遠い空。

夕焼け。

金色の海。

老人と、その膝。

遠い遠い昔に、そんな光景を見た。

そして、やがて愛したものが死に、彼女は一人となった。

彼女は一人ではなかったけど、厳密には一人だった。

主を得るまでは。

心優しきバロールの化身との、夢そのものの繰り返しの後のこと。

でもそれは彼女であって彼女でなくて。

噂と怪奇とヒトナツノユメの後に、真実に彼女は生まれた。

彼女は使われていないもの。

彼女の中の使われていないもの。

雄弁で、妖艶で、無邪気な白猫。

欠片と欠片の不出来な出来物。

一夜限りの狂想曲、矛盾だらけのソリストの、自慢のために用意された存在。

でも、今は違う。

ここでは、違う。

彼女はどこまでも彼女で、元であった黒い彼女とは違う存在だった。

レン。

彼女の名はレン。

この3つの月と一つの世界を統べる女王にして、気ままなる傭兵たちの主である。

勿論、彼女にとってそんなものはどうでもいいことだ。

月に照らされ、蒼い光を放つグラスに視線を落とし、彼女は呟いた。

「守るものと、壊すもの。不出来なものの楽園」

悪と正義とそれに翻弄される脆弱で広大で、強靭で狭量な世界。

「全く、馬鹿げてる。馬鹿げてる世界」

そうして、レンは笑う。

「朽ちた後の夢よ、レン。聞こえてはいないでしょうけど,レン。私の半分さん。これは朽ちた後のユメかしら?」

―――ケド、それは今じゃない。わたしとあなたが朽ち果てた後のユメよ

いつか、どこかで、夢のなかで聞いた、たった一言の半身の言葉。

タタリという現象の残滓で出来た彼女に残った唯一つの言葉。

それを思い出し、笑う。

クス、クスス・・・

クスクスクス・・・

ウフフフフフフフ・・・

そうして、今夜も狂想曲。

侵入と防御と、彼女らを呼んだ摩訶不思議な力の守護。

ふと空を見ると、綺麗な煌きが一つ、星と消えた。

「さ、新しい夢を見ましょう・・・」

妖艶に彼女は微笑む。

彼女の現が、今また動く。

ここは惑星デュプリ。

3つの月と一つの惑星と一つの恒星が輪舞する、不確かで楽しい世界。

人はそこを、「エデン」と呼んだ・・・

何故呼ばれているのかは誰も知らない。

そう呼んでいる他星の人間たちも、自分たちですら。

偽の楽園を創造した、悪魔デミウルゴスの如き、下らない理想とオリ。

きっと、虚ろな楽園。

そう、レンは少し思ったのだった。



宇宙の用心棒!キャプテン=セイバー!!
第四話「此処は版権の国」前編
※騙されないで!Fate小説とは微妙に違うよ!型月小説とも違う!あくまでウラタンの外伝なんじゃよ。



この話を読む前に言っておくッ!

私は此間このSSにほんのちょっぴりでもないが出演した。

い・・・いや・・・出演したというよりはまったく理解を超えていたのだが・・・

あ、ありのままに起こったことを話すぞ!

『私が出ているギャグSSだと思っていたら、いつの間にか小動物に変わっていた』

な・・・何を言ってるのか、わからないと思うが・・・私も何をされたのかわからなかった・・・

頭がどうにかなりそうだった・・・

魔術だとか話の都合だとか、そんなチャチなものじゃ断じてない。

もっとおそろしいものの片鱗を見たのさ・・・

なんでさ・・・なんでさ・・・!!

「独り言は不気味よ、アーチャー。チャッチャと運びなさい」

凛とセイバーは何故かメイド服でアーチャー・・・だった小動物の作る料理を運んでいた。

「全く、シェロツーになってしまったのは、貴方の油断のせいです。反省したなら次から気をつけてください」

「ううううう・・・」

此処は宇宙船アヴァロン号。

素敵な宇宙の用心棒キャプテン=セイバーの牙城である。ファングキャッスルである。

「それにしても、なんでこんな服を持ってるの?」

「いえ、ある星で依頼をこなしたら、依頼主のヒヒジジイが愛人にナレとか意味不明なことを抜かしたんで、少々教育を施したらくれました」

「あ、そう・・・」

凛は半眼でそういうと、てきぱきと動いているセイバーを見た。

「15年あれば随分変わるのね・・・まるで別人」

「そうか?こんな服もらって普通に着用している辺り、中々変わってないようで変わってるというか、私は怖いのだが」

アーチャー改め魔法少女カレイドルビーの親友シェロツーは、宙にふよふよ浮きながらプルプル震えてた。

だって、セイバーさんってば尋常じゃない気の入れ方なんですもの。

どこでこんな無意味な気の入れ方を覚えたのでしょうか。

士郎君の凝り性でもうつったんか?

