俺は信一さんが言っていた場所に向かうと、案の定だ…あいつはここにいた。本当にここに来ていたんだな……

 あいつも俺の気配を感じて、振り向き…身構えた……はなからその気かよ…
「…お前は……」
「……見付けたぜ、風祭…」
 ……だが、風祭は殺気を解き、呆れたようにバイクへと戻る。
「何の用だ……ここには、もう何も手がかりはない」
「俺はあんたに用があって来た……」
 風祭はそんな俺を無視するかのように、バイクから降りる。
「戦うつもりは無い……俺は帰らせてもらう」
「俺は戦うつもりはない……話がしたい」
「………」

 奴の居場所を知ったのは……少し前。

 零の事件が人段落して、すぐに俺はネメシスの素性を一条さんや日本に来たCIA達と頻繁に殺しを行っている未確認生命体の捜査を行っていた。
 五代さんが倒した5号のすぐ後に出てきた、驚異的な跳躍力を持つ6号に対して五代さんは赤から青い形態へと2段変身して…同等の跳躍力を得て追ったが、パワー不足で取り逃がしてしまった。
 …それから1日後、負傷した五代さんを案じて沢渡さんは五代さんを止める…俺も一条さんも一般人の五代さんを未確認や、ましては俺達の最大の敵ネメシスとの戦いに巻き込みたくないのは山々だ……だが、どこかで俺達は五代さんの助けを必要としている。
 実際に五代さんの攻撃でなければ、未確認は倒せない……ネメシスとの戦いでもこの人の力がきっと役に立つ、そう考えている……そして、あいつの力も…

「水の心の戦士!長きものを手にして敵をなぎはらえっ!!」
 6号を目の前で苦戦する俺と五代さんに、後ろから沢渡さんの声が届く。
「五代さんっ!!」
「ああっ!」
 黒狼チェーンクローで、五代さんの近くにある手すりを掴み、五代さんに渡す。
「はっ!!」
ギュィィーーーン
 五代さんの手の中で、手すりは変形して…青いロッドへと形を変える。あれが青いクウガの武器なのかっ
『むっ!?』
バシィィッ!
 ロッドの攻撃で、6号はなぎ払われこちらに飛ばされてくる。
「榊君っ!!」
「はいっ!捕らえろっ!チェーンクローっ!!」
ジャァァッ!
 昨日、高く跳ばれて捕らえられなかったが、今度は完璧に敵を捕らえる事ができた。
「今ですっ!!五代さんっ!」
「だぁぁーーーっ!!」
バシィィィーー!
 ロッドの一撃が、捕らえた6号の右胸にヒットして…右胸にあのマークが浮かび上がり…6号は爆死した。
ずどぉぉぉーーーっんっ!!
 戦いが終わり…俺と五代さんは、苦労して青いクウガの力を解読してくれた沢渡さんにサムズアップをする。

 戦いの帰り…
「榊君っ!ナイス連携っ!」
「いえ、俺だけの力じゃないですよ。五代さんの活躍もあるし、なにより沢渡さんの助言が無かったら……」
「それでも、榊君のチェーンが捕まえなきゃ、勝てないかもしれなかったから」
「ありがとう、俺も五代さんの力を頼りにしてます」
「ああ、そうだ!この前聞けなかったけど、君の敵って一体…未確認の奴等とは」
 蠍の事か……そう言えば、五代さんとネメシスの怪人の初対戦だったな…まさか蠍に因縁付けられた事気にしてんのかな…いや、まだ教えてなかったな。
「あいつ等は悪の結社『ネメシス』…未確認の奴等とは違う…あいつ等は、人を改造してそれを戦力として世界の知的生命体を根絶しようとしている……恐怖の組織です」
「何だって?改造?」
「…奴らの頭、世紀末王ドラゴノソードは…自らの命を永らえさせる為に数人の幹部に究極の体に必要な素材を集めさせ、復活した後には…その力で世界は死滅するでしょう」
「そんな……」
「あいつ等は、ある意味…未確認とは違いますが、それ以上にたちの悪い奴等なんです…目的の為なら手段を選ばない……」
 俺の話しを聞いて、五代さんの顔が少し強張る……そして、何かを決意したように俺の方を向くと…
「解った、俺もそんな奴等の為にこれ以上涙を見たくないからね。俺も協力するよっ!」
「五代さん…ありがとうございますっ!」
 俺は強く五代さんに礼を言う……これが、この人の良い事だ。誰かの笑顔の為に戦う…単純だが、これはかなり大きく、戦うには十分すぎる理由……。彼のような人間だからこそ、未確認やネメシスを許せないんだ……

