何時の世の中でも、どんな世の中でも、女性というのは恐らく談笑好きだ。

下世話な言い方でなら、世間話。

しかし、それは別に女性だけの特質とはいえない。

人間全般、情報から隔絶されれば世事に疎くなり身の破滅。

そんなことは世の中常識だ。

よって、身近な情報交換である世間話はとても大事だ。

その宇宙船、名をアヴァロン号という船の艦橋からふたりの女性が世間話(?)をしながら出てきた。

セイバーと凛だった、。

セイバーは、アーヴによる人類帝国星界軍の軍衣バード星で用いている体にフィットする未来式のスーツ、凛はいつもの格好だった。

「セイバー、それ恥ずかしくない?」

「文化ですから。例えば、バード星などの文明が発達した所では、これに簡単な上着が基本なのです。しかし、辺境ともなればそこに合わせた服装が必要でしょう」

「ふーん・・・」

凛の言葉に反応し、一瞬セイバーは黒い笑みを浮かべる。

「その点リンの、いえその杖の力を使えばどんな服装にでも変わることが出来る。うらやましいですね」

うらやましい、と言いつつ、全くうらやましがってない。

背中に括りつけるように取り付いてるのは、間違いなくマジカルルビーだ。

『あはー♪』

今でも、思いついたように喋りだすので怖い。

しかし、まだからかうつもりか、この不良英霊は。

凛がそう思ったとき、歩は艦橋区域から住居区域、と言っても医務室と浴室に調理室、トイレにセイバーの部屋に客室が3つ、シロウ宅の居間を模した空間と謎の四畳半があるだけの簡素な区域へと進んでいた。

因みに、謎の四畳半には何故か佐渡○造大先生の銅像と日本酒の酒瓶、それから験担ぎ用のワインが置いてある。

誰が設計し、誰が据え付けたのか、それは誰も知らない宇宙の神秘だ。

ワインはセイバーさんのものだけど。

騎士は晩酌に飲んだワインの量だけ翌日血を流すとか何とか。

「へぇ、小奇麗じゃない。掃除は?」

「塵芥処理系が自動で。それから、食事は・・・」

そこでセイバーは言い淀んだ。

難しい顔をしているが、これは・・・

「食事は、出来ればリンに作ってもらいたい。自動調理機は高くて手が出ないし、何より雑だ。買ってきた材料どおりの味しか出ない」

「へぇ、そういうものなの?SFの世界にしてはしけてるのね」

「はぁ・・・私も多少は調理できるようになりましたが、平均的な自動調理機はそれ以下なのです。ですから、もう星と星の間を移動する前に出来合いのを買って長期保存するのが常となってしまっているのです」

「大変なのね。でも私セイバーの料理も食べて見たいわ♪」

意地悪には意地悪を、等価交換だ。

そう考えるのは魔術師らしかったが、しかし・・・

「いえいえ、全くお恥ずかしいものです。それに・・・」

「それに?」

「ロハで便乗するんですから、そのくらいやっていただかないと」

「くっ・・・わかった!わかったわ。でも、いつかきちんと料理の腕見せてね。15年でどれだけ自炊できるようになったか、見てあげる」

あっさり屈服しつつも反撃。

凛らしかったがとにかく金銭は大事だ。

「まぁ、シロウにべったりのそちらの私では、上達など臨むべくもないでしょうし・・・いいでしょう。すこしは期待していてください」

セイバーが自信なさ気にそう言う。

と、その時。

ドォーーーーン!

轟音。客室の一つからだ。

「何事です!ボソ○砲ですか!?」

客室のドアを強引にこじ開け、セイバーが中に踊りこんだ。

次いで、凛も押っ取り刀で駆け込む。

すると、そこには・・・

凛にとっては、見覚えのある状況が存在していた。

「やぁマスター、此処はどこだ?」

・・・煙。

そして、破壊された部屋。

赤い英霊・・・



宇宙の用心棒!キャプテン=セイバー!!
第三話「弓は地獄から!」
※:Fate小説のようですが、あくまでウラタンの外伝じゃよ!