「アーチャーの料理を食べるのは初めてです。執事然とした男の作る料理を運ぶのですから、この格好は当然です」

ほう、なかなか格好いいこという人だ。流石英霊。

「今の私は小動物なのだがな?」

「そこはそれ、本質は間違いなくあの皮肉屋の執事っぽい弓兵ですし。神出鬼没な辺り、某我は放つ〜に出てくるキー○のようですね」

この世界にもあるんか、オーフェ○。

「だぁれが変体執事だセイバー!!好い加減にしないと!」

それを知ってるお前もお前だ、アーチャー、もといシェロツーよ。

「ほう、好い加減にしないとなんですか?逝きます?」

「いえ、嘘ですごめんなさいまじゆるして勘弁」

アーチャーは情けなくも平謝りすると、凛に向き直る。

―――本気のセイバーにオレじゃ勝てねえよ、答えを得ていい?

―――駄目。

究極のアイコンタクトが交わされる。

それは誰にも彼にもわかる非情のサイン。

そのまま死んで来いと言う凛の思し召し万歳拳必殺サンダー!

クソッタレ、と心の中でつぶやいて、男は一人給仕する。

男は一人道を往く〜男は一人往くものさ〜燃える瞳に命を賭けた〜山の向こうに何がある〜〜〜

むなしい。

シェロツーは悲しみと怒りを胸に秘め、メイド姿のセイバーの後を追う。

悲しく給仕をする男の心は、弱い考えで一杯だった。

ストレイトさんの教えによれば、その弱い考えに反逆することが強くなる道だそうですが、そこはそれ。

「さぁさぁ、さっさか食べますよ。ほら、アーチャーも」

メイド服を、一瞬で脱いで普段の未来服にセイバーは戻る。

その早着替えのスキルたるや、凄腕のコスプレイヤーも戦闘のプロもまっつぁおになる速さと正確さだ。

別に蒸着でも赤射でも瞬転でもないとは思うけど、まぁ速かったんだ。

ハイパーグッドスピード!

