第四話[馬と蜘蛛と犀と水溜り]

ここは・・・

見覚えのない場所・・・

見たことない機械がいっぱい・・・

体を動かそうと思っても・・・

動かすことが・・・

できない・・・

ボカァァァァン!!

どこかで爆発がおきた・・・

『この基地は敵の襲撃により放棄します。戦闘員及び研究員は直ちに避難してください。繰り返します・・・・』

敵・・・

敵が来る・・・

敵って・・・

誰・・・

「早く『S』を運び出すぞ!」

「ですが『S』はまだ改造手術の途中です!」

「脳改造は別の支部で施す!早く運び出すんだ!!」

「は、はい!」

『S』・・・

『S』って・・・


ドカァァァァン!!

「うわぁ!!」

カシャ! カシャ! カシャ! カシャ!

体が動くようになった・・・

「し、しまった!今の爆発で固定機具が・・・」

周りを見ると数人の白衣を着た男がいた・・・

「お、大人しくしろ!!」

一人が注射器のような物を取り出して私の腕を押さえつけた・・・

私は反射的に振り解こうとした・・・

ドコォ!!

「ゴォフッ!!」

吹っ飛ばされた男は壁に叩き付けられ動かなくなった・・・

そんな・・・

軽く動かしただけなのに・・・

「ひ、ひぃぃぃぃ!!」

残りの男たちは全員逃げだした・・・

どうして・・・

私は一体・・・

その時ガラスに映った私の姿が目に入った・・・

私は自分の目を疑った・・・

映っていたのは異形の姿をした怪物だった・・・

な、なんで・・・

これが・・・

私・・・

ガシャァァァン!!

私は思わずガラスを手で壊した・・・

ガラスを素手で壊したのに・・・

ガラスの破片が手に刺さっているのに・・・

少しも痛くない・・・

そんなのおかしい・・・

もっと痛いはず・・・

なんで・・・なんで・・・なんで・・・

私は混乱してそこから飛び出した・・・

通路はメチャメチャになっていた・・・

所々から火が出ていた・・・

所々に死体が転がっていた・・・

こんな所は嫌だ・・・

早くここを出よう・・・

私が角を曲がろうとしたとき・・・

そこにいたのは・・・

私の今の姿に似た異形の怪物・・・

「お前、ジョーカーの改造人間か!?」

怪物は言葉を話した・・・

ジョーカー・・・

改造人間・・・

何の話をしているの・・・

「・・・・?様子が変だな・・・お前は一体・・・」

怪物がこちらに歩いてきた・・・

「・・・・や・・・」

死の恐怖が私の心を支配した・・・

「えっ?」

死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない・・・

「い・・・や・・・」

「お前一体なにを・・・」

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

私は恐怖から怪物に飛びかかった・・・

ザシュゥゥッ!!


