ガオレッドを助けた、赤黒いメタルスーツに身を包み、黒いマフラーほ首に掲げたその戦士は…黒狼オルグを睨み付けて、腕を組み…太陽の光を背にして…
「闇を斬り裂く一筋の光源……」
 マフラーを翻し…マフラーに書かれた金色の文字を見せるように…
“ 狩 人  推 参 ”
「ウォーハンター『陣』推参っ!」
 黒狼オルグに向けて言い放った。

「お…お前は…」
 倒れ込むレッドは、自分を助けてくれた戦士を見上げて聞くが、ウォーハンターは敵を見詰めて…
「ガオレンジャー…今は説明している暇はない…俺が、隙を作るその間に離脱しよう」
「解った…」
 どうやら敵では無さそうだと知り、レッドは後ろへ後退して行った。
 そして、黒狼オルグと対峙するウォーハンター…刀を構え、いつ斬り込むか動向を伺う。奴はウォーハンターを見るなり、ふーふーと息を荒くさせて…
『ふー…よ…う……す…け』
 こん棒を振り上げ、黒狼オルグはウォーハンターに向かってきた。
「っ!意思が消えても、俺の名は覚えているか……榊!アグルストーンを返してもらう」
 ウォーハンターも刀を構え、黒狼オルグを迎え撃つ…
カィィーーンッ
 刀がこん棒と交わり、振動が風となって吹き荒れる……
「みんな、大丈夫か……」
 傷だらけとなりながらも、ガオレッドは…仲間の所へと歩いた。
「なっ何とか…」
 苦し紛れに、ブルーが答え…それを後に、他の仲間もかろうじて立ちあがった。
「でも、あいつは…」
 イエローがやられた肩を押さえながらレッドに聞く、レッドは激しく刀とこん棒をぶつけ合う戦士とオルグに目をやった。
「解らない…一体、誰なんだ?」

ブォンッ!!
 黒狼オルグのこん棒をウォーハンターは体の回転を加えたキックを背中に食らわせた。
「遅いっ!」
『ぐぅぅっ…おおおーーっ!』
 よろめいた黒狼オルグだったが、持ちなおし…懇親の力でこん棒を振り回した。
ビュンビュンビュン!
 竜巻のような突風が、ウォーハンターとガオレンジャーを襲った。
「くっ…今だっ!!兜割りっ!!」
ズドォォン!
 ジャンプして、ウォーハンターは地面に刀を叩き付けると、黒狼オルグの起こしている竜巻に乗せて爆煙を起こした。


 突風が収まると同時に、爆煙は晴れていった。だが黒狼オルグの周りには、ウォーハンターはおろか、ガオレンジャーもいなくなっていた。
『ぐぅぅっおおおぉぉぉぉぉぉーーーっ!!』
 黒狼オルグの怒りの咆哮が、空しく響き渡った。