「いや、私は食べないぞ」

「食べないというなら、真空ゆ」「判りました食べます!」

セイバーの冷ややかな声に、アーチャーはいらだたしげにこたえた。

「それでいいのです」

満足そうにうなづくと、席に座る。

「おお、これは美味しい・・・」

「そりゃどうも」

アーチャーは自分で作った味噌汁を啜りながら答える。

外套が煤けてるのは、何度も言った様な気がするが気のせいである。

セイバーははむはむこくこくと実に美味そうに大体平らげる。

その姿に、一瞬微笑んでしまうアーチャーだった。

ああ、凛が「―――所詮士郎か、ケケケケケケ」という感じのあくまの笑みを浮かべていたことも言うまでもない。

シェロツー状態だし。愛らしいし。

なんか、ふわふわだし。

この分では、寝る時にぬいぐるみの代わりとして使われるのは間違いないだろう。


―――閑話休題

アヴァロン号は一つの星を目指していた。

雑談しながら。

「少し聞きたいのだが、我々の能力は聖杯や抑止力からのものだろう?それが存在しないこの時空で、それも地球から遠く離れて力が振るえるのはなぜだ?」

「ああ、それは何かを呼び出した際に、呼び出す先の世界の法則も複製するらしいのです。故に、我々は宝具も使えるし戦闘力も聖杯戦争時となんら変わらない」

「なんてごつご・・・いや、便利な話だ」

「最初はそう思いましたけどね、成長しないために強い敵と戦うには兵器に頼らざるを得ないし、兵器を買うにはお金がかかるので、忍者とか超能力者より燃費が悪い」

財布の中身が気になる英霊ってのもどうかな、と思います。

セイバーはアーチャーにそんなことをほう、とため息とともにもらす。

「シロウにはあの頃苦労をかけたのではないかと、今にして思います。もし、あのままあの時代にとどまっていれば、ニート並の生活をしていたのではないかとも・・・」

「・・・」

アーチャーは冷や汗を隠しつつ、貴様の心配は完璧に的中したな、クククと心でつぶやいたのだった。

「まぁ、そういうわけです。おっと、そろそろ次の星系の軌道に入りますね」

「次の星系・・・どういう場所なのだ?」

「ああ、えーとですね。グレートキャッツネイビーという名前の傭兵団の本拠地です。名前は・・・デュプリ星ですね」

「…」

果てしなく嫌な予感がした。

しかし、これはチャンスではないかとも思えたのだが・・・

「さて、まずは宇宙港ですね。地表に降りて、食料品を買い込み・・・ああ、そうそう。弾薬も補充しておかねば」

セイバーはそういいながら、手元の携帯端末をいじくる。

「弾薬?」

凛がひょこっと会話に加わる。

因みに、彼女はかなり居心地が悪そうにしている。

理由を一言で言えば、彼女がアナクロでアナログで機械音痴だからだが。

その辺りはもうどうしようもないようなそんな感じである。

「ええ、弾薬です。この船には自衛用の武装がいくつもついているのです。先日リンを見つけた星の地表に降りる際に、かなり使ってしまって、そのままなのです」

「なるほど・・・宇宙人続けるのもお金がかかるのねー」

「ですねぇ・・・自分でもずいぶんと所帯じみてしまったなぁとおもいます」

凛の言葉にセイバーはため息をつき、携帯端末をしまう。

しかし、セイバーさんは嘘をついていた。

確かにこの船の船体自身の強度は普通の貨客船並である。

だがそのバリア系装備、各種兵装についてはなんと銀河連邦警察のギラン級超次元高速機以上の性能を持つ上、艦首に取り付けられている巨大レーザー砲・・・『勝利すべき黄金の剣』砲に至っては1天文単位内での威力に限定するならホシノスペースカノン並の威力を持っている。

なにこれ。

総ては勝利に掛けるセイバーさんの情熱の賜物だが、兵器業者の言われるままに追加していった結果こうなったという痛い指摘もある。(どこから?)

艦首カリバーン砲はアブレラさんから買いました。おてちん

それは兎も角、セイバーさんは船の操作パネルとキーボードをパコパコと機械的に弄り、通信回線を開いた。

「こちら、宇宙船アヴァロン号。応答願う」

『こちら、惑星デュプリ宇宙港管制。どのようなご用件ですか?』

「着陸を要請する。指示を請う」

・・・こんな会話させると、マジでラフィー○殿下ですな。

『照合終わりました。どうぞ、降りてきてください』

「了解した」

それだけで終わり。腕の良い用心棒は信用あるのだ。

アヴァロン号は肉眼ではまだ確認も出来ない星へと軌道を取る。

すべるように銀河を進む。

さて、宇宙港は地上にある。

SFでよくある軌道上の宇宙港ではこの世界では、思いっきりテロリストとかアリエナイザーとかに狙われた時に拙い。

そんな時正義の味方が運良くいてくれればいいが、そうでないときは・・・

宇宙港ごと何千人も死んでしまう。

対して地上にあれば、地球破壊爆弾並みの物でもない限り、生き残る確率もわずかに出てくるというものである。

よって、よほど余裕のある星系を除いては、大体地上に宇宙港があるのである。



まぁ、それは兎も角として、アヴァロン号は地上の宇宙港に着陸していた。

セイバーはいつものスカートとブラウスに着替えている。

雰囲気は・・・なんか、おかしい。

「あの、ここ羽田空港じゃないの?」

「違います。似ていますが全く違います」

・・・凛の言葉を全く意に介さずに、セイバーは受付へと歩いていく。

というか、本当に羽田空港にしか見えない。

なんで?