 あいつはどうだろうか……


仮面ライダー
黒狼
第3章〜緑の荒風〜中篇『超越変転』

ドドーーーーン!
ガキィン!ガキィン!
「くっ!」
 俺と風祭との戦闘は施設内に渡って行われた……奴はスピードからして俺を上回り、居なくなったと思ったら後ろから攻撃を加えられる…避ける暇さえも与えられない。
 以前戦った鬼塚とは違い、念動力は使わないが早さによる、一撃離脱戦法で俺は苦しめられている。
「ふっ、この程度か…蛇の力を受け継いでおいて…がっかりさせるな」
 風祭の呆れたような声が背後で聞こえ俺は、ナイフをひき抜いて…振り下ろされたスパインカッターを受けとめる…
キィィィーーンッ!

 最初は、奴の説得を試みた……ネメシスを追う者同士、共に戦う事ができるそう確信して、話しに持ちこんだが、奴は冷淡に…
「断る……大まかな理由はお前と同じだが……俺は、仲良しグループに入るつもりは無い。自分の力だけであいつ等を根底から無くす事で復讐は果たせる…これが『潰し』だ…お前等の助けなど皆無に等しい」
 大まかな理由……それはネメシスを許さない…その気持ちだけはあるらしい…
「何っ!?」
「俺はお前等のように、奴等の暴挙から人を助けると言う甘い気持ちは無い。あいつ等に関係する者は全て根底から消す…それが例え、人間でもな」
 その言葉が俺の怒髪点を突いた……復讐の為なら、人をも殺すと言うのかよ…こいつは。
「…お前だって、お前だって!ネメシスが許せないんだろうっ!なぜそこまで復讐にこだわるっ!!」
ギリッ!
 俺はとてつもない怒りと殺気を感じて言葉を途中で止めた…風祭がバイクを降りて睨み付けてきた……身震いするほどの殺気…
「貴様に何がわかる……どうやら考え方事態…根底から違うらしいな……言い忘れていた、俺の潰しの障害となるなら…お前も消す」
 風祭はそう言うと、手を顔の前でクロスさせ…開くと、それまで人間の目だった風祭の目が真っ赤に変色して、頭には2本の触手が生え…

