エリアルベース コマンドルーム

そこでは、チームセイバーに石室コマンダー・堤チーフを含む、5人だけがいた。

照明も、一部を除いて点灯していない。

「では・・・セイバー新メンバーの紹介と、今回の任務について・・・だ。」

石室は、その重い口を開いた。

「では、新メンバーからだ。入ってきたまえ。」

堤が、そう促すと、パシュッ、と言う音ともに扉が開き、見慣れた顔が入ってきた。

「南光太郎です。よろしくお願いします。」

「陣内・・・陣内榊です、よろしく。」

「芽鑰悠子・・・よろしくねっ!」

そう、いつもの三人だった。

「柊はもう知っているだろうが・・・南君と陣内君は民間人からの協力者・・・そして、有名な都市伝説の生き証人だ。加えて、謎の組織が暗躍していると言うことを証明できるものでもある。」

石室は、そう言うと、真剣な面持ちでこう言った。

「「仮面ライダー」・・・そう、ハックマン中尉には馴染み深いだろう・・・髑髏仮面・・・のモデルとなった・・・改造人間だ、そうだ。」

その口は、重い。

「な・・・」

「ま・・・さか。」

あっけにとられて、そういう我夢とパットだったが、それに柊は、

「本当ですよ、二人とも・・・二人とも、悪の組織に改造された・・・「仮面ライダー」のうちの二人です。」

と、冷静に言った。

「ちょ・・・その口ぶり、あんた何か知ってたわね?」

「ええ、彼らライダー・・・とその周りにいるものについては、以前から調査してましたから。」

「ぐむむ・・・」

にべもなくそう言い放つ彼に、パットは沈黙した。

「彼らは、現在暗躍する謎の組織群・・・すでに1つは判明しているが・・・に人体改造を施されている。このような非人道的な行為を行う組織が存在することを容認することはできない。そこで・・・だ。」

そこで、言葉を区切ると、石室は言った。

「彼らに全面的に協力する・・・と言うわけにも行かないが、セイバーには地上に移ってもらう。我夢はここに残ってもらうことが多くなると思うが・・・」

そこまで言うと、石室は悠子に眼を向け、

「それから・・・彼女は、一見中学生くらいに見えるが、柊の旧知の人物だそうだ。腕は彼が保障してくれるだろう。」

といった。

「よろしくね。我夢、パット♪」

「アー・・うん、よろしく、悠子ちゃん。」

そう言って、二人は握手をした。

そして、榊や光太郎も・・・

「これからよろしく頼むぜ、石室さん。」

「ああ・・・頑張ってくれ。・・・それと、目上に対する態度は考えたほうがいいぞ、陣内。」

「ああ・・・考えておくよ、コマンダーさん。」

「よろしくお願いします、高山さん。」

「我夢で、いいですよ・・・僕も光太郎って呼ばせてもらいますから。」

「ああ!」

「よろしく!」

石室や我夢と握手を交し合っていた。

そして・・・簡単な自己紹介とミーティングが終わるころ、石室は次の任務について述べた・・・

それは・・・



スーパーヒーロー作戦SPIRITS

第七話「紅い拳の悪魔」



ダヴライナー機内

「でさ。ナオキのやつったらな・・・俺に、よりにもよって、あんな本を渡すんだ。おかげで後で秋子姉に見つかって、しこたまフライパンで顔面殴られたし・・・」

「その、ナオキってのは?」

「ああ、小学生のときからの友達さ。少年仮面ライダー隊ってのに、俺たちは入っててね・・・そのころからの腐れ縁なんだよ。何の因果か、高校まで同じだ。」

「ほぉぅ。」

榊は虚に、自分の話しをしていた。

自分が孤児であることから、7人ライダーの戦いを見てきた、と言うこと。

家族、友達、その他さまざまな話をしていた。

虚は、時折うなずき、時折質問を織り交ぜながら、その話を聞いていた。

ちなみに、光太郎も来ているが、完全に寝ている。

そして、一応の話しも終わった・・・と言うころに、榊は虚に聞いた。

「ところで・・・任務・・・ってどういうことだ?あの場では、東南アジアに行ってくれ・・・って事だったが。」

「ああ・・・それか。正式な命令書は、見せられんが・・・今度の事件は、組織がらみくせえ。」

虚が、閉じていた瞳を開いてそう言うと、榊は「やはり・・・か」とつぶやいた。

「知ってのとおり、今、世界中ではほとんど紛争がおきていない。火種はあるにしろ・・・だ。いつ火を噴いてもおかしかないのも幾らもある。」

「ああ。」

「その中で、不思議なことに、内戦真っ只中のガモン共和国では・・・アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・・・旧欧米列強に、日本や中国といった有力国・・・どこも反乱軍に加担していない。」

そう言うと、虚はポケットから鉛筆を取り出すと、それを弄びながら続けた。

「今の世界では、武器輸出を行っているのはやはり、日本を除くそれらの国々が中心だ。そして、そのすべての国々には、監査官がいて、自由な取引・・・ってやつは、できないようになっている。」