目の前が血で染まっていった・・・





「はっ!!」
明日香は飛び起きた。
「はあ、はあ、はあ、今のは・・・夢か・・・」
周りを見まわした。
女性らしくない散らかった部屋、女らしいものと言えばヌイグルミと使いもしない鏡台だけ・・・・・
いつもの自分の部屋だった。
どうやら転寝してしまったらしい。
「はぁ、疲れてるのか?あんな夢見るなんて・・・・」
今見ていた夢を思い返す。
「そういえば、あの時に護と初めて会ったんだったな・・・・」
こんな形で思い出すとは、明日香自身思ってもみなかった。
「ふぅ・・・」
明日香はため息をついた。
護がネオジョーカーの改造人間と戦ってから四日が過ぎていた。
護は完全に回復していないのに何度も何度も抜け出そうとしたので今は茜と蔵之介が付きっきりで見ている。
明日香は療養中の護に代わってネオジョーカーの事を調べていたが、何一つ手掛りは無かった。
「くそっ!」
明日香は護の手助けもできない自分自身に苛立っていた。
明日香は少しでも気分を変えようとベランダに出た。
表は既に日が沈み暗くなっていた。
遠くの方に高層ビルの明かりが見えた。
「あれから奴らは何の動きも見せていない・・・」
明日香は夜空を見ながら言った。
最初は護と自分を倒す為にすぐに新しい改造人間が送りこまれて来ると明日香は予想していた。
だが、しばらくしても敵がし掛けてくる様子は無かった。
それどころか、それっきり何も起きていないのだ。
奴らは今もこの風景の何処かで暗躍しているのだろうか・・・
そう考えると明日香は余計に苛立った。
「はぁ・・・・」
明日香は再びため息をつくと部屋の中に戻ろうとした。
その時・・・
キィィィィィン
「!!」
明日香はベランダの手摺から身を乗り出して表を見た。
「今のは確かに・・・」
明日香には自分以外の改造人間を探知する能力があった。
そして今の感覚は間違いなく、改造人間だった。
「かなりのスピードで移動している・・・・何かを追っているのか?」
明日香の探知能力は高速で移動する改造人間を捕らえていた。
「・・・・行って見れば解るか。」
明日香は手摺を踏み台に空高くジャンプした。
「変身!!」
明日香が叫ぶと腰に青い石が埋めこまれたベルトが出現した。
そして明日香の体は赤色の体に黒いラインが入った4枚の羽を持つ蜻蛉の改造人間。
『S』こと仮面ライダーソニックに変身した。
変身が完了するとソニックはそのまま怪人の元へと飛び去った。



ここで少し時をさかのぼる

都内某所
メテオ・インパクトによって起きた大災害で東京は現在居住している人間も少なく、廃墟同然のエリアが多い。
ここもその一つであった。
その廃墟となった街中を一台のトレーラーが走っていた。
ほんの数十分前に謎の敵を撃破した彰と理恵たちが乗ったトレーラーだった。
戦いが終わった後に乗るように言われて乗りこんだのだが・・・・
「なあ、もう教えてくれても良いんじゃないか?この車は何処に向かってるんだ?」
彰は先ほどから同じ質問を繰り返していた。
だが、返ってくる答えは決まって
「お答えできません。機密事項です。」
という夏海の返事だけだった。
「なあ、坂本。一体何処に行くんだ?」
と理恵に聞いても
「お答えできません。機密事項です。」
やはり返ってくるのは夏海の返事だけだった。
こんなやり取りが先ほどから延々と続いていた。
それに疲れた彰はもう聞くのを諦めていた。