「変身…」


 時間は6号を倒した翌日までに戻る。

 五代さんが、俺と共に戦ってくれる事を約束した翌日、俺は短い非番を利用して秋子が働いている喫茶『ポレポレ』に邪魔した。なんでも、秋子はここで子供の面倒を見ながら…住み込みで仕事をしている。重労働で大変だろうが…聞いてみたら、秋子自身全然気にしていないようだ…
「大変だけど、赤ちゃん達の面倒を見るのも楽しいし、おやっさんも面白いから。大丈夫よっ」
 まあ、ここの店主でもある通称『おやっさん』の人が人だからな…
 丁度客が一人もいないって、いるな…コーヒーを飲む横で一人だけ…隣で俺の息子の陽介をあやしている五代さんが……
「あばばばばっ」
「きゃっ、きゃっ!」
 一方、陽介の双子の妹、名雪の方は秋子の腕の中ですやすやと眠っている……そう言えば、名雪が起きた時なんてここ最近見ていないな。でも何処も悪い所はないと秋子は言うし、ご飯の時は起きると言っていたし…
「それにしても、名雪気持ちよさそうに寝ているな、閉じてる目が糸目だぞ」
「ふふっ、あなたの寝顔とそっくり…」
「何っ、俺って寝るとこんな顔になるのか?」
 うん、迂闊だったな…こんな寝顔で眠っていたなんて……
「ふーん、榊君もこんな顔で寝るんだね〜」
「五代さん、茶化さないでくださいよ」
 まあ、血液型は名雪は俺の方に行っているようだからな…これも、遺伝って奴か?
「そうだわ、榊っ。思い出した」
 いきなり、秋子が何かを思い出したかのように…急に手を叩いた。
「この前お父さんが、久しぶりに電話をかけてきて、榊に来てほしいって」
「信一さんが?そう言えば会ってなかったな…」
 そういや、信一さん…俺と秋子との結婚式や陽介と名雪が産まれた時も来なかったな……まあ、風祭博士もISSで鬼塚と改造兵士の実験をしていたと同様に、信一さんも彼らと同じ城南大の生化学の教授だ。…俺が去った後の信一さんは行方を暗ませたと、ISSの事件を切欠に知った……CIAの情報網でも信一さんが何処にいるのか解らなかった。
 ネメシスで生化学の研究員をしているのか……はたまた…と思ったが、ちゃんと生きていて…秋子に連絡をとっているから大丈夫だと言う事なのだろう…
「信一さん……どうしたんだ?」
「ええ…私も詳しく知らないんだけど…この研究所で働いているらしいわよ」
 俺は秋子から渡されたFAXを見た……やっぱり、ネメシスの下部組織…ISSと同じ流れを組む生化学研究所に、信一さんは……監禁されているのか。
「でも、元気そうで…たまに私に電話してくるわよ、赤ちゃんは元気かとか…榊とは仲良くやってるか?って」
「……妙だな」
 となると、信一さんは無事と言う事になるのかな……そう言えば、ネメシスの科学班の研究所では幹部怪人の手の届かない独自の部署もあるとセーラ深町から聞いた…信一さんはそこから何らかの方法で…情報収集をしている可能性は十分高い…
「何か聞いていないか?」
「ううん、何も……とにかく行ってあげて、ああこれ…榊に渡してって」
 秋子は俺に小さな小包を渡した……開けて見ると、IDカードとテープレコーダーだ…IDの名前は書いていなかった…テープレコーダーに何か入っているが…そして脇には、俺宛の小さなメモが書かれていた。

榊君へ…
“榊君…これを渡されている頃には、秋子から簡単な事は聞いたと思います。速達で送るとCIAや『彼』から潰しがかかる可能性があるため、直接送ります。話したいことがありますので、下記の住所の場所に来てください。僕がなぜ秋子達から離れた理由は向こうで話します…それと君でしかできない、相談事もあります。突然で申し訳ないと思いますが…来ていただきたい。施設内で私が働いている場所や部屋は…下記の住所と一緒に書き込んであり…施設に入るにはIDカードのコピーを使って…部屋に入る時は僕の声の入ったテープレコーダーを使ってください”
水瀬信一…

「榊君、行くのか?」
 五代さんもその手紙を読んで心配そうな面持ちで聞いてきた。
「ああ……信一さんの真意を聞きたいですし…彼は信じられる人です」
 彼の協力がなければ、俺は以前すぐに死んでいただろう……
「榊、帰ってきたら…お父さんの話し聞かせてね。私もよく解らない事が多いから」
「そうだな……名雪、陽介今からおじいちゃん所行ってくるからな」
 俺はそう言い、渡された荷物を持って…名雪と陽介の頭を撫でてから、ポレポレを出て外で待っていたルガーを呼んだ。
「ルガー、行くぞ」
 ルガーをバイク形態にして…乗ると信一さんのいる場所へと向かう事にした……
 信一さんの真意って何だろう、ただ…俺にとって助けになるのか、はたまた…逆の効果となるのか…





