引か、不良のヤキ入れ位にしか使われない。

あるいは、サボり。

小学生くらいだったら・・・少し、面白い遊びが待っているかもしれないが。

だが、今は緊迫した雰囲気が流れていた。

「悠子・・・お前のほうも大変だったようだが、どうだ?」

「うん、ビンゴ・・・新しい敵だったよ。あんなこと、普通出来ないし・・・何より、改造人間じゃなかった・・・と言うか、それすらサーチできなかった。それと、噂のG3とロボット刑事が出てきたよ。」

鋭い表情でそう言う彼女に、同じく鋭い表情で榊は「そうか・・・そっちもか。」

と言って、続ける。

「こっちは・・・秋子姉が巻き込まれたってことは言ったよな?・・・ジャンパーソンと名乗る紫のロボが出てきてな・・・かなりの強さだった。」

「そう・・・」

「それとな・・・ジャンパーソンが言ってたんだが・・・」

そう言って榊は、キッと悠子をにらむ。

「誰かに呼ばれた・・・そう言ってたんだ・・・お前、何か知ってないか?」

そういわれて悠子は、鼻の頭をポリポリかきながら、

「・・あー・・・もしかすると、悠子の相棒かも・・・」

と言って、「おせっかいなところ、あるんだよね・・・勘も良いしさ。」と続ける。

榊は拍子抜けしたように、「じゃぁ、お前じゃぁないんだな・・・」と言って、

「お前の相棒・・・なかなかに良い性格してるな。お前の相棒・・・それも、上官なんだろう?俺と同等かそれ以上・・・そのくらいの実力はあるはずだ。」

と、そこで、苦笑・・・に近い笑みを浮かべる。

そして、

「だが、ジャンパーソンを呼んだ。と言うことは、だ。まだ、俺の前に顔を出したくない・・・そう言う意図がみえみえだな。」

と言った。

「うん・・・結構計算高いよ、虚は・・・でも、それ以上に喧嘩っ早いの。」

「それは、俺と似たようなもんだな。楽しみになったな・・・お前の相棒と会うのがさ。」

「多分ねぇ・・・こないだ言った、スーパーヒーロー作戦・・・あれに、関係してほしい人物なんだと思うよ、そのロボット。」

口に、禁煙パイポの様なものをくわえて、彼女はそう言った。

「中には、普通のロボットにまぎれて、犯罪を犯すロボットもいる・・・だから、虚はそれを防ごうとするロボットを、こっちの仲間に引き込もうとしてるのかも・・・」

そう言った彼女が足を動かすと、パキッ、という乾いた音が立つ。

枝が砕けた。

「大概は・・・人間が悪いんだけどね・・・」

悠子の声は、少しの憂いを含んでいた。

「ああ・・・最近はロボットも増えてきたからなぁ・・・」

「高くて、買えないけどね。」

「そりゃ、そうだ。長期レンタルで、一千万・・・だっけか。」

そう言って榊は、足元の小石を拾い、

「そんなやつの中には、俺たちみたいな気持ちを持ってるやつも・・・いるんだろうか?ジャンパーソンも・・・そうなんだろうか?」

それを、投げた。

悠子は、「どうかな・・・」といって、パイポを振る。

「自我があるロボットは・・・少ないからね、まだ・・・この星では。」

「そうだな・・・でも、ジャンパーソンには、それがある気がする。あいつの瞳・・・悲しみと怒りがあった。」

「そう・・・」

二人の間に、少ししんみりした空気が流れた・・・

だが。

先に気づいたのは、悠子だった。

「誰だっそこにいるのはっ!」

見れば、木の影から何かがのぞいている。

だが、それは、悠子らが気づいたことを悟ると、一目散に逃げ出した!

「待てっ!!」

榊は、足元の石を拾い上げ、叫びと共に投げた。

がつん!!

その石は、狙い違わず、不審者の後頭部にぶち当たった。

当然、その石には、相手が人間ならば・・・

良くて昏倒、悪ければ死んでしまうほどの威力を内包していた。

「チッ・・・」

しかし、男は舌打ちひとつ残して、駆け去っていく。

気づけば、二人はその男を見失っていた・・・

「・・・ありゃあ、人間じゃねえな・・・手応えから言って、改造人間とかでもないはずだ。」

「ロボット・・・かな。」

二人は回りを見回しながら、そう言った。

「また・・・新しい敵・・・か。洒落になってねえぜ・・・一体、いくつ敵が出てくるってんだ!」

先ほどの雰囲気もどこへやら、二人は緊迫した表情でその場を後にした・・・



某所 ゴルゴム地下神殿

「どうやら、気づかれてしまったようですな・・・帯脇殿。」

「どうもそのようですな。」

大神官バラオムは、隣にいる男・・・

どう視ても、40にかかろうとしている、飴を舐めまわしている背広の男と話していた。

「まぁ、いいじゃありませんか?これで種まきはできた・・・後は・・・」

帯脇と呼ばれた男は、そこで口調を変える・・・

今までの凄みを持った、マフィアのボスといった感じの口調が一変して、子供のようになる・・・

「これでえ、あのジャンパーソンも、ブラックサンとか言う馬鹿たれもケチョンケチョンにのしてやる!!あーはははははっ!!!」

まるで子供のようにはしゃぐ彼を見ながら、バラオムは、

(これが、帯脇コンツェルンの社長・・・帯脇竜三郎だと・・・?ただの精神異常者ではないのか。)