部屋ン中はまぁ、ぼろぼろ。

襖には穴が開いてる、奥のデッキチェアは派手に崩壊、和風に設えてあるソファは綿とかなにやら出て無残も無残。

そこにふんぞり返るように座っている男が一人。

誰あろう、赤い英霊こと我等が弓兵アーチャーさんだ。

「何を呆けている。ここはどこだと聞いたんだが、聞いているのか凛」

アーチャーはあきれた口調でそういう。

無論、気付いていない。

「アーチャー・・・あなたは一体何をしていると言うのですか・・・?」

さして驚いた様子もなく、幽鬼のような表情でセイバーが聞いた。

「む、セイバーか。その格好はどうした?なかなかに笑えるぞ?」

不適(不敵)な口調でそういうアーチャーだが、まだ気付いていない。

そう、セイバーさんの怒りに。

「アーチャー。貴様、人の家に勝手に上がりこんで、盛大な破壊を行い謝罪もなしか」

「ちょ・・・セイバーどうしたのって、ゲェーッ!」

どこかの茹でた孫の描いた漫画の登場人物のように、凛が吼える。

見れば、セイバーさん、アホ毛、消えてる。

顔は青白いし、眼は金色だし、武装はしてないけど明らかに黒化!

おい、やべえよアーチャー!

死ぬ!マジ死ぬ!!

「・・・状況は読めないが、一つだけわかった。遠坂、答えは得た。もう大丈bくぁwせdrftgyふじこlp;@!!!!!」

黒い聖剣の一撃に、アーチャーは声にならない声を上げつつあっさりと撃沈されたのであった。



「なるほど、状況はわかった。全く何てことだ。不肖のマスターの無礼を許して欲しい」

アーチャーは、あくまで慇懃に、しかし顔とかボコボコのまま掃除をしていた。

全く、あきれたものである。

こんな時にも嫌味が出る辺り、よほど嫌な体験を繰り返してきたとしか思えねぇ。

「五月蝿いわねぇ・・・」

凛が半眼で彼を見つつ、やはり清掃に余念がない。

「塵芥処理系の作業量を崩壊させるほどの壊し方をしたのはアーチャー、アーチャーがこちらへ来る原因を作ったのはリンなのですから、当然です」

そう言って掃除を押し付けたのはセイバーだ。

「いやならいいんですよ?すぐさまおん出しますが」

「おん出すって・・・外は・・・」

「真空ですが、何か?」

しれっと言うセイバーに、ヨゴレを知らなかった頃のセイバーしか知らない凛と弓はまぁいろんな意味で滔々と涙を流しつつ、清掃を承知して今に至る。

兎に角、アーチャーまでこっちにきた原因は宝石剣ペンダント2号のせいであるのは間違いないようだ。

それしか考えられない、と言うのも一つであるが。

「それにしても・・・フフフフフ腐・・・」

「何不気味な声出してるの、変態英霊」

「いやなに、この世界にはセイギノミカタがたくさんいるのだろう?会ってみたくてな」

「全く流石は・・・」

「小僧のナレの果てだろう?くくく」

変な笑い、いやぶっ壊れた笑いを漏らしつつ、アーチャーはそう言って片付けを続けた。

いやはや、元正義マニアの守護者にも困ったものである。

正義はないとか何とか言いつつ、きっと一番正義に憧れ持ってんだ、この馬鹿野郎メ。

ギャバンとかシャリバンと、理想主義一辺倒の士郎君を一緒くたにするんじゃねぇよー!

「五月蝿い!誰だ!」

あー、女性陣のほうがたくましいね、全く。

平気でナレーターに突っ込み入れる娘たちに比べてまったグフッ!

「なに?アーチャー・・・突然剣ぶん投げて?」

「いや、ネズミがな・・・」

チッ!いきなり干将投げてくるとは・・・!