バキィィィーーッ!
 風祭が俺のパンチを受け後退する……ようやく、奴の動きに目が慣れてきたぜ。
「だいぶ俺の攻撃に慣れてきたようだな。誉めてやる……だがその体で後どのくらい持つか……」
 風祭の言う通り、俺の体は奴の攻撃により傷だらけになっていた。その上、銃の弾も切れ…ナイフもスパインカッターにより折られた。絶対絶命って奴か…
「はぁ…はぁ…」
 息も荒くなっている……
「そろそろ終わりにしてやろう…」
ガチャッ!
 風祭の手に…あの念動力集積砲、LTGが持たれている。あの一撃を食らえば……命はない。
「俺の『潰し』を邪魔をする奴は容赦無く消す……CIAでも、お前でもな…」
 冷淡な口調で俺に大口径の銃口が向けられる……くっ、何か使っちゃいけないって言われたけど…使うか。
 エクストリガーを両手に持つ…時間はいっぱい、1分丸々持つ……これで奴を押さえつけられれば…
「んっ!?」
「エクストリガーっ!発動!」
 俺はベルトの両腰にエクストリガーを装着して、起動ボタンを押した…
ドクンッ…ドクンッ…
 えっ…何だ?…心臓の鼓動が大きく増した。いつもはこんな事は無い…アグルストーンの力が最大限に発揮されて…戦闘能力が上がるはずだが…始めてだ…こんな事…
ドクンッ…ドクンッ…ドクンッ…ドクンッ
 体が…動かない……何かが重くて熱い物が…流れこんでくるような気持ちの悪い感覚が襲う……何だよ、これ…アグルストーンから流れてくるのか?
「くっ!あれを使ったのかっ!……食らえっ!!」
ズォォォーーーーーッ!!
 風祭は静止している俺に向かって、念動集積砲から念動力のビームを放った。静止している俺にはそれを避ける事は無く…そのビームをまともに受けてしまい。5メートル先まで吹っ飛ばされた。
ズガアァァーーーーーンッ!!
 奴のビームの直撃を受け…俺は壁を崩し倒れ込んだ。
 痛い…痛いはずなのに……何で、何も感じないんだ……俺…死ぬのか…
「……やはり…今潰さないと…東京が滅するぞ…」
 なぜ…風祭はあんな事を言っているんだろうか、俺の体に何が起きるって言うんだ…
ドクンッ!ドクンッ!ドクンッ!
 撃たれた俺の心音は逆に上がって行っている…まるで、『変異体』になった時と同じあの感じ…何かが体から這い出してくる…そんな感じ……
 そう……あの時と同じ…あの夢に出てきたような…あの凶悪な奴が…体の奥から這い出してくる……あいつが………黒狼が…