機動狩猟者
ウォーハンター『陣』
ミッション7『ガオの戦士たち』


ガオズロック
 ガオレンジャーの面々は互いに肩を借りながら、何とかガオズロックまで戻ってきた。
「みんな、大丈夫!?」
「まあ何とか……」
「自分も…いてて」
 テトムが心配して、帰って来た面々に駆け寄る…
 そして、後ろからシルバーに肩を貸して歩いてくるレッドと…陽介がいた。
「あなたは…さっきの戦士ですね」
「はい」
 テトムは真っ先に陽介に聞き、陽介は頷いた。
「こっこいつが?さっきの…」
「みんな、信じられないかと思うけど…この子がさっき助けてくれた戦士だ」
 レッドがガオズロック内で転がる面々に陽介を紹介する…それに驚いたブルーが…
「まだ、高校生くらいの少年じゃないか…」
「実際高校生なんだけどな……」
「みんな、助けてもらったんだから礼くらい…」
「ああ、そうだった…さ、サンキューな」
 レッドに注意されて、イエローはむすっとしながらも陽介に礼を言う。
「さんきゅーっ」
「ありがとうっ!助かったっす」
 ブルーとブラックも仲良く、陽介に礼を言う…そして最後にホワイトが…
「ありがとうね、ええと…」
「陣内陽介…陽介でも、陣内でも好きに呼んでください…」
 陽介はシルバーを横たえると、ガオレンジャーの面々にお辞儀をする。
「陣内とか言ったな、お前のあの姿は一体…」
「あれは、ウォーハンター『陣』…SUPで開発された特殊強化服です…」
「SUP?」
「世界を数多の危険から守る世界規模の軍事組織です…そして、巨大ロボット戦で損壊する街の早期復旧や民間団体・国家・防衛組織への援助などを行っている組織です」
「そっか…よく、ガオキングとかで街中で派手に戦闘して、ビルとかがぶっ壊れた時があったけど、1週間も経たない内に直っていたのはSUPがあったからか…」
 結構ブルーは、その事を気にしていたらしい…街中でガオキングとかガオマッスルとかで戦闘をするとどうしても、街に被害が出てしまう。だが、気がついたらその街は元通りになっていた…
「…まあ、そんな所かな…」
 だけど、ガオレンジャーが聞きたいのはその事ではなかった。レッドは…ある事を思い出していた。かつて自分達を助けた、5色の戦士達を…
「陽介君…もしかして、番場さん達の仲間?…」
「はい、長官からは話は聞いています……よくぞ、はぐれハイネスを倒してくれました…SUP一同、心から礼が言いたいと言っていました」
「いや、あの時は番場さん達が助けてくれたから、戦士として一番大切な物を教えてもらったから…」
 だけど、一人その時気絶していた為か、何の事か聞かなかった人物がいた。
「ねぇ、あの時本当に何があったのよ〜」
 テトムだ……実ははぐれハイネスの反応を確認しただけで気絶して、気がついたら勝っていた為、夢と片付けられたらしい。
「だから、前も言ったように……」
 レッドが、詳しい事をテトムに話す…それを聞くとテトムは…
「やっぱり夢じゃなかったのね…はぐれハイネスは、ガオレンジャーが束になってかかっても敵う相手じゃない…」
「それを解っていましたから、SUPは当時の『五本の指』と言われた者達がそのまま出動しました」
「それが、番場さんやみくさんだったのね…」
「巨大戦には、歴代レッド兵器を投入しました。でもあれに勝利したのは紛れもないあなた達です」
 陽介がそう言うと…イエロー、ブルー、ブラックの三人は少し調子に乗ってしまい
「いやー、そう言われるとね」
「まあっ、当然と言っちゃぁね」
「そうっすね〜」
「三人とも、調子に乗るなよ……」
 レッドが注意すると…誉めた陽介も前に出て…
「自意識過剰は最大の命取りです……特に、今回の戦いは…」
 注意されて、3人はふにゃーっと少しふさぎ込んでしまう、さっきの黒狼オルグの強さは自分達でかなり実感できたからだろう。
「あっ、でも今度は俺も協力しますから……」
 ふさぎ込んでいる3人をフォローする陽介にさっきの戦闘で傷ついたシルバーが話しかける。
「あの黒狼オルグ、陽介君に何か関係があるように見えるが」
「……そう言えば、君あいつに『サカキ』って呼んでいたね…」
 シルバーの質問に陽介は少し黙り込んで……
「黒狼オルグ……あれは、俺の父さんの片割れです」
『陽介君のお父さんっ!?』
 その言葉に、その場にいた全員の声が重なった。
「片割れとはどう言う事だ?」
 シルバーが再び陽介に質問すると、陽介は静かに…父、榊の身に起きている事を……榊が昔、仮面ライダーとして活躍した事と分裂したアグルストーンの事…そして、陽介の目標を……
「じゃあ、あれは分裂したアグルストーンって石が、あの黒狼オルグに…」
「そんな事があったなんて……じゃあ、迂闊には攻撃――」
「出来なくもありません…」
 レッドが言いかけた所で、陽介が止める…
