地球、この青き星は危機に貧していた。宇宙の彼方からやってくる…ギャラクシアン、そして…地球上で超能力者を狙った不可能犯罪を起す、アンノウン…。その危機に…世界中のヒーローが集結して、ギャラクシアン打倒の為に宇宙へと赴こうとしていた時、ある大手企業が世界征服に乗り出す為に、魔界と手を組んだ。ヒーロー不在の時…這い出してくる、魔界の魔物ルシファーに対して…無防備となった地球とこの街で……戦いに赴こうとする少年少女達に…

「皆さん、一人も欠けることなく絶対生きて帰ってきてね」
 そう、榊荘の面々に継げて…戦地である宇宙へと見送った。

魔界の魔物…ルシファーに対抗する戦力を集め始めた。
 そう、この物語は……地球が危機に貧している時、一つの街で始まったもう一つのアナザーストーリーだ。


「なあ、一成……ここん所、変な事件が無くなってきたな」
「そうだな、勝人。平和に越した事ないって言った方がいいな」
 二人の少年が歩道を歩きながら話していた。ここの所、街にもアンノウンが出没したり巨大ロボットは出たりと変な事件が続出していたが、ここになって治まりつつあった。
「だけど……なんだか、嫌な予感がすんだよ…」
「??どんな風に?」
「出たよ、勝人のどんな風にが……まあ、何かが地から這い出してくる…そんな感じがするんだよ」
「地から何かが這い出してくる?わけわかんねぇよ」
 赤い髪の少年が少し不安そうな顔をしていった後はははと、笑う一人の水色の髪を後ろで縛った、少し軽い感じの少年。
「まっ…気にする事ないかっ!ラーメン食いに行こうぜ!勝人っ」
「おおっ、一成っ!早食い勝負だっ!」
 そう言い元気良く走り出した、赤星一成と青葉勝人……だが一成の言う地から何かが這い出してくるという台詞はあながち嘘じゃなかった。

宇宙…地球周回軌道上・他時空攻撃母艦シンドラゴン

「地球周回軌道上にワープ転送完了!」
「サンキュー、ミリア。ふぁ…長旅だから疲れたな…これでギャバン先輩達と合流できる」
 巨大要塞型宇宙船の中で、長旅の疲れからか…体を伸ばす少年を呆れた顔で見つめる少女…
「バル、解っていると思うけど…今回の任務は、ギャバン隊長達と合流じゃなくて…SUPの全戦力がギャラクシアンと反乱軍の戦いで…手薄となった地球の防衛よ。それと…藤堂コンツェルンの内定調査!ギャラクシアンとの戦いに参戦したいのも山々だけど、コム長官の命令でしょっ!」
「ああ、解ってるよミリア…そううるさく言うなよ…でも本当にあるのかい?ギャラクシアンの他に、地球に進攻しようとしている『ディアブロス』って言う組織が…」
「まぁ、信じられないのも無理無いけど言って見るなら魔界の悪魔ね……」
「はぁ…それが藤堂コンツェルンと密会を行っているって、そちらさんは人間なんだろ…悪魔とどう会話しろって言うんだよ……」
「疑り深いわね……バル」
「俺はそう言う男なの、素性の解りもしない組織の相手なんて出来ないの」
「でも、あんたは宇宙刑事なのよ!一つの惑星を守る努力もしなくて、やって行けないわよっ!先輩達が居ない時に、地球を守るのは大役よ!」
 そう、彼は…ギャラクシアンの戦闘で派遣されている3人の宇宙刑事の後輩に当たる少年で、宇宙刑事の…銀河刑事バルイエローこと、黄流 雷だ。銀河を名乗ってるのは、願掛けである。そしてこの熱い女の子は、彼のパートナーの女宇宙刑事のミリアだ。
「そりゃそうだけどさ…あーあ、ギャバン先輩達に持ってきた、追加武装が無駄になっちゃったよ…おっ、見えてきたぞミリア」
 宇宙船の窓から、青い地球が雷とミリアの目に飛び込んできた。
「わぁ、本当に綺麗…青いよ、バル!本当に青いっ!」
「そうだな…本当に綺麗だ。こんな星何処にもないよ……俺も始めて見た」
 話しがそれて、美しい地球に見とれる雷とミリア。この二人の宇宙刑事の先が思いやられるが……大丈夫なのか?

 そしてまた地球に戻り…

「完成した……ついに、ついに最強兵器の完成だ」
 一つの冷凍カプセルの前に立つ一人のスーツ姿の男。そしてカプセル内にある一人の少年。
「これがあれば、もう何も恐れるにたらぬっ!人類の最高傑作だっ!目覚めよっ!機動電人スラスターギンMk−U」
 カプセルのボタンを押し…カプセル内の人造人間を起動させる。その人造人間はゆっくりと体を起して…瞼をゆっくりと開ける。眼前には、彼を製作した男が立っている。
「………」
 銀髪の人造人間は自分の手を見て…少し困惑気味である。
「ギン…スラスターギン、私がわかるか?」
「……スラスター…ギン」
「そうだ、スラスターシリーズ最高傑作、スラスターギンMk−U、それがお前の名前だ」
「俺の名前……」
「そして、私がお前の父親だ…お前を作ったのは私だ」
「……!?」
 スラスターギンはその男を見た。
「俺の……父親…」
 彼の頭の中で、何かが火花を散らせた。頭に電撃を食らったような苦しい頭痛がスラスターギンを襲い、彼の記憶回路に不意に何かの映像が思い浮かんできた。