「なあ、坂本・・・・って寝てるのか・・・」
理恵はいつの間にか椅子に座ったまま眠っていた。
「くぅー、くぅー、くぅー・・・・・」
気持ちよさそうに寝息を立てている。
「こんな時によく寝られるな。」
彰は半ば呆れた様に言った。
「寝こみを襲うつもりですか?最低ですね。」
突然、夏海が彰に話しかけた。
「なななな、何言って・・・俺はそんなつもりは・・・」
彰は心の底から否定した。
その時、
「う、うーん・・・」
彰が大声を出したので理恵が起きそうになった。
「静かにしないと理恵さんが起きてしまいますよ。」
「・・・・・・」
彰は口をパクパクさせて何か言おうとしたが言わない事にした。
(この子と話してると凄く疲れるなぁ・・・)
彰は心の中で密かにそう思った。
その時だった。
ビービービービー!!
突然警報が鳴り出した。
「これは・・・・」
夏海はレーダーを見るとすぐにトレーラーの後部の小窓から外を見た。
「すみません、理恵さんを起こしてください。非常事態です。」
夏海はそう言うと無線を取った。
「中嶋さん、非常事態です。正体不明の怪人がこちらに向かって来ます。相手のスピードから計算しても逃げ切れる可能性は低いです、この先に今は無人のエリアがありますから何とかそこまで逃げ切ってください。」
『何だって!わかった!スピード出すからしっかり掴まってろよ!!』
ブゥゥゥゥゥン!!
トレーラーのスピードが一気に上がった。
「うわわわわ・・・」
バタンッ!!
彰は準備が遅れた為、バランスを崩して床に倒れた。
「いってー。そんな急に・・・」
彰が起きあがろうとした次の瞬間。
「うーん・・・」
寝ていた理恵もバランスを崩して椅子から彰の上に倒れこんできた。
「えっ・・・」
バタンッ!!
「ぐっ!」
彰は理恵ごと再び床に倒れた。
「う――ん・・・・あれ?」
ついに理恵も目を覚ましたが、
気が付くと自分が彰を押し倒している。
「えーっと・・・・この状況って、まさか・・・」
理恵は彰を見て照れながら言った。
「彰君・・・・大胆だよ・・・・私達まだ高校生だし・・・・夏海ちゃんだって居るんだし・・・・」
何をどう勘違いしているのか、真っ赤になって照れている。
「違うだろ!早く退いてくれ!」
「理恵さん、そんな青春の甘酸っぱい1ページやってる場合ではありません。」
「えっ?」
(青春の甘酸っぱい1ページって・・・・)
彰は心の中でツッコミをいれた。
「敵です。現在このトレーラーの後方およそ50m。おそらく改造人間ではないかと。」
夏海が冷静に現状を報告した。
「本当に?」
理恵の表情が真剣そのものになった。
「まもなく無人のエリアに到着します。そこで・・・」
バコッ!!
夏海が作戦の説明をしていた時に突然手のようなの物が天井を突き破った。
バキキッ!!
天井の手が開けた穴を広げようとしている。
「お、おい!やばいぞ!!」
慌てる彰を尻目に、理恵は冷静に携帯電話『コスモフォン』を取り出した。
「私が表に出て戦う。」
理恵はコスモフォンに変身コードを入力した。
『6・0・3・0』
「超光転身」
理恵の体が光に包まれ、光の中から桃色の戦士が姿を現した。
「風の戦士!コスモピンク!!」
変身を終えたコスモピンクが表に出ようとした時、
「待てよ!俺も行く。」
彰が名乗り出た。
「でも・・・確かに彰君は変身できるけど、戦士じゃないし、戦う事なんか・・・」
「一人より二人の方がいい。それに・・・」
「それに?」
「いや、なんでもない・・・」
「?」
理恵は彰が言いかけた言葉も気になったが、やはり彰を戦いに巻き込みたくなかった。
「やっぱりダ・・・」
「では、お願いしてもよろしいですか?」
夏海が会話に割り込んできた。
「夏海ちゃん!!」
「今は緊急時です。確かに一般の方を戦闘に巻き込むのは危険です。ですが、敵の力が解らない現状ではこちらも少しでも戦力があった方がいいです。」
「でも・・・」
「こちらでも可能な限りバックアップします。」
「決まりだ。」
彰はコスモフォンに変身コードを入力した。
『6・0・3・0』
「超光転身」
彰の体が光に包まれ、赤い戦士が姿を見せた。
「炎の戦士!コスモレッド!!」
彰がコスモレッドに変身を終えると、無線が鳴った。
『もうすぐ指定されたエリアだ!』
「わかりました。」
夏海は無線にでるとすぐに、
「では、お二人ともお願いします。」
ギィィィィィ!!
トレーラーは急ブレーキで止まり、天井の怪人は勢いで吹き飛ばされた。
「じゃあ、行って来る。」
「行って来ます。」
二人はトレーラーが完全に止まると同時に表に飛び出した。

