「 正義 仮面ライダー2号 」

その、言葉と共に。

紅き拳の戦士は再び戦場に立った。

その拳を、油と血で染め。

ただ、人々を脅かす巨悪を砕くため・・・

その眼前には、その巨躯をあらわにする戦車と・・・異形の・・・おそらくは改造兵士たちが蠢いていた。

「壊せー!!その道化を・・・血を鉄の塊にしろ!!」

グィンがそう叫ぶと同時に、改造兵士たちはそのライフルを2号に向けてはなった。

ダタダタタタタタ・・・・

その体をすり抜け、後ろでおびえる子供たちを襲おうとする銃弾を、その紅い拳で全て受け止めて・・・

彼は言った。

「大丈夫か・・・?」と。

その声は・・・紛れもなく、いつもの、優しい隼人の声。

「トォッ!!」

その、掛け声と襲い掛かる兵士。

戦いは・・・始まった。



スーパーヒーロー作戦SPIRITS
第八話「悪夢の狼王」



一方そのころ・・・

寺院近く

「ク・・・まさか、な・・・確かに、これだけ改造人間がひしめいてりゃぁ、内戦が終わるわけがない・・・」

虚の目の前には、前場面においてグィンが従えていたのと同じタイプの改造兵士たちが蠢いていた。

「全く・・・馬鹿にしている。」

一文字さんを先に行かせたのは、正解だった・・・

そう、悪態をつきながら彼は先ほどのやり取りを思い出していた。



「先に行ってくれだって?」

「ええ・・・まだ、連中が潜伏している可能性があります。・・・目撃者は消す・・・それが、連中の・・・組織の手口だという事は、貴方がよく知っておいでのはずです。」

そう言うと、虚は隼人に続けた。

「・・・生き残った兵士を探します・・・死ぬのは、一人でも少ないほうがいい。」

そう言うと、虚は続けて、

「実は・・・榊たちも、今連中の襲撃を受けているはずです。」

と、事も無げに言う。

「なッ・・・!榊を置き去りにしただと・・・何を考えて?!」

「大丈夫です。二人とも、貴方と同じ・・・・・ですから・・・」

「!!・・・そうか、そういうことか・・・榊まで・・・」

少し苦虫を噛んだような顔で虚がそう言うと、隼人は背を向け、「わかった。ここは任せる・・・」と言って、バイクに乗って駆け出した。

「・・・榊・・・くそっ!」

その呟きが、虚にも聞こえていた。

悔しげなその声に、悲しみを・・・改造人間の悲しみを背負うもののつらさが、あった・・・



虚は、そう回想しながら、改造兵士を睨み付けていた。

「手前ら・・・覚悟しやがれ?確実に殺してやろう・・・苦しめず、すんなり送ってやろう・・・」

そう言うと、彼は前に手をかざし、天空を舐めるような動作を見せた。

「陽装ッ!!」

カァッ!!

赤光が辺りを照らし、そして虚の姿を変える。

「悪しき世界のページを繰るのは,お前たちではないッ!!陽光戦士カイザード、参上!!」

「ギ・・・ギィィィィィッ!!」

叫びと共に、哀れなる彼らはその牙を剥いた。

「かかってこい・・・その業、我が縁と散らせてやろう。ツインテックリボルバー!!」

ガガガガ!!

ドンッ!!

ドガアアッ!!

両手に現れた拳銃から放たれる、高速の銃弾が確実に兵士たちの頭を、体を・・・その命を砕いていった。

「ギッ・・・ギィィィッ」

・・・自我が・・・残っている・・・

そう思った。

何の根拠もなく、カイザードはそう思う。

「・・・ずいぶんと、非道な事しやがって・・・・・・」

その言葉の間にも、すでに三体の兵士を破壊していた。

「さぁ・・・その身喰い、相食む業から逃れたいだろう?!!!」

その言葉には、どこか・・・どこか、悲しみが含まれていた・・・



そのころ

ジャングルの中。

「ライダーパンチ!!」

ドガシャァッ!!