ズガァァァーーン!
 シンがライフルに、止めの一発をライフルに込めた瞬間、後ろの天井が破壊され…施設内に何かが進入して来た。
『きしゃぁぁーッ!』
 蟹の力を得て、変異した蝙蝠だ……蟹の能力の為か日中も活動可能となっているらしい。
『くわぁぁーーッ!』
「ちっ!こんな時にっ!!厄介な敵が……」
 シンは襲いかかって来た、蝙蝠のハサミをライフルで受止める…
ガキィィーーーーンッ!
「キメラ合成獣…なんて力だ……」
 蝙蝠の力は予想を遥かに上回っている。シンはキックで後退して、ライフルを構える。だが、蝙蝠は…変形した口を開き…
『キェェェーーーーーッ!!』
 これまでにないくらいの甲高い声を上げる…その声は何万ヘルツ以上まで達し…耳の良いシンは立ちくらむ。
「くっ…何だ、この声…」
 徐々に、鳴き声は…全ての物を切り裂く音の刃となって、口から発射された。
シャキィィッ!
 シンはとっさに、その音の刃をよけると…後ろの柱が寸断される。
「……あの声にかかったら、体が真っ二つにされるぞっ!」
『カァァァーーッ!』
 蝙蝠は、再び甲高い声を上げた…またあの『音の刃』を使うつもりらしい。
「野郎っ!!」
ヴゥン!
 シンはとっさに消え、蝙蝠の頭上に現れ…腕のスパインカッターを振り上げて…
「斬っ!」
ザシュッ!!
 背中の巨大なハサミを一本斬り落とした、それと同時に蝙蝠は口から『音の刃』を放った。
キュィィィーーーーーン!
 シンの肩の高質化した筋肉が刃で斬られ、シンはライフルを落とした。
「くっ!!」
 その場にシンは転がり込み…斬られた肩を押さえた。
「ちぃぃっ!」
『クェェェーーッ!』
 蝙蝠は背中のハサミを切り落とされても、なお、シンに攻撃を加えようとした。シンは肩を押さえながら身構える……

ドゴォォォーーーーーン!!

 突然、シンの後ろの瓦礫が吹っ飛んで、煙が上がる…丁度シンが黒狼を吹き飛ばした場所だった。
「なにっ!?」
『くぅぅ…』
 煙の中で、黒い影がゆらりと立ち上がった。それは、ずぅんと来るような重いどす黒い気配を放って、シンと蝙蝠も臨戦体制に入ってしまう。
「(なんだ……まるで、飢えた猛獣に追われるウサギの気分だ…今、この場から逃げられたら、どれほど…いいか…何故、そんな事を…)」
 シンは足元に落ちているライフルを取ろうと手を伸ばす。
『ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!』
「!!」
 耳を覆いたくなるくらいの咆哮がシンを威嚇して、シンは固まってしまった……。これほどの恐怖が襲ったのは、戦う力を持っても始めてだったからだ。
「(黒狼…黒狼なのか…)」
カシャッ!シュー…
 その目が赤く爛々と光り…口部が開いた部分だけが赤い炎のように揺らいでいた。
『ふぅぅ…』
 黒狼の口内が赤く光り、激しい放熱現象を起こしているのだけが見えていた。
ビキビキ…
 黒い煙の向こうの黒狼の影が徐々にひびが入り、そのひびの中は溶岩のような熱気が立ち込めている…体から流れた蒸気が…煙を段々と晴らして…
ビキビキビキ…
ズガァァァーーーーーーーーンッ!!
 影のひびが頭まで達した瞬間に、それは大音響と共に爆発した。
「くっ…」
 熱い爆風がシンを襲い、一瞬よろめいたが…その隙に下を転がっていたライフルを拾った。
 そして…弾を込め、それに向かって銃口を向けた瞬間…シンの背筋に寒気が走った。
「(何だ…こいつ……)」
ギィィン…
 シンの目に写ったのは…変身した自分より凶悪でかつ、禍禍しい姿となった黒狼の姿だった…。
 黒き狼の変わり果てたその姿はまさしく…悪魔のその物。
「……これが、黒狼の…超越変転体…」


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設定資料集


仮面ライダー黒狼:超越変転体
能力 パンチ力10t キック力50t ジャンプ力100m 走力:100mを2秒
武器 アトミッククロー×2(両腕の破壊力のある爪)
   バーニングファング(常に放熱現象を起し摂氏300度の牙)
   チェーンクロー×2(敵を蛇の如く捕らえる2本の鎖、腕から両肩に移りより敵を捕捉するのに適するようになった)
必殺技 ビーストキック(超越変転体の黒狼キック。70t)
 エクストリガーによるアグルストーンのエネルギーに無理がかかり暴走した結果、変転した黒狼の『偽りの究極体』、幹部怪人としての黒狼の本当の姿とも言えるその邪悪なる姿はまさに悪魔その者…榊としての人格は消え、幹部怪人を食いその力を得る事しか考えない戦闘マシーン。こいつを止める事が出来るものは誰もいない…