表に出た二人の目に映ったのは、
馬のような頭部をした怪人だった。
「おのれぇ・・・・大人しくしていれば良いものを・・・・」
怪人が毒づいた。
「お前・・・一体何者だ!」
コスモレッドが叫んだ。
「ふん、冥土の土産に教えてやろう。俺の名前は『M』。ネオジョーカー破壊部隊の一人だ!」
「ジョーカー?ジョーカーは壊滅したはずだぞ!」
「『ネオ』ジョーカーだ!それに我が組織は不滅だ!世界征服の野望を達成するその日まで滅びる事はないのだ!!」
『M』は誇らしげに言った。
それを聞いたコスモレッドは
「悪は絶えないって奴か。」
と呆れながら言った。
「ホント。なんか凄いね。」
ピンクも同意した。
「「だけど・・・・」」
二人は『M』に向かって言った。
「悪人はやっつけなきゃな!!」
「悪者はやっつけないとね!!」
二人はほぼ同時に叫んだ。
それを聞いた『M』は
「小賢しい!お前等の相手などしている暇はないのだ!アリシタッパーども!こいつらを倒せ!!」
アリシタッパーと呼ばれた黒ずくめの集団が現われた。
『イー』
「やれ!!」
その声に、全アリシタッパーが襲い掛かってきた。
「よし!行くぞ!!」
「うん!!」
レッドとピンクがアリシタッパーと戦い始めようとした瞬間、
「待て待て待てー!!」
何処からか声が・・・・
「ど、何処だ!姿を見せろ!!」
『M』やアリシタッパー達が辺りを見回した。
「あっー!!上!上!」
一番初めに気が付いたのはピンクだった。
その声に全員が上を見た。
何かが空からこちらに向かってきた。
「とうっ!!」
スタッ
「仮面ライダーソニック、参上!!」
ソニックが意気揚揚と名乗る・・・・が、
シ―――ン
突然の来訪者にその場にいた全員が呆然となる。
「んっ?何だその反応は!正義の味方の登場だぞ!!」
ソニックが場の空気の悪さに気づいた。
「ま、まあいい・・・・それよりもネオジョーカー!!一体何を企んでいる!!」
『M』はハッと我に返り、
「裏切り者の『S』か、これは好都合だ。任務を遂行しお前を倒せば、幹部への昇進も有り得る。アリシタッパーども、赤いのと桃色の相手をしろ。」
『イー』
アリシタッパーが再び戦闘態勢に入った。
「よし、行くぞ!!遅れるんじゃないぞ、そこの赤と桃!!」
ソニックが叫んだ。
「俺達の事か?」
レッドが首を傾げた。
「多分・・・・」
ピンクも首を傾げている。
『大丈夫です。少なくとも現段階ではその人は味方です。』
そこに夏海から通信が入った。
『何とか協力してこの場を切り抜けてください。』
「わかったわ。」
ピンクはそれに答えた。
「じゃあ決まりだな。フレイムソード!!」
レッドの掛け声と共に真紅の剣が現われた。
「うん、ウインドアロー!!」
ピンクの掛け声と共に桃色の弓が現われた。
「よし、行くぞ!!ネオジョーカー!!」
ソニックの掛け声と共に3人はアリシタッパーの群れの中に飛び込んだ。