弄んでいた鉛筆を、くるくると回しながら耳に挟むと、さらに、

「だと言うのに、ガモン内戦は「第二のベトナム戦争」と呼ばれるほどに激化し、G.U.A.R.D.も治安維持部隊を出さざるを得なくなっている・・・なぜ、だと思う?」

と榊に質問をした。

「それは・・・やっぱり、隠れて兵器を売ってるやつらがいる・・・ってことだろ?」

「そうだ。そして、それは別段「影の政府」でも、セブンシスターズでもない・・・フリーメーソンのわけがない。と言うことは・・・もう、言わなくてもわかるな?」

虚がそう言うと、榊は声を落として・・・

「・・・組織、の仕業・・・ってことか。」

と言った。

「そうだ、しかも複数の組織が介入している可能性が非常に高い。そして・・・気になる写真がある。」

そう言うと、虚は無表情のまま、懐から一葉の写真を取り出した。

その顔から、感情は見えない。

しかし、榊には暗く、静かで、どうしようもないくらい深いところから感じる、怒りや憎しみのようなものを感じた。

その、恐ろしいくらいの表情を流して、虚は榊にそれを渡した。

「・・・なっ!これ・・・は・・・」

「そうだ、それは・・・」

「一文字・・・さん。」

虚は、耳の鉛筆を再び弄びながら、表情を険しくした。

「それは、今ガモン共和国内で「紅い拳の悪魔」と呼ばれ、無差別に兵器を破壊し続けているらしい。人を殺さずに、な。」

「そ・・・っか。」

安心したように榊がつぶやくと、虚はますます声を落として、

「これで・・・ほぼ確実に、この事件は組織がらみだということだ。厳しくなる。」

と言った。

「・・・そう、君にとって懐かしい人物さ。彼の協力を・・・そして、もう一人。」

人差し指を立てて、そう言った彼の瞳は、先ほどの怖さもどこへやら、穏やかなものだった。

「もう・・・一人?」

榊の疑問に、虚は完全には答えなかった。

ただ、「その人も、君が懐かしがるような人だぜ・・・?」とだけつぶやくと、彼は沈黙した。

(そういえば・・・あいつは、どうしてる、かな・・・)

虚は、少し昔の知り合いの顔を思い浮かべていた。

(あいつは・・・同じガキでも、こいつみたいじゃない・・・腕はいいが、おっちょこちょいで、馬鹿で・・・よほど、俺たちの仕事にゃあむいてないやつだったな・・・)

そう思うと、少し笑みがこぼれる。

(多分、あいつは・・・正規の宇宙刑事になるはずだ。なら・・・俺と会うことも、もうないだろう・・・)

感傷に浸っていると、榊が「何、変な顔してるんだ?」と言った。

「いや、何・・・思い出し笑いさ、思い出し笑い。」

そう言うと、虚は「・・・到着まで、あと1時間はある・・・少し、眠って於け。30分でいいからな・・・」と言うと、あっという間に寝息を立て始めた。

それを見て榊は、「俺より寝付きいいでやんの・・・」と半ば呆れてそう言ったのだった。



とある民間航空の旅客機内

滝和也は機上の人だった。

ここに彼がいるわけは簡単だ。

本郷猛・・・そして、虚からほぼ同時に「一文字隼人発見」の報が入ったのだ。

サングラスをかけ、懐かしい友人との再会を心待ちに・・・

彼は、機上の人であった。

さて・・・前場面において、虚が言ったガモン内戦・・・

それについて、もう少し詳しく説明しておこう。

2020年、軍事クーデターが勃発した東南アジアの小国「ガモン共和国」。

旧TDF・・・現G.U.A.R.D.の、双方にとって不本意な介入によって(世界が望んだ・・・ということだ)、反乱軍は敗走。鬱蒼としたジャングルに逃げ込み、争乱は収まったかに見えたが・・・

彼らのゲリラ活動は、思いのほか超兵器類を持つG.U.A.R.D.を苦戦させ・・・

内戦が続くまま・・・G.U.A.R.D.として、本来行ってはならない活動・・・PKFを続けざるを得なくなっている。

人は、この内戦を・・・「第二のベトナム戦争」と呼んだ・・・

滝は、少し一文字のことを思い出していた。

「・・・あいつは変わってない・・・よな。子供好きで、ふざけたところがあって・・・でも、やる時ゃやる男だ・・・変わる、はずがない・・・」

そうつぶやき、微笑を浮かべる。

「そうさ・・・かけがえのないダチ・・・」



ガモン共和国 リアング国際空港

「小さな、空港だな・・・」

「日本の空港と一緒にするなよ・・・ここは発展途上国。それも内戦続く危険地帯だ。」

「そう、ですね。」

其処に、三人・・・榊と虚と光太郎が、いた。

小さな空港・・・と榊は形容したが、事実そのとおりだ、と実は虚も思っていた。

「で、どこへ行くんです、柊さん?」

光太郎がそう言うと、虚は「ここから数kmほど離れた、寺院さ・・・其処は、病院になっているらしい。」と言うと、テクテク歩き出した。

そうして、数分ほど歩いて・・・

チュイーン!

