第七話        戦国魔神
 王都ラングラン周辺から撤退を開始したシュテドニアス軍はトロイアに向かっていた。その指揮はロドニー=ジェスハ准将が執っていた。
 濃い茶の髪と口髭の男である。わりかし凛々しい顔立ちをしているがその表情は何処となくユーモラスに見える。
「何ちゅうかなあ」
 彼は呟いた。いい声であるが口調が合わない。ロボトニーと電話でやり取りしていたあの声だ。
「もうちょっと動きが速くならへんかな」
 彼は移動要塞の艦橋でそうぼやいていた。
「これが限界です」
 その隣にいるこの移動要塞の艦長がそう答えた。
「これでも全速力ですよ」
「それはわかっとるけれどな」
 それでもまだ不満なようであった。
「けど敵に追いつかれたら終わりや。それはわかっとるやろな」
「はい」
 艦長はそれに答えた。
「だからこそ後詰には精鋭を置き、警戒を怠ってはおりません」
「それがわし等や」
「はい」
「そやけどな。果たして連中が来たら満足にやれるかどうかや、問題は」
「それは難しいですね」
 艦長は悲観的な意見を述べた。
「ラングランの魔装機の力は圧倒的ですから」
「他にヴァルシオーネとかいうのもおるしな。何であんな滅茶苦茶強いのが何機もおるねん」
「我が軍にも魔装機はありますが。強力なものが」
「ジンオウやトゥルークがありますが」
「どれもむっちゃ高くて数がないやろが」
「はい」
「それにトゥルークはもうあらへんぞ。あいつも死んだしな」
「ルビッカですか」
「ああ。まああんな屑はとっとと死ぬべきやったんやけれどな。もっと早い時に」
「はい」
 ロドニーの顔が嫌悪感に歪んでいた。このルビッカという男はラングランから召還された殺人鬼であった。ラングランに召還されたが脱走してシュテドニアスの傭兵となっていた。しかし王都の戦いの直前にガッテスにより破壊されたのである。ルビッカは脱出しようとしたところを惨めに爆死した。それを見て誰も悲しむ者はいなかった。シュテドニアスにおいても祝杯を挙げる者すらいた程である。
「高いだけでそんなに役に立つわけでもあらへんかったわ。何が秘密兵器や。しかも屑を寄越しおって」
「全くです」
 ルビッカはラセツの系統の人間であった。ロドニー達とは違うのである。
「ジンオウも数が少ないしな。それに思ったより強いことあらへんし」
「そうでしょうか」
「その証拠にラングランの魔装機には負けとるやろが」
「はい」
「そういうこっちゃ。強い方が勝つ、それが戦争や。ジンオウはラングランの魔装機よりも弱いということになる」
「しかしそれでは我が軍には彼等に対抗できる魔装機がないことになりますが」
「その通りや」
 ロドニーはそれを認めた。
「だからこそや。用心が必要や」
「はい」
「敵はそれだけ強い。わし等では相手にならん程にな。だから撤退するんや」
「トロイアまでですね」
「そうや。そこで地形を利用して戦えばちょっとは違うやろ。そしてそのまま本土まで撤退や」
「難しいですね」
「難しいいうてもやらな仕方あらへんで。わかっとるやろ」
「はい」
「今も後ろから来とるやろしな」
 ロドニーはそう言いながら後ろを振り返った。
「それを何とか凌がなな」
「ですね」
 艦長はそれに頷いた。
 彼等は一路トロイアを目指していた。そしてそれはラングラン軍も同じであった。
「シュテドニアス軍は今何処にいるか」
 フェイルはテントに設けられた臨時の作戦室において情報参謀に問うていた。
「ハッ、ここより南東に二百キロの時点をトロイアに向けて進行中であります」
「そうか。予想通りだな」
 彼はそれを聞いて頷いた。
「では追撃部隊を派遣するとしよう」
「ハッ」
「そして同時でトロイア以北を奪還するのですな」
 ここでカークスがフェイルにそう上奏した。
「その通りだ」
 彼はその言葉に頷いた。
「まずはトロイア以北を奪還する。そしてそれからシュテドニアス軍を彼等の国境まで押し返したい」
「わかりました」
「その指揮は将軍に執ってもらいたいのだが」
「私にですか」
「そうだ。出来るか」
「わかりました」
 カークスはそれに頷いた。
「謹んで承ります」
「うむ。本来は私が行くべきなのだが」
 フェイルはここで表情を曇らせた。
「少し気になる気配を察知してな」
「気配」
「ああ。魔力だ」
 フェイルの魔力はかなりのものがある。だからこそそれを察知することができるのだ。
「クリストフの気を感じるのだ」
「まさか」
 それを聞いたカークスはまずその言葉を否定した。
「そんな筈がありません。クリストフ殿下はもう既に」
「その筈だな。マサキ達に倒された」