ソニック達が戦闘を始めたのと同じ頃・・・・

護の部屋にて・・・・

「じゃあ、護さん。ちゃんと寝ていてくださいね。」
そう言うと茜は部屋の電気を消して部屋を出た。
「はぁー退屈だ。このままじゃ体が鈍っちまうよ。」
護が『J』と戦ってから四日間。
それから護は一歩も家から出ていなかった。
いや正確に言えば出ていないのではなく、出してもらえないのである。
茜や明日香、蔵之介が護を絶対に出そうとしなかった。
何度も抜け出そうとしたが、その度に阻止された。
「くそっ!俺がじっとしてる間にネオジョーカーが活動を始めたら・・・・・」
「遅いな・・・・・・・活動を始めたぞ。」
「!!」
ガバッ!!
突然の声に護は飛び起きた。
「誰だ!!」
護は部屋を見回した。
声の主らしき者はいない。
「どこを見ている。ここだ。」
天井から声がしたので護が見上げると・・・・
紫に光る四つの目が護を見ていた。
「ふんっ」
スタッ・・・
声の主が部屋の中心に降りた。
「初めまして・・・・・ではないな。」
護は声の主の姿を見た。
まるで蜘蛛のような容姿をした怪人だった。
「貴様・・・・ネオジョーカーの改造人間か!?」
「残念ながらハズレだ。俺は我らの主に仕える『物見の使徒』・・・・」
蜘蛛怪人はそう語った。
「『物見の使徒』だと?いや、そんな事よりネオジョーカーが活動を始めただと!?」
「ああ、お前の仲間、確か・・・・ソニックと言ったかな?戦いを始めているぞ。」
「なっ!?」
護は絶句した。
明日香の奴・・・・何で一人で勝手に・・・・
それにこいつ・・・・嘘を言っている様には見えない。
「早く行かなくて良いのか?」
蜘蛛怪人が尋ねた。
「その前に聞かせろ。それに何故俺にそんな事を教える?」
逆に護が尋ねた。
「俺は物見の使徒・・・・お前達の戦いを見たいからだ。その為にネオジョーカーを動かしたのだからな・・・・・」
蜘蛛怪人こと物見の使徒はそう答えた。
その答えに護は驚愕した。
「ネオジョーカーを動かしただと!?一体どうやって!?」
「知る必要はない・・・・」
物見の使徒はどうでもいいというような答え方をした。
「っ!!・・・・最後にもう一つ聞かせろ。お前は俺の味方か?それとも敵か?」
護が再び尋ねた。
「今はどちらでもない。だが・・・・・」
「・・・・・・だが?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
突然、物見の使徒は黙り込んだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
長い沈黙の後、ようやく物見の使徒が口を開いた。
「さて・・・・・どうなる事やら・・・・・すべてはあのお方のご意志により決まる。」
「あのお方?何者だ?」
「それは言えない。」
そう言うと、物見の使徒の姿が段々薄くなってきた。
「お、おい!ちょっと待て!」
護は徐々に消えていく物見の使徒に呼びかけた。
『ふふふ・・・・・早く戦場に行け・・・・仲間が死ぬ前に・・・・・・』
そう言い残すと、物見の使徒の姿は完全に消滅した。
「くそっ!!考えてる時間はない!!」
護は窓から表に飛び出し叫んだ。
「変身!!」
護の姿は人間から飛蝗の改造人間、『A』こと仮面ライダーエースとなった。
「ストームホッパー!!」
エースは自分の愛車にして相棒のマシーン『ストームホッパー』を呼び寄せた。
ブロロロロロロ・・・・・・・!!
走ってくるストームホッパーにそのまま飛び乗ると、ストームホッパーに内蔵されているレーダーのスイッチを押した。
ピッ・・ピッ・・ピッ・・
「明日香の奴は・・・・結構遠いな・・・・急ぐぞ!ストームホッパー!!」
ブロロロロロロ・・・・・・・・!!
ストームホッパーはスピードを増し、戦場へ急いだ。