火花がはじけるような音が、した。

「・・・?銃撃戦か?」

「こうしている場合じゃない、いきましょう!」

「ああ!」

駆け出した三人が見たものは・・・

今まさに、流れ弾の被害を受けそうになっている、親子だった。

銃撃戦の真っ只中、取り残された親子が恐怖に震えていた。

そして・・・銃撃を受けて倒れる、護送車らしきものに収容されていたと思しき男。

虚は、一瞬で状況を整理すると、二人に言った。

「光太郎・・・あの親子を避難させろ。良いか、榊・・・1・2・3で飛び込むぞ!!」

「オーケー・・・1・・・」

「2・・・」

「3!!」

3人は駆け出す。

「大丈夫ですか!さぁ・・・こっちだ!」

光太郎は、その身体で彼らを覆うようにして、親子を誘導する。

そして、二人は・・・

「何が治安維持だ・・・!」

「なにが聖戦だ、ばっきゃろーーーーーッ!!!」

叫んで、銃撃しているゲリラと、G.U.A.R.D.職員の双方を全員張り飛ばさんと、ものすごい勢いでジャンプした。

「死ね、ドアホどもっ!!」

ばし、ばしばしっ!

虚の眼にも留まらぬ早業で、ゲリラ全員の銃が叩き落され・・・そして、鳩尾への一撃が、首筋への手刀が彼らを戦闘不能状態にする。

「・・・あのなぁ、戦争なんてクダラネエコトしてんじゃねえよっ!!」

どす、げす、がすっ!!

そう言うと、榊もその拳で護送車・・・らしきものを守っていたG.U.A.R.D.職員を全員ハッ倒す。

そして・・・

後に残ったのは、市民と、G.U.A.R.D.職員と、ゲリラの死体と・・・二人が張り倒した職員、ゲリラ。

・・・多数の負傷者・・・

そして・・・

「オイ・・・お前、もしかして柊・・・か?」

「・・・おや、滝さんじゃありませんか・・・そうですか、まだ・・・例の寺院に行ってませんでしたか・・・」

「滝・・・滝って・・・滝、さん・・・」

「・・・其処にいるのは・・・もしかして榊、榊か!」

運悪く、銃撃戦に巻き込まれていた、滝和也だった・・・



少し前

新聞・・・そう、少し前の本郷ライダーの活躍が映し出されている新聞を手に、彼はリアング国際空港の外を歩いていた。

うるさいガイドがいるな。

こともあろうに、こいつは俺の親友をこう呼びやがる・・・

「悪魔」だと?

ライダーが悪魔って・・・どういうことだ?

そう聞こうとしたとき、彼には相当物騒に見える、G.U.A.R.D.の紋章の入った護送車が見え、彼は往来を見た。

「・・・ん?アレは・・・」

「グィン将軍の護送だよ・・・」

「ああ、こないだつかまった、クーデターの首謀者の。」

「そうだ・・・だけどよ、今から俺たちが奪回するんだけどな。」

そう言って、そのうるさいガイドの一団は・・・マシンガンを取り出した。

「え?」

ばっ・・・がさがさ・・・

いたるところから、銃を手にしたゲリラが現れて・・・

そして・・・銃撃戦が始まった。

「将軍の奪回、そしてわれわれ正当なガモンの民の存在を世界に・・・そして、指導者面のTPCなんて胡散臭い組織に知らしめるため、犠牲は大きければ大きいほど良いからな・・・お前も、聖戦の尊い犠牲となることを幸せに思え。」

そう、銃を突きつけながら言うゲリラに滝は、「やなこってす」と一言つぶやくと、逆に銃を突きつけ、あっという間に彼を地面にたたき伏せ・・・そのまま、銃弾の矢面に立たせる。

「まったく・・・こんなところで銃撃戦かよ・・・ところで、オイ・・・さっきライダーが悪魔・・・とかどうこう抜かしてな・・・ありゃ、どーいうことだ?」

「ちぃ!知るか!」

「あそ・・・」

そう言うと、滝はさらに彼を前面に出そうとする。

おびえて「やめろ、やめろ!」という彼に、滝は(こんな事しといて、命が惜しいのかよ・・・)と、皮肉な感情を抱いていた。

滝が地面に降ろすと、そいつはしゃべり始めた。

「わかった、話す・・・最近戦場に現れて、敵味方お構いなしに虐殺していく、悪魔見てえなやつがいるんだとよ・・・みんなそれを「紅い悪魔」とか「紅い拳の悪魔」って呼んでるぜ!」

「紅い・・・拳?!」

(あいつの・・・ライダー2号と同じ・・・!)

そう思った、その時・・・

グィン将軍が、撃たれて倒れる光景が見えた。

「ああ・・・将軍が・・・俺たちの・・・聖戦がぁ・・・」

がすっ!!

