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ある公園

 

「はっはっ、たっ助けてっ!」

 一人の女性が、血相を変えて公園内を逃げ回っていた。空から巨大な翼を広げた怪物…地上には鎖を自在に操る女やバッタを形どった怪物、…彼女は四方から来る恐怖に、自問自答を繰り返して…それらから逃げ回っていた。

 もう、奴等は何人もの人を無差別に殺している……警察も出動したがそれ等はそれを赤子同然にあしらって…返り討ちにした。

 彼女は、木の陰に息を潜めて隠れた。

「……なっなぜっ、あたしを狙うの…何なの、あの化け物」

「けけっ、化け物か…酷い言いぐさだなぁ…」

 木の後ろから、彼女は一人の青年に声をかけられる。彼女は驚き後ろを振り向き、青年の姿を確認するとホッとして、青年に助けを求めた。

「あっ、変な化け物に追われているんですっ!助けてくださいっ」

「……おお、いいぜ…今…楽にしてやるぜ…けけけっ」

「えっ?」

 青年はそう言って、不気味に微笑みながら、彼女の肩を掴む。

「なっ何を……ひっ」

「化け物ねぇ……おれもその化けもんだったらどうするよ…」

 青年の背中が変形し始め、4本の鋭い爪を持った腕が飛び出た。そして、青年は蜘蛛の形をした怪人へと変身していった。

「ひっ……」

 彼女はペタンと、腰を抜かして地面に尻餅をついてしまう……。

 

『けけっ、あんたには悪いが……死んで貰うぜ!』

 蜘蛛は6本の腕を彼女に向かって振り下ろそうとする。

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーー!!!」

ドガッ!!

『ぐぉっ!』

『ぐぅぅぅーーー』

 蜘蛛の体を何かが、突き飛ばし…地上にそのタイヤの跡を残してを降りた。

『ぎっ…お前はっ!?……』

 蜘蛛は、地面を転がって力強く突き飛ばした者の姿を確認した。

『……黒狼!』

 

 

仮面ライダー・黒狼

第3章『咆哮』

 

 

 蜘蛛の目の前には、スカルルガーに跨った黒い戦士、黒狼。

『ぐるるるっ』

『黒狼か、けけっ、まあいい。そっちから出てきてもらえば……こっちも仕事が楽に片付く…おとなしく捕まれ…』

『おぉ…』

 黒狼は、蜘蛛の問いかけに牙を突き立て殺気だって、スカルルガーに力を込める。

 その殺気に、蜘蛛はにぃっとその変形した口の形を変えて…

『けけっ、どおやらよ…簡単には捕まってくれねぇようだな、上等…五幹部の一人、蜘蛛に喧嘩を売った事!体で後悔させてやるぜ!!』

 蜘蛛は、六本の腕をブォンと振り上げて、黒狼に向けてその鉤爪を向けた。

『ぐぁぉっ!』

 黒狼はスカルルガーを反転させて、飛び降りてその鉤爪を避けた。地面に2本腕が叩きつけられたが、残された背中の残された4本の腕が振られ…腕の中の一本は確実に黒狼の背中を捕らえていた。

『けけっ、そんなんじゃ避けた事にはならないぜ……』

 そう笑い、黒狼を捕らえた爪を舐め上げる。

『けっけっ、これが黒狼の血の味か……おれには味があわんが…蝙蝠には好みの味じゃねえのか!?』

『ぐぅぅぅぅぅぅぅ………』

 それを見て、黒狼の目が血走り満月に向かって…怒りの巨大な咆哮を上げた。

『ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!』

 その咆哮は、眠っていた鳥を呼び覚まし木々から飛び立たせたりあらゆる万物を凍りつかせるほどの力を持っていた。

『狼の遠吠えか……ゾグッと来るが…そんな大声じゃ自分の場所を知らしてるだけだぜ…』

『ぐぅぅぅぅぅー』

 黒狼はスカルルガーから降り、左腕の爪を変形させた。黒狼必殺の左腕の爪ストライククロー…ブレード状の中指の爪は鉄をも切り裂く。

『グォウッ!!』

 足のバネを使って思い切り跳びあがり、黒狼はクローを蜘蛛に叩きつける。蜘蛛はそれを2本の腕で受け止める。

『ちぃぃっ!結構な威力じゃねぇかよっ!』

 黒狼の腕を受けとめる蜘蛛の腕も、力が入る。その間に黒狼の下腹ので残った四本の腕が爪を立てていた。

『だがよ、実力の差ってのがあ……』

ドガッ!

