ある夜・・・・

ひとつの流星が天から落ち、そして消えた・・・

人はまだその意味を知らない。

地には平和を、兵士には安息を。

そんな言葉が似合う夜・・・・

人は友を恋人を家族を愛し、ひととき夢を見る・・・・

今日も地球は平和だ・・・


スーパーヒーロー作戦SPIRITS
序話 「流星降りて地乱れるべし」

西暦2025年1月1日 アメリカ・ニューヨーク

新年早々、いきなり捜査からはずされてしまったアメリカ連邦捜査局(FBI)の刑事、滝和也は、国際連盟ビルの一室、いきつけの喫茶店でくすぶっていた。

かつては、FBIからICPOにも出向し、数々の輝かしい戦歴を持つこの男は、今ではまるっきりの窓際族。

そこの喫茶店の常連ホプキンスに怒鳴られ、ウェイトレスのブリジットのお尻を触っては、たたかれる始末・・・

どうしてこの男がそうなってしまったか?

それはすぐに明らかになるだろう。

ともかく・・・

彼は最近思うことがある。

それは、”この世界”が異常である・・・いや、異常ではないのか?という事である。

そう、確かにおかしかった。

2000年代の後期頃から世界中に現れ出した超天才児たち。

「アルケミーチルドレン」と呼ばれた彼らは、この世界の技術を急激に進歩させていった。

マキシマオーヴァードライブエンジン・・・リパルサーリフト・・・実用的な核融合炉とその小型化の技術・・・・

ゼロドライブ・・・テラフォーミング・・・スーパーロボット・・・パーソナルトルーパー・・・・

どれをとってみても、20年前には実現不可能、あるいは出来ても実用化はもっと先になるであろうと言われていた技術ばかりである。

それだけではない。

彼のよく知る男たち・・・

その男たちに悲劇を与え、戦いの道を選ばせた”技術”もまた、彼にしてみればそういったものと似たようなものであった。

極めつけは、(これは噂に過ぎないのだが)1986年に彼の故郷日本を舞台に戦われた極東一年戦争で実戦投入された(らしい)人型ロボット「一号兵器」・・・・・

北海道全土を戦場と化し戦われたこの戦争は一進一退の攻防を見せ、不意に、あっけなく、突如としてソ連軍が全面撤退すると言う結末を残した。

そこに投入され、彼らの撤退の要因となったと言うのが「一号兵器」であるという。

おかしいのは技術ばかりではない。

10年前の極東動乱。

最終的に世界を巻き込んだ、「光」と「闇」の戦い。

二人の「光の巨人」は異星人の侵略を退け、そしてニュージーランド沖で一旦は滅びながらも、人の「心」の光によって蘇り、「闇」を滅ぼした・・・

そもそも、20年前に「異星人の侵略」や「光の巨人の実在」を本気で言ったらどう思われただろう?

精神病院行き片道切符を無料で配布されたことだろう。

どれもがおかしい。

何かが狂っているのではないか。

そう、彼は思っていた。

そう思ったとき、彼の周りでなにかが動き始め、そして物語は始動する・・・・・



同年同月同日 バード星・銀河連邦警察長官公邸

「コム長官、銀河連邦警察特殊処理部隊『天』作戦名”陽光戦士”、ただいま着任しました。」

パシュッと圧搾空気の音がして、扉が開く。

中にいたのは初老の男性。

「うむ、ご苦労だった。任務の内容はすでに君の乗艦、ギガファントムに転送しておいた。健闘を祈る。」

「はい。了解しました。」

入ってきたのは地球人ならば20代前半であろう男であった。

初老の男、彼の言葉によればコム長官の話を聞くと彼は恭しく敬礼をした。

「敬礼を解け。ここからは・・・家族の時間だ。」

「は、では・・・コム義父さん久しぶり。3年ぶりだね。うれしいよ・・・」

厳しかった相貌を笑みの形に崩すと、彼はそう言った。

どうやら、彼らは親子であるらしい・・・義理の。

「うん、お前が『天』に配属になってからろくに話もできなかったからな。ミミーも会いたがっていたぞ、カイザード。」

「うん、一体いつになったらギャバンとくっつくんだか・・・?あのじゃじゃ馬にも困ったもんだ。・・・というより、ギャバンが鈍いのか?まあ、しょうがない気もするけどね。」

肩を竦めるカイザード。その表情に翳りはない。

「でも懐かしいな・・・ギャバンとも2年は会ってないぜ・・・」

「ああ、マクーとの戦いに赴いたままここには帰還していないからな。」

うれしそうに話すカイザードとコム。二人は時間を忘れて話に花を咲かせていた。

しばらくして・・・

パシュゥッ!