ガラスを砕くような音が響いて、最後の改造兵士は地に伏した。

「これで・・・終わりか。」

黒狼がそうつぶやくと、Blackもまた賛同するように「ああ」と一言言った。

「ゴルゴムでも・・・まして、アンノウンでもない。俺が見た・・・別の組織のロボットでもない。」

「かといって、俺を改造した連中でもない。」

黒狼とBlackは顔を見合わせると、はぁ、とため息をつき、ほとんど同時に、

「「また、新しい敵か」」

と、憤怒と呆れがない交ぜになった感情を吐露した。

「行こうぜ、Black・・・診療所が、まずい。」

「ああ。子供たちを助けに行こう!」

そう行って、彼らが駆け出そうとしたとき・・・

一つの影が、視界に入った。

軍服。

隻眼。

しかし、その影はすぐに木陰に消えて見えなくなった。

「・・・まさか、そんなはずはねえ・・・」

「どうした、榊。行こう。」

Blackは、いぶかしげにそう言う黒狼へ促すと、バトルホッパーに乗る。

しかし・・・

目の前には・・・

「ギ・・・ギギ・・・」

そう、先ほどと同じ、改造兵士・・・そして、異形の怪物群が居た。

「チッ・・・ふざけやがって・・・」

黒狼は、そう憎しみを込めて言うと、拳を握り締めた。

再び、戦いが始まった。



「ウオおおおおっ!!
黒狼スナイパーキック!!

ガキイッ!!

「ウヴォアアアア・・・・」

ジュウウ・・・

ドロ・・・・

黒狼の放った、ピンポイントのキックが怪物を貫き、その怪物は緑の液体になって溶けていった。

「これで・・・・終わり、か?」

Blackがそう言う・・・だが。

「ギィィィ・・・」

再び、化け物と兵士たちは、まるで闇から這い出るように浮かび上がってきた。

「コ・・・これではっ!!」

Blackがそう言うのと、ほぼ同時に黒狼が叫んだ。

「・・・出て来やがれっ!ナニモンだかしらねえが、こいつらが足止めだってことはわかってんだ・・・!!」

「なっ!」

「クックック・・・」

Blackがそういうまもなく、ぬらり、とやはり闇から影が這い出るように、一人の男が貌を出した。

軍帽、眼帯・・・

その軍帽には・・・まさに、ナチス第三帝国の紋章である・・・翼を広げる鷲・・・同時に、かつてショッカーが掲げた紋章が掲げられていた。

「ックック・・・久しぶりだな、小僧。」

その貌は・・・

「貴様・・・ゾル大佐!」

「ふ・・・もはや、大佐という肩書きも無意味だ。単に”ゾル”と呼んでもらえるかな?」

嘲笑するように・・・その男は、言った。

そう、その男は、かつてショッカー中近東支部を支配し・・・

その謀略で、ショッカーに反抗する組織をことごとく壊滅させ・・・

そして、日本支部において仮面ライダー・・・一文字隼人と戦い、そして・・・敗れた。

ショッカー大幹部ゾル大佐だった。

当時、立花レーシングクラブに入り浸っていた榊は・・・当然、この男の事も知っていた。

「てめえ・・・デストロンに生き返らせてもらって・・・やっぱり、生き延びてやがったか!」

その言葉どおり、彼は・・・そして、彼と同じくショッカーの大幹部をしていたものたちはデストロンとの戦い・・・風見志郎・ライダーV3の戦いにおいて一度よみがえっている。

作戦の失敗・・・基地の爆破と共に消えたはずの彼らだが・・・

「ックック・・・当然だろう?基地の始末は、我らの十八番だ。引き際など、言わずもがなだよ。」

よく見れば、服装も、特徴的なその口ひげも以前のままながら、今は20代後半・・・明らかにまえよりも若い。

「再・・・改造か。」

「まぁ、そんなところだ・・・」

その彼らの緊迫した会話に、Blackが割って入った。

「どういうことだ、榊。こいつは・・・」

「以前、俺たちの先輩ライダー・・・ほかならぬ、隼人さんがぶちのめした、ショッカーって組織の大幹部だ。」

Blackの言葉にそう返すと、黒狼は拳を固めて、襲撃体制をとった。

「おっと・・・私と戦いたいなら、こやつらを全て倒す事だ。何、これで打ち止めなのでな・・・安心したまえ。」

そう言うと、また影の中にその貌は消えた。

「そうそう・・・借り物の兵士はともかく・・・その化け物どもを侮らぬほうがいいぞ・・・最下級とはいえ、ミューティアンだからな・・・・」

「なんだと?!」

「まぁ・・・せいぜい堪能してくれたまえ・・・」

その言葉と共に・・・

「ヴォワアアアッ!!」

怪物・・・ミューティアンと兵士たちは襲い掛かってきた!!

「くッ・・・馬鹿にしやがって!!ルガァァァァァァッ!!」

ぶぉぉっぉぉおぉ・・・・

「エクス&ボルテスッ!!」

チャキッ!!

「黒狼、ダブルガン!!」

ガガガガガ・・・

その両の手に握られた、拳銃が火を噴く。

「ライダーチョップ!!」

ゴキッ!