 蜘蛛が残り四本の爪を突き刺す瞬間に、黒狼は足を振り上げ蜘蛛の腕をいなし溝内を蹴り上げた。そして、空中で反転し…蜘蛛から回避し着地する。

『グゥゥーーー』

『ちぃっ!やってくれるじゃねぇか……けけけっ…だったらこいつはどーだ!!』

シュゥゥゥーーーー!!

 蜘蛛の口から白い糸が吐き出され、黒狼に迫った。

『ぐっ!』

 黒狼はとっさに跳びあがり、糸を避けるものの糸は軌道を変え、黒狼の足に絡みついた。

『そらよっ!!』

ドゴッ!

 黒狼の足を取った蜘蛛は、コンクリートの地面に黒狼を叩きつけた。

『グバッ!』

 黒狼が倒れこんだと同時に、足から段々と糸が体に絡まってきた。

『捕獲完了……またおれの手柄だな…、後は量産型怪人に任せるか…さて、残りのノルマ57人をさっさと片付けるか、けけけっ』

 蜘蛛はそう言い残し、黒狼を糸に絡ませたまま闇の中に身を隠すように消えて行った。

『ぐぅぅっ…あぉぉぉっ…』

 黒狼はストライククローで何とか糸を切ろうとするが、糸が爪に絡んで手が上手く動きにくい。

ガサッ!

 蜘蛛が消えた草むらで物音がした。黒狼は素早く振り向くと…そこには豹を形どった怪人がそこから現れた、意思の感じられない眼光が蜘蛛とは違い…人としての意思がない。

『コ…クロウ…』

 口から多量の唾液がしたたり……目をぎらぎらさせて、黒狼に近づこうとするが…

 黒狼はその場から消え失せていた。そこには、斬り捨てられていた…蜘蛛の糸があるだけであった。豹の怪人は消えた黒狼を姿を目で追った。その時だった…

ゾグッ!

 背後に冷たく凍て付くような殺気を感じた。…黒い影と二つの爛々と光る、赤い眼光…。

『……ザッ!』

 豹が振りかえる瞬間、それは跳びあがり、喉に牙を向けて豹に跳びついた。

……クラッシュ・ファング……

ガブゥゥゥーッ!!

『ぎゃぅぅぅっ!』

 黒狼はその大口で豹の喉元に噛みついた。豹は激しい抵抗を見せるが、黒狼の牙は喉から離れず……黒狼は更に顎の力を加える。

ミシミシッ……

 首の骨が黒狼の牙により軋んで…そして…バキッ!と言う鈍い音を立てて完全に折れた。

 その時点でジャガーの力は尽き…ぐったりと地面に倒れこんだ。

『ぐぅぅぅぅっ……おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーー!!!!』

 そして、黒狼の咆哮が再び街中に響き渡った。

 









 

 俺…なんで、こんな所にいるんだろう…ここは町外れの公園…一度秋子姉と来た事がある。知らずの内にここに来たのか……

「いつっ!」

 左手首がまだ痛む……さっきよりかは和らいだが…

「なんだ…この匂い…」

 奇妙な異臭が俺の鼻に届いた…生き物が、死ぬ時にするあの異臭…鼻が利く俺には痛いほどかなり匂う。俺は恐る恐る足元を見た。

「こっこいつは……」

 俺の足元には、豹とかジャガーのような猫化の動物の死骸が血溜まりの中に転がっていた。首は何かに噛み付かれ、骨が粉々に砕けたのかぐったりしていた。よく見ると、それは足が人間みたいな二足歩行の出来そうな足だ…奴らの怪人なのか、

「こいつ…、まさか…俺が殺したのか?俺がまた…変異して……」

 俺が、黒狼に変異して……こいつを…殺したのか…俺は奴等を許さないと思った瞬間、黒狼と入れ替わって変異した……許さない、憎い、殺したい、狩りたい、気持ちが徐々に許さないから狩りたいへと、変わっていき…黒狼へと変異している。

「俺にある負の感情が、俺を黒狼へと……」

 そして、変異する時に現れる左腕の腕輪……これが、変異した時に出てくる…変異するときの起爆剤となっているのか、これがこの左腕が…

「くぅ〜ん」

 その時俺のズボンの裾を何かが引っ張った。足元を見てみると…子犬の姿に戻ったルガーがそこにシュンとしたように座っていた。そうか、こいつ…俺が辛いって事が解るのか。

 俺はルガーをひょいっと拾い上げ、笑いかけた。

「大丈夫だ…何も怖い物はない……」

「わんっ」

 ルガーは嬉しそうに尻尾を振って答えた。そして俺はルガーを肩に乗せて帰ることにした。だが、背後にまた気配を感じ…俺はとっさに身構えた。

「今度はなんだ……」

 公園の街灯がその人物を照らした……その人物は、意外な人だった…

 