取りあえず、こいつらのやってることは今のところそんなものだ。

しかしまぁ、後々弓は絶望することになるのである。

正義の味方なんてやってるやつは、それこそ戦闘機一機分の戦闘力程度じゃやっていけないって。

闘志、勇気、想い、命、戦闘力、いろんな面でどこか特化してるものなのである。

マシンマンとか。



辺境 トアル星

ここは、ちょっとやーなことで悩まされていた。

まぁ、ありきたりな話で、異次元犯罪者の生き残りが潜伏しているせいで、オチオチ寝てもいられないくらいに緊張しちゃってる星である。

元々テラフォーミングがなされて数年の大地で、人口は数万に過ぎない。

宇宙刑事の派遣も間に合っていない状況下で、この星は放棄の危機を孕んでいた。

「どうする・・・?」

責任のありそうな、見るからに立派ないすに座っている男がそういった。

「周辺に空間傭兵はいないし、どうする・・・?」

自問自答を繰り返す。

やがて、脳裏に閃くものがあった。

「そうだ・・・流れの用心棒がこの星に補給に来る、と言う話があったな・・・」

それを思い出すや否や、彼は手元の操作盤を弄くり、入星管理を行う部署へと連絡をかけた。



「なるほど、直接の依頼とは珍しいと思えば、そういうことですか。わかりました、急行します」

セイバーはモニタに移る女性にそう告げて、さっさと通信を打ち切る。

どうせ、残っているのは報酬の交渉だ。

そんなもの、成果が出てからでいい。

セイバーさんはアヴァロン号を運用し、食費が足りるくらいの報酬しか求めないのが常だ。

相手が勝手にくれるっていうなら、それはもらっちゃうけどね。

この時代、バード星の技術を使用した星間船は余程のハイスペックでなければ,維持費はそうかからない(あくまでバード星人基準で)。

まぁ、やっすぃー時代になったものだとワッケ○ン将軍も言っている事でしょう。

自然、報酬の交渉はほぼ無意味である。

そして、幸いにして彼女の貯金は大分あるのだ。

金になる依頼が立て続けにいくつか舞い込んだこともあるし、前回・前々回の事件では賞金が出たりもした。

よって、今は人助けそのものを報酬としたい気分だったのだ。

「さて、リン、アーチャー。私の仕事を手伝ってもらいます」

居住区域に戻ったセイバーは開口一番、あかいあくまと元正義マニアにそう告げた。

どうにか、客室その1の片付けは終っているようだ。

「ほう、どういう仕事だ?」

珍しい事に、アーチャー自身がやる気を出している。

それに、凛はすこし驚いた調子で「熱でもあるの?」と言った。

「馬鹿を言うな、凛。やる気を出さねば追い出されてしまうではないか。先ほどのセイバーの顔は、本気だった・・・」

「よくわかっていますね、アーチャー。断れば、リンは兎も角貴方にはしばらく宇宙服無しで真空遊泳を楽しんでいただくところでした」

アーチャーは努めて冷静に、だがたらりと冷や汗を流しながらセイバーを見る。

目が笑ってない・・・

全く目が笑ってないセイバーに本気を見たアーチャーは、凛にも見せぬへつらいの笑みを浮かべた。

へへぇ

そりゃもう、タイガーアイのように。

「よ、喜んでやらせていただきます」

英霊だって真空に放り出されりゃ嫌だ。

そんなことが、図らずも判明した初春の昼下がりだった。

「仕事は簡単です。依頼先の星は今、異次元犯罪者の生き残りに襲われているそうなのです。その調査と排除を行います。なお、重火器等による支援はありませんので」

「ちょっと待て、異次元犯罪者とは何の話だ?」

「その名の通りです。信じられないかもしれませんが、この世界には事象の裏側にいくつかの異空間が存在し、そこをねぐらにしている連中がいるんですよ。大概、下手な悪さをして銀河連邦警察や宇宙警察に滅ぼされてますけどね」

そういう、宇宙刑事や特捜戦隊の取りこぼしを倒す事が目的です、とセイバーは言った。

アーチャーはあんぐりと口をあけ、凛はもう諦めきった顔つきでため息をついた。

背中の杖が楽しそうにうごめいている。怖い。

余談だが、そういった連中を狩る事を生業とした連中もいる。

空間傭兵、或いは単に用心棒と呼ばれる人々だ。

セイバーは後者であり、この種の人は目標を倒しては報酬を得て星を渡る。

空間傭兵は一つの星に数年は留まり、大体複数人で構成されている。

セイバーらが向かってる辺りで有名なのは、グレートキャッツネイビーと呼ばれる精霊種の大軍団である。

猫アルクとは関係あるようでない。

巻末参照。

「あと、装備不足なんで、アーチャーは今回手を出さないでくださいね。戦闘は特に厳禁です」

「な、なんでさ!?」

「その言葉、シロウっぽくてなんか嫌です」

「そんなことはどうでもいい!何故だ!戦いともなればサーヴァントが・・・」

言い募る弓を片手で制し、セイバーが言った。

「真祖並みの連中がウロウロしてる世界なんです。出会いがしらに私に真っ二つにされかけるような子にはちょっと無理ってもんです」

ええ、無理でしょう。

宇宙刑事の敵は、どう考えても(設定を見る限り)3割真祖(つか、いつものアルク)並には強い。

そう考えないと、ブラックホールの中で活動するとかありえないっす。

深海数万mでアルクが活動可能かどうか、誰か教えて知得留先生。

「ぐっ・・・!」

わかったら引っ込んでてくださいな。

そんな目でセイバーが見ていた。

「・・・」

うつむいていたが、弓の顔はこう語っていた。

―――特撮のチャチぃ悪役が英霊より強いだと・・・馬鹿な・・・認めん・・・

あー、もう、いいから認めろよ。

ビジュアルではわからないものがあるんだってば。

悔しかったら電子星獣ドルに勝ってみろい。

「そういうわけですんで、仮に戦闘に巻き込まれても防戦しながら撤退してください。それこそランサーのように」

「くっ・・・何故私があの原始人と似たような事を・・・」

「幾らサーヴァント、霊体とは言え、宇宙忍者や異次元怪物相手に無理すれば死ぬだけじゃすみませんってことです。これ以上文句言うなら、真空を泳いでもらう事になりますが・・・」