と内心思った。

彼は帯脇竜三郎。

日本でも有数の財閥・・・帯脇コンツェルンを一代で築いた男である。

裏で相当あくどい事をしている・・・いや、組織すら支配していると言う噂があがるほどの男であったが・・・ここにいる、そのことはこの噂を裏付けるものだろう。

バラオムの思考を見透かすように、帯脇は、

「失礼・・・どうも、わたしはこういうとき羽目をはずしやすくて・・・」

と、先ほどの口調に戻して言った。

「困りますぞ・・・この計画の真の目的を忘れてもらっては・・・」

バラオムは、そう言う。

「わかっております・・・まぁ、わが帯脇グループとしても協力を惜しまないつもりです・・・商売敵に、“商品”を渡したりはしませんよ・・・くっくっく・・・」

怪訝そうにバラオムは彼を見つめ・・・

その時、別室にいたダロムとビシュムが入ってきた。

そして、開口一番こういう。

「ブラックサン・・・いや、仮面ライダーBlackの抹殺が決まった。創世王様の託宣だ・・・」

「次期創世王は・・・もうひとりの世紀王、シャドームーンに・・・」

二人の言葉に、反応したのは、バラオムではなく・・・

帯脇だった。

「ほほお・・・ならば、ブラックサン・・・いや、仮面ライダーBlackとやらは、わが部下に殺させてもいい・・・ということですなぁ・・・」

そう言って、彼は、

「いや・・・ジャンパーソンだけではなく・・・そいつにも、かなりわたしの計画を邪魔されておりますので・・・」

と言う。

それに対し、ダロムは・・・

「いいだろう・・・帯脇殿・・・ただし・・・」

「ただし?」

「ヤツの腹に埋め込んである、キングストーンは傷つけずに持ち帰っていただきたい。」

そう言った。

「わが怪人の加勢もありましょう・・・」

ビシュムも、冷たくそう言う。

「わかった・・・楽しみにしているがいい。こちらとしても、あんたらはいい取引相手だからな。」

口調をガラッと変えて、帯脇がそう言うと、バラオムは、「くれぐれも、本来の目的を忘れるなよ・・・ライダーBlackや、彼奴に味方する者どもの抹殺は二の次だ!」と言った。

彼らが何を考えているのか・・・

すぐにわかるときが来る。



夕刻 美杉家

「どうしたの、翔一くん・・・元気ないよ?」

ようやく起き出して来た翔一に、真魚は言った。

真魚は学校から戻ったばかりなのか、制服を着たままだ。

翔一は、いつもどおり、自家農園の野菜の手入れをしながら、

「うん・・・」

と、気落ちした様子で言った。

茄子は、夏の夕陽を浴びて光っている。

「・・・もしかして、昨日の事?」

「うん・・・」

おびえを含んだ声で、彼はそう言った。

「どういうことなの?昨日のあの格好と言い・・・何か、昔のことと関係あるの?」

真魚は、目の前の肥料箱をよけながらそう言う。

「・・・わからない・・・わからないんだ・・・だけど。」

「だけど?」

「・・・俺は、あいつらと戦わなきゃいけない。そんな気がするんだ。」

そのおびえの中に、決意を秘めて、彼はそう言った。

「あいつ・・ら?」

「うん、あの格好で、俺が戦ってたんだ・・・アレが、未確認・・・って言うのかな?」

そこで、彼は言葉を切って、ため息をつく。

「とんでもなく、力が強くて、すばやくて・・・でも、俺は戦えた。まるで、最初からそれが決められてるみたいに。」

その時、真魚はにこりと微笑み、こう言った。

「らしくないなぁ・・・翔一君らしくないよ!」

「らしく・・・ない?」

「そうだよ。翔一君らしくない!」

そういって真魚はクルリと振り向く。

「いつもの翔一君なら、「仕方ないよね、俺しかできないんだし。」とか言って、パッパとやっちゃうのに、そんな気落ちしてる翔一君、らしくなさ過ぎだよ。」

彼女は、朗らかな笑みを浮かべてそう言った。

「それとこれとは話が別・・・」

「別じゃないよ。大きいか、小さいかだけでさ。だから・・・」

「だから?」

「もっとシャキッ!としてね?」

真魚がそういうと、翔一は、少し悟ったように言葉を発した。

「・・・そうだね。うん、そうだ!迷ってたけど、今ので俺吹っ切れた。みんなの居場所を守るために、戦うよ!」

「みんなの・・・居場所・・・?」

「そう、みんなの居場所。俺にも真魚ちゃんにも、先生にも太一にも。この世にいるすべての人には居場所がある。それを、俺一人で何とかできるなんて思えなかったから・・・」

「だから、落ち込んでたのね?」

真魚もまた、翔一の考えの一端を悟ったように、そう言った。

その顔は、今までと同じく、優しい・・・

「うん、でももう大丈夫。俺は、俺にできることをする。」

「うん、それでこそ翔一君!応援するから、がんばってね!」

「おう!」

そのときだった。

きぃぃぃん!!