 火の立ち上る車、その中で息絶える二人の男女……それを立ちすくみながら見つめる一人の少年。
『父さんっ!母さんっ!うっ!』
ドゴッ!
 少年は頭部に鉛を打ち付けたような衝撃を食らって、道路に横たわった。そして何度も頭部を鈍器のような物で打ち付けられ……少年は力尽きた。
 彼の虚ろな眼光が最後に見たのは…自分を父親と言う男だった。

「ぐぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
ズガガガガガガガガガガカガガガガガガガガガガガガッ!!
 頭部の米神辺りからバルカン砲の弾丸が発射され…男に向けて弾丸の嵐を浴びせた。
 その内、弾切れになるまで撃つと、男の体は人間の原型を止めていなく…倒れこんだ。
ドサッ
「はぁ…はぁ…」
「自分を製作した博士を撃ち殺すとは、良く出来た人造人間だな」
「!!」
ウィーン…カタカタカタ
 声のした方にバルカン砲を向けるが、弾はもう出ず…機械音が鳴り響くだけだった。
「……私を殺そうと思うか、だが無駄だ…私は敵ではない」
「敵……じゃない…」
「そうだ、君の敵は他にいる……どうだ、私に協力してくれないか?藤堂銀河」
「……わかった、協力する」
 彼はそう言って……カプセルから下りて、歩き出した。
「敵……俺を攻撃する者は皆敵……でも何だろう、この回路の違和感は…」

 銀河は、始めて見るはずの外の世界に奇妙な違和感を覚えた。


 そして、場所は離れて……ある灰工場周辺。
「……魔界の足音が聞こえる」
 一人の日本刀を持った二十歳ぐらいの青年が呟いた。彼の体から夥しいくらいの妖気が放たれていた。
「人間が、魔物ルシファーと手を組もうとしている…もはや信用する物は自分しかいない」
 薬指の黒い宝石の付いている指輪、青年は愛しそうに口付けする。
「……もうすぐだよ、ルナ…」

 背からどす黒い妖気を放つ、この青年は……5年前悪魔に魂を売った男…黒澤哲多…そして……悲しき過去を持つ青年…哲多は、いつかその者に復讐する為に孤独な戦いを選んだ……指に光る……黒く光る宝石。
 それは……ある少女との誓いだった…『魔物を全て倒したら、結婚しよう……哲多』と魔界である少女と誓い……もらった結婚指輪…
 その少女はもうこの世にはいない……見ている事しかできずに…魔界から人間界へと戻され自分の無力さに涙した。
 そして…彼はいつか、魔界に復讐してやろうと誓った…意味の無い事だと解っていても…人の命をゴミ同然に扱った奴らが許せなかった…そして、今度はその人間と手を組もうとしている……そんな奴等は絶対に許せなかった。
 その組もうとしている人間も人間だ…だとしたら……。

 4年前人間界に戻ってから、今までに色々な馬鹿と会って来た。敵うまいと解っていてその剣を教えてくれと言って来た少女。2年間彼女は自分の所で剣を習って、彼女は自分の剣を得た。
そして今年の夏…そうSUPが戦いに赴く前、強くなりたいと言ってきた少年と会った。少年は、あの時剣を教えた少女に剣を習ったと言う。その少年に牙系統を覚えさせ、少年は奥義を身に着けた。強くなりたいと言う少年に何かしらの共感を得たのだろう。
彼は哲多に協力してくれと言ってきた、だが哲多には協力は出来ないといった…倒したい敵がいると哲多は言った。
多分、その少年は宇宙に飛んだだろう…あいつが宇宙に行ったと同時に、魔界が動き出した、止める手立ては今は無いだろう。
ガシィ!
 哲多は、刀を地面に突き刺して……手に持たれた般若の面を顔に付けた。
「……」
 その般若の面は、迫り来る魔界への復讐の為…自分の体をこんな風にした奴らを呪い、恋人を救えなかった自分を呪う…般若の面は奴等と自分に対する『呪い』と言う願掛けなのだ。

 そして、場所は……赤星一成と青葉勝人の所に戻る。

「そう気にするなって、いざとなったら…逃げりゃ良いんだからさ」
 あるラーメン屋で、チャーシュー麺をすする赤星一成にねぎ味噌ラーメンを食う青葉勝人が肩をドンドンと叩いた。
「げほっ!げほっ!ラーメン食ってる時に叩くなっ!」
「悪い、悪いっ。そういや一成…最近商店街を元気に走っている羽リュックの女の子見かけなくなったな」
「んあ?勝人……まさかお前、その子に気でもあったんじゃないのか?」
「まあな…、って何聞いてんだバカっ!!」
 勝人のろけ話に一成も今さっきまで気にしていた事が吹っ飛んだような気がした。二人は子供の頃から同じ境遇の持ち主で、二人とも同じ孤児院で育てられたため、高校に入ってもマンションの部屋は隣りどうし。
 だが、この二人の共通点はそれだけではなかった。
「さあ、帰ろうぜ勝人」
「おおよ……(やっぱ俺のおごりかよ…しくしく)」
 勘定を払っている勝人より先に、一成は店を出て…外に出て、重ったるしい雲の空を見上げる。そして……一成は、空の物々しい雰囲気に違和感を感じていた。
「(やっぱり、あれは気のせいじゃない……何かが来る)」
 一成の中に不安が過った……何か嫌な者が来る…そう感じていた。
 車道に出たのに気付かないで……一成は空を見つづけていた。

ドンッ

 ブレーキ音と共に鈍い音がした……
 それが、今度の5人の少年と魔界との激しい戦いの幕開けになるとは……

 誰が、予想しただろうか……


 氷のように冷たく、雷の如く早い、銀のように頑強で、闇のように深い、深紅の炎!

超人伝説活劇
スーパーヒーロー IN THE アース
プロローグ『5人の少年』

第一話につづく

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