「はい」
「だが感じるのだ。北の方からな」
「北から」
「そうだ。そして徐々に南下してきている。その気は次第に強くなってきている」
「まさかまたラングランを狙って」
「その可能性は否定できないな」
「それでは」
「そうだ。それに備えて私はラングランに留まる。申し訳ないが前線の指揮を頼むぞ」
「わかりました。それでは」
「うむ。だが一つ気になることがまだあるのだ」
「それは何でしょうか」
「そのクリストフの気だ」
「はい」
「どういうわけかわからないが以前の様な邪悪さは感じられない」
「そうなのですか」
「むしろラングランにいた頃のクリストフのものに近い。これがどういうことなのかはわからないが」
「しかし油断はできませぬぞ。クリストフ殿下とあのグランゾンは」
「わかっている。だからこそ私が王都に留まるのだ」
 フェイルはそう答えた。
「彼とそのマシンは私に任せてくれ。将軍はシュテドニアス軍を頼む」
「ハッ」
 カークスは敬礼してそれに応えた。
「これからすぐにラングランに戻る。それではな」
「わかりました」
 こうしてフェイルはラングランに戻った。そして作戦指揮はカークスが引き継ぐことになったのであった。
「あのおっさんが指揮を執るのか」
 マサキはフェイルがラングランに戻ったこととカークスのことを聞いてまずそう言った。
「何か不安そうね」
 リューネはそんな彼に対しそう声をかけた。
「まあな。あのおっさんの仇名を知ってるか」
「いや。何ていうんだい?」
「昼行灯だぜ。とにかくぼーーーーっとしててな。何で将軍になれたのか不思議な位だったんだ」
「へえ、そうだったんだ」
「そんな人だったからなあ。かなり不安って言えば不安だよ」
「けれど今の作戦指揮はかなり評判いいじゃない。あれはどうして?」
「実戦において実力を発揮する人だったということだな」
 ここでヤンロンが言った。
「実戦でねえ」
「そうした意味ではマサキやリューネと一緒だ」
「そうなんのかなあ。あのおっさんと一緒だと言われるとちょっとばかり複雑だな」
「聞こえているぞ」
 横からカークスの声がした。
「あ、将軍」
「全く。いつも好き勝手言ってくれるな」
 かなり失礼な発言であるがカークス自身は怒ってはいなかった。
「しかしそんなことはどうでもいい。マサキ、リューネ、ヤンロン」
「はい」
 三人はそれに答えた。
「これからシュテドニアス軍を追撃する。さしあたってその際の君達の任務だが」
「はい」
「先陣を頼むぞ。テュッティやミオと一緒にな」
「了解」
 三人はそれに不平を言うことなく答えた。
「他の魔装機も同じだ。そしてオーラバトラー隊も同行させる。それでいいな」
「将軍」
 ここでヤンロンが質問した。
「何だ」
「オーラバトラー隊も我々と同行させるのですね」
「そうだ。何か不満でもあるか」
「いえ」
 ヤンロンはそれには不満ではなかった。ショウ達に対してもこれといって悪意があるわけではない。むしろシーラやエレと話をしてその人柄に心打たれている程である。
「そういうわけではありませんが」
「それではどうした」
「あのオーラシップという戦艦です。あの二隻も我々と同行するのでしょうか」
「そのつもりだが。戦艦が同行していた方が何かと補給や修理で便利だろう」
「はい。実はそれを懸念していたのです。ですがそれならば僕としては異論はありません」
「そうか。ならばそれでよいな」
「はい」
 ヤンロンはそれ以上は不平等言うことなく頷いた。
「あの二隻の戦艦は思ったより船足が速いしな。追撃戦にも期待できるだろう」
「まあ確かにね」
 リューネがここで言った。
「グランガランもゴラオンもあれでかなり速いからね」
「宇宙でも使えるしな」
「そうそう」
「かなり凄い船のようだな」
 ヤンロンは二人の話を聞きながらそう呟いた。
「だが一つこちらも注意することがある」
「それは」
「敵もオーラバトラーやオーラシップを持っているということだ。それも情報によるとあのウィル=ウィプスの他に二隻の戦艦を持っているらしい」
「ああ、あれか」
 マサキはそれを聞いて思い出したように頷いた。
「やはり知っているか」
「ああ。ゲア=ガリングとスプリガンだろ」
「一体どの様な戦艦だ」
 カークスは真剣な面持ちでマサキに尋ねた。
「ゲア=ガリングは蝶みたいな形でかなり大きい。そしてオーラバトラーもかなり多く積んでいる」
「ふむ」
「スプリガンは他の二隻に比べたら小さいが機動力が高いんだ。どちらかというと火力はゲア=ガリングの方が弱いな」
「そうか。だがオーラバトラーの搭載量が多いとなると問題だな」