「何が・・・」

頭にきて、そいつをぶん殴って、何か言おうとしたとき、叫び声が聞こえた。

「何が治安維持だ・・・!」

「なにが聖戦だ、ばっきゃろーーーーーッ!!!」

日本語で、そう叫ぶ声が聞こえ・・・

そして、見れば、どちらも見覚えのある顔が、銃弾をものともせずに、ゲリラ・G.U.A.R.D.・・・双方をぶっ飛ばしていく姿だった。

そして、完全に戦闘が終わると・・・

その二人がこちらに近づいてきた。

それは・・・

「オイ・・・お前、もしかして柊・・・か?」

「・・・おや、滝さんじゃありませんか・・・そうですか、まだ・・・例の寺院に行ってませんでしたか・・・」

「滝・・・滝って・・・滝、さん・・・」

「・・・其処にいるのは・・・もしかして榊、榊か!」

そう、滝にとっては少しの間あっていなかっただけの虚と、昔少年ライダー隊にいた・・・榊だった・・・



寺院病院

「そっか・・・此処が・・・」

「まさしく、駆け込み寺・・・というところですか。」

滝を加えた四人は、さっきの戦闘で怪我をした市民を連れて、此処へ来ていた。

張り飛ばしたG.U.A.R.D.の職員も、柊の身分証明に納得し、生き残ったゲリラを連行して去っていった。

・・・強引な手段ではあったが。

虚が脇を見ると、子供たちがいた。

その貌は無表情。

「すいません・・・お医者さんはどこにいるか、知りませんか?」

虚は、その貌を見て、無駄とはわかっていたものの、そう聞いてみた。

・・・案の定、ビクリ、とすると彼らは逃げるように去っていった。

「オイ・・・なんだ、今の子供・・・」

滝がつぶやく。

だけど虚は「仕方ありません・・・われわれは・・・」と口を詰まらせた。

その時、唐突に女性の声がした。

「其処の人たち、けが人はこっちよ!」

そう言った、女性を見れば・・・

(女医・・・日本人か。)

「すいません・・・奥まで運びます。」

そう言って、虚たちは奥へ行こうとした。

その時、彼女は気になることを言った。

「もう!こんなときに・・・隼人さんはどこへ行ったの?!」

「おい・・・ちょっと待て・・・」

「今、隼人さん・・・って、言ったよな?」

と、その言葉に、滝と榊が反応した。

「・・・言ったケド・・・はやと、一文字隼人、ってね。」



其処には、一人の男がいた。

少年たちに、笑い掛け、表情を崩し、おどけて・・・

「ほら・・・いい顔して・・・・・・だめか?だめ?」

少年たちの貌は変わらない。

「なら、今度はこんな顔はどうだ?」

そう行って、また表情を手で無理に動かす。

・・・

「オイ。」

「隼人さん・・・」

「・・・・・・・・・」

その顔のまま、彼は凍りついた。

隼人・・・

そう呼ばれた彼は。

「滝・・・滝和也か!」

「俺もいるよ、隼人さん・・・デルザーとの最後の決戦以来だ。」

榊がそう言うと、彼は相貌を崩して「・・・榊か・・・でかくなったなぁ・・・」と、感慨深げに言った。

「久しぶりだ、本当に久しぶりだなぁ、オイ!」

「そりゃ、こっちのせりふだ・・・」

そう言って、滝は彼に一発パンチを食らわした。

「バッカヤロ・・・」

そう言った彼の表情は柔らかだった。



そうして、二人は隼人に、虚と本郷の話していたことを話した。

だが、その返事は・・・

「あそ・・・新しい敵ね・・・そっちのほうは、ヨロシク頼むわって、伝えてくれよ。」

と、それだけだった。

「な・・・オイ!なんだそれ!!」

滝はそう言うと、続けて「・・・あの新聞見たガイドが言ってたぜ・・・紅い拳の悪魔・・・ってよ・・・お前、何があった?」といった。

その言葉にくるりと振り向くと、

「バ〜レ〜タ〜カ〜〜〜」

とおどける、隼人。

その口には、作り物の牙がある。

だけど、それを見ていた榊は、冷静に・・・少し悲しそうに。

「そうか・・・わかったよ、隼人さん。わけは、今は聞かないぜ?」

と言った。

「・・・すまん。」

牙を取って、そう一言言うと、隼人はさっきの女医のほうに向かって走っていった。

「真美さん、手伝うぜ?」

その言葉が、榊には聞こえていた・・・



洗濯物を洗いながら、滝はぼやいていた。

「まったく・・・何してんだ、俺は・・・あいつは・・・隼人は、世界を救える男だぜ?それが何でこんなところで飯の炊き出しを・・・」

そう言ったとき、飯盒片手に榊が現れ・・・

無言で、それに水を入れて・・・

そして、滝が口を開いた。

「オイ、榊・・・お前、どうしたんだ?ゲルショッカーが壊滅して・・・その後何やってた?それに・・・あの時、俺よりお前のほうが突っかかるって、思ってたんだけどよ・・・」