「黒狼オルグは、『心』『技』『体』の内で、最も思念体が薄い『体』のアグルストーンがオルグ化した物……もう、陣内榊としての心は消えています、あなた達も戦って解ったでしょう……感情の無い一撃」
「それは……」
「息子だからわかるんです、あれはもう父さんじゃないと…皆さんも遠慮無く戦ってください」
「それに、あの黒狼オルグには…『千年の邪気』で作られている」
「千年の邪気?それは一体…シルバー」
「俺がロウキだった時に『闇狼の面』に封じ込めていた邪気だ…俺が人間に戻った後は、ウラが何度もオルグ化している。多分、あの黒狼オルグも……」
「多分、シルバーの読みは当たっています……あれが現れた、咆哮山…あそこにはアグルストーンの欠片を封印してある、『狼岩』と言う物があり、そこからデュークオルグの二人組がアグルストーン奪取したんです」
「ヤバイバとツエツエだ……」
「あいつ等は、ウラにそのアグルストーンを持って行き、シルバーの言う千年の邪気でオルグ化させた。それが黒狼オルグだと…俺は考えます」
 陽介は、淡々な表情で推理するのを全員はおーっと声を合わせて感心する。
「黒狼オルグにはためらわず、戦ってください」
「わかった…ならばこっちも遠慮はしない。それと、君に聞きたい事がある」
「はい、なんですか?」
 陽介に聞かれるも、シルバーはすぐには答えずに…周りにいるほかのメンバーを見渡して…
「ちょっと、テトム以外はみんな外してくれるか?」
「えっ!?」
「なんでだよ…シルバー、俺達には関係無いってか?」
 イエローがばつが悪そうに言うが、シルバーとテトムの真剣な眼差しを見て…
「はぁ〜しょうがねぇな、みんな行こうぜ」
「あっ、待ってよイエロー」
「自分もっ!」
 ブルーとブラックもイエローに続く…レッドとホワイトもその後から…
「シルバー、あんま変な事を聞くなよ」
「じゃあね、陽介君」
「また後で……」
 手を振るホワイトに、陽介は複雑な表情で二人を見送って…シルバーとテトムの方を振り向く。
「さて、話とは……」
「ああ、君は…以前に会ったことが…あるような気がしてな」
 シルバーの質問に、陽介は少し考えて…
「はい、遥か1000年も昔……平安時代で、俺がまだ『神奈備命』と呼ばれていた…平安時代に…」
「やはり、君はあの神奈様の…」
「紫おばあちゃんから聞いた事があるわ、先代のガオレンジャーが『翼人』の子の護衛に当たっていた時が1度だけあった事を……」
 陽介も当面の事は、恋香に聞いただけで…詳しい事は知らないでいた…まさか、先代ガオレンジャーが恋香の魂が神奈だった時に会っていたとは…だが、根拠はあった。
 その時は、SUPにある『日本の記憶』と言う本来の日本の歴史にあるように平安時代は妖しなる存在と人との争いがなる、日本国内の1度目の戦い、『第一次極東内乱』という戦乱の真っ只中だ……この二つの要素が合わさっても何ら不思議ではない。
「ああ、俺も1度だけだったが……最後の『翼人』神奈様に会った事があった…」
「シルバーもですか…」
「ロウキにされて、封印される随分前だけどな……だが、君はその神奈様の子孫というわけでもないな…、何せ神奈様は…」
「はい、ご子息を残さぬまま……神奈は亡くなったと聞いています」
「じゃあ、陽介君は一体……」
「俺の先祖は、その神奈の意思を継ぐ者……ですが、『神奈』は今、俺の中で生きています」
「何だって、神奈様が…君の中に?」
 シルバーやテトムの驚きの声に、陽介は静かにこくりと頷く……
「俺の中に、神奈の魂の産まれ変わりがいるのです……それはまだ、俺の中で…空に囚われている……」
「確か、最後の翼人の子は……空に囚われ、永遠の悲しみの夢を見る…それは彼女が輪廻天昇しても末代までその夢は終わらないと、紫おばあちゃんから聞いた事があるわ」
 流石は、ガオの巫女……そこまでよくご存知と陽介は感心してしまう…。
「彼女は1000年に渡る悲しみの記憶を俺の中で持ちつづけています」
「まるで、俺が1000年間ロウキとして、邪気を溜め込んで行ったのと同じじゃないか」
「………シルバー」
 上体を持ち上げたシルバーには今、皆を…そして人々を苦しめる黒狼オルグを形成している、千年の邪気を形成したのは自分だと言っているのと同じ事…
「シルバー…俺は自分の中にいる神奈は助け出すつもりです、でないと…切りがありませんから…」
「陽介君…」
「俺の為に苦しむ人がいるなんて……耐えられませんから、シルバーもそうでしょう」
 陽介は振り返り様にシルバーに微笑みかけて言った…シルバーは安心したかのように、静かに背を傾けた。
「………そうだな、神奈様…助かると良いな」
「助けるつもりですよ…絶対にね」
 二人は何かしらの共感を持ったように笑い会った、テトムはシルバーがこんなに笑っている所を見るのは、始めてだろう。
 要するに似た者同士なのだろう、陽介とシルバーは……狼同士、平安時代からの親友のように、陽介とシルバーは話あった、本当に始めて会ったのかと疑うくらい…