「そうよね。あたし達もこの前の戦いでそれにかなり苦しめられたし」
「しかし三隻もいるとはシュテドニアスにとっては貴重な戦力となるな」
「それはどうだか」
 ヤンロンの言葉にマサキはシニカルに返した。
「何かあるのか?」
「ああ。実はな」
「それはショウ達の方が詳しいよ」
「それもそうか」
 カークスはリューネの言葉に頷いた。
「では彼等に話を聞くとしよう。今何処にいるかな」
「グランガランだと思うよ」
「わかった。それではすぐに通信を入れよう。そして司令部に来てもらうか」
「うんうん」
 リューネはそれを見ながら頷いていた。
(わりかしいい動きしてんじゃん)
 彼の的確かつ迅速な判断にいい印象を持っていたのである。だがここで彼女にもお鉢が回ってきた。
「君達も会議に参加してくれるな」
「え、ええ」
 不意にそう言われて慌ててそう答えた。
「勿論だよ、これから戦いなんだし」
 そしてこう答えた。
「よし、それではすぐに会議に入ろう」
「よし」
「はい」
 マサキとヤンロンもそれに応えた。
「では集まってくれ。全魔装機のパイロットも招集してくれ。いいな」
「了解」
 こうして魔装機のパイロットと二人の女王、そして聖戦士達が召集された。そして会議がはじまった。議長はカークスであった。
「さて」
 カークスハ一同が集まったのを確認してから口を開いた。
「今回の作戦だが」
「シュテドニアス軍の追撃ですね。そして彼等をトロイアまで押し返す」
 テュッティがここで言った。
「そうだ」
 カークスは彼女の言葉に頷いた。
「その為に追撃を仕掛ける。攻撃目標はシュテドニアス軍主力部隊」
「はい」
 一同それに頷く。
「後方から強襲し大打撃を与える。それにより敵を退かせると同時に今後の作戦に影響を与える程のダメージを加える。それでよいな」
「異議なし」
 皆それには賛同した。
「敵はシュテドニアス軍。しかし彼等だけではない」
「はい」
 それはわかっていた。そしてカークスはそれについて言及した。
「問題はオーラバトラーだ。先程ゼノサキス達から聞いたことだが」
「マサキでいいぜ、将軍」
 だがマサキはここでこう言った。
「そうか。ではマサキ達に聞いたことだが」
「はい」
「敵のオーラバトラーにはこの前の戦いで姿を現わしたウィル=ウィプスの他にもう二隻のオーラシップがあるという。それについてお話を窺いたいのですが」
 カークスはそう言いながらシーラとエレに顔を向けた。
「宜しいでしょうか」
「はい」
 二人はそれに頷いた。
「バイストンウェルは複数の国に別れていまして」
「はい」
 皆シーラの言葉に耳を傾けた。
「私はナの国、エレ女王はラウの国の女王なのです。そしてドレイクはアの国の領主でした」
「領主だったのですか」
 デメクサがそれを聞いて以外そうに言った。
「私はてっきり王様か何かだと思っていました」
「それはドレイクにそれだけの力があるからです」
 エレがそれに答えた。
「ドレイクは他の領主達を取り纏めアの国を自らのものとしました。そして他の国に対し侵略を開始したのです」
「ふむ」
 アハマドはそれを聞いて頷いた。
「何処にでもよくある話だな」
「バイストンウェルではそうではありませんでした」
 しかしシーラはそれに対してこう答えた。
「バイストンウェルは人の魂の安息地なのですから」
「魂の安息地、それは一体」
「それは後であたしが話してあげるよ。長くなるから後でね」
「うむ」
 モハマドとヤンロンはリューネの言葉に頷いた。
「その世界において彼は邪なオーラ力を発動させました。そしてそれにより多くの国が滅び、多くの者が命を失いました。ですがその中にはドレイクと手を結ぶ者もいたのです」
「それがその二隻のオーラシップの持ち主達ですか」
「はい」
 シーラとエレは答えた。
「一人はクの国の国王ビショット=ハッタ、そしてもう一人は地上人であるショット=ウェポンです」
「ショット=ウェポン、あの科学者か」
 ヤンロンがそれを聞いて言った。
「やはり御存知でしたか」
「ええ。何でもロボット工学の権威だとか。地上に出ていたとは聞いていましたが」
「はい。彼こそドレイクが最初に召還した最初の地上人でした。当初はドレイクに従っていましたが」
「今は違うと」
「そう思われます」
 エレがカークスに答えた。
「地上では独自の行動をとっていましたから。これはビショットにも言えます」
「独自行動を」
「はい」
 カークスの問いに答えた。
「左様ですか、成程」
 カークスはエレの返答に何かを見たようである。
「もしかすると三者は互いに独自の勢力を持ってはおりませんかな」
「はい、その通りです」
 エレはまた答えた。
「ドレイクもビショットもそれぞれ国を持っておりますし。ショットはショットで独自の勢力を築いております。彼は独立した部隊を率いております」
「やはり。では地上でも色々とあったでしょうな」
「ええ、よくおわかりですね」
「まあ。道理であの時ウィル=ウィプスだけが出て来た筈です」
 カークスの頭の中で何かが宿ったようであった。
「どうやら三者は表向きは手を結んでいても実際は対立関係にあるようですな」
「よくおわかりですね」
「まあ。よくある話ですから」
 カークスの脳が働きを増していた。
「それでは今回もまた出て来るとしたら三者のうちどれかの勢力だけでしょうな。ドレイクは前の戦いでダメージを受けておりますから」
「はい」
「ビショットかショットか。ここで一つ御聞きしたいのですが」
「はい。何でしょうか」
 シーラが答えた。
「船足はショットとやらの乗るスプリガンの方が速いそうですね。本当ですか」
「はい、その通りです」
 シーラはそう答えた。
「スプリガンは正式にはオーラクルーザーといいまして。オーラバトラーの搭載よりも機動力を重視した設計となっております」
「ふむ。そうですか」
「はい。ショット=ウェポンは他のニ者に比べて勢力は弱いですがこの艦によってそれをかなり補っております」
「性能も高いと」
「はい」
「そうですか。では今度の戦いで出て来るのはそちらになりますな」
「スプリガンが」
「そうです。機動力を生かして攻撃を仕掛けてくるでしょうな」
 カークスはそう言った。
「出撃してくるオーラバトラーはそれ程多くはないでしょうが遊撃戦を展開してくるものと思われます」
「ではどうすれば」
「案ずることはありません。機動力ならこちらも負けてはおりません」
 彼はここでマサキとショウに目をやった。
「彼等がおりますから。ここは思う存分活躍してもらいましょう」
「俺達が」
「うむ」
 カークスは二人の問いに頷いて答えた。
「諸君等にはスプリガンを頼む。よいな」
「わかりました」
 二人はそれに答えた。
「頼むぞ。だが二人だけではやはり心許ない」
 カークスも二人に全てを任せる気はなかった。
「少数精鋭でいきたいがな。リューネとトッド、ガラリアにもお願いしたい」
「あいよ」
「スプリガンが相手なら不足はないぜ」
「同意するよ」
 三人はそれに応えた。
「これでよし、といきたいが」
 だがカークスはまだ考えていた。
「遠距離戦にも強い者が必要だな。よし」
 ここでタダナオに目を向けた。
「行ってくれるか」
「喜んで」
 タダナオは微笑んでそれに答えた。
「思う存分暴れさせてもらいますよ」
「よし」

 カークスはそれを聞いて満足そうに頷いた。
「それではこれで決定だな。他の部隊はシュテドニアス軍を叩く」
「はい」
「遊撃隊はスプリガンを相手にする。それでよいな」
「了解」
 タダナオ達がそれに答えた。こうして作戦が決定した。魔装機と二隻の戦艦、そしてオーラバトラー達が出撃する。そしてそれぞれの獲物に向かうのであった。

 敵はすぐに見つかった。グランヴェールとガッテス、ザムジード、そしてマーベル達四機のオーラバトラーがまず前に出た。
「メギドフレイム!」
 まずヤンロンのメギドフレイムが放たれた。それにより最後尾の何機かが炎に包まれる。
 それを合図にガッテスとザムジードが何かを放った。一見するとニュータイプ用のモビルスーツに備えられているファンネルに似ているが違っていた。ハイ=ファミリアと呼ばれる兵器である。
「フレキ、ゲリ、お願い!」
 テュッティがガッテスから放たれた二つのハイ=ファミリアに声をかけた。
「わかっております」
「御安心下さい」
 そこから声がした。どうやらテュッティの二匹の使い魔達がそこに乗り移っているようである。これはマサキのハイ=ファミリアと同じであった。
 敵に向かう。そしてそれに超音波に似たビームを放つ。
「うわっ!」
 攻撃を受けた敵は大破した。そして炎に包まれ爆発する。かろうじて脱出だけはできた。
「ゴー!ゴー!」
 ミオが叫ぶ。三つのファミリアが放たれる。それは敵に向かい斬り刻んだ。それにより敵を撃破した。
 グランヴェールもファミリアを放っていた。それは一つであった。
「行け、ランシャオ」
「畏まりました、御主人様」
 やはりファミリアから返答があった。渋い男の声であった。
 そしてザムジードのそれと同じ様に敵を切り裂く。そして撃破するのであった。
 これにより敵陣の穴が開いた。そこに剣を抜いたオーラバトラー達が入った。
「皆、行くわよ!」
 先頭にいるダンバインに乗ったマーベルが仲間達に対して声をかける。後ろにはニー、キーン、そしてリムルがいた。
「わかってる!」
「行きましょう!」
 彼等はそれに答えた。やはり彼等も剣を抜いていた。
 それで穴が開きうろたえるシュテドニアス軍の魔装機に斬りつかた。縦に、横に両断し次々と撃墜していく。そこに他の魔装機とオーラシップ達も来た。
「火力を前面に集中させよ」
「ハッ」
 エイブはエレの指示に頷いた。そしてそれに従いゴラオンは前面に集中攻撃を仕掛けた。
 これにより魔装機が何機か撃墜された。だが彼等も怯んでばかりいるわけではなかった。
「糞っ!」
 その中の一機がビーム砲を放った。それはグランガランを狙っていた。
「シーラ様!」
 カワッセが叫ぶ。しかしシーラは落ち着いた態度を崩さない。
「大丈夫です」
 彼女はカワッセに対してそう答えた。そこにビームが直撃した。しかしそれは弾き返されてしまった。
「我々の良きオーラ力が守ってくれますから」
 そして反撃を開始する。それにより先程ビーム攻撃を仕掛けたシュテドニアス軍の魔装機があえなく撃墜されてしまった。
 シモーヌやファング達の魔装機も攻撃を開始していた。それによりシュテドニアス軍はその数を大きく減らしていた。
「やっぱり滅茶苦茶強いわ」
 それを見たロドニーは思わずそう呟いた。
「将軍、感心している場合ではありませんよ」
 青いショートの髪の少女が彼に対しそう言った。シュテドニアスの軍服を身に纏っている。
「わかっとるわい、ラディウス少尉」
「そうなのですか?」
 その少女エリス=ラディウスはその言葉にも半信半疑であった。
「安心せい。もうすぐ援軍が来る。その間に撤退や」
「援軍ですか」
「ああ」
 ロドニーはそう答えたエリスに頷いた。
「オーラバトラーがな。もうすぐここに来る頃やで」
「オーラバトラーですか」
 しかしそれを聞いたエリスは顔を曇らせた。
「将軍、御言葉ですが彼等は」
「わかっとるよ」
 だがロドニーは落ち着いた声でそれに答えた。
「連中は信用できん、そう言いたいんやな」
「はい」
「けれど今はそんなことを言うとる場合やない。それはわかるな」
「そうですが」
「とにかく今撤退せなあかんのや。とにかくな」
「はい」
「ホンマは貴官にも出撃してもらいたいのやが生憎魔装機が足らへん。だから我慢してくれ」
「いえ、それは」
 エリスは上官に謝罪され思わず戸惑った。
「お気になさらずに。あれは私の責任ですから」
「そうか。けど今はここにおるんや。わかったな」
「はい」
「今生き残らんとどうしようもない。はよ奴等が来てくれればええんやが」
 そう言うロドニーの顔にはいささか苛立ちが現われてきていた。
「何が来るかや。下手に遅いのやったらかえって足手纏いになるで、こっちの」
 彼はそれを最も怖れていたのだ。協力関係にあるからいざという時には互いにフォローしなくてはならない。だが今のシュテドニアス軍にそれをできる戦力はないのである。
 戦局はロドニーがぼやいている間にも推移していた。倒されるのはシュテドニアス軍の魔装機ばかりでありロドニーの乗る移動要塞にも攻撃が加えられていた。
「撃ち落としたらんかい!」
 彼の命令が下る。そしてダンバインに向かって対空射撃が加えられる。だがそこで彼等は信じられないものを見た。
「甘いっ!」
 何とダンバインが分身したのである。そしてそれで対空射撃をすり抜けたのだ。
「何やとっ!」
 それを見たロドニーは叫ばずにはいられなかった。
「あんなことができるんかい!」
「相当な技量があれば可能ですが」
 後ろに控えるエリスがそれに答えた。
「それにあのオーラバトラーの驚異的な運動性と。どちらにしろそうそうできるものではありません」
「そうやろうな」
 ロドニーはまだ顔に驚きの色を漂わせたままそれに応えた。
「しかじ実際に見ると信じられへんもんや」
「はい」
「あんなんがおるとなるとこの戦い」
 ロドニーの声は深刻さを増していた。
「洒落にならん程やばいかもしれへんな」
 彼の危惧はやはり当たった。移動要塞を護衛する魔装機も次々とやられていく。何時しか移動要塞の他には何もいなくなっていた。
「覚悟しとくか」
「はい」
 エリスが彼に答える。だがその時であった。
 空に何かが現われた。それは巨大な黄色い船のようであった。
「あれは!?」
「ロドニー将軍か」
 要塞の艦橋に通信が入った。
「そやが。あんたは一体誰や?」
「私か!?私はバイストンウェルの者だ」
 ここでモニターに映像が入った。痩せた頬に傷のある長身の男だ。
「ショット=ウェポンだ。そして今そちらにいるのはブブリィ。私の部下の乗るオーラボンバーだ」
「オーラボンバー」
「こちらの兵器の一つだ。まあ詳しい話はいい。ここは我々が受け持つ」
「撤退してええちゅうことか」
「そうだ。そちらの損害は大きいだろう。すぐに撤退した方がいいのではないか」
「確かにな」
 ロドニーはそう答えながらこのショットという男が只者ではないと思っていた。
(ようわかっとるわ。何でもお見通しかいな)
 しかしそれは声には出さなかった。そして答えた。
「じゃあここは任せたで。あんたもあんじょうにな」
「わかっている」
 ショットはそれに答えた。
「私としてもむざむざ死ぬつもりはない。手頃なところで引かせてもらう」
「そうかい。じゃあここはそちらの御言葉に甘えさせてもらうぜ」
「うむ。そうしてくれ」
「わかった。それじゃあな」
 こうしてロドニーはショットの言葉に従い戦場を離脱しにかかった。要塞を全速力で移動させにかかる。
「クッ!」
「逃がすか!」
 魔装機やオーラバトラーがそれを追おうとする。しかしその前にブブリィが立ちはだかる。
「ここは通させない!」
 中から女の声がした。紫の髪を肩のところで切り揃えた女がそこにいた。ショットの忠実な部下にして恋人であるミュージィ=ポーである。かってはリムルの音楽教師であったがショットのその素質を見込まれ戦士となったのである。
 ブブリィは一機でラングラン軍とオーラバトラー達を止めていた。そしてそこに別の影が大空に姿を現わした。
「ムッ!」
 それは銀の巨大な船であった。恐ろしい速さでラングラン軍に向かって来ていた。
「スプリガン!」
 それを見たマーベル達が叫んだ。
「あれがスプリガンか」
 魔装機に乗る者はそれを聞いて問うた。
「ええ。速度と火力に秀でているわ。注意して」
「わかった」
 彼等はそれを受けて身構えた。
「私達はブブリィを引き受けるから。貴方達はあれをお願い」
「了解」
 魔装機達が身構える。そしてこちらに急行して来るスプリガンに対して照準を合わせた。スプリガンの方でもそれはわかっていた。周りに飛ぶオーラバトラー達が戦闘態勢に入った。その時だった。
「させるかあっ!」
 その左から赤い鳥が姿を現わした。ショウの乗るビルバインの巡航形態であるウィングキャリパーであった。
 それだけではなかった。サイバスターやヴァルシオーネ、バストールもいた。当然インディゴのダンバインもいた。
 最後尾にいるタダナオがまず攻撃を開始した。ハイパーリニアレールガンを放った。
「食らえっ!」
 それでスプリガンを沈めようとする。しかしそれは間にいたドラムロに当たってしまった。そのドラムロは四散し、パイロットだけが脱出した。
「チッ、外したか!」
「待たせたな、皆!」
 ショウがウィングキャリパーをビルバインに戻しながら他の者に対して言った。
「スプリガンを捕捉するのに手間取った!だがもう安心だ!」
「頼むぞ!」
「わかった!」
 こうしてショウ達とスプリガン直属部隊との戦いがはじまった。他の部隊はシュテドニアス軍の追撃を再開した。ビルバインはスプリガンに向かおうとする。だがそこにブブリィが来た。
「ショット様はやらせない!」
 ミュージィはそう叫ぶとオーラキャノンをビルバインに向けて放ってきた。
「甘いっ!」
 しかしショウはそれを何なくかわした。そしてスプリガンにではなくブブリィに向かった。
「ここは俺に任せろ!」
 そして他の者にスプリガンに向かうよう促す。そして他の者はそれに従った。
「わかった!」
 トッド達がそれに応える。そして剣を抜きスプリガンとその周りのオーラバトラー達に向かった。
 タダナオはやはり後方にいた。
「あんたはフォローを頼む!」
「了解!」
 マサキにそう答える。そしてリニアレールガンで敵を次々と撃ち落としていく。しかしそれでも戦局は進展しなかった。スプリガンの動きが素早く攻撃が中々当たらないのだ。
「俺の攻撃をここまで避ける奴なんてはじめてだぜ」
 彼はそう言って歯噛みした。
「あんなでかい身体でどうやってかわしていやがる」
 ぼやかずにはいられなかった。だがここで彼の側で一つの光が沸き起こった。
「ムッ!」
 それは淡い緑色の光であった。そしてその中から青い身体と赤い兜を持つロボットが姿を現わした。
「何だあれは!?」
「見たこともねえやつだぞ!」
 ガラリアとトッドがそのロボットを見て思わず叫んだ。
「ダイターンの試作か何かか」
「だとしたら中に乗っているのは」
「その前にダイターンがこんなところに出て来るの?」