「・・・ン、おやっさんと一緒にいろんなことを・・・ね。今は、あんまり話したくないな・・・」

そう言うと、榊は飯盒の米を研ぎ始めた。

「・・・俺、隼人さんの気持ちわかるぜ・・・昔、隼人さんが言ってたんだ。戦場カメラマンってつらいって。今の隼人さんは、きっと迷ってるんだ。」

研ぐ力は、今の榊の腕力にしては、弱い。

「・・・あの子供たちの貌・・・見た?」

ふと気づけば、真美、と隼人が呼んでいた女医が側にいた。

「昔のことは知らないけど・・・彼は彼なりに真剣なのよ。」

そう言うと、彼女は懐から束になった写真を取り出し、滝に、榊に渡した。

「子供たちの写真・・・だな。」

榊がつぶやく。

「これ・・・見て。笑ってないでしょ?一枚も・・・」

ふと見れば、警戒するようにこちらを見ている子供たちがいた。

「あの子達は・・・この内戦で家を焼かれ・・・親を殺されたわ・・・それも、目の前でね・・・」

眼を伏せ、苦しげに真美は言った。

「そして・・・争いを続ける大人たちを、信用できなくなった・・・体にも触らせてくれないのよ、怪我、してるのに・・・たまらないわ。」

さらに、眼をふせ。

「たまらない・・・」

そう言って。

続ける。

「もう四年よ・・・ここに来て・・・でも、私はまだ何もできてない・・・何も・・・帰れないわよ・・・」

苦しげに。

「あの子達のために・・・まだ、何も・・・」

そう言った。

「そっか・・・やっぱり、そういうわけだったんだ。隼人さん・・・」

そう言うと、榊は手を握り締めた。

水滴が光る・・・

「昔、言ってたよ。隼人さん・・・戦場カメラマンをしてても、自分は何もできていない・・・何も、変えられない・・・って。」

そう言うと、榊は・・・

少し、眼を伏せて、飯盒を真美に渡すと。

「ちょっと、虚に呼ばれてるんだ。ジャぁ・・・」

そう言って、寺院の外へ向かって歩き出した。

それを見送ると、真美はまた、滝に向かって話し出した。

「ねえ・・・紅い拳の悪魔・・・って知ってる?」

ギクリ、として滝は少し上ずった声で「ちょ・・・ちょっとはな」と言った。

「誰だか知らないけど・・・敵も味方もお構いなしに・・・憎しみを煽って・・・内戦を長引かせたいとでも思ってるかしら。だとしたら・・・それは、間違いなく、本当の悪魔よ・・・」

その声は、虚空に消えて・・・



ジャングル 焼け跡

少し開けた、焼け跡に、三人はいた。

「そうか・・・やっぱり、そういうことか。」

虚は、そう言うと、「城さん・・・と同じ、か。」とつぶやく。

「ああ・・・何も変えられない、何もできない・・・すごく、無力な自分を責めてるんだと思う。」

「それは・・・たまらないな。」

辛そうな、榊の声に、光太郎がそう言った。

「・・・なら、俺たちのやるべきことは一つだ。この内戦の糸を引く、組織の野望をつぶす・・・それで、あの子供たちに笑みが戻ればいいが・・・そのための調査は、明日以降にしよう・・・今日は・・・」

そう言うと、虚は懐から二本のコンバットナイフを取り出した。

「・・・特訓、しちまおう。」

と言った。

「そうだな・・・これだけ敵が多いんじゃ、今の戦い方じゃ絶対息が上がる。」

「ああ、僕もそう思う。」

二人は、あっさり合意した。

二人とも・・・もちろん虚も、この状況を見て、絶対に何とかしなくはいけない・・・と思うようになっていた。

それもあるだろう、特に榊は体から炎を噴出さんばかりに、やる気満々だった。

それを確認すると、虚は「俺は、昔・・・少しだけど、教官をしたことがある。俺の訓練に、耐えてくれよ・・・」と言うと、そのコンバットナイフの一本を榊に渡し・・・

榊は、特訓の・・・一つの決まりごとであるかのように、「お手柔らかに」と言い・・・

そして、虚は二人に、実戦さながらの訓練を課した。

「ちがうっ!喉を狙うな、まず足を狙えっ!戦闘員相手ならともかく、怪人に喉の一撃で死ぬやつがいるか?!足を狙って、戦闘力を落としてからだ!」

「屈伸を入れろ!ジャンプが遅いっ!」

「一撃必殺は、戦場の法則だ。冷徹にな・・・」

「刃物も銃器も、ただ使えればいいってもんじゃねえ。もっと、使い込め!」

・・・虚の檄が飛ぶ。

「・・・よし。ここらで、二人の欠点を・・・」

そう言うと、まず光太郎へ向き、

「お前は・・・身体能力に頼りすぎだ。もっと、その身体能力を効率よく使用できるといいな。」

と言い、榊には、

「お前は・・・戦闘の基本はできている。だけど・・・如何せん、「門前の小僧、習わぬ経を読む」方式にも、限界あるぜ・・・今のお前の戦い方は、先輩の7人ライダーを真似たものだろうが・・・もっと、自分らしい戦い方を研究すべきだ。」

と伝えた。

「そうだな・・・今日は、もうこれで戦闘訓練は終わりにして・・・合体技の研究をしよう。」

と虚は言う。

「合体・・・技、か。」

そうつぶやくと、榊はただ一言。

「ライダーダブルキックだ。」

と言った。

「・・・ライダーダブルキック?」

「そうさ・・・隼人さんと本郷さんが、力をあわせて使う技だ。ピッタリ同じタイミングで敵に打撃を与えることで、ライダーキックの威力を十数倍に引き上げるんだ。」

そう言うと、彼は・・・少し、難しそうに「でもなぁ・・・」とつぶやいた。

「・・・?」

怪訝そうに眉をひそめる光太郎に、榊は「アレを完璧にやれるのは、本郷さんと隼人さんだけなんだよ」といった。

「えっと・・・確か、本郷さんと隼人さんは、飛蝗の持つテレパシー能力・・・それを改造手術で増幅されてるものを使って、数千km離れてても会話ができる・・・んだそうだ。」