翔一の感覚に異変が現れた。

「ごめん・・・真魚ちゃん。」

「うん・・・わかった。」

その言葉だけを聞くと、翔一はバイクへと走って行った・・・



同時刻 Gトレーラー

「タイミングのいいときは、いいものね・・・」

小沢はそういうと、氷川へ話しかけた。

「ちょうど修理が終わったときなんてね。タイミングが良いったらありゃしない。」

少し、皮肉気にそういうと、彼女は氷川に向き直り、

「そろそろ通報のあった地区だわ。」

と、確認するように言った。

「はいっ!」

氷川がそう答えると、彼らはもう慣れたG3の装着プロセスに入った。

すでにKも現場へ向かっている。

ジョーカーとGトレーラーの速度の差から、先にKが現場についているはずだ。

「G3、装着完了!氷川君、出すわよ?!」

「わかりました。」

その言葉と同時に、彼のガードチェイサーはGトレーラーから離れて行く・・・

その姿を、モニターから見つつ小沢は、「・・・大丈夫、よね。」と呟いた・・・



少し前 公園

「この・・・手は・・・!」

一人の警官が声を上げた。

そこには、明らかな人間の手が、土気色で突き立っていた。

しかも、周りの地面にはまったく掘った跡というものがない。

まるで、もともとそこにあったオブジェのように。

彼(彼女?)の・・・いや、すでに魂を失い、’それ’と化したものは突き立っていた。

「た・・・大変だ・・・!」

そういうと、彼は近くに止めてあったパトカーへと向かおうとした。

その時。

公園の隅に女の子がいた。

まだ、5歳にも満たないであろう、幼い子供が。

そこに・・・

『ヘハァ〜〜〜・・・』

銅色をした亀の化け物・・・そうとしか形容できない何かが、少女のほうへ向かっていた。

とっさに彼は子供に駆け寄り、彼女を抱き上げて、走り出した。

「な・・・なんてことだ・・・!」

そう漏らしながら、パトカーに走る!

・・・しかし。

『ぐはぁ〜〜〜・・・』

開いた右手の甲へ、左の指を差し込むような仕草をする、銀色の亀の化け物がいた。

「ひっ、ひぃっ!!」

ビュウッ、と音を立てて、化け物の右手が振り下ろされる。

「てっめぇ!!何を・・・」

「してるんだぁーーっ!!」

どがしゃぁっ!!

そう、その時、何かアンノウンたち、あるいは組織の手がかりがないかと、調査をしていた榊と悠子が現れて、亀に鋭いけりを食らわしたのだった。

「・・・おっちゃん、早くにげてっ!!」

「し、しかし、君たちは・・・」

その暇もないと言うに、二人の心配をする警官に榊は、

「ぐずぐずするなっ!俺たちより子供を心配してくれっ!!」

と叫びながら、亀の繰り出した、おそらくを人の体など容易く両断するような手刀を
をかわしていた。

「早く、逃げてよ、警察の人・・・ここは、任せてってば!!」

「わ・・・わかった・・・」

そういうと、警官は子供を抱きかかえたまま一目散にパトカーに乗り込み、そのまま走り去っていった。

「・・・これで、容赦なく戦える。こないだ、秋子姉を怖がらせた借りを百万にして返してやるぜっ!!」

「あれ?アリの化け物は昨日みんな倒したって言ってなかったっけ?」

「それとこれとは話が別だ。あの程度じゃ気が収まらない・・・!」

そういうと、榊は構えを取る。

呼応して、悠子も手を上にかざした。

「変身!」

「影転!!」

黒い疾風が巻き、二人は異形へと姿を変える・・・

「さて・・・」

「何を考えてるのか知らないけど・・・・」

「とりあえず、子供を躊躇なく殺そうとした時点で、貴様らを倒す理由は十分だっ・・・!!
我・・・疾風の戦士っ!仮面ライダー黒狼!!

「絶対、許さないよっ!悪しき世界が裁かぬのなら、世に代わって悪を誅す!
月光仙女ヴァーティセス・・・参上!!!