「なるほど、空気が違うな」

シェロツーは空気も読まずにえらそうにんなこといってるが、

「きゃー、なにこれぇー!?」

あ。

道往くお姉さんに捕まった。

「ム、離したまえ!こ、こら凛、セイバー!見ていないで助けてくれ!」

「自力で何とかしてください。はい、これ三名分のパスポートです」

もちろん、後ろ二名のは偽造です。

まぁ、いざとなればセイバーの信用こそが後ろ盾になる。

そう考えて、全く処置しなかったというわけだ。

「はい、確認しました。良い旅を。つきましては、当港のお荷物配達サービスはご利用なさいますか?どんな大荷物でも、兵器でも、迅速にお客様の下へ・・・」

「結構です。輸送車両は自前のがあるんで」

「そうですか、判りました。お泊りはどちらに?」

「大和ホテルかニミッツ旅館にするつもりです。それでは」

セイバーはにこやかにそう告げると、踵を返そうとする。

それを静止するように、受付のお姉ちゃんは口を開いた。

「あの・・・ちょっと、大きな声ではいえないんですけど・・・」

受付のお姉ちゃんは声を潜める。

「・・・?あ、リン。使っていいのはさっき渡したお金だけですよ」

「わかってるわよー!」

何故かはしゃいでいる凛に声を掛けながら、彼女の話に耳を傾ける。

「―――実はですね、この星の住民が特殊なのは、貴女ならご存知のはずですけど・・・」

「まぁ、よく知ってますけど・・・」

この星の住人は特殊・・・それは、ひとつの機械の存在による。

一般にデュプリケーターと呼ばれている機械で、この星にしか存在していない。

それは、資料を参照して欲しいが、セイバーと同じ異世界の存在をほぼ無制限に呼び出す機械だ。

色々変なものを無尽蔵に持ってくるもんだから、迷惑千万この上ない、ということでずぅっと昔にセイバーさんと師匠は、止められないものか、と依頼されてここにきて失敗したことがあるのである。

「それがどうかしましたか?ついに壊れましたか?アレ」

「いえ、順調ですよ。人間が召還されることはもうほとんどなくなりましたけど、色々物資が出てくるのは止まってません」

その言葉にセイバーはやれやれ、と嘆息する。

「私と師匠ではどうにも出来ませんでしたから。アレを作った科学者はよほど狂っていて、よほど腕が良かったんでしょうね。ほとんど封印指定のメイガスと変わらないほどの」

そういって、セイバーはそっと渡されたお茶を口に含む。

「ええ、本当に・・・で、本題ですが、ここ最近アレに攻撃を掛けてくる集団が」「ぶぅー!」「うわっ、どうしたのよセイバー!?」

突然彼女は噴出し、凛がハンケチをセイバーに渡した。

「げふっ!げふっ!・・・それは本当ですか!?」

「は、はいそうですけど」

「なにを考えてるんですか!?そいつらを駆逐しなければ大変なことになる!!」

セイバーは叫ぶと、受付を忘れたように肩を怒らせて歩き始める。

「ちょ、ちょっと!どこへ行くのよ!あ、すいませんでしたぁー!」

凛が慌てて彼女を追う。

「どうしたって言うの、セイバー?!」

「これから私と一緒にあるところへ行って貰います。最悪の事態です。もうのっぴきならない事態です。あなたはあのハーフトラックへ。私はこれで行きます」

珍しく慌ててるどころじゃない雰囲気でセイバーは言った。

その瞬間、凛の目の前には青く塗装された半軌道装甲車が鎮座していたのである。

「アヴァロン号から来るように連絡しておいたのです。自動で走るんで、乗るだけでいいですよ」

「わ、わかったけど、後で説明してよ?」

「無論です。ただ、今は説明している時間が惜しい、後で必ず」

言いながらセイバーが跨ったのは、やはり青々と塗られたバイクである。

「―――マシーンカメロット、インビンシブルエアを追尾しなさい。では、出撃!」

どうやら、ハーフトラックはマシーンカメロット、バイクはインビンシブルエアというらしい。

ガオン、とエンジンの音を残して。

そうして、彼女らは去っていった。

セイバーが言っていたのっぴきならない事態とは?

風雲急を告げそうだZO!?