Blackの手刀が、兵士の頭を砕き、怪物の腕を断つ。

「トォッ!はぁっ!!」

繰り出した拳と足に、怪物も兵士たちも少しずつ倒れていく・・・が・・・

黒狼たちの体力も、また削られていく。

「くッ・・・」

がりぃっ!!

怪物どもが、その手から光弾を放ち、兵士たちがその隙に攻撃を仕掛ける。

退けば攻め、押せば退く。

一歩一歩。

確実に体力が少なくなっている事を、二人とも感じていた。

「このままでは・・・」

「チィィッ!!一気に行くぞ・・・
黒狼・・・円月キィィィィッック!!

グワシャァァッァッ!!

兵士と怪物が、数体まとめて吹き飛ぶ。

「いまだ、Black!!」

「ああ!!キングストーンフラッシュ!!」

カッ!!

腹のエナジーリアクターから、すさまじい光量が生まれ出た!

ライダァァァァァッキィィィィィィッック!!

カッ!!

ドッガァァァァァァァアアアン!!

爆炎が辺りを覆い、気づけば、そこには何もない・・・

「・・・雑魚は全て倒したぞっ!!出てきやがれ、ゾル!!」

パチパチパチ・・・

黒狼の叫ぶと同時に、拍手が聞こえてきた。

「ほうほう・・・なかなかにいい性能だな。さすがに「仮面ライダー」を名乗るだけはある。」

闇から再びゾルは這い出ると、帽子を脱いだ。

「それでは、敬意を表して・・・私も「変身」しよう。」

「何だと!?」

Blackがそう叫ぶが、黒狼は冷静に、

「ああ・・・そうだ。俺たちが変身するように・・・」

と言う。

「ふっふ・・・そう、私もまた変身する!ウォォオオオオォン!!」

ゴッ!!

狼に等しい雄叫びを上げ、ゾルは異形へと変じていく。

「出たな・・・狼男!
「ふ・・・狼男・・・だと?違うな。今の私のことは『金狼』と呼んでもらおう。」

黒狼の言葉に、そう返す『金狼』。

「『金狼』だと・・・?まさか!」

その、怪人の名づけ方。

自らの名・・・そして、一度手合わせた『蜘蛛』と名乗る男。

そこから、榊は直感的に「自分を改造したのは、こいつらだ」と、感じ取っていた。

「ふん・・・それは、貴様の想像に任せよう。」

そう言った、『金狼』の体は、以前の狼男とはまるで違う。

その、狼を模した姿こそ変わっていないものの、体中にちりばめられた火器類だけ取っても・・・

「内戦を仕組んだのは・・・貴様らか?!」

「いいや・・・?どうだろうな。われわれは、先ほどのミューティアンと私・・・そして他ならぬ、黒狼・・・貴様の性能テストの為に場所を借り受けただけなのだから。」

「なにっ?!」

Blackがそう言うと、『金狼』は面白そうに言う。

「まだ、我が組織も、この場所を我らに貸した者も・・・名を明かすわけにはゆかぬが・・・一つだけ教えよう。この内戦など、手始めに過ぎぬ・・・とな。」

そう言うと、『金狼』は、

「さぁ・・・ショーの始まりだ!」

と、一つ吼えた・・・



「トォ!!」

その声とともに、2号ライダーは空を翔る。

「ギーーーーッ!!」

そして、兵士たちも空へと・・・

「ギギギギギ・・・・」

シャアアア・・・

ギンギイン!!