戦いが、始まった。



同じころ 城北大学近くの廃材置き場

葦原涼は、自らのコーチの呼び出しを受けて、そこにいた。

昨日彼に起こった、ある、とても重要な出来事・・・

そのために、彼は大学に退学届を出して部屋に閉じこもっていた。

そこを、彼のコーチが訪問して・・・

そして、彼は恐ろしいものを見ることになった。

・・・いや、涼にとっては、それはとても悲しくて、つらいことだったけれども。

それが午前中のことだ。

そして、昼を過ぎたあたりにコーチから連絡があった。

いわく、この廃材置き場で待っていてくれ、とのことだった。

しかし、そこに待っていたのは・・・

「くっくっく・・・あの程度の言葉にまんまと釣られるとはな・・・」

「所詮は愚民に過ぎぬ、ということですね・・・」

「そのとおりだな、たとえ「アギト」の力を持つといえど・・・」

そこにいたのは、神官服を着た奇妙な男女・・・ビシュムとバラオムがいた。

「あんたら・・・何者だ。」

そういう涼にビシュムは嘲るように、

「お初にお目にかかります。私の名は・・・と言っても、これからモルモットになる身に教えても仕方ありませんね・・・」

と言った。

「な・・・に?」

「ふっふっふ・・・こやつ、何が起こっておるのかも、わかっておらぬ様子・・・説明位してやってはどうだ?」

「ふふ・・・いいでしょう、モルモットは余計なことを考えずとも良いのですが・・・思考を奪うに絶望はよい手段ですからね。」

ビシュムはそういうと、パチン、と指を鳴らした。

すると、後ろからスキンヘッドの大男が現れ・・・その腕には、首をつかまれ、息も絶え絶えな・・・涼の良く見知った顔があった。

「・・・コ、コーチ・・・」

「りょ、涼・・・」

コーチの声に、ビシュムは貶めるように、

「ホホホ・・・何を間の抜けた声を出しているのです?そのモルモットをわれわれに売ったのは、あなたでしょう?両野耕一。」

と言った。

「ぐっ・・・すまん、涼・・・」

そう、彼をゴルゴムに売ったのは、コーチだった。

「そ・・・んな、まさ・・・か。」

「まさかも何もないのですよ、モルモット。この男は、わがゴルゴムの末端構成員・・・あなたが「アギト」の力を持つものだとわかった途端、嬉々として我らにあなたを売ったのです。」

「まさに、人の絆など脆いものよな・・・くっくっく。」

さらにビシュムは続ける。

「この男の狭量さ・・・愚昧さはまさに人間・・・富もなく、才能もなく、ただ我がゴルゴムにいるだけの愚か者。そして、その愚物に裏切られるモルモット・・・ホホホホホ・・・興ある見世物よ!」

艶のある高笑いを響かせ、ビシュムはそう言った。

「・・・もう良かろう、帯脇殿の部下よ・・・そやつは殺してしまえ。用済みゆえな。」

バラオムがそう言うと、スキンヘッドは腕に力を入れ始めた。

「・・・」

ぐ・・・ググググ・・・グ・・・

「ぐぇぇぇぇ・・・たす・・・け・・・りょ・・・・・・」

「クックック・・・売ったモルモットに助けを呼んでどうなると言うのだ?そら、モルモットもあきれて・・・いや、うな垂れておるのか。まぁ、当然よな。」

「ふふ、我々は呆れてしまいますがね。普通、あなた方人間の空想作品などでは、こういう時みな呆れるようですが?」

面白そうに、そういう二人。

それに対して、涼はその頭を垂れて、身動きひとつ取れていなかった。

コーチの苦悶の表情。

恨みがましい眼。

『お前のせいでこんな目に』と語っているその眼。

それをみていると・・・

自分とコーチの思い出。

楽しかった日々。

事故から生き残った自分を励ましてくれたコーチ、そして部員・・・

一切が崩れ去っていく・・・

そうとしか表現できない感覚に涼は襲われていた。

ぶちん。

無造作に。

その感覚は途切れた。

「ぶちん」と、本当に、不意な音がして。

コーチの首と胴は別れを告げた。

ぐしゃり。

その首を、ロボットは踏み潰した。

そう、まるで無造作に・・・

涼は、何かが切れてしまった・・・と思った。

うぅぉわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!変身!!!!

変身。

そう叫ぶと、彼の隣から、染み出すようにもう一人の・・・緑の異形が現れ・・・・

そして、それに吸い込まれるように、彼はその姿へと成った。

「うぅぅぅあああああああああっ!!!!」

獣じみた雄たけびを上げ、バラオムたちに立ち向かっていく涼・・・

それに呼応するように、ビシュムもつぶやく。

「トゲウオ怪人、コウモリ怪人・・・行きなさい。帯脇殿の部下も・・・・」

その言葉に、二つの異形と、幾人かの鎧を着た大男たちが現れ・・・

これが、涼の戦いの日々の始まりだった。



再び、公園

「コ、これは・・・」

氷川がそこに到達したとき、すでに公園はすさまじい戦場だった。

いたるところに現れている、アリのアンノウン。

やはり、いたるところにある爆発の痕。

「ど、どうなっているんだ・・・」

「そんなこと言っている場合ではありません!早く全て倒さないと・・・何も知らない一般人の被害は、極力避けるべきです!!」

狼狽する氷川の前に、一足先に現場についていたKが現れ、そう言った。

「は、はい!」

そう言うと、GM-01を取り出し、彼は発砲を開始した。

どん、どんどんどんどんっ!!

「・・・効いて、いる!」

弾丸が返られている成果、前回の戦闘ではまったく効果のなかったGM-01の弾丸が効いていることを確認した氷川は、右腕にGS-03を持って突進していった。

「うぉおおっ!!」

と、その時、公園の奥のほうからどこかで聞いたことのある声が聞こえてきた。

「まずいよ、榊・・・量が半端じゃないし・・・それに亀は硬すぎる・・・」

「確かに、な。チッ!」

アンノウンの攻撃をやり過ごしながら現れた、その姿は・・・

「芽鑰さん!」

「あ、氷川さんじゃないか・・・やっと来たよ。」

「あの・・・こちらの、方は?」

榊に眼を向けて、氷川はそういうが、榊は「集中しろ、死ぬぞっ!」と叫んで、エクス&ボルテスを放つ。

その一撃は、また蟻アンノウンを一体爆散させた。

「く。本当に数が多いですね・・・・一旦撤退と言うわけにも行かないし・・・」

Kがつぶやく。

そのときだ。

一陣の風・・・いや、赤いマシンが駆け抜けた。

現れたのは・・・

翔一・・・「アギト」だった。

バイクから降りて、アンノウンをこぶしの一撃でなぎ倒す。

「はっ!」

短くそう言うと、彼はアンノウンの群れへと攻撃を始めていた。

「はぁぁぁ・・・・はっ!!」

ベルトの右側をたたくと、ベルトの中心の石が青い輝きを放った。

輝きは、金のアギトの姿を青く変える。

そして、中心の石から彼は両側に刃の着いた槍を取り出した!