 ショウもマサキもリューネも呆気にとられていた。そして戦いを続けながらそのロボットを見ていた。
「あれ、また変なところに出て来たな」
 中から若い男の声がした。
「万丈さんやブライトさんの声に似てるな」
 その声を聞いたマサキが言った。
「というかそっくりなんだけれど」 
 リューネがそれに合わせる。
「真吾ぉ、まさかまた訳のわからないところに出たのお」
 色気のある女の声がした。
「今度は女か」
「声変わりする前のサフィーネの声そっくりだな」
「あの女の名前出すのは止めようね、出てきそうだから」
 リューネはすかさずショウとマサキに突っ込みを入れた。
「まあ何時出て来るかわからねえ奴だけれどな」
「だから出さないでよ」
 ここでもう一人の声がした。
「まあ俺は何処でも可愛い子ちゃんがいればいいけれどな」
「今度はウッディ大尉か」
 タダナオがそう呟いた。
「何か皆何処かで聞いたことのある声だな」
「おやおや、どうやら俺達はかなりの有名人みたいだな」
 ここで若い男がそれに答えた。
「そりゃそうよ。グッドサンダーチームっていえば正義の戦士なんだから」
「何ならサインしてもいいぜ」
「正義の戦士」
「また胡散臭えな」
 ショウもマサキもそれには首を傾げた。
「自称正義の味方程あてにならないものはないぞ」
 タダナオもであった。
「あらら、あたし達って信用ないのね」
「大体名前も何処の誰かもわからないのに信用出来る筈ないじゃない」
「そうだな。あんた達は一体何者なんだ?」
 リューネがぼやきタダナオが彼等に問うた。
「俺か?俺は北条真吾」
「あたしはレミー=島田」
「キリー=ギャグレー。よろしくな。そしてこれはゴーショーグンっていうんだ」
「おいキリーそれは俺が言う筈だぞ」
「言った者勝ちだぜ、真吾」
 ここで三人の顔がそれぞれのモニターに映った。若いアジア系の男と金髪のハーフの大人びた女、そして白人の若い男の三人であった。
「宜しくな。といってもここが何処かもわからないんだが」
「ラ=ギアスってんだ」
「ラ=ギアス」
 真吾はマサキの言葉を首を少し傾げさせた。
「異次元にある世界か」
「まあ詳しい話は後にしないか。今戦闘中だし」
「あら、そうだったわね」
「見れば妙な戦艦が空に浮かんでいるな」
 レミーとキリーは軽い調子でそう話した。
「見たところあれが悪者だぜ、真吾」
「そうだな。見たところドクーガのメカにも似ているし」
「何か凄い予断で話してない?」
「当たってるけれどな、ある意味」
 リューネとマサキは通信でヒソヒソと話をしていた。
「ドクーガ!?」
 タダナオは別のものに注意を向けていた。
「何だそれは」
「それは後で。ラ=ギアスの話と交換でね」
 レミーが彼にそう言葉を返した。
「わかった、坊や」
「坊やとは生憎だな」
 タダナオはそれに対して不敵に笑った。
「坊やなんかじゃないってとこを見せようか」
「あら、何処で。お姉さんを満足させられるようなものかしら」
「そうさ。何なら二人きりでどうだい」
「お生憎様。今は間に合ってるわ」
「おやおや。じゃあ今見せるとするか」
「是非お願いするわ」
 そうしたやりとりの後彼等は戦闘に戻った。タダナオはすぐにリニアレールガンを放った。
 それでまたオーラバトラーを一機撃墜した。何時の間にか数は大きく減っていた。
「あとはあの戦艦だけだな」
 真吾は他の二人に対して声をかけた。
「ええ」
「じゃあ派手にやりますか」
「よし」
 そしてゴーショーグンは力を全身に込めた。その身体を緑の光が包む。
「あれがあのロボットの技か」
「一体どうするつもりだ」
 他の者はゴーショーグンの動きに注目した。ゴーショーグンはその光を背中に集中させた。
「ゴーフラッシャーーーーーッ!」
 真吾が叫ぶ。そしてその緑の光を幾条にもして背中から放った。それでスプリガンを撃った。
 光がその脇を直撃した。忽ち火の手が挙がる。
「ウワアアッ!」
 艦内に衝撃が走り悲鳴が覆う。ショットはかろうじて体勢を維持しながら周りの者に対して問うた。
「被害状況を知らせよ!」
「左側面中破!炎上しております!」
「他に影響はないか!」
「主砲が破壊されました!これ以上の攻撃は不可能です!」
 部下がそれに答える。ショットはそれを聞いて頷いた。
「そうか。ならばこれ以上の戦闘は無意味だ。ミュージィとオーラバトラー隊に伝えよ」
「ハッ」
「ここは撤退する。よいな」
「わかりました」
 まず急いで戦線を離脱した。そしてそこからミュージィのブブリィのフォローを受けてオーラバトラーを収納した。そして最後にブブリィを収めて何処かへ去った。こうしてスプリガンは姿を消した。