後書き
 さて、今回は少し違った手法で試して見ました。
榊「何だか過去と現在が入り乱れたストーリーだったな…」
 はい、今回は回想シーンと現在のシーンを重ね合わせて見ました、シン編ですので黒狼は脇でやろうとした一つの方法かもしれませんが、結局また黒狼が目立ってしまいました。
榊「まあいいんじゃない?俺が主役だし」
 さて、次回は変転体が暴れまわります。

 んで、今回は…前回で、公開された舞さんは榊のクローンと言う事で大反響(してない)にお答えすべく、特別に…第2部中の榊の血縁関係について、どどーんと説明しちゃいます。結構凄い血縁関係が伺えますっ!

 まず、榊は第2部のプロローグで、榊と秋子さんはめでたく結婚して、秋子さんは双子の兄妹、陽介君と名雪ちゃんを生みました。つまり榊に正式に生まれた双子と言う事です、ここで…私は、後々の為に名雪ちゃんにお兄ちゃんがいるという設定にしました。
 現在、名雪ちゃんに陽介君は1歳と少し…この年で2歳になります。名雪ちゃんは、この時はやっぱり眠ることが好きらしく、1日の大半は眠っています。陽介君はもう立って歩く事もできる程、賢い存在です。

 そして、前回紹介した、舞さんはネメシスの『アナザーAC計画』で出来た榊のクローンと言う事を、もっと細かに説明します。

 そもそも、『アナザーAC計画』とは?
 まず、第一部で榊が黒狼に改造される前に飛びます。ポイントは、榊が連れ去られてから改造させられ、目を覚ます時までに、20日間の空白があります。(黒狼第一部第一話参照文)
 “今は8月10日…お前が連れ去られてから20日経っている”
 これは西川君の台詞です、そう彼が連れ去られたのは、7月の夏休みに入って間もない頃、そして黒狼変異体として覚醒したのが、その20日後の8月10日…
 その間一体彼に何があったのか…

 『AC計画』とは、別名を『アルティメットコア計画』…寿命の近い、世紀末王に『究極の体』を作る計画で、それで世紀末王を完全復活させる計画ですが…もし、これが失敗した場合の保険として、予備計画『アナザーAC計画』が科学班から正式採用されました。
 その計画の全容とは、“優秀でかつ強力な遺伝子を持つ人間のクローンを作成して、それを『究極の体』と改造する”という計画です。

 榊が捕まった時、既にその計画は採用され、数人の被験者の中にまじって…幹部怪人候補であった榊も登録されていました。その時はまだ未改造だったのでしょう…
 そして、皮肉にも数人の被験者から選ばれたのが、黒狼…陣内 榊だったのです。

 ですが当時のクローン生成技術は、科学班でも困難な技術でした。そして、選んだのが…『人工授精』によるクローン生成法でした。(クローン羊と同じ要領)ネメシスの科学班は優秀ですが、結構おっちょこちょいな部分もと疑いでしょうが…これを使用して、数人の母体となる女性に、改造前と改造後に取った榊の遺伝子データ(多分精子)から作った人口受精卵を知らず知らずの内に植付けられたのです。

 元幹部怪人、川澄 零の場合…彼女がネメシスを抜け、怪人としての能力を全て失い、その代償として、免疫能力の低下にともない入院した時、ネメシスの工作員らしき者にその榊のクローンとなる受精卵を植付けられたのでしょう……
 それが、舞さんです(何だかんだ言って、舞さんと名雪ちゃんは異母姉妹って事)舞さんのあの能力も、榊譲りって事になるということです。

 と、まあ…榊君の意外な血縁関係の時間でした。
 ふう、久しぶりに長い後書きだったね…

 つづく

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