「はぁぁぁぁ・・・」

息をため、腰をかがめ、槍を構えると。

彼は、悠子たちには眼もくれずに。

アンノウンどもへと突撃していった。

すぐに、その姿は見えなくなる・・・

「追って、氷川さん、K!絶対逃がしちゃだめだよ?」

そう言うと、Kも氷川もうなづいて、アギトが向かったほうへ蟻どもを振り払いながら進んでいった。

そして、榊は辺りを見回した。

数こそ、氷川らが連れて行った分減っていたが、いまだ劣勢である。

いや、こちらの戦力が分散した分、不利だ。

しかし、アギトも重要・・・

戦力を分けざるを得ない状況だった・・・と言えるだろう。

「く・・・どうする、悠子?」

「一点突破・・・って行っても、戦術としては下の下だしね・・・どうしよぉ・・・」 

榊の言葉に、悠子はそんな気弱な声を出した。

しかし。

その時。

「おいおい、そんなことでどうすんだ?俺の知ってるお前は、んなよわっちぃ事はいわねえぜ?」

突然、公園に声が響いた。

悠子たちも、アンノウンも、一斉に声のしたほうを凝視する。

そこには、短い黒髪で長身、そして何より特徴的な不敵な笑みを浮かべた男が立っていた。

そう、虚・・・柊虚が。

「虚っ!」

ぱぁっと、悠子の顔が明るく輝く。

「喜んでるんじゃない・・・こんな連中に苦戦してる場合じゃねぇだろ?行くぞ?」

「う・・・うんっ!」

「あれが・・・悠子の相棒、か。」

口々に声を上げる。

「どうして、ここに?」

「話は、後だ・・・悠子。ここを切り抜けなきゃ話にならねえだろ?」

「・・・わかった!」

その言葉にうなづき、彼は榊のほうへ向き直った。

「君が・・・陣内君ですか。お初にお目にかかります。こいつの相棒で柊虚と覚えておいてください。」

「あ、ああ・・・」

「じゃ・・・とっととここを切り抜けましょうか・・・
陽装!!

赤光が辺りを包み、そこには赤いコンバットスーツを着た虚・・・いや。

悪しき世界のページを繰るのは・・・貴様らではないっ!陽光戦士カイザード・・・見参!!

カイザードが立っていた。

アンノウンは先ほどから、一寸も動いていない。

虚の威圧感に押されている可能だった。

『陽光戦士カイザードがコンバットスーツの装着に要する時間はわずか1m秒である。ではそのプロセスを説明しよう。
柊の発した「陽装」コードの発信と共に、ギガファントムのソーラーシステム内の増幅システムが起動。増幅された太陽エネルギーは特殊軽合金グラニュームなど様々な物質と合成され、赤いソーラーメタルを生成する。生成されたソーラーメタルは、わずか1m秒でカイザードに陽装されるのだ。』

「てめーら・・・悠子が弱音吐くくらい苦戦させやがって・・・一人残らず因果の外へ叩き出すっ!!」

虚はそう叫ぶと、すぐに「・・・ブレードッ!!」と言い、銀に輝く剣をスーツの籠手に当たる部分から取り出した。

「・・・躁鬱質って言うか、二重人格って言うか・・・極端だな、お前の相棒。」

「・・・それが、虚だから、ネ。」

「そっか・・・ま、なんにせよ、面白いと思うぜ?・・・それに、ここ切り抜ければ幾らでも知る機会なんてあるだろ?なら・・・」

そういって、榊もエクス&ボルテスを投げ捨て、完全な格闘戦スタイルに戻った。

虚の脇によった彼に、虚が話しかける。

「よろしく頼むぜ、これから長い付き合いになるだろうからな。」

「?・・・そうだな、確かに。俺の力・・・見せてやるよ、相棒さん。」

「ああ・・・期待してるぜ?」

「ああ、期待してくれ。とぉぉっ!!・・・
黒狼キィィィック!!

ずががしゃっ!

ズ・・・ドンッ!

蟻が爆散する。

虚と少しだけ話すと、榊はそのもてる力の全てを使って戦い始めた。

「ソーラー・・・ブレードッ!」

ずばしゅっ!

虚も、その手に持った剣にエネルギーを通し、レーザーブレードとしてアンノウンを切り払った。

「悠子を忘れないでよね・・・
冬の嵐よ、氷結の刃となれっ!!!!

ずどどどどどどどっ!!

氷の刃が矢となって敵に降る。

「オラオラオラオラ!!この程度かッ!
黒狼反転キック!!

がががっがががが・・・・!!

閃光のような、黒い疾風がアンノウンに次々と止めを刺す。

虚の登場によって流れの変わった戦場は、もはや一方的な虐殺となっていた。

二十数体いた蟻のアンノウンは、その数を半分以下に減らし・・・

そして、最後の技が決まる。

黒狼・・・円月キィィィィッック!!

必殺っ!雪崩・・・残月っ!!!

ずばしゅどっがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!

一気に六体ものアンノウンが消し飛んだ!