「男でしょー?文句言う前に動きなさいよ。で、私は?」

アーチャーの額をペシペシはたきながら、そういった凛。

「ええ、凛には戦ってもらうかもしれませんが、基本的にアーチャーと同様に立ち回ってください」

「なんだと!?私が駄目で、凛がイイだと!?ふざけるな!!!!」

アーチャーの叫びに、セイバーは五月蝿いなぁ、とばかりに耳をふさぐ。

そして、やれやれ、といった感じで彼の疑問に答えた。

「絶叫されても・・・カレイドステッキのことですよ。それがあれば、無限の魔力が引き出せる。つまり、魔法少女カレイドルビーなら敵に勝てブフー!」

アーチャーの反撥に、セイバーは冷静に弁護しようしたが、激しく無理だった。

「ごっ!ごほっ!ぐふぅ!あはははは!」

思い出してしまい、さらにツボに入ったのか笑い転げる。

「カレイド・・・?」

「アーチャー、その点について質問したら令呪使う。絶対その件に触れないで」

「了解した、マスター。此処に来る前のように、思う様殴られては叶わないからな。取り合えず地獄に落ちろ」

アーチャーは凛の言葉に首肯して、毒を吐く。

ああ、アーチャー。

君はこの中で間違いなく一番弱い。

立場も、パワーも。

哀れなり。



トアル星、市街地区郊外

「さて、調査開始です。これを持って、異常がありそうな反応をしたら無線で知らせてください」

セイバーはなんか80年代くらいのマイコンっぽい探査機器を二人に渡しながらそう言った。

郊外へ着陸したアヴァロン号から出た三人は、近くの森を目指して歩いていた。

アーチャーの顔が、色黒というよりどす黒くなっているのは気のせいであろう。

気のせいだったら、気のせいだってば。

そんなこともわからんのですか、橘さん。

「先ほど言ったとおり、異常を発見したら絶対先行しないでください」

「りょうかーい」

「・・・わかった・・・」

凛は軽い口調で、アーチャーはどんよりどよどよとどんより雲が出てきそうな勢いで答える。

「では、また後で」

セイバーはそういうと武装し、空を翔るように森へと駆けていった。

その姿に、アーチャーは驚愕する。

その速度、軌道ともにサーヴァントの性能を越えていた。

「な、なんだあの身のこなしは!ランサー以上だぞ?!」

「なんか、霊体専用のパワードスーツ着てるそうよ。さぁ、行きましょう。私はもう諦めたわ。こんな出鱈目な世界」

諦めは人間の重要なファクターです。

南無阿弥陀仏。

「認めないぞ!うぉーーー!」

「ハイハイ、叫ばないでちゃっちゃと行く!」

「うう・・・くそう・・・」

泣くなアーチャー、君はきっと剣で出来ている。

「嬉しくないわ!」

あ、そう。

まぁ、そりゃ仕方ないねぇ。

凛と分かれて暫くして、アーチャーは異変に気付いた。

手の中の探査機器が、赤く光っている。

そして、自分でも何か怪しい気配を感じていた。

心眼に頼るまでもなく、空気そのものが固化したような異変を。

「シュワ!シュワシュワシュワ!」

気配を感じて10秒とたたず、周囲には奇怪な仮面を被った人間たちが現れる。

・・・かつて、不思議界フーマの尖兵であったミラクラーだ。

「なるほど、戦闘員か」

アーチャーは得心したように言った。

「いくら怪人には勝てないと、口で言われようと理解は出来んし、戦闘員相手では尚更、だ。ふん」

鼻を鳴らし、彼は愛用の双剣を手に持ち吼える。

「ストレス解消に付き合ってもらおうか、雑魚ども」

アーチャーらしくなく、舌なめずりが聞こえてきそうな声でそう言う。

既にミラクラーたちは得物を手に包囲の輪を狭め、今にも襲い掛かってきそうな風情だ。

「投影、開始―――」

アーチャーの言葉と同時に、周囲に剣が、槍が、ナイフが、ありとあらゆる剣に属する物体が現れる。

そして、それは正確に戦闘員たちを貫いていったのだった。



「なんだ、こいつらは・・・」

そういうものだと、頭では理解していた。

特撮の戦闘員など、こんなものだと。