弓兵を置き去りにして。

「ふ、ふむー!?胸、胸ぇー!?」

「あら、純情なうさちゃんねー?かわいいぃ〜」

「う、うおおおおお!」

アーチャーはまだお姉ちゃんに捕まっていた。

合掌。


―――少しして

「よ、ようやく開放された・・・」

お姉ちゃんにお持ち帰りされずにすんだアーチャーは、とぼとぼと歩いていた。

セイバーたちには置いていかれ、アヴァロン号に戻ろうにも鍵なんか持ってないし。

情けない気分で、彼は町を歩いていた。

まー、歩くといってもふよふよ飛んでるんだけどね。

そんな感じで、アーチャーがうろついていると、上から声が掛けられた。

「ん〜、ずいぶんと肩落としてるねぇ、君」

それは・・・

なんと言っていいのだろうか、いや、なんとも言ってはいけないというか。

紫のボンテージスーツ、因みに前開き。

しかも、開いているところを悪趣味な紐で結んである。

背中には、黒い蝶の羽。

かてて加えて、その顔についているものは、ステキな蝶の仮面だった。

「ちょ・・・なんだ、貴様!?」

ズザザザ、と後ずさるアーチャー。

「いや、なに、ちょっと元気がなさそうだったんでね。声を掛けてみたのさ」

なんでもないことのように、蝶男は笑う。

怖い、怖いよぅ。

アーチャーは後ずさり、そのまま逃げようとして。

止まった。

そこにいたのは、全身を赤装束に包んだ・・・憲兵?

ら、らいどー?

「ッ!?」

「やれやれ、性懲りもなく。この分だと、あの白猫や武藤の所にも行ってるんだろう?全く」

彼は手を上げる。

すると、黒い蝶が、無数に漂う。

「しつこいやつは嫌いでね」

その黒い蝶が爆裂する。

赤い憲兵は倒れ伏す。

「―――ふん」

鼻を鳴らして蝶男は去っていく。

だが。

その瞬間に。

その光景に。

あっけに取られた瞬間に弓兵は。

世界の異常を察知していた。

ドゴゥ!

轟音、閃光、そして。

穿孔。

一本の剣が。

彼が決して逆らえない、ただ一本の。

磨耗した記憶の中でも、決して忘れえぬただ一振りの剣。

セイバーの持っているはずの、だが絶対に彼女のものではありえない剣が。

自分の腹から生えていた。

「ぐふ・・・!?」

血反吐を吐き、浮遊することにも耐えられず、アーチャーは地面にぶっ倒れた。

「―――ちっ、悪あがきを」

蝶男の声が聞こえる。

だが、もうよく聞こえない。

霊体化して、どうにかするしかないと考えたとき。

「寝ていなさい。霊体でも良く眠れる薬がありますわ」

少女の声が聞こえた。

蝶男の声も聞こえる。

「もう駄目だね、レン。こいつは消えるしかない」

「黙っていなさい、パピヨン。それより、武藤君のところへ行ってあげなさい?」

「ふん・・・」

蝶男の気配が消えた。

「安心しなさい?貴方には飛び切りの夢を見させてあげる・・・」

その声とともに、帳が下りる。

帳が下りて、意識が消える。

でも、これって、バッドエンド風味な意識の消え方だなぁ、とアーチャーは思っていた。


次に気づいたとき、それは・・・

「な、なんだこれは!?」

アーチャーの体は、元に戻っていた。

元といっても、シェロツーじゃなくて、普通のアーチャーに。

ただ・・・首から上だけだけど。元に戻ったのは。

首から下は、えーっと。

「うふふふ、起きた?」

少女が椅子に座っているのが見えた。

「起きた、ではない!なんだこれは!!」

えーっと、体の下は。

改造人間。

仮面ライダーV3っぽく。

「な、なんでさぁぁぁーーー!?」

「死に掛けてたのを直してあげたのに、その言い草はないんじゃない?」

少女は・・・白い少女はそういうと、アーチャーに近づく。

「貴方は死に掛けていた。霊体としても、ね。それを直してあげたのだから、文句を言う筋合いはないのではなくて?」

少女は、動けないアーチャーの顔をひと撫ですると、笑って自己紹介する。

「私はレン。白いレンよ。覚えておいて、仮面アーチャーV3」

「ぬぅぁんですぅわぁーーーーー!!」

絶叫であった。

仮面アーチャーV3の誕生であった。

この日現れた面白生物は二・・・

いや、三・・・

つづけ。


次回予告
アーチャー『愛と』
パピヨン『希望と』
白レン『えっ−と、何だったっけ?』
アーチャー『ちょっと、待てよ−。白レン。お前の所為で…。』
白レン『なによおぉぅぅっ。』
 
次回、変身できず…
  仮面アーチャーV3ことアーチャーは変身できるのか?!
来週も、見てくださいね。


@餓鬼
勢い勢い総て勢いw


浦谷のSSが読めるのはうらたにんわあるどだけ!(ではありません)

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