そこに再び圧搾空気の音がなり扉が開く。不意に騒がしい声が飛び込んできた。

「あわわわ・・・ごめんなさい、遅れましたぁっ!作戦名”月光仙女”ただいま着任しましたぁ!!」

入ってきたのは地球人なら12〜3歳と見える少女。

どうやら相当急いできたらしい。髪の毛も寝癖たっぷりだ。

あきれた感じでカイザードは、

「・・・悠子、俺言ったよな?先に船に乗っていろって・・・な・ん・で、お前は俺の言うこと聞けないんだ!まったく・・・」

と言った。

「でも・・・カイザードの義父さんって人に会ってみたかったんだよ・・・」

ちょっと申し訳なさそうに言う、彼女の名前は悠子と言うらしい。

「コム義父さんなら、『天』の叙任式の時にたっぷり見たろうがッ!」

「でもでもッ!カイザードといっしょのときに笑ってるコム長官を見たかったんだよぅ・・・だって、叙任式、のときはさ、すんごくまじめな顔でクスリともしなかったでしょ?」

手をばたつかせながら弁解する悠子に、カイザードは噛んで含ませるように、

「あのな。ああいう公式の大事な式のときに、義父さんがそんな顔するとでも思ってるのか、お前?」

と言った。

「こりゃ、コンビ解消もありかな?」

そう彼が言うと、悠子は慌てて謝った。

「うう・・・ごめんなさいごめんなさい、もうしないからぁ〜〜!!」

「それで良し。わかったら船に行ってろ。」

「うん・・・」

ちょっと名残惜しそうに、悠子は外へ出ていった。

カイザードは携帯端末を見て、

「ごめん、義父さん。あいつのせいで時間なくなっちゃったみたいだ。どうにも『天』メンバーとしての自覚に欠けるな、あいつ・・・」

「ふふ・・・いい子じゃないか、大切にしろよカイザード。」

おかしそうに微笑むと、コムはそう言った。

カイザードは少しさびしそうな笑みを浮かべ、

「わかってる・・・おれも、あいつも・・・あの”組織”の犠牲者だからね。」

と言った。

「うむ、気をつけろよカイザード。」

「ああ、義父さんも元気で。」

親子はじっと見詰め合った。

もう交わす言葉も尽きた。

後は戦いの荒野が待つのみ。

「地球ではメタニオスと言う男に気をつけろ!やつは心の空隙に忍び込む戦法を得意としている、十分に警戒するんだ!場合によっては地球担当の宇宙刑事シャリバン・シャイダーとも協力し、任務を達成すること。それから・・・必ず生きて帰れよ。お前は、血はつながっていなくとも私の最愛の息子なのだ!」

コムは心をこめていった。

カイザードも、

「わかりました。決して負けません、死ぬつもりもありません。必ず・・・生きて帰ります!!」

万感の思いを込めて言った。

長く苦しい戦いが始まろうとしている・・・

ここでも一つの物語が始動した・・・・・・




同年同月15日 世界

その日・・・・

ひとつの流星が天から落ち、そして消えた・・・

「氷川君、どうしたの?」

「いえ、流星が・・・」

「・・・・?そんな事より、今日はG3ユニットの結成式、主役はあなたなのよ!?もっとはしゃぎなさいよ!」

「はぁ・・・」

「さぁ、氷川君、尾室君、焼肉に・・・いくわよッ!!」

人はまだその意味を知らない。

「光明寺くん・・・・」

「古賀さん・・・・」

「やつらが動き出したようだ・・・・」

「我々の用意した”システム”が起動する日も近い・・・ということですか・・・」

地には平和を、兵士には安息を。

「本郷先輩・・・」

「風見か・・・」

「また・・・・」

「戦いが始まるな・・・・」

「ええ、おれたちは戦うだけです。この平和を乱そうとするものと・・・」

そんな言葉が似合う夜・・・・

「戦いのときが来たわ、ジャンパーソン。」

「わかっている、かおる。おれの戦いだ。」

「ええ・・・がんばって!」

「JANPERSON,for Justice!!」

人は友を恋人を家族を愛し、ひととき夢を見る・・・・

「我夢、どうした!もっと飲めよっ!」

「僕たちまだ未成年だって!」

「気にすんなよぅ・・・飲めぇ・・・」

「まったくもう・・・潰れるくらいなら飲むなよ・・・それにしても、さっきの流星、あれは・・・?」

今日も地球は平和だ・・・

だが、物語は始まってしまった・・・

それは、激しき戦いの物語だ・・・

物語は戦士より語られ、その魂に継がれる・・・・

今、その物語を語ろう・・・・・

序話 「流星降りて地乱れるべし」 了




次回予告

摩天楼に疾風が吹く。

一人の男にとってそれは懐かしき疾風。

漆黒の大都会に陽光が閃く。

一人の男にとってそれは新しき陽光・・・

次回、スーパーヒーロー作戦SPIRITS第1話。

「疾風の戦士、陽光の戦士」

魂に継がれし物語・・・今こそ語ろう・・・・





後書き

・・・大仰にはじめてしまった・・・

始めるのは簡単でも終わらせるのはツライ。そんなことってよくありますよね?

そうならないようにがんばります。

応援よろしくお願いします。

ちなみに、次回予告、今回はガンダムXモドキ(?)です。BGMは銀色ホライゾンとか、ヒューマンタッチかも(笑)

それと「物語は戦士より〜」ってのは、ファイナルファンタジータクティクスのOPの「戦士は剣を手に取り胸にひとつの石を抱く 消えゆく記憶をその剣に刻み 鍛えた技をその石に託す 物語は剣より語られ石に継がれる 今、その物語を語ろう・・・・」という台詞から貰いました。

う〜む・・・良いとは思うんだけど・・・・

気にしないで見守って欲しいッす。

それから・・・

共同製作者たる、Y(ヤクト)団首領殿。

そして、あるじ殿、蒼藤葵殿をはじめとする、ウラタンダーを含むわが強力な助っ人さんたち・・・

頑張りますんで、是非見ていてください!!

シュワッチュ!!



Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!