そして・・・

虚は、ソーラーブレードに気合を集中していた。

「てめえで最後だ・・・覚悟、しなっ!!」

ソーラーブレードが、よりいっそう太陽の輝きを放つ。

「ハァァッァァァ・・・・
奥儀っ!!カイザーエクスティンクション!!!!

ソーラーブレードが、十字の軌跡を描き・・・

ズバシュガキャァァァァァッ!!!!!!

数体のアンノウンが、まとめて十文字に断ち割られた!

シュシュゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・

そして、その場にいた蟻のアンノウンは、一体残らず消え去った・・・

汗を拭くように、カイザードは額をぬぐうと、

「ふぅっ・・・改めてよろしく・・・陣内榊君。」

と言い、また黒狼も、

「ああ、こちらこそよろしく頼むぜ・・・柊さん。」

と言った。

「うん、みんな、仲良し仲良し!」

悠子の、元気そうな・・・声が響いて・・・

こうして、この場での戦いは、終わった・・・



少し離れた廃工場

ここでも、今まさに戦いは決しようとしていた。

ひゅん、ひゅん、ひゅん、ひゅん・・・

アギトの振る槍は、風を起こし、二体のアンノウン・・・

そう、最初に現れた亀のアンノウンの動きを封じていた。

『ぐふぅ・・・・・うがぁぁぁぁっ!!』

しかし、痺れを切らしたかのように、アンノウンは疾風を振り払いアギトへ肉薄した・・・

だが。

「ハッ!」

しゅぅっ。

アギトは、その槍の回転を止め、一閃した。

それだけで、二体のアンノウンの運命は決まってしまった。

『フハ〜〜〜・・・』

そういって、何事もなかったかのように腹をなでるアンノウン・・・だが。

『ぐっ!?』『うがぁっ!!』

しゅぅぅぅぅっぅ・・・

奇妙な音を上げて、頭上に光の輪が現れ・・・

ど・・・ドンッ!

爆発、四散した。

ぱしゅっ

アギトは、その体を金に戻し。

バイクへと、歩き出した・・・

だが、その時。

「お前は・・・いったい何者なんだ?」

氷川が現れ、怪訝そうに、警戒感を秘めて、そう言った。

だが・・・

彼は、それには何の反応も見せず、氷川を一瞥するとバイクに乗って去って行った・・・

「いったいなんだったのでしょう・・・今日は、一切攻撃する様子もなかったようですし・・・」

「そう・・・ですね。」

氷川は、Kへそうとしかいえなかった。

それ以上は、何もわからなかった・・・



再び、廃材置き場

「うううう・・・うわあああああっ!!」

獣じみた咆哮を上げて、涼はトゲウオ怪人へと飛び掛っていった。

「うがぁぅっ!!」

彼の腕から映えた触手は、トゲウオ怪人の額を捕らえ、その額から白煙を上げさせていた。

「貴様・・・この俺に傷をつけたなぁっ!!これでもくらえっ!!

ひゅんひゅんひゅんひゅん!!

多数の棘が、涼に襲い掛かる。

「うがぁっ?!」

その棘は、狙いたがわず彼の足へヒットし、涼は一瞬動きを止めた。

その瞬間、コウモリ怪人は超音波を発し、大男たちは口からビーム、目からミサイルなど、どこかで聞いたような攻撃を仕掛けてきた。

ごががががががっ!

「うぐぁぁぁぁっ!!よくも、コーチをぉ・・・ゆるさんっ!」

「ホホホホホ・・・偽善ぶるのはおよしなさい、モルモット。完全な「アギト」でもない、「ギルス」の分際で・・・そもそも、本来は帯脇殿が動くはずだったものを・・・この小物が、余計な情報なぞ持ってくるから我らが動かねば成らなくなったのです・・・」

「そのとおりだ。お前にはモルモットが相応しい・・・そもそも、あのような愚物に忠義立てする必要もあるまい?そやつは、主を売ったのだぞ?」

嘲る笑みを浮かべる二人に、涼は、

うぅぅうぉぉぉぉぉぉっ!!

と、これ以上ないほどの雄たけびを上げた。

突然、それとは別の叫びがした。

「待て、ゴルゴム!!貴様ら・・・何をしているっ!!」

そこに現れたのは、光太郎だった。

そして、もうひとつ。

ヒュンヒュンヒュンヒュン!

ガッ!

ギィィィィィィィィィィィィィッ!!

廃材の鉄骨に突き立ったカードが、猛烈な光を発する。

「Janperson,for Juistice!!」

それは、ジャンパーソンだった。

それに呼応してか、光太郎も・・・

「変・・・身っ!!」

その体を、仮面ライダーBlackに変えた!

「ビシュム、バラオム・・・貴様ら、よくも罪のない市民を!!」

怒りの声を上げるBlackは、問答無用とばかりにトゲウオ怪人へと飛び掛った。

そして、ジャンパーソンも、

「貴様らは・・・データにある。ゴルゴムと言う組織のものだな?」

と言って、ジャスティック・・・電磁警棒を腕の中から取り出した。

「そして、周りにいるロボットは帯脇コンツェルンのもの・・・」

「何だと?!」

Blackは叫んで、バラオムに「貴様らが他の組織と手を組むとはな!」と言った。

ジャンパーソンは、ジャスティックを操り、大男たちへと攻撃を開始した。

ガン、どがぁっ!!