そう言って、少し考える風に続ける。

「うーん・・・それでタイミングを計ってる、って昔言ってたんだ。」

「そうか・・・インパクトをまったく同じスピード、同じ力、同じ時間で行うことによって、物理で言う共振作用を起こしやすくしている・・・ってことだな?」

「そうだ。だから、その・・・完璧なタイミングあわせに変わる、何かが必要なんだ。」

そう言うと、後ろを向く。

その手は、握り締められている。

その時、虚が口を開いた。

「・・・可能性があるとすれば、俺よりも光太郎と、だろうな。俺の習得している体術は、徹底的に個の戦闘に特化している。本来誰かと共同で戦うなんてことは、そうないんだ。」

そこで区切って、彼は言う。

「だから、まだ、そう言ったものが未分化な、お前ら同士なら、何とかなる・・・問題はタイミング合わせだが。」

そう言うと、少し考えて、彼は言った。

「こればっかは、どうしようもないだろ・・・少しでもタイミングを合わせられるよう、特訓するしかあるまい・・・まさか、シンクロナイズドスイミングをやるわけにも行かないしな。」

そう言うと、榊も「それしかないな・・・」とつぶやいて、光太郎へ、「よし、やろう」といった。

三人は、それぞれに変身すると、虚を実験台にライダーダブルキックの練習を始めた。

また、虚の檄が飛ぶ。

「こら、タイミングが合ってない!もっと、相手の息を読め、お互いに!」

「・・・くッ・・・うぉおおおおっ!」

「はぁぁぁ・・・・」

何度も何度も失敗し、二人の疲れの色が濃くなるころ・・・

何度もライダーキックの洗礼を受け、虚も疲れきり・・・

そうして、2時間が過ぎ、夜の帳もすっかり下りて、もうみんな眠るころ。

虚は、唐突に耳にその手を当てた。

どうやら、通信が入ったらしい。

「はぁ・・・なんだって!・・・わかった。そちらでも警戒しておいてください。では。」

そう言うと、彼は二人に向き直る。

「大変なことになったぜ・・・G.U.A.R.D.のPKF部隊が寺院病院の近くで戦闘を仕掛けられてるらしい。しかも、昼間の・・・重体で病院に担ぎ込まれた、例のグィン将軍・・・・行方不明になったそうだ。寺院に戻るぞ!」

「なッ・・・・わかった。」

「行きましょう、虚さん!」

虚の言葉に従って、二人は後ろを向いた。

なんてこった・・・まさか、いきなりこんなことになるとは。

虚の、その心の声に、答えるものはいなかった・・・



寺院病院 子供たちの寝室

寝室に、一人の男が入ってきた。

一文字だ。

彼はやさしく微笑むと、安らかに眠る子供たちの貌を見回し・・・

布団を蹴飛ばしている子に、そっとそれをかけてやった。

「寝てるときは・・・怖く、ないよな・・・」

彼は、寂しそうに微笑を深くすると、その心を少し前に戻していた。



村。

戦場。

爆炎。

轟音。

戦闘が終わる。

残されたのは廃墟。

その中に、一文字・・・いや、2号ライダーはいた。

なんだ・・・これは・・・

死体。

死体。

死体、死体、死体、死体、死体死体死体死体死体死体―――――――――――――。

殺されている。

銃でも、刃物でもない。

強いて言えば、獣に喰い散らかされたような。

力任せにちぎられた、そんな死体。

気づけば。

動く。

生きている。

子供だ・・・

おびえている。

近づく。

!・・・違う!これは・・・

ちがう!おれじゃあない!!

絶叫。

子供たちが見ているものは。

まるで血にぬれた、紅い拳。



俺じゃない――――・・・・・・

その手のひらを見ながら、彼はそう、一人考えに堕ちていた。

ふっと、耳に音が聞こえる。

常人では聞こえない、かすかな音。

タン、タタン。

そう。

銃撃の音だ!

真美と滝は、慌てて外に出てそれを見る。

「戦闘?!こんな・・・・・・避難地区のスグそばで?!!」

真美が叫ぶ。

「やめてよ、馬鹿!!あんたたち、互いに正義とか悪とか、勝手な理由つけて人を傷つけて・・・・」

その瞳に涙が、浮かぶ。

「あんたたちは、ただ人殺しに酔っ払ってるだけじゃない!!」

どぉん!

遠雷のような、轟音が響く。

「子供たちにとったら、殺しあう人はみんな悪魔よ!!」



「くッ・・・」

窓の外の光景を見て、彼は歯噛みした。

なんてことだ・・・くそぉっ!!