「行ったか」
 マサキ達はそれを見送って呟いた。ここでヤンロンから通信が入った。
「そちらはどうなった?」
「今終わったところだ。スプリガンは戦場を離脱したぜ」
「そうか。こちらはシュテドニアス軍にさらに打撃を与えることが出来た。おそらくこれでトロイアまでさしたる軍事行動は出来ないだろうな」
「またえらく戦果を挙げたな」
「ああ。ただ一つ気になる話を聞いた」
「気になる話?」
 マサキはそれを聞いて声をあげた。
「一体そりゃ何だ」
「何でもバゴニアで変わった形をした三隻の戦艦が姿を現わしたらしい。どうもオーラシップではないようだ」
「奇妙な戦艦だって」
 それを聞いた真吾が声をあげて通信に入って来た。
「それは本当か!?」
「何だ、彼は」
「ああ、ゴーショーグンってロボットのパイロットらしい」
「ゴーショーグン」
「そうさ。まあ今後会った時は宜しくな」
「うむ。こちらこそ宜しく」
 ヤンロンはそれに対して挨拶を返した。マサキとは違いこうしたことはしっかりしている。
「それじゃあな。バゴニアまで行って来る」
「おっと、待てよ」
 マサキが行こうとする彼等を呼び止めた。
「何、去る女を追っ掛けるのはよくないわよ」
「そうそう、去る者は追わずってね」
「そんなんじゃねえよ。あんた達バゴニアって知ってるのかよ」
「それは関係ないさ。俺達はビムラーに導かれてるからな」
「ビムラー」
「詳しい話は今度会った時に聞かせてあげるわ。楽しみにしててね」
「そういうこと。それじゃあ」
「シーユーアゲイン」
 ウィンクと共のレミーの言葉が別れの言葉となった。ゴーショーグンは緑の光に包まれ何処かへ姿を消した。
「何だったんだ、ありゃ」
 マサキはまだ戸惑っていた。
「彼等は姿を消したのか」
 ヤンロンはマサキに問うた。
「ああ、今さっきな。緑色の光に包まれてな。ビムラーとかいったが」
「それが今の光なのだろうか」
「そこまではわからねえが。だが消えちまったのは事実だ」
「ふむ。まあいい。今はそれより今後のことを話そう」
「ああ、そうするか」
 こうしてマサキ達はヤンロン達と合流しカークスの許へ帰った。そして勝利を報告すると共に今後のことを話し合った。そしてトロイアに向けて進軍が決定されたのであった。

「ジェスハ准将は敗れたか」
 トロイアのある都市のホテルの一室でラセツは部下から報告を受けていた。
「はい。そしてこのトロイアまで退却しております」
 シュテドニアスの軍服を着たその部下はそう報告をした。
「やがて我々とも合流するでしょう。そしてロボトニー元帥もトロイアに到着されました」
「動きが遅いな」
 ラセツはそれを聞いてそう呟いた。
「魔装機に乗ってはおりませんから」
「それもあるか。ところで大統領からのご命令はあったか」
「はい、こちらに」
 部下はここで一枚の電報を彼に差し出した。
「どうぞお読み下さい」
「うむ」
 ラセツはそれを手にとった。そして封を切り中を開いて読みはじめた。暫く読んでいたがやがて口を開いた。
「状況が変わった。すぐにここを引き払うぞ」
「何かあったので」
「うむ。少しな」
 ラセツはそう答えてニヤリと笑った。
「国境にまで退くぞ。バイラヴァと共にな」
「ハッ」
 部下は何が何かわからないままそれに敬礼して応えた。
「ジョグ中佐にも伝えよ。特殊部隊は国境にまで退くとな」
「部隊全体ですか」
「そうだ。おそらくラングラン軍は国境まで迫る。それまで我等の戦力を温存せよとのことだ」
「そういうことですか」
 部下はそれを聞きようやく納得した。それならば話がわかる。
「しかし妙ですね」
「何がだ」
「いえ。最初はこのトロイアで彼等と戦う予定してたよね」
「うむ」
「それが急に。一体どういうことでしょうか」
「よくあることだ。状況が変わったのだ」
 ラセツは微笑んでそれに答えた。
「だからそれについては貴官が案ずることはない。いいな」
「はあ」
「では撤収の用意を頼む。よいな」
「わかりました」
 彼は敬礼してそれに応えた。ラセツはそれを見ながら心の中で思っていた。
(大統領もよく考えておられる。これを機に軍部を抑えようとは)
 やはり何かがあるようであった。しかしそれが何かまではまだわかってはいなかった。


第七話    完



                                 2005・2・13

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