「ふん・・・ビシュムよ、このままではまずい・・・引き上げるべきだ。」

「そうですね・・・もとより、我らがほしいのは完全体の「アギト」。「ギルス」では実験材料にしかなりません・・・」

「では。」

「帰りましょう・・・また会いましょう、仮面ライダーBlack・・・そして、ジャンパーソン・・・そうそう、「ギルス」も御機嫌よう・・・」

そう言って、二人の大神官は虚空へと消えて行った。

「ウゥゥゥゥ・・・ワァァッァァァッ!!!」

その途端、動きを止めていた涼は雄叫びを上げ、コウモリ怪人へ飛び掛った!

踵に長く鋭い牙が生える。

「ワァゥウッ!!」

高く掲げられた、その踵をコウモリ怪人の肩に落とす!!

ワアァァァァァァァァァウウウウウウッ!!

雄叫びを上げ、そして・・・

肩ごと腕を持っていくかのように、胸をけってクルリと回転する。

「ふーっ・・・ふーっ・・・ふーっ・・・」

荒く息をつく。

「きぃきぃきぃ・・・」

不気味な声を上げて、コウモリ怪人は息絶えた。

屍骸も、燃え尽きていく・・・

そして・・・

それを確認すると、クルリときびすを返して、涼は、力尽きるように、逃げるように、その場を後にした。

残されるは・・・

「待ってくれ!君はいったい!?」

「仮面ライダー、貴様の相手はこのおれだぁっ!」

ゴルゴムの手のものと、二人の男。

「くっ・・・?!お前にかまっている暇はないっ!」

「そのとおりだ。一気に行こう・・・」

ジャンパーソンの言葉に反応するように、Blackは必殺のこぶしを放つ。

ライダァァァァッパァァァァンチッ!!

がしゃあっ!!

「ぐあああっ!!」

ライダァァァァァァッキィィィィィィック!!!

「うおわああ・・・・」

きゅんきゅんきゅう・・・・ぼわああっ!!

奇妙な音を立てて、怪人は蒸発した・・・

スピンドルキャノン!!

そして、ジャンパーソンも必殺の砲撃で・・・

ずどおおおおんっ!!

大男・・・ロボットの群れを破壊しつくした!!

これで、この場所でも、戦いは終わった。

風が吹く、光太郎の疑問を拭くかのように。

「あの男、いったい・・・ところで、あなたは?」

Blackは、光太郎に戻ってそうジャンパーソンへ言った。

「私は、ジャンパーソン。ともに戦う日が来ることを信じている。」

しかし、ジャンパーソンは多くを語らず・・・

ダークジェイカーとともに姿を消したのだった・・・



エピローグ1 某所

「この体・・・いったい・・・」

コーチのことも・・・

涼は悲しみに包まれ、それ以上に驚きと焦燥に包まれていた。

「この腕・・・くっ・・・」

突然、彼の腕に皺・・・老人のような皺が刻まれる。

そして・・・

彼は、気絶してしまった。

だが。

「「アギト」・・・いや、「ギルス」か・・・珍しいね。」

そう言う、黒い服を着た少年が現れ。

彼を、まるで細い枯れ木でも担ぐかのように軽々と持ち上げ・・・

暗闇へと、消えて行った・・・



エピローグ2 オーパーツ研

オーパーツ研・・・いや、オーパーツ研だったところでは、今片付けの作業が行われていた。

いるのは、霧島と氷川・・・そして、片付けのために動員されたG.U.A.R.D.の隊員たちだけだった。

「見ての通りだ・・・オーパーツ研は、今日で解散だそうだ・・・」

「そんな・・・霧島さん!」

少し、気だるそうな誠子に、氷川は激しく言い募った。

「そんなことを言われてもな・・・三雲が失踪してしまったんだ・・・どうしようもない。私も、G.U.A.R.D.の特殊調査班・・・確か、セイバーとか言うところに行くことになったしな・・・」

「しかし・・・何か、手がかりはないんですか?」

「これだけさ。私宛に、「あれは恐ろしいものだった・・・人が触れてはいけないものだった。」・・・そうかかれただけの置手紙を残して行っただけ・・・」

そう言うと、氷川に「この件については、私のほうでも調べてみるよ・・・このままで済ませつもりは、毛頭、ない。」といって少し、でも壮絶な笑みを浮かべた・・・



エピローグ3 美杉家

台所では、翔一がキャベツの千切りをしていた。

「翔一〜ようやく元気になったのかよ〜」

「あ、うん。心配かけてごめんな、太一。」

「そんなことより、腹減ったよ・・・」

「わかった!今日は腕によりをかけて作っちゃおう!」

二人の様子を、真魚はドアの隙間から見ていた。

(うん、これなら大丈夫だよね、翔一君。)