不気味な、金属を鋸で切っているかのような声を上げながら、彼らはそのひじから十字の手裏剣を取り出し、2号に投げつける。

それを、片手でなぎ払いつつ・・・

寺院の上を縦横無尽に、翔けていく。

それを追い、兵士たちも同じように。

「アアア・・・アア・・・」

その貌には・・・涙が。

「・・・・・・」

2号は無言で彼らの攻撃の尽くをかわし、防御する。

どこか、ためらっているかのように、まだ攻撃を仕掛けてはいない。

その光景を見ながら、真美はつぶやいた。

「うそ・・・アレが・・・隼人さんだなんて?」

「隼人さ・・・一文字隼人。仮面ライダー2号だ。」

同じく、それを見上げながら、滝はそう答えた。

「見ただろう。あいつは、今あんたを守った。ガキどもを守ったんだ。」

拳を握り、貌をゆがめて。

「・・・確かに、あの姿になったあいつは・・・兵士どもと同じバケモンかも知れねえ・・・ケドよ・・・一文字の心は、人間のままなんだよ・・・」

いっそ、戦っているとき位、機械のようになれたなら・・・

つらい思いをしないですむかもしれない。

滝は、そう思った。

「・・・あいつは・・・怒りのスイッチが入ると、顔面に傷が浮かび上がる・・・改造手術の名残でな。あいつは、それを見られるのを嫌った。異形の・・・証を。」

握り締めた拳から、血がにじむ。

「あいつの手が紅く血塗られているとしたら、それは守る為だ!!クソどもをぶっ飛ばす為の、怒りの紅なんだよ!!」

滝の叫び。

それは、紛れもなく・・・

戦いは続く。

ザザ・・・

「イ・・・イタ・・イタイ・・・」

「!」

兵士たちが漏らす言葉。

「ギ・・・ギギギ・・・コロ・・・コロシテ・・・・」

「!!」

それは紛れもなく、自死を求める声。

「コロシテエエエ!!イタイ・・・イタイイヨォオオ・・・ヒトヲコロスノモイタイヨォオオオ!!コロ・・・コロシテ・・・ギギギギギギギギギ・・・・」

「・・・・」

2号は、仮面の下の・・・悲しみを隠して、叫んだ!

「ウオオオオオオオオ!!!
ライダアアアアア・・・パアアアアアンチ!!

ゴガアアッ!!

二人の兵士が、一度に破壊される。

返す刀で・・・・

(お前たちは・・・人間だ。)

ライダアアアアア・・・チョォォォオオップ!!!!

ズバアァァァッ!

(人間だ・・・)

悲しみの声を・・・自分に言い聞かせるように、心の中で響かせながら。

三体目の兵士が、破壊された。

ドッガアアアアアン!!!

兵士たちの、もはや魂も抜けた空の肉体が、轟音を上げて爆発する。

「隼人さん!」

その真美の叫びに答えるように・・・

爆煙のなかから、2号が現れた。

その瞳は・・・兵士たちの残骸に注がれ・・・

「ううむ、妙だ・・・なぜ、兵士どもの意識は苦痛を感じ、命令を拒むのだ・・・?」

「!」

グィンの言葉に、我に帰る2号。

「まあだここのいじりかたが足らん・・・と言う事かな。」

蜘蛛のように、濁った目を向けて・・・コツコツ、とこめかみに指を当てながら。

「いや、こそぎだして、一から作り直してやるべきだったか・・・」

ふう、とため息をつく。

「ただの、タンパク質の固まり・・・などではなく、な。」

「く、あのクソ将軍!」

滝が叫ぶ。

グィンの、その言葉に、2号は怒った!

・・・彼らを・・・人間を何だと思っているんだ!!

「キ・・・サマァァァァァァァ!!トォオオオオ!!!」

天高く舞い上がり、その足を蹴りの形へと突き出す。

ライ・・・ダァァァァァキィィィィィック!!

2号ライダーが、最も多くの敵を倒してきた技が、ついに放たれた!

だが・・・!

ビリビリィ・・・

「ふん・・・なんだ、そのむき出しの感情は。」

先ほどの兵士たちと同じく。

「この、デキソコナイミスクリエーションめ。」

皮膚をはがし、そこに現れたのは・・・

巨大な蜘蛛の、貌。

シャアァァァァ・・・・

その口から、糸が放たれ・・・

糸は・・・

「くっ・・・絡まるッ!?」

2号の体を束縛し・・・そして。

「グアアアアアアッ!!」

バキゴキバキ・・・

2号の体を締め付ける。

ドサァッ

そんな音を立てて、2号は地面に堕ちた。

「一文字!!」

堕ちると同時に、滝はその糸の要になるだろう場所に、ドンドン、と銃弾を叩き込んだ。

だが・・・

「くっ!きかねえ!!」

チャキッ。

銃を構えなおすと、グィンに向けて放とうとした。

「ふん・・・」

ぷっ。

つまらなそうに、一つ呻くと、グィンはその口から何か硬いものを放った。

それは狂いなく、滝の腹部に当たった。

「ガァッ!?」

「滝さん!!」

「クク・・・何が、紅い拳の悪魔、だ。昼間・・・G.U.A.R.D.の兵士どもを倒した男たちは知っておったようだがな。」

そう言うと、グィンの軍服が裂け、三対の足が飛び出す。

「ヤツはただ、両軍の兵士から武装を奪い、破壊し、戦闘をやめさせた時にそう呼ばれていただけのことよ。」

「そ・・・そんな・・・」

真美が、つぶやく。

「ジャ・・・じゃあ・・・」

だが、そんな言葉は当然グィンには聞こえない。

「その軟弱さ、そして脆弱さ・・・私が最も嫌悪するものだ。」

ざさささ・・・

完全に蜘蛛と同じ動きで、その糸の先の2号を振り回す。

ブウンッ!!