溶けて消えた戦闘員を前に、アーチャーはこぼす。

「跡形・・・気体も残さず消えるとは、非常識な」

そう言って、機器の通信機能を使ってセイバーへ連絡を取ろうとした時だ。

正直、彼も油断をしていた。

セイバーの言葉を忠実に守っていれば、こんなことにはならなかったろう。

「・・・花粉?」

周りを金色の粉が舞っていた。

心地良い華の香がアーチャーの鼻を突く。

「―――なんだ、これは」

目の前には、自分が英霊ではなかった頃の光景があった。

『どうしたの?士郎、何ぼけてるの?』

そこには、藤村大河がいた。

そして、

『士郎、そんなところにいないで座りなさい。ほら・・・』

懐かしい、磨耗しきった記憶が蘇る。

「馬鹿・・・な!幻だ!」

アーチャーは叫んだ。

そこには、彼が師と崇め、養父と呼んだ人間がいた。

「うッ・・・く・・・」

そこに、強烈な衝撃が加わった。

「ガッ!?」

アーチャーは、一言だけ漏らして地面に突っ伏す。

幻は影のように消え去りそして。

目の前には赤い花が咲いていた。

それは、不思議花と呼ばれる花だ。

この宇宙は天界、地上界、不思議界から出来ている。

この花は不思議界で咲く花、人に夢幻を見せる魔の花だ。

この世界の法則に縛られないこの花は、サーヴァントすら惑わせた。

「ぎしゃぁーーー!!」

そして、この花が咲くということは、そこは既に不思議界に巻き込まれている。

「ぐっ!?」

一瞬、視界が飛ぶ。

変なものが覆いかぶさって・・・

後は・・・



「ぶははははははははははははははははははは!!!」

凛は大口を開けて笑っていた。

目の前には、

「わ、笑うなよぅ・・・」

滂沱の涙を流す弓兵がいた。

あ、因みに敵は普通に不思議獣でした。

セイバーさんと凛が、アーチャーが遊ばれてる隙に必殺のエクスカリバー&宝石剣を叩き込んでジエンド。

「ほら、だから言ったじゃないですか。あれほど、逃げろと言ったのに」

「あははははははははは!!何その格好あーっははっはっはははは!!!」

そこには、確かに弓兵がいた。

確かに弓兵だ。弓兵の服装だ。

赤い外套、黒くて複雑な模様の服。

しかし、小さい。

しかも、小動物。うさぎっぽい。

『あはー♪シェロ2号、略してシェロツーですねー♪可愛いですよ、アーチャーさん』

マジカルルビーがとても面白そうに感想を述べた。

「あははは・・・良いわよ、もう。あたしのペットね、サーヴァントからペットの格上げアハハハははは!!!」

そう、敵は人間を小動物に変える能力を持った不思議獣の生き残りだった。

哀れアーチャーは、セイバーの言うとおり撤退しながらの防戦に徹しなかったため、こんなことに・・・

「うううう・・・くそう・・・くそう・・・」

アーチャー改め、凛のペット兼魔法少女カレイドルビーの親友シェロツーの誕生であった。

どっとはらい。



追伸:結局アーチャー以外に300人ほど被害にあっていて、彼らは元に戻れました。人間だから。サーヴァントであるシェロツーは呪いじみた感じになって戻れませんでしたマル

「うぉぉぉぉぉおおおお!!やり直しを要求するううううう!」

無理。

えんど



次回予告
ぱぴよん[もっと愛を込めて!!]
しろれん[私につき従う兵士諸君、私と一緒に良い夢を見ましょう?]
ぐれーときゃっつねいびー[ガンホー!ガンホー!ガンホー!!]
セイバーの手を逃れたアーチャーを待っていたのは、また地獄だった。
混沌の後に住み着いた白猫と蝶。
万年笑劇が生み出した著作権の街。
笑いと愛、夢と愉快とをハリケーンミキサーにかけてブチまけた、
ここは惑星デュプリの古代怪獣ゴモラ。
次回「此処は版権の国」。
次回もキャプテン=セイバーと地獄に付き合ってもらう。





あとがき
いきおいのままに、つきすすめひあうぃーごー

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