 

「…信一さん!」

 水瀬信一……秋子姉と春奈姉の父親…俺の保護者でもある人がどうしてここに…

 信一さんは何かを確信したような顔で俺を見て…

「やはり、あれは榊くんだったんだね…あの黒い狼は」

「……!!」

「僕は、病院の診断を見たからね……榊君が何者かに変えられたと言う事くらい一目瞭然だったさ…」

「…俺は……」

「僕は君の保護者だ……聞く権利はある…」

 ……真剣な眼差しで俺に質問してくる信一さん…だけどこの人なら…わかってくれるはず…俺の体を………

「ジグロ社って所をご存知ですか?」

「ジグロ社……?兵器開発の…」

「そこの奴等に俺の体は人間を超絶する体へと変えられたんです……」

「そうかい、ネメシスか…そう言えば大学の学生達でジグロ社に関しての噂があった…裏でとんでもない化け物を作っているって…しかもそれを作っている者も化け物だと……」

「……」

 俺は何か知り尽くしているような信一さんに少し不信感を感じた。

 ジグロの裏の名前、ネメシスまでわかるなんて……

「噂は本当だったか……それもそのネメシスが開発した者ですね」

 信一は、下に倒れている豹の化け物を見下ろして言う。

 だけどよくここまで無事に来れたよな、信一さん…まさか、俺の過去を…

「それよりも、信一さんは怪物がウジャウジャいる街中に良く入って来れましたね…」

「最初は隠れながら来たけど、そのうち気配を感じられなくなってね…そのまま来た」

「いなくなったんですか?」

 そう言えば、奴らの気配が完全に消えている……何か目的を果たしたように基地に帰っていったようだ。

「それで、信一さんの目的って何です?」

「君を助けたい……」

「陣内家の人間でも助けたいのか……」

「やはり、榊君…記憶が」

「はい、全ての記憶が戻りました…立花さんの事とか俺が陣内家と言う家系に産まれて来た事も……」

 完全に戻った俺の記憶……血塗られた子供時代…果てしなき暗闇そこから救ってくれて、光を見せてくれたライダー達…そこから俺は変わって行った。様々な人との出会いが俺に笑顔を与えてくれた。そうだ、俺には居場所があった…それを与えてくれたのがこの人だ。

「陣内家か……壊滅した盗賊団『死月』の忘れ形見…それが君だ…。だけど僕等にとっては大切な家族でもあるんだ、助けたいと言う気持ちは解るよね。今の君なら」

 その陣内家を壊滅に追い込んだのが俺だと言う事をこの人は知っているのだろうか?

 しかも今回は制御不能の自分がいつ彼等を殺すのかも解らない……

「危険を承知で、あなたは俺を助けたいのか!」

「…ああ、父親だからね…僕は。それに、陣内って言ったって普通の人間だよ」

 信一さんの言葉が、脳裏に響いた。

 俺はフッとはにかんで、額に手を当てた。まだ、人間である体温は残っている。

 改造された体だが、人間だ……人間なんだよな…

「……任せていいんですね、俺」

「家族じゃないか…君を元に戻す、方法はいろいろあるから試して見ようよ」

 信一さんは、笑顔でそう言って見せた。本当、この人は……

「今は帰ろう、榊君…明日から色々対策を立てようよ…ちょうど大学の方で休暇を取った所だからね」

「………はいっ!」

 

 そして、怪人達が本当にいないと言う事を、俺は確認してルガーで信一さんと我が家へと帰ることにした。信一さんは最初子犬だったルガーがバイクに変身するのをかなり驚いていたが、はははっ(苦笑)で全てを丸く収めたようだ。

 

 だが、この事は…秋子姉や春奈姉には黙っておいてくれるらしい。動揺させたくないし…悲しませたくないからな……俺が人間ならざる者に変えられたなんて、特に秋子姉には…絶対言えない。

 その事を肝に銘じながら……俺は、我が家に帰郷した。ルガーを子犬に戻し頭の上に乗っけて玄関に入る。

 

「信一さん、秋子姉と春奈姉は寝ていますよね」

「うん、寝てる」

「作戦会議……と行きますか?」

「でも、明日のほうがいいんでは」

「俺には、時間が無いんでしょ………自分の体だから、死期が近い事くらい解ります」

 左腕がさっきから疼いている…、変異するごとに俺の指揮が近づいている事は絶望的なくらい把握している事だ。

「……君と言う男は…でも休息は必要だよ、今日は寝たほうがいいよ」

 信一さんに言われると、疲れがどっと出てきたように感じられた。

 確かに、信一さんの言う通り休息も必要だ……いつ奴等がここを嗅ぎ付けて襲ってくