いつの間にか、俺は病院に居たらしく…天井は何時もとは見慣れていないものだった。
看護婦らしき人が、俺を凝視してどこかへ行って、しばらくして担当の医者が来て色々調べられた…

 俺は一体どうして居たんだろう?

鍵爪
 第四話 『誘拐』

「気が付かれてよかった」
 さっき俺を凝視していた看護婦が、今では声を和らげてそう言った。
「そのようだけど、俺はどうしたんだ?」
「3日前、またあの殺人事件が起きたんですよ。今回の被害者は4人で今度は人気の無い路上で起きたんです。あなたは被害者の中の立った一人の生き残りなんです」
 そうだ、俺はあの化け物に襲われて…倒れてしまったんだ…
「俺が生存者?そう言えば俺はどうしてここに来たんだ?誰が?」
「第一発見者の人かわかりませんが、低い声の男の人が電話をしてきたんです、処置が早くてよかったわ、あの傷だと後数分で死んでましたから」
 あの時かまれた傷はそんなに凄かったのだろう、肩がまだ抉れたような感覚がする。
「低い声の男?」
それよりも俺を助けてくれた人って、もしかしたら……
間違い無い、フレキだ。宮子ちゃんがあの後フレキに助けを求めて、俺を助けてくれたんだ。
「浅倉さん、もう傷の具合もいいですし、治りも早いから今日には退院できますよ」
俺ははっとした、そして右肩を触ってみた。包帯がしてよく解らないが、あの時俺は奴にここから胸にかけて噛まれた、常人じゃあ絶対、あの一撃で死んでるはずだろう。
はずだが、その傷がまるで何事も無かったかのように無いのだ。一般病棟なのもそのせいだろう…俺の傷は軽症で済んだ訳ではない筈だ。
大量に血が出たし…、死にそうに痛かった。

 何だ…それが、3日の内に治った?俺がまるで人間じゃないじゃないか…
「ありがとう」
俺はそんな不信感を抱きつつも、ベットから起きて着替える事にした。

病室の外に真知子さんとフレキがいた。
「智也さん……無事で何よりです」
「俺は……なんでここにいるんだ?」
俺が露天がずれた質問をすると…聞いた途端真知子さんは急に悲しそうな顔をした。
「智也さん、あなたはあの夜あの殺人事件に巻き込まれたんですよ」
「ああ、そうだったな…」
 そう言うと、フレキが変わりに前に出て…
「現実を直視できないのはわかりますが、事実です。あなたは現場にいた被害者の中のただ一人だけの生存者です」
「俺が……俺だけ助かったのか?いや待て、宮子ちゃんは?」
「宮子ちゃん…は…」
 そのことを聞くと二人とも黙って、俯いてしまった。
「おい、フレキ…お前だよな俺を助けたのって、宮子ちゃんに助けをって」
「いいえ…自分ではありません…智也さんは、最初血だまりの中で傷だらけで気絶していたんです。そこを助けてもらっていただいたんです…」
「待てよ、って事は…」
 絶望的な考えが頭の中を駆け巡った…それは、確信に近い物だった。
「真知子さん、言ってもいいでしょうか?」
「ええ……」
「宮子ちゃんは、あの夜から…行方が解らなくなっています、警察にも届けたんですが…いまだ…」
 嘘だ、俺は全力で…走れって言ったんだ…フレキを呼んで来てくれと、そう言って逃がしたんだ、でも…戻ってきたのか!?俺なんかの為に…

 俺は病院の壁にもたれかかって…叫んだ。
「うあぁぁぁぁああああぁぁぁーーーーーー!!!」
 どうしてだ、さっきまで俺に元気に笑いかけてくれてるのかと思った。俺が、他の事を考えていたから、宮子ちゃんの事なんて済みに置いていたから…
 あの時約束しただろう!?守ってやるって!!
「うがぁぁぁぁーーーーーーー!!!」
 だんだんと、病院の壁を壊れるくらい叩く。
「智也さん…」
「智也さんのせいではありません!私が、私が無理に頼んだから……」
「うう…あああ…」
 真知子さんが俺の肩をさすって宥めて、俺は落ち着いて行き…へなへなと膝をついて行った。
「あ、鎮静剤持って来ました…」
「いえ、要りません…落ち着きましたから」
 俺達の元に、医師が鎮静剤を持って来たがフレキがそれを制して俺に近づいて。
「智也さん、貴方や真知子さんだけに、非があるわけではありません。自分もあの時一緒について行けば…あんな事にはなっていなかった」
「フレキ…」
 フレキの悲しそうな目を見た…深いブルーの瞳が一瞬だが紫色に光ったような気がした。フレキも自分を責めている…真知子さんだって。
「でも、智也さんが本当に無事でよかった。貴方が…貴方まで居なくなったら…私は……」
 真知子さんが泣いている…やはり、俺のせいだ…

 だが、可能性が無いわけじゃない…宮子ちゃんが生きてる保障はある!
「フレキ、本当に行方不明か?」
 俺は泣きじゃくる真知子さんの肩を抱いているフレキに聞いてみた。
「はい、警察では宮子ちゃんの捜索と共に犯人を特定を急いで居るようですが……」
「どうした?」
「智也さん、警察は智也さんを容疑者の一人として見ているんです」
 何だって?そんな、俺にそんな記憶は無い…だが冷静に考えてみて当たり前だ、あの中で生きていたのは俺だけだ、警察に犯人だと睨まれても仕方が無い。
「……仕方ないよ、俺だけ被害者の中でただ一人生き残ったんだから」
「……智也さん…」
「智也さん…」
「だけど、ハッキリ俺が犯人じゃないって解ってるから…安心してくれ」
 そうだ、そんな事より…まだ行方不明なら…美村みたいにあの建物に監禁されたかもしれない。宮子ちゃんは生きてる、絶対そうだ。
 それに……もう、解らないだけじゃ、更に被害者が出る一方だ…なあ、フレキ。

向こうから警察の人らしき奴がやって来た。
「浅倉智也さんですね、すこし署まで来てお話を聞かせてくれませんか?」
俺は少し戸惑ったけど警察が俺を疑うのも無理は無い…ここは素直に従った方がいいだろうな。幸い警察には井上も居る…彼には少し無理でも何か情報をくれるだろう。フレキに聞くのはその後でもいい。
「ああ、解りました」
俺は警察に付いて行くことにした。
「「智也さん」」
二人が俺を呼んだ。
「大丈夫、すぐ終わらせるよ。それに俺は何もしていないからな…」
「解りました、待ってますね」
真知子さんは了解してくれたようだ。
「フレキ…後で話がある、俺の部屋で待っててくれ」
 フレキはそう言われ、一瞬驚くも半ば諦めた感じで…
「はい…解りました…」
「大丈夫だ、大した話じゃない」
俺は手を上げて、警官についてパトカーへと乗った。

埼玉県警。
俺はそれから事情聴取をされた…なぜあそこに倒れていたのか?
犯人の顔は見たのか?
本当に君はやっていないのかといろいろ聞いてきたが、俺は犯人に襲われたかろうじて助かったものの、意識を失って…犯人の顔は見ていない。なにせあの夜のことは何も覚えていない、あの時…俺は奴に襲われてから何があったのか。
結局、俺は容疑者から外れる事になった。

出入り口付近で井上に出会った。井上はパトカーで俺を送ってくれるらしい…
「浅倉さん、すいません…署の者が失礼なことを聞いてしまって」
「いいんですよ、俺は被害者でただ一人生き残った奴なのでこれくらい当然だと思います」
「そですか?では、お詫びに私がパトカーでお送りします」
 何にしても、ここで井上一人だけって言うのもいいタイミングだ…ありのままを話そう。
「ありがとうございます」
 俺は、井上のパトカーの助手席に乗り…井上は笑いながら、パトカーを俺の家に向けて走らせた。パトカー内はCDをかけているのか、ラテン語か何か解らない歌が流れている。
「私の母の故郷の曲です、この曲聴いてると落ち着くんです」
「ハーフなんですか?」
「ええ、母がイギリス人なんです…本名は晃・O・井上…」
 O(オー)?フレキと同じだな…でもフレキは自分の事は全然言わないからな。
「行方不明の子、貴方が住んでる先の娘さんだそうで?」
「ええ…彼女とは幼馴染でして…」
「もしかして、あれですか?」
 ハンドルから手を離して小指を出す井上。
「ち、違いますよ!彼女は中学生で、俺は年の離れた妹みたいな存在なんです」
「解りませんよ、女は気が付いたら高校生ってこともありますよ」
「からかわないでくださいよ」
「すいません、いたずらが過ぎました…」
 じれったい、早く話をしないと…家についてしまう。
「井上さん、こっからは真面目に聞いてくれます?」
「ん?解りました…」
 俺の異様な表情に気づいて、井上は前方を見ながらそう答え、俺は警察では話せなかったことを井上に話した。不思議な夢の事、狼の頭をした怪物のこと、美村が裏山の奇妙な建物に居る事…そして、フレキのこと。
 井上にとっては嘘に聞こえるかと思う、そう思ってもらってもいい…でも、これは真実だ…昨日の夜それを身をもって証明されたんだ。
「…面白い小説ができそうですね」
「……」
 やっぱり信じてもらえないか…
「それを話したら、貴方は狂言師として犯人になってますよ…」
 そう言うと、井上はパトカーを止めて反転させて警察署に引き返していった。
「い、井上さん!」
 冗談じゃない、井上は信用は置けるがやっぱり警察官だ、こんな話を信じない前に…俺が犯人だと…これじゃ、宮子ちゃんも美村も助からない。
「今の作り話は署でもゆっくり聞かせてもらいましょうか…と言いたいところだけど」
「え?」
 井上はパトカーをファーストフード店の駐車場で止めて、車に俺を置いて出て行った。覆面パトカーだから外見だけなら普通のと変わりない。
「逃げないでくださいよ、とって食うんじゃありませんから」

 そしてしばらくしてから…井上は袋に包まれたハンバーガーのセットを持ってきて戻ってきた。
「何のつもりですか?井上さん」
 はいっと、俺にハンバーガーの袋を一つ手渡す。
「普通なら、あの時点で署に引き返してもっと取調べをしなければならないのが、私の義務なんですが、万が一その話が本当ならば…話は別です」
「井上さん…」
「仮にその、狼の頭の怪物が貴方を襲ったとしたら、佐倉宮子も、美村奈美も助かってないでしょうね、心臓を食うならば貴方の話にあった通り、その場で一思いにやるでしょう」
「そうですね…」
「さしあたって、彼女らの遺体らしきものは見つかっていません、と言うことは…仮に狼の頭の怪物を『殺人犯』として、別に彼女達を誘拐した犯人が居るとしたらそれを『誘拐犯』とします…プロファイルって知ってます?犯人の行動から、人間心理を読み犯人像を割り出す方法です」
 おお、さすがベテラン警官の井上だけある…
「この際、浅倉さんの夢は置いといて…まず、『殺人犯』は夜行性で、昼間は普通に人間として紛れてますが、動物的に考えて、夜行性の動物は…昼間は地面に彫った巣穴とかに入って昼間活動してる天敵から避けてる、この場合天敵を我々警察として…『殺人犯』は我々の行動を監視できる、引き篭もり体質の人物…実際、貴方の言うように『殺人犯』の一人、矢上は一人暮らしのフリーターで…何時もカーテンを閉め切って…くらい部屋での引き篭もり…しかも我々、警察の無線を不法で傍受するほどの警察マニアでした」
「…それじゃあ」
「まあ、仮の推測ですから…『殺人犯』にとって昼の天敵が、警察とも限りません。実際引き篭もりの人には、人間嫌いが多いそうです。だから、『殺人犯』がこれで絞れます」
 確かに、人に何らかの恨みを持って殺害にいたるってケースもある。それに獣の修正を足せば、完璧な『殺人犯』になる
「次、『殺人犯』と関係は深いと思われる、『誘拐犯』。たぶん『殺人犯』が前者の人に恨みを持った存在だとして、『誘拐犯』が後者の存在だったら…例えば特定の異性に惚れた時、何が何でもその異性を自分の者にしたいと思う。それはストーカーとも言いますよね」
「…は、と言う事は」
「つまり、『誘拐犯』は無差別に人を殺す『殺人犯』とは違い、その特定の人物に何かしらの思い入れのある人物、そう…知人、友達、同級生、関係者ですよ」
 だとしたら、宮子ちゃんが美村のように生きてる可能性が出てきているのは必至だな。
「貴方の話に出てきた、フレキ・O・浅倉と言う人物。十分気をつけてください…貴方が言うように、彼は何かを隠してる…」
「……」
 確かに、フレキが怪しいと思ったこともあるしあいつも何か隠してるのだろうとは思う。だけど、さっきのフレキの悲しそうな目…。あれは、誘拐をするような奴の目じゃない。
「とにかく、フレキ・O・浅倉の事を調べてみますよ」

そして、井上は車を動かして俺を佐倉の家まで送ってってくれた。
「あ…」
「彼ですか…」
 玄関の前に、フレキが立っていて…俺を出迎えてくれている。
「フレキ、ただいま」
「智也さん、お帰りなさい」
 俺が車から降りると、井上も車から降りた。
「……!」
フレキは井上をみて少し驚き、だがまたいつものフレキのクールな顔になった。
「この間はどうも…」
「困った時は、お互い様ですよ…フレキさん」
井上はまるで知ってるように言った。
「……いえ、そんな事は」
フレキも警戒気味にも、井上と握手をする…二人が見詰め合った、俺はそれに何か突っかかることがあった。この、張り詰めた空気…一体。
「あなた、23ですか」
「よくわかりますね。ご名答です」
フレキの年齢をさっと当てた井上やっぱり勘が鋭い。腕利きなんだな……やはり、井上は。それで居ても井上はフレキを疑ってるだろうし…
「あなたは22ですよね」
「解りました?」
井上ってフレキと一つ歳が下だったとは、信じられない。
「それでは僕はこれで失礼します。ではお元気で浅倉さんフレキさん」
「態々送っていただいて、ありがとう」
井上はにやりと笑うと、俺にVサインを送って車に乗ってその場を後にした。星がフレキなのか、安心してくれなのか…どちらかは解らないがとも角…
「フレキ…井上さんとは知り合いなのか?」
「宮子ちゃんが行方不明だという事で、ここに一度来まして、話をしたんです……それよりも…智也さん、あの男には十分気をつけてください。只者ではないです」
 まるで井上がフレキの事を言ったように、フレキの井上と同じような事を言った。
「そうか?俺には普通に見えるが」
「あの男、ああ見えてなかなかできる」
エリートだって事がフレキにも解るらしいな…。
「そうか…結構腕利きの警官らしいぜ、彼」
「どうでしょう…」
まったく解らない二人だ。

フレキと俺は家に入って、俺はフレキを部屋へと招きいれた。
「話とは?」
「フレキ…お前、知ってるだろう?」
 俺は確信にふれてみる事にした…フレキのほうも遅かれ早かれ、この話が出てくるのかと思ったか溜息をついた。
「宮子ちゃんをさらった誘拐犯も、俺を襲った…化け物も」
「……」
 フレキは答えない、俯いたまま口を摘むんで居る。
「俺は、お前を信じていたい!だけど、フレキ…俺はお前の事が解らない…話せ、お前は何者なんだ…まさか、お前が宮子ちゃんを…美村奈美を…」
 もしそうだとしたら、俺はフレキを殺しているだろうな…許せないから、俺達の家族に入ってきて、家族の一員のふりをしながら…こんな事をしたんだからな。
「真知子さんが居るからでかい声は出せない……言ってくれ、言ってくれ」
 声を低くして、俺はフレキの胸倉を掴んで強く言った。
「どうしても言えないのか?」
「…智也さん」
 フレキに呼ばれて、顔を上げるとフレキと目が合った…深いブルーがさっき見た紫色に一瞬見え、また元に戻った。
「自分を信じてくれなくて、結構です……確かに、隠してる事など山ほどあります…ですが、今は何も言えません……でもこれだけは覚えておいて欲しい…自分は、智也さんの味方です」
「フレキ…」
 フレキのその言葉に、俺の手の力は弱まり…フレキのワイシャツを離した。フレキはまた何も言わない。
「…解った、でもいつか俺に話してくれ」
「時が来たら貴方に全てを話しましょう」
 そう言って、フレキはまた俺に手を差し伸べた…俺はフレキと固い握手を交わした。

その丁度後。
「智也さーん?帰ってるのですか?」
「は、はい!」
 真知子さんが俺の名を呼んで、俺は下に行くと…真知子さんが電話の受話器を持っていた。電話かな
「日向亮二さんって人から、お電話ですよ」
「亮二から?何だろう…こんな時に…」
 確か夏休み中に、何か面白い事があったら俺を誘うって約束したよな、今頃、言われても今は宮子ちゃんの事でいっぱいだし、丁重に断るか。
「はい、俺だ」
『やあ、浅倉君こんばんは』
「おばんです、それで何だ?」
 ぶっきらぼうに聞き返すと亮二はいつもの通りの口調で…
『いやね、3日前、丁度面白いイベントを見つけてね、ほら!何か面白い事があったら浅倉君も誘うって言ったろ?だぁから、暇そうな浅倉君も誘ってやろうかなって思ってね』
「お生憎様だな、俺は今それ所じゃないってニュースで見なかったか?だから、暇じゃないんだ」
 そう吐き捨てると、亮二の声が少し低く笑ったような気がして…

『そうか、でも…残念だな、せっかく宮子ちゃんも来るのに…』

「おい、今なんて言った」
 亮二の言葉が、信じられなかった…あいつ、何言ってんだ?
『暇じゃなきゃしょうがないねぇ、僕と宮子ちゃんの『結婚式』に招待できなくて残念だよ』
 周りに真知子さんが居ない事を確認すると、俺はまた受話器を耳に当てて…
「亮二、お前…マジで言ってるのか?」
『僕は何時だって真面目さ、知ってるでしょ僕の成績が浅倉君よりいいの』
「そんな事はどうだっていい……お前なんだな」
 頭の中に亮二に対する憎悪が溜まっていった、井上が言っていた『誘拐犯』はその人物の関係者だと…まさに、亮二にぴったりじゃないか!?
「お前なんだな…彼女を奪ったのは…」
『大丈夫、まだきれーなままだから…汚しちゃ居ないよ、最も僕の物になったらもっと綺麗な女性にするんだけどね』
 亮二に対する憎悪が、だんだんと怒りになっていき…そして、殺意へと変わって行った。前まで、俺の親友かと思ってた奴がこんな奴だなんて…
「どこだ……何処にいる…」
『イベントは市内の教会で盛大に見物人を含めて、今夜月が出る晩、7時からやるつもりさ……急がないとあと1時間だよぉ〜』
 このふざけた様な笑いが、俺はたまらなく憎くかった…こいつが宮子ちゃんを…俺の大切な奴を奪ったのか…
「解った、その誘いに乗ってやるよ…たっぷり遊んでやる」
『期待しないで待ってるよ』

カチャ…

 亮二はそう言って、電話を切った。ガチャンと音が立つくらいに俺は強く受話器を叩きつけて、自分の部屋へと戻って行った。

 あいつが、亮二が宮子ちゃんと…結婚?そんな事の為に誘拐したのか?

 亮二…だったら、俺はお前を…殺してやる。


第5話……『教会』つづく。

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