あのさ、アルクェイド。
なんで、こんな事してるの?
そんなことを聞きたい。
ああ、聞きたいともさ。
だって、ここは深海1万m。
008だってちょっと辛くなってくる場所だ。
なんでこんなことになったんだろ・・・
事の発端は、数十分前に遡る。
「アルクェイド、あのさ、お前の空想具現化ってどんなことできるんだ?」
素朴な疑問だった。
かるーい疑問だった。
「んー。一応自然に干渉できることなら何でも大丈夫なはずよー?」
かるーく答えられた。
「じゃぁさ、深海1万mなんてどうかな?」
「大丈夫じゃない?あ、志貴も行く?」
「え?」
「行こうよ、うん、決まり!」
「え゛!?」
「じゃー、しゅっぱーつ!」
「うぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」
そのまま連れてかれて今に至る。
「これ、どうなってるんだ?」
俺の周囲には空気の泡が出来ていて、その上まるで御伽噺に出てきそうな泡の船に乗っている。
そして、アルクェイドといえば。
「ぶくぶくぶくぴゅぎー?ぶぁにいっぴぇるかきぼえぱいよー!?」
うん、深海の数万気圧という超圧力を全く気にしないで、わけのわからんことを言っていた。
あのさぁ、セイバー。
どうして俺たちこんな所にいるんだ?
そんなことを聞きたい。
聞きたくなるってものである。
だって、ここは深海1万m。
仮面ライダーXも音をあげそうな深海だ。
なんでこんな事になったのか。
事の発端は数十分前のことである。
「セイバー、湖の妖精の加護って、どこまで届くんだ?」
素朴な疑問だった。
「恐らく、水のあるところならどこまででも」
素朴に答えられた。
「でも、幾らなんでも深海1万mとかは無理だろ?」
「む、それはどういうことですか、シロウ」
「あ、いや、幾ら水が大丈夫でも圧力には」
「聞き捨てなりませんね、では行きますか」
「え?」
「そういえば、港にはアーチャーとランサーがいるはず。潜水艇でも投影してもらいましょう」
「え゛!?」
「では、早速行きますか」
「うぇぇぇぇぇえっぇぇぇぇぇ!?」
そうして連れて行かれて今に至る。
「やりすぎだ、ああ・・・」
俺はといえば、赤馬鹿の投影した潜水艇に乗っている。
あいつがこれ消したら、俺死ぬんだけど・・・
「ぶくぶくぶくぶく」
セイバーはずんずんと歩いていく。
海底をとてもしっかりと踏みしめて。
「ぶくぶくぶくぶく」
全く、深海の超圧力を気にしない風で。
ほんとに、どうなってるんだ?
やがてしばらく、ありえない光景が目に浮かぶ。
向こうから別の影が現れたのだ。
それは、きっと。
ありえない。
きっと、目の前の泡の船に乗る男も、その脇をひらりひらりと歩いていく女性も。
ありえない。
きっと、目の前の潜水艇に乗る男も、その脇をずんずんと歩いていく少女も。
ただ、それよりも突っ込みたかった事は。
ふっと視線が合った2人の人魚姫が。
世間話を切り上げるオバちゃんたちみたいなお辞儀をして、また歩き出した事だった。
どっとはらい。
おとがそ
えーっと、これが元ネタっス。
2月20日WEB拍手返事番外
>アルクは地球なら深海数万キロでも平気でしょう。深海でも地球には変わりないですから。
そうなのである。忘れていました。地球上なら何とか大丈夫だってことを。
空想具現化もあるし。
それと、hollowプールイベントで士郎君が空想した、水中を歩き続けるセイバーを混ぜたら、何かになったような気がしてつい書いてしまいました。
今では反省しています。
では、また。