ガタ。

物音。

見ると、子供たちが隅で震えているのがわかった。

「だ、大丈夫だよ・・・大丈夫・・・心配するな、俺がついている。」

おびえた貌。

・・・気づけば、彼らは隼人の貌を見ておびえている・・・

そう。

彼の貌には、いくつも傷跡が浮かび上がっていた。

「キャアアアアアア!!」

「くッ・・・!」

慌てて、貌を隠し、隼人は外へ向かって走り出した。

くッ・・・ブチキレそうになると、いつもこうだ・・・!

心の叫び。

バイクに、飛び乗る。

「殺しちゃいない・・・俺は、兵士たちを殺してなんか・・・でもよ、このツラ・・・あいつらにとっちゃ、おれも、ただの悪魔かもな・・・」

そう言うと、ギリ、と歯を食い縛り、続ける。

熱帯の夜の、胡乱な暑さに焦がされ。

バイクの速度は、いや増しに上がって。

「フン・・・悪魔でいいよ・・・機械の詰まった悪魔でな・・・それでも、俺は、あいつらに・・・・・・」

悲しい、その声をあざ笑うかのように、もう戦闘は終わっていた。

「・・・!!この・・・この死に方はっ!」

死体・・・

ちぎられたような、どこかで見たような。

周りを見回す。

すると・・・

男を抱きかかえ、介抱している男の姿が見えた。

「どうしました・・・しっかり、してください。」

そう言って、兵士に悲しい労いをかける、虚がいた。

「オイ・・・お前・・・」

「静かにしてください。少しでも、この人が安らかになれるように・・・」

そう言うと、彼が抱えている兵士が口を開いた。

「あ・・・」

「口を・・・開かないでください。苦しみが・・・増します。」

その虚の言葉にかまわずに、彼は言った。

苦しげに、悪夢を憎むかのように、つぶやく。

「悪魔・・・だ・・・ヤツラ、みんな・・・」

そう言うと、彼はその両手を・・・力なく、垂れさせた。

虚は彼を地面に置くと・・・「一文字さん・・・」といった。

「ヤツラ・・・だと?まずい、診療所が・・・!」

そう叫んで、二人は寺院へと向かって急いだ!!



寺院病院

「おいおい・・・ここには、ガキと怪我人しかいねえぜ・・・それが人間のやることかよ?」

滝は、その口を不敵に吊り上げながら、そう言った。

額には、一筋の、汗。

彼ら・・・怪我人と、子供たち・・・そして真美と滝は、寺院前の広場に連行され・・・戦車と兵士に囲まれていた。

「ふむ・・・確かに、人道に反する行為だ・・・しかし、だからこそそのインパクトは絶大な宣伝行為となる。」

戦車の上にいた、男がそう言った。

「われわれの戦闘力を見て、大国もついに契約を結んでくれたよ・・・」

その男は・・・

そう、まさに。

「グィン将軍・・・?!射殺されたはずじゃぁ・・・?!!!」

そう、彼は、滝の見ている前で、確かに致命の銃弾を受けて路地に沈んだはずのグィン将軍だった。

彼の不敵な笑みに、滝は一瞬凍りつくが、スグに平静を取り戻し、彼ら・・・ゲリラを見回した。

見れば、彼らの手にあるものは、真新しいライフル。

そして、戦車も、イスラエルのメルカバUだ。

「最新型・・・ゲリラには過ぎた武装だぜ・・・?手前ら、いったい・・・」

暗いグィンの目が、不気味に輝き、そして彼は滝にこう言い放った。

「死ぬのだ・・・一人残らず・・・な。聞いても、何の意味もない。」

光る瞳。

滝は、それを眼を凝らし、見た。

その眼は・・・まるで昆虫の複眼のように、いや、それそのままに変化していた。

「なぁ・・・そうだろう?神に見放された人々よ。」

「その言葉・・・てめえッ!」

その言葉は・・・まさに、彼があの時聞いた・・・ペトレスクと同じ言葉だった。

その言葉を聴いた瞬間。

ジャきっ!

タタタッ!!

目の前のゲリラ兵が、無表情のまま、ライフルを撃った。

それに対し、滝は、その手に持つマグナムで二度、「ドンドン」という音を残して、撃った。

しかし。

彼には、まったく利いていない。

その時、滝は、その貌を見咎めた。

無表情で、それで居て、苦痛にゆがんだような、その貌は・・・

「おまえ・・・空港の・・・!」

そう、空港に居た、あの滝が身勝手だ・・・と思った男だった。

「ダ・・・ダン・・・ナ・・・コロ・・・テ」

その相貌には、涙が伝う。

ツウ、と。

その貌に、苦しみ、痛み、悲しんでいると理解した滝は・・・

そして、こうなってしまったものを救うには・・・こうするしかない、と理解している滝は・・・

こうなってしまっても、まだ身勝手に自らの死を求める、その悲しい男に「オッケー・・・」というと、腕に、高圧のスタンガンを取り付けて。

ボガン!!

渾身の力を込めて、その貌を殴った。

だけど。

その貌は・・・

皮膚が剥がれ、機械・・・いや、三つ目の硬質な貌がむき出しにされた。

「!!!?・・・こいつらは・・・・・・そうか、貴様らが戦争の虐殺を・・・!!」

その貌をみた、滝はそう叫ぶ。

だが、その言葉を許さぬかのように、グィンが顔を出している戦車は、ギリギリと音を立てて滝たちの方へその砲身を向けた。

「やめろおおっ!!」

ドオウン!!!