 けど、物陰からは……
「心配して損したな、あいつ等結構仲良いじゃんか」
「うん、でもシルバーってあんな風に笑うんだね」
 レッドとホワイトが、微笑ましく二人の会話を除いていた…さっきから心配で戻って来て見たら、案の定だ。
「んで、イエロー達は?」
「もう寝ちゃったわよ……みんな、今日の戦いでかなり消耗したから」
「そうだな、俺達も寝るか」
「そうね…じゃあ、お休みレッド…」


 オルグの本拠地では…
『ぐぅぅぅぅ……おおおおおおおーっ!』
 オルグ本拠地マトリクスでは、絶えず不気味でかつ凶暴な叫び声が響き渡っていた…
「うひゃぁ…うるさくて、眠れやしねぇ…」
「全くだわ、だから狼って嫌いよ……」
 ロウキの事もあるだろう、ヤバイバとツエツエは寝巻き姿のまま…出てくる。
「ほっほっほ〜、協力な邪気の力が、叫んでおるではないか」
 そんな中、嬉しそうにここの首領であるハイネスデューク・ウラは向こうにいるであろう黒狼オルグのいる方に目を向ける。
「あの童と戦いたいか?…黒狼オルグよ…、よし、ならば行け。夜はそちの…お主はまろの最高傑作でおじゃる…今こそ、その力で…ガオレンジャーを…あの一派をその牙と爪で引き裂くのでおじゃる」

『ドルルルルルル………』
 黒狼オルグはまるで枷を外されたかのごとく、立ち上がるとその壁に向かってオルグスピアを掲げた。
『ギャオ!』
ズガガガガガガガ
 オルグスピアの先端から強力なビームが放たれ、壁を崩し始めた。
「おわ!この揺れは!?」
「う…ウラ様!?」
「ほっほっほ…」

 黒狼オルグは、岸壁を突き破って地上に出てきた…夜空には細い三日月がある、黒狼オルグはそれに向かい体の中の空気を一気に放出するかのような咆哮を上げた。
『ぐわおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!』
 黒狼オルグの咆哮は、ガオレンジャーの中で意外な者を引き寄せる事となった。

『うぉぉぉーーー!』
 それは、PAガオウルフだった。ガオウルフは何かを察知したのか、ガオズロックの前に現れ、月に向かって吼えていた。
「どうした!ガオウルフ!」
 シルバーは突然の事に、ガオズロックから出てガオウルフに声をかける…そこに何事かとテトムとそして泊まる事となった陽介も来た。
「始めてみた、あれが……PA(パワーアニマル)」
 陽介は目の前にいる銀色の巨大な狼にただ狼狽するしかなかった。
「何?何かが呼んでいる?」
「シルバー、どうしたんですか?ガオウルフは何と言ったんですか?」
「ああ、何かが自分を呼んでいる……そう言っている…」
「何かが呼んでいる?まさか…黒狼オルグ!?」
 元がロウキの千年の邪気が作り出した黒狼オルグだ…それに、アグルストーンが『体』なら…黒狼オルグは新たな体を求めているだろう、より強い……巨大な体を…
 それが、ロウキ…シルバーの元々のPAであるガオウルフなら……奴は、絶対、それを求める……そう陽介は冷静に頭の中で整理した。
「シルバー!どこへ!!」
「ガオウルフは、自分を呼んでいる奴の所に行こうとしている!!」
 そう言い、シルバーは変身してガオウルフをウルフローダーにすると、ガオウルフが指し示す方向へと走っていった。
「もしかしたら、黒狼オルグの所に向かうかもしれないのに……」
「陽介君、私は他のみんなを起こします、あなたはシルバーを追ってください!」
「解りました!なるべく早くお願いします!!」
 そう言うと陽介は、腕のブレスを開くと…
「ランドライノスぅぅぅぅーーーーー!!」
 それを呼ぶと、陽介の元にズガンズガンと重い足音を立てて、何かが陽介の前に現れた。それは重量感あふれる、銀色のロボット犀であった。
「な…、何これ…パワーアニマル!?」
「いえ、これはSUPが開発した俺専用支援マシン…ランドライノス…これでシルバーを追跡します…テトムは早くみんなを起こしてください」
「は…はい!」
 そう言って、テトムはガオズロックの中へと戻って行った。
「行くぞ!ランドライノス!!」
『ゴオオゥ!』
 巨大な泣き声を上げ、ランドライノスは走り出す。陽介もそれを追い走りながら腕に巻かれたマフラーに手をかける…
「光波!招来!!」
 飛び上がった瞬間陽介は眩い光に包まれ、その中で赤黒い強化服を身に纏った。
「はっ!」
 変身した陽介…ウォーハンターはランドライノスの肩に飛び乗ると、先ほど放たれた光波によりランドライノスは変形し始めた。
 頭が下がり、4速歩行となったランドライノスは胸と腹からバイクのタイヤを出し、それが足に変わり地面を走り出した。
 バイクの座席となった背中にウォーハンターが座るとそれはまさしく重量感のあるバイクの姿と化した。
 ウォーハンターはシルバーの走ったと思われる場所に向けて一直線に走っていった。