「でやっ!!」
ザシュッ!!
コスモレッドが最後のアリシタッパーを切り倒した。
「残るはお前一人だ!」
コスモレッドは『M』に向かって叫んだ。
アリシタッパーはコスモレッド、コスモピンク、仮面ライダーソニックによって全員倒されていた。
「ちっ、役立たずめ。」
『M』は倒されたアリシタッパー達を見て言った。
「こうなれば、俺が直々に相手になってやる。いくぞ!!」
『M』が三人に向かって突進してきた。
「悪いが早々と決着をつけさせてもらう!!はあっ!」
ソニックが空高く飛び上がった。
そして空中で一回転して『M』に向かって必殺キックを放った。
「ソニックキィィ―――ック!!」
ソニックは一直線に『M』に向かっていった。
だが・・・・・
ヒュン・・・・・・
何かが風を切る音がした次の瞬間・・・・
ギィィン!!
「ぐあっ!!」
ソニックに何かが命中し、空中でバランスを崩したソニックは地面に叩き付けられた。
「何!?」
突然の攻撃に『M』も足を止める。
「仮面ライダーさん!」
ピンクが倒れたソニックの側に駆け寄る。
「くっ・・・・一体何が・・・・・」
ソニックが体勢を立て直そうとした時だった。
ガコッ・・・・
近くの廃ビルから物音がした。
「誰だ!!出て来い!!」
レッドが廃ビルに向かって叫んだ。
すると姿を現したのは・・・・・
まるで犀のような容姿をした怪人だった。
「くそっ!仲間がいたのか!」
レッドが身構えるが、
「な、なんだお前は!!お前のような奴は知らんぞ!?」
『M』自身も突然の乱入者に困惑していた。
(どういう事だ?ネオジョーカーの改造人間じゃないのか?)
レッドは疑問を感じたが、そんな考えはすぐに吹き飛んだ。
「叩き潰せ『メタハンマー』!!」
犀怪人が叫ぶと巨大な鉄球が出現した。
「いくぜぇぇぇ!!」
ブゥンブゥンブゥン・・・・・・
犀怪人は鉄球を頭上で振りまわし始めた。
「一球入魂!!ハンマァァァァプレスッ!!」
ゴォォォォォ!!
回転により勢い付けられた鉄球がレッドに向けて放たれた。
「くっ!」
レッドは鉄球をギリギリでかわすが、
ドコォォォォォォン!!!
「うわぁぁぁぁ!!」
「きゃぁぁぁぁ!!」
「くっ!!」
「ぎゃぁぁぁぁ!!」
鉄球が地面を直撃した際に生じた衝撃波でその場にいた全員が吹き飛ばされた。
「くっ・・・・坂本・・・・無事か?」
衝撃で吹き飛ばされたレッドは剣を杖代わりに立ち上がっていた。
「うん・・・・何とか・・・・・仮面ライダーさんも・・・・・」
ピンクはソニックに肩を貸しながら立ち上がった。
二人はハンマーが直撃した場所より離れていたのでダメージは少なそうだった。
「ちっ!敵のようだな。ならば排除するまで!!」
『M』が犀怪人に飛び掛ろうとした瞬間、
ヒュンッ・・・・・
再び何かが風を切る音がした。
ギィィィン!!
「ぐあっ!!」
『M』に何かが命中した。
「何だ、あの攻撃は・・・・・」
ソニックが思わず口に出した疑問。
それは全員の疑問だった。
ソニックと『M』を襲った攻撃。
どう見ても犀怪人の攻撃ではなかった。
ソニックの時はともかく、
『M』が攻撃を受けた際、犀怪人は何もしていなかった。
ピンクがトレーラーに通信を入れた。
「夏海ちゃん。今の攻撃を解析できる?」

「・・・・・もうやってます。」
トレーラーの中で夏海は『M』が攻撃を受けた時の映像を解析していた
すると、ある事に夏海は気付いた。
『M』が攻撃をくらう直前、
一瞬何かの影のような物が映った。
「これは一体・・・・・」
夏海はこの影を解析した。
ピピピピ・・・・・・
画像解析の結果が出た。
「これは・・・・」
夏海はすぐさまピンクに通信をいれた。
「理恵さん、解りました。」
『どうだったの?』
「あの未確認生物の後方の建物から・・・・」
ポチャン・・・・
「!」
水面に水の落ちる音・・・・・
夏海は慌てて後ろを振り返る。
すると床に何時の間にか大きな水溜りが出来ていた。
「こ、これは・・・・・」
ポチャン・・・・
天井から滴が落ちてきた。
天井を見てみると、『M』があけた穴から水が滴り落ちていた。
そして・・・・・

最後の一滴が・・・・・

水面に・・・・・

落ちた・・・・・

・・・・ポチャン・・・・



「夏海ちゃん?どうしたの、夏海ちゃん?」
突然応答の無くなった夏海にピンクが呼びかけていた。
そのとき、
『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――!!』
「「「!!」」」
夏海の悲鳴。
それを通信機越しにレッドとピンクは聞いた。
また、改造され身体能力が飛躍的に上がったソニックの耳にもその声は届いた。
「夏海ちゃん!!」
「おい、一体どうしたんだ!?」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
ピンクとレッドが呼びかけても応答がない。
どうやら通信機が切られたらしい。
「はっ、そうだ。中嶋さん!!中嶋さん!!」
ピンクはトレーラーの運転手の中嶋に通信をいれた
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
返事はない。
こちらも通信機が切られているらしい。
「どうしよう・・・何かあったんだ・・・・・」
突然の事態に混乱するピンク。
「落ち着け、坂本。お前はトレーラーに行け。こっちは俺で何とかする。」
レッド自身もやや混乱気味だったのか、声が震えていた。
「で、でも・・・・・」
「いいから行け!!」
レッドが声を張り上げた。
「余所見とは余裕だな。」
犀怪人が呟いた。
「一球入魂!!ハンマァァァァプレス!!」
再び鉄球が三人に襲いかかった。
ドカァァァァァン!!
「くっ、早く行け!!」
「う、うん・・・・・」
ピンクもそれに従い、トレーラーに向かおうとするが、
「おっと、俺もあの車に・・・・いや、車の積荷に用があってな!!」
ピンクの前に『M』が立ちはだかった。
「何があったかは知らんが、このチャンスは逃さん。」
「待て!!お前の相手は私だ!!」
『M』とピンクの間にソニックが割って入った。
「ちぃぃぃぃぃ!裏切り者がぁ!」
「ここは任せろ!お前は早く!」
「邪魔だぁぁ!!」
『M』はソニックにパンチを放つ。
だが『M』の拳をソニックは素早くかわし、逆に蹴りをお見舞いした。
「ゲフッ!!」
『M』は数メートル吹っ飛ばされた。
「さあっ、早く!!」
「ありがとうございます。仮面ライダーさん。」
ピンクはソニックにお礼を言うとトレーラーへと急いだ。


つづく



次回予告

謎の怪人のパワーに圧倒されるコスモレッドとコスモピンク

『M』と『J』に続く新たな幹部怪人に苦戦するソニック

はたしてエースは仲間の危機に間に合うのか・・・

そして事件の裏で暗躍するのは何者か・・・

次回、スーパーヒーロー作戦OG

第5話 「暗躍」


後書き・・・っていうより楽屋裏トーク?

どうも、電波時計です。
突然後書きを始めました。
記念すべき第1回目のゲストは
彰「どうも、高山彰です」
理恵「坂本理恵です」
護「よっ、高坂護だ」
明日香「寺井明日香だ。よろしくな」
現在登場済みのヒーロー4人に来て頂きました。
どうも、ありがとうございます。
4人「「「「書くの遅すぎ」」」」
い、いきなりですか
彰「遅い、遅すぎる!」
護「短い、誤字脱字が多い!」
明日香「キャラ紹介はまだか!」
ま、まって・・・・
理恵「はい、皆さん待ちましょう」
ほっ・・・書くのが遅いのは重々承知しています。
キャラ紹介はやろうと思えば出来ますが、まだ人様にお見せできる程ではないので・・・
理恵「じゃあ、どうするんですか?」
一応、コンセプト的には
彰→真面目だけど優等生タイプではない。女性恐怖症。理恵と幼馴染。
理恵→天真爛漫だけど芯はしっかりしている。彰と幼馴染。
護→頭も使う熱血系。よくいるヒーロー。
明日香→男勝りで言葉使いも男っぽい。時々女らしい。
こんな所です。
護「よくいるヒーローって、随分投げやりだな」
すみません。
明日香「男っぽいって・・・なんだこの設定は!!」
いいんですよ、明日香さん。これはこれで。
明日香「何!?」
ストーリーに厚みを持たせる為です。
明日香「そう・・・なのか?」
はい。
明日香「・・・・ふんっ!」
護「拗ねるなって」
因みに、彰君と理恵さんには上には書いていない設定があります。
彰「そうなのか?」
理恵「どんな設定ですか?」
彰君は器用で、理恵さんは大食いです。
彰「俺の器用っていう設定はどうしてなんだ?」
手先は器用ですけど、人間関係が少し不器用って事で。
彰「そうなのか・・・・」
理恵「私は大食いなんですか?確かにすぐお腹が空いちゃいますけど」
はい、そうなんです。
理恵さんが大食いなのかは次回明らかになる予定。
これ以外にも書いていない設定が4人ともありますが、それは後々。
ではまた。

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