戦士小話 ある日のルルイエ


南太平洋上空を紫の鳥が飛ぶ。この鳥が向かう先にある聖地ルルイエ≠ノは、ある戦士≠ェ待っている。

紫の鳥はルルイエ≠ノ張られた結界を擦り抜け、ティガの姿になった。ティガは、ルルイエ¢S体が見渡せる高台に向かって歩く。
やがて高台に辿り着いた時、佇んでいた戦士≠ェ声をかけてきた。
「ティガ、来たのね」
高台に立っていたのは、カミーラだった。ティガは、カミーラの姿に微笑む。

3000万年という長い時の流れに渡り、封じられてきた聖地ルルイエ=cそのルルイエ≠ノTPCの調査隊が踏み込んだのは、戦士≠兵器として利用する人造戦士計画『F計画』の実行のためにティガに代わる戦士≠捜すという理由からだった。
そのTPCがルルイエ≠フ調査を隠れ蓑にしてカミーラ、ダーラム、ヒュドラをはじめルルイエ≠フ戦士≠、石化しているのに託けて利用しようとしたことを紆余曲折を経て知ったカミーラの怒りと嘆きはいかばかりだったか。
それを思うと、ティガの心は複雑だった。
「様子はどうだ?」
「大丈夫よ…とは言っても、結界を張っているから私たち戦士∴ネ外は入ってこれないし、飛んでいる鳥や飛行機とかはうまく上空を通過してくれるから安心だけどね」
ティガの問いに、カミーラは『それでも心配だ』と泣き笑いのように言った。
「カミーラ、君は強くなった。私と争った時の君の目は憎しみと悲しみの力を秘めていた。今の君は穏やかでいて意志が強い」
ティガは、カミーラの肩に手を添えた。
「私は、ティガほど『光』『闇』双方の力を上手に使いこなせていない」
カミーラは頭(かぶり)を横に振りながら言った。
今ではティガや他の戦士≠助けることもあるカミーラだが、『光』と『闇』2つの力を使いこなすには相当の技量が必要なのかと悩むこともしばしばだった。
そんなカミーラの手を、ティガはそっと握った。
「私に追いつきたいのはわかるが、無理に力を操ろうとしなくていいのだよ」
カミーラにはカミーラなりの戦い方がある、とティガは諭すように言った。
「そうだね…無理にやろうとしなくてもいいのよね。『女』だからと言われるのが怖かったのもあるけど、何よりもティガの力になりたかったし、役に立ちたかった。
守護者としてこのルルイエ≠ナ暮らすのも、戦いなのよね」
何かを思い出したカミーラの言葉に、ティガは頷いた。

TPCの調査隊に踏み込まれたのを教訓として、ティガとカミーラは戦士∴ネ外の者たちの目に触れるのを防ぐために結界を張った。それでも、心ない者たちによって結界が破られるかもしれないので、カミーラが守護戦士としてルルイエ≠ナ暮らし、ティガが時折様子を見に訪れているのである。

「『女』だからと言って卑下することはないぞ。
このルルイエ≠ナ暮らすのも戦いだ…ルルイエ≠ヘ私たち2人の故郷でもあり、戦士≠スちの憩いの場なのだ。この大事なルルイエ≠壊されないように、カミーラがしっかり守ってくれ。私や、ガイアたちが安らげるように」
「わかったわ」
ティガの言葉に、カミーラは頷いた。

カミーラは、ティガをルルイエ≠ニ外界の境界線まで送った。
「また、来てね」
「ああ…今度はガイアたちと一緒に来るよ」
カミーラの言葉にティガは頷き、紫の鳥になって飛び立っていった。

 〈完〉

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