ドガシャアアアッ!!

振り回された彼は・・・仏塔に衝突し、それを破壊する。

「よって、ここに処分する!!撃ぇぇぇいっ!!」

ドオオンッ!!

発射音を残して、砲弾は彼の埋まっている仏塔に着弾した。

「やめて・・・やめてよぉぉぉぉっ!!」

真美の絶叫が、砲音に消えていく。

「ククク・・・」

グィンの口から、神経節が飛び出し・・・

そして、真美の首筋に突き刺さる。

「はや・・・と・・・さん・・・・・・仮面、ライダー・・・・・・・・・」

その言葉を残して、真美の意識は途絶えた。



「くそ・・・」

黒狼とBlackの二人は、『金狼』の圧倒的な火力の前に、傷つき地面に倒れていた。

「ば・・・かな・・・再・・・改造と言えど・・・・」

「ああ・・・私も驚いている。ここまで圧倒的とはな。やはり、脳改造を微塵も行っていないのが、貴様がその程度である原因だな。」

『金狼』はそうつぶやくと、つまらなそうに後ろを向いた。

「この程度では話にならん・・・まだ、一文字隼人のほうが楽しめるだろう。」

そう言って、去ろうとする。

だが。

「待て。」

「逃さん!」

黒狼とBlackは、そう言って立つ。

まだ、脚はふら付くが・・・戦闘できないほどではないだろう。

「ほぉう・・・立つか。もう少しデータを取らせてくれるというわけだな?では・・・いくぞ!」

「こちらこそ・・・行くぞ、『金狼』!!」

「ハァァァァッ!!」

二人が駆け出す。

黒狼は右、Blackは左だ。

「ふん・・・撹乱か。しかし、一度に100目標を捕らえられる私には、無意味だ。」

バシュッ!

フィンガーミサイルが黒狼とBlackに向かっていく。

「黒狼・・・」

「Black・・・」

そのミサイルを、エクス&ボルテス・・・あるいは、その手で叩き落しながら、二人はあるチャンスを狙っている。

それは・・・・・・



ジャングルに黒煙が漂う。

そこにたつのは、赤い男がただ一人。

「たった二人か・・・ふん・・・」

至極、当然の仕事をこなした。

そんな口調でカイザードは佇んでいた。

・・・

結局、発見できたのは、さっき言ったとおり、二人。

応急手当で助かったものの、二人ともスグに話をできそうにはない。

「この二人は・・・大丈夫だろう。なら・・・」

カイザードは、後ろを振り返り。

「一文字さんの加勢に・・・行くか。」

そうつぶやいた。

だが。

―――――――――海魔。

「誰だ!?」

突然の声。

振り向いても、気配すら感じられない。

「くっ・・・オプティカルソナー!」

『NO ENEMY』

・・・あらゆる次元から情報を読み取るその装置は、ただ「敵はいない」と答えるのみ。

「馬鹿なッ!?」

考えようとするが・・・

刹那。

―――――――――三星衝!

ガガガッ!!

カイザードは、喉と心臓、そして頭に強い衝撃を受けて・・・

悲鳴を上げるまもなく、倒れた。

その意識が飛ぶ瞬間、かすかにこう聞こえた気がした。

「・・・もろい・・・我が名はグライバー・・・いずれ、貴様を殺す男だ・・・・・・」

ただそれだけ。

意識は、ほの暗い水底へと堕ちて行った。


・・・続く。






次回予告

謎の敵・・・グライバーの手によって、カイザードは倒れ・・・

2号も、瓦礫の中へと消えていった。

『金狼』に苦戦する黒狼とBlack。

英雄たちに、反撃のチャンスはあるのか・・・

次回、スーパーヒーロー作戦SPIRITS

「信じた笑顔」

魂より継がれし物語、今こそ語ろう・・・









後書け

・・・ハイ、2号編中編です。

今回は、ライスピ三話の前半部とオリジナルな話なので、ちょっと短いかな。

秋子さん「素直に、2話でまとめたほうがよかったのでは?」

いやぁ・・・スケジュールの関係と、もともと3話で書くと予定してた事、ここらでピンチを演出しよう、なんて考えてた事など・・・

いろいろ理由があるのです。

秋子さん「そうですか・・・」

そういうことです。

では、次回。

2号編が終わったら、ようやくダイナの話だあ。

秋子さん「では、次回もこのチャンネルで」

また。

作者&秋子さん「会いましょう。」

シュワッチュ!!

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