我等が赤い弓兵、マッカチーフ(?)な粋でいなせないい漢、アーチャーさんは一人考えていた。
アレが何でできているのかを、だ。
乖離剣エア。
英雄王の切り札にして、原初の記憶を呼び覚ます天地開闢にも似た擬似時空断層発生器。
あれ、解析できないんだよね。
なんでだろうなぁ。
「直接あの金色殺人英霊に聞くのは嫌だしな」
うーム、と唸って黙ってしまう。
あんまり意味がないような話であるけども。
アーチャーは真剣に考えていた。
「実は剣じゃない、とかな」
剣じゃない。
剣じゃないって?
「あー、違うか。違うよな」
だって、それなら解析だけはできるし。
「ギルガメッシュの完全な付属品だとか」
どうかな、と考えて目の前にあったドラ焼を食べた。
「あ、これ凛のだ」
素に戻ってる気がするけど。何か軽い。
「まぁ、作り足しておけばいいか」
おい、ちょっと待て。
そりゃないだろう?
そんなことお構いなしに、アーチャーは思考を続けた。
余程暇らしい。
ランサーと張り合ったり、ギルガメッシュと遊んだり、女子校生に弄られたりしてもまだ暇らしい。
素敵な男だよ、全く。
「うーむ、あの英雄王、どこであんなもの手に入れたんだろうか」
ちょっと良く考えてみようと思った。
はてはて、と考えてみる。
そういえば、神話ではどうだったろう。
バビロニア神話において、エアとは知恵の神である。
そして、エヌマ・エリシュとは創世神話そのものの名前である。
「あいつ、神様持ってるのか」
神様じゃ解析できないかもしれない。
バビロニアの神よー、お恨み申し上げますぞー。
いやいや待てよ、動いてるものなら神様だって解析して見せるぜ!
―――どこの魔眼使いだ。
疲れているのだろうか。
英霊は疲れないはずだ。そうだと思う。多分、おそらく、きっと、希望してみる。
「そもそも神様とはなんだ?」
根本から考えてみる。
神様、英雄と同じように、人間が欲望を抑制したり、逆に開放するために作り出した存在。
或いは本当にいるのかもしれないが、それはかなり世界側の人だ。
「そんなもの、宝具にして持ってられるのか?反則だな」
いや、反則だと思います。
「規格外ということだけはわかったような気がするな。うむ、有意義だった」
さて、小僧かランサーか、それともギルガメッシュか、趣向を変えてセイバーやライダーをからかって遊ぶのもいいかもしれない。
おお、そうだ忘れていた。
今日はキャスターでもからかいに行ってみよう。
丁度、柳洞の裏山に行ってみようかと思っていたところだったしな。
そんなことを言いながら、忍び込んでいた遠坂邸の居間から抜け出す。
弓兵は、本当に暇だったのである。
どっとはらい
Ps.ドラヤキ作り足すの忘れてました。凛が怒ってました。なぜか士郎に八つ当たりしてたそうです。
おしまい。