ドガアアッ!!

その音が聞こえる瞬間。

滝は、力の限り、叫んでいた。

もう、死んだ・・・そう、思った。

だけど、砲弾は、彼らのはるか手前で着弾・・・いや、炸裂していた。

猛然たる煙。

その煙の中から、姿を現す。

「紅い、拳。」

真美は、そうつぶやいた。

そして、緑の仮面。

飛蝗の羽を思わせる模様が描かれた、背中。

紅いブーツに紅い拳。

紅い・・・マフラー。

そう、それは・・・

「一文字!!」

滝は、我知らず、そう叫んでいた。

まさしく、それは・・・

「え!?」

その時、真美の驚愕の声が漏れた。

その瞳、貌、声には、おびえ。

子供たちも、みな一様に似た表情を浮かべている。

「ギィィィィィッッ!!」

叫び、彼に襲い掛かる、さっきの兵士。

す・・・と、拳を構え、彼は叫んだ。

ライダァァァァァァーーーパァァァァァーンチ!!

ゴゥッ!!!

放たれた、紅い・・・必殺の拳は、狙い定めたように、兵士の胸に突き刺さる。

「ギギギ・・・ギギ・・・・コレデ・・・・シネ・・・ル・・・」

ドガアアアアッ!!

そう、悲しいせりふを残して、彼は消滅した。

「うそ・・・アレが・・・隼人、さん・・・」

真美がつぶやく。

おびえと、驚きと、悲しみがない交ぜになった声だった。

そのことばを聞きながら、滝は彼女が言っていたことばを思い出していた。

‘子供たちにとったら、殺しあう人はみんな悪魔よ!’

そのことばを思い出し、愕然とする。

「一・・・文字・・・お前・・・」

滝には、一文字の悲しみが、わかった。

わかりすぎるほど。

自分も戦士であるがゆえに。

だけど、その彼の、友を思う心を引き裂くように。

グィンが言った。

まるで嘲るかのように。

「ほほぉ・・・いい性能だな。貴様の作戦目的とIDは?!」

ばりっ・・・ばりばりっ

そのことばに反応するかのように、兵士たちはその人工皮膚を破り、本来の・・・いや、本来の姿を奪われた、悲しい姿に変わっていった。

その、姿を見ながら。

爆煙を・・・戦争そのものを踏み消すように。

彼は、言った。

「 正義 仮面ライダー2号 」


つづく







次回予告

紅い拳の戦士は、今再び立った。

たとえ、悲しくとも、つらくとも。

その、怒りの紅で。

戦場の禍風を、彼は裂く。

そして、黒き狼と太陽は、かつて紅い拳が滅ぼした・・・

悪魔と、出会う。

次回、スーパーヒーロー作戦SPIRITS

「悪夢の狼王」

魂より継がれし物語、今こそ語ろう・・・







後書き

さぁ、ライスピの2〜3話をフィーチャリングした2号ライダー編が始まりました。

次回では、魂世界の榊・・・そして、一文字さんや滝さんと縁の深い、あの男が復活します。

もちろん、敵です。

紅い拳が打ち倒した、あの男が、別の組織の客分として・・・

あ、BADANじゃないです。

BADANに今は協力してるけど。

秋子さん「これは、言っていいのかどうかわかりませんけど・・・黒狼の劇場版と、少し関係があったりなかったりです。」

あの・・・それは、まだトップシークレット・・・

秋子さん「・・・なんですか?」

いや、あの、そんなジャム持ってすごまれても・・・

こちらとしては・・・あの、Y殿に怒られ・・・ぐふっ?!

・・・(シーン)

秋子さん「あらあら、この程度で倒れてしまうなんて・・・というわけで、次回は榊が活躍するお話ですよ〜期待して待っててくださいね〜ほら、頑張って書いてくださいね。」

はい・・・

研究室の方が忙しくて・・・就職活動も・・・

忙しすぎて、体調を崩し、今大変なことになってます。

10時過ぎると、立ってられないくらいの眩暈が一時間に1度くらい。

体調を復帰させなくては・・・

秋子さん「今月中に、あと三本上げなきゃならないんですよ?しっかりしてください。」

はい・・・わかっております。

では・・・次回も・・・

秋子さん「このチャンネルで会いましょう。皆さんも、健康にお気をつけてくださいね。」

体調崩すと、悲惨ですから・・・忙しいと特に。



補足

戦車の名前について。

友達のミリタリーマニアに、グィン将軍の乗ってた戦車を見せたら、「イスラエルで使ってる、メルカバって戦車だ」との事。

魂の舞台が2025年(ライスピは、多分1990年代後半〜2000年代前半?)なので、そのメルカバの次世代モデル・・・ということで、メルカバUとしました。

ちなみに、重さは40tくらいって言ってた(と思う)。

・・・2号ライダーって、さすが「力の2号」って呼ばれるだけのことはあるね。

ずっと進んだ技術を使ってるはずのスーパー1と同等クラスの力?

すごいですね・・・

では。

シュワッチュ!!