真魚は、安堵して台所を後にした・・・



エピローグ4 水瀬家

榊と光太郎は、チームセイバーに参加することになった。

長年住んでいた水瀬家も、一旦は出て行かなければならない。

急なことだったので、出張先の信一や春奈には、電話で伝えてある・・・

しかし、榊のたっての願いで、秋子だけには別れの挨拶をしたい、とのことなので、虚がこの場をセッティングしたのだった。

複雑な、でももう全て決めてしまった、そんな表情を浮かべて、榊は秋子を見つめていた。

「ごめん、秋子姉・・・俺、どうしても行かなきゃ・・・」

「うん、わかってる。なんとなく・・・少し前からそんな気はしてたんだ。」

済まなそうにそういう榊に、秋子は勤めて朗らかに、そう答えた。

「すいません・・・どうしても、彼の力が必要なんです。」

そう言って、虚は頭を下げた。

「わかってます・・・こき使っちゃってください!丈夫だけがとりえですから。」

「あ、ひでえなぁ、秋子姉。」

むっとして言う榊に秋子は「冗談よ。」と言って、

「帰って、これるよね。」

とだけ聞いた。

榊は「ああ、必ず。」と答えて、にこりと笑った。

「ごめんね、秋子・・・」

「いいのよ、悠子ちゃん。そういう、何かを背負った人だと思ってたから。」

「そう・・・」

「多分、週に一度・・・ここら辺で事件があったときは、毎日でも帰ってこれると思います。出先の地上支部が完成するまでですから・・・そうすれば、いつでも・・・すいません。」

申し訳なさそうに、そういう虚に榊は「・・・気、遣うなっていったろ?」と言った。

「すまんな・・・」と虚は言い、そして一言。

「チームセイバーは、貴兄を歓迎します。」

と言った。

秋子は、何も言わない。

外では、光太郎が待っている。

榊にとっても、虚にも悠子にも光太郎にも、この朝はきっと忘れえぬものになるだろうと、虚は思った。

「行ってきます、秋子姉・・・」

榊が、そう言った。

それに対して、秋子は「行ってらっしゃい。」と言うと、

少しだけ。

ほんの少しだけ。

榊の唇に、自分の唇を押し当てた・・・


続く






次回予告

ジャングルは戦場だった。

子供たちは、その地獄で笑顔をどこかに落としてきてしまった。

男は、無力だった。

無力だった過去がよみがえってきた。

紅き拳を持つ男・・・

彼の名は、一文字隼人・・・

次回、スーパーヒーロー作戦SPIRITS

「紅い拳の悪魔」

魂より継がれし物語、今こそ語ろう・・・・





あとがき

ふ・・・ふふふ・・・・・・

疲れた〜

秋子さん「・・・」

おや、今日はどうなされました?

秋子さん「・・・(ぽわ〜ん)」

むう、いつもぽわっとしてるのに、輪をかけて・・・

どうなすったか?

秋子さん「・・・いや・・・その、今回は・・・」

ああ、ラストのあれですか。

秋子さん「初々しいですね〜」

そりゃ、まぁ・・・

高校生ですし・・・って、いまどきの高校生は進んでいるんですよね〜(情報源が微妙に古い

最後のやつが出てきた理由は・・・

しばらく出番ないんで、秋子さん。

読者に(居るのかどうか、非常に怪しいけど)、忘れられないように・・・と、思って。

ただでさえ、このSSにおいてKeyのキャラは陰薄いんですから。

秋子さん「そうですかあ・・・出番しばらくないんですね・・・次はいつくらいになります?」

うーみゅ、多分十二話ですね。

秋子さん「早く書いてくださいね・・・早々、柊さんのことですが。」

はい、うそ予告しちゃいましたね。

6話では、本当は出す予定なかったんですよ。

当初の予定では、七話以降の2号ライダー編では、榊を出さない予定だったので。

秋子さん「ふーん・・・」

あんまり驚かないんですね。

秋子さん「いえ、別に・・・行き当たりばったりは、あなたのジョブ特性でしょう?」

がーーーーーん!!

あ・・・当たらずとも遠からず・・・げふ。

あ、そうそう・・・

ジャンパーソン勢とアギト勢にはしばらく出番ございません。

今後しばらくは、仮面ライダーSPIRITS、黒狼、真仮面ライダー、ウルトラマンダイナ、ウルトラマングレート、キカイダー、グリッドマン、ガイファードなんかが話の中心になるはず。

だから、アギトの話は途中かなーり端折りマース。

スマソ。

秋子さん「黒狼の話のウェイトが大きくなると、出番増えますね・・・」

そうですね・・・

そうなると、いいですね・・・

では、また・・・

秋子さん「このチャンネルで会いましょう。」

俺&秋子さん「さよ〜なら〜」

続く


PS,以下に霧島誠子さんのプロフィールを掲載します。シュワッチュ!!



霧島誠子
霧島聖の叔母。年齢30歳。
城北大学考古学部の教授。オーパーツ研究を手がける一研究者にして、不屈のスピリットを持つトレジャーハンター。
各国を渡り歩き、地道にさまざまな発見をしてきた、若き才能。
モットーは「地道」。誠実を旨とし、不正を許さない。
三雲咲子の友人で、共にオーパーツ研究局にいたが、局の解散と彼女の失踪に疑問を持ち、調査をはじめる。
それは、彼女にとっての転機となる事件だった・・・
15歳で城北大学に入学するという優秀な人物で、以下のような風変わりな経歴を持つ。大学時代は心理学を先攻、美杉義彦の研究室に所属していたが退学。その後、考古学部に再入学して、卒業後エジプトへ旅立った。そして、三年後帰国し、現在に至る。
人間心理と超能力の関係に注目していた彼女は、超能力的なものを否定する美杉と、そのスタンスの違いから対立した。それが退学・再入学の主な原因らしい。そのため、美杉とは多少の確執があるようだ。(主に相手側の)
結構きつい言葉をポンポン吐くのが得意。

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