 シルバーはウルフローダーに乗り、その場所に辿り着いた……そこには、黒い戦慄が待ち構えていた。
 ここは咆哮山から少し離れた平地…黒狼オルグはここで、シルバーが来るのを待っていた……そうPAを持ってくるのを、待っていたのだ。
『ぐるるるる…』
「やはり、お前か…ガオウルフを呼んでいたのは……ガオウルフに何をするかは知らないが……もうお前の好きにはさせん!」
じゃ!!
 シルバーは手にガオハスラーロッドを持つとサーベルモードにして黒狼オルグに向けた。
 黒狼オルグも手に持っていたオルグスピアを構えてシルバーと対峙する……月の光と、星の光が両者を照らしている…
「だぁぁ!!」
 シルバーがガオハスラーロッドを、黒狼オルグに向けて振り上げる…黒狼オルグはその剣の斬る所を見切り…素早く避け、オルグスピアで突いた。
ガシィィン!
 シルバーのスーツが火花を吹いて、シルバーは後退させられる。
「ぐあ!」
『………』
 パワーもスピードもは以前のロウキ以上……シルバーは徐々に追い詰めらっていた。
 昼間の戦闘での傷もあり…シルバーの体力はだんだん失われていった。
「はぁ…ぐはぁ…ま、まだだ……」
『……死ね』
 オルグスピアの先から長い刀の刃を出し……倒れこんだシルバーの首筋に当てる…その絶望の刃が首を切ろうと振り上げられた。
「こ…ここまでか……」
ガシィィィーーン!!
 黒狼オルグに何かが突進して、シルバーを救った……
「あ……、陽介…か?」
 彼を救ったのは、バイク形態になったランドライノスに乗ったウォーハンターだった。
 ランドライノスの角で突かれた黒狼オルグの体に、痛々しい穴が開いているが……黒狼オルグは立ち上がり、咆哮と共にその傷は瞬時に回復した。
『ぐぉぉぉぉぉーーーーー!!!よぉぉぉすけぇぇぇぇぇーーーー!!!』
 陽介の名を叫ぶ黒狼オルグ…陽介は、ランドライノスをロボット形態へと変形させ…
「ちっ、シルバーを回復させないと……ランドライノス、時間を稼いでくれ!」
『ごぉぉう…』
 ランドライノスを黒狼オルグに向かわせて、ウォーハンターは倒れこんでいるシルバーに…刀の切っ先を向ける。
「一人で戦って無茶して……今、回復させます」
「…く、頼む…」
 刀に気を集中させ、思念体の奥に居るもう一人の自分…恋香を呼び覚ました。恋香は刀に、力を集め…それは金色の光を出し…シルバーに降り注いだ。
「ケアスピリットレイ……」
 刀の光はシルバーの体の傷を癒し……体力を回復させた。
「陽介……すまない」
「いいって事です……」
ズゥゥーーーン!
黒狼オルグの猛攻にランドライノスはついに倒れ込んでしまう、そして黒狼オルグはシルバーとウォーハンターに標的を移した。

「よし!行くぞ!」
「ああ!!」
 シルバーとウォーハンターは、立ち上がり…黒狼オルグに向かって走っていった。

 黒狼オルグとウォーハンター、そしてガオレンジャーを巻き込んだ、アグルストーンの欠片を巡る、死闘が今始まった。

 NEXTミッション⇒

次の後書きは総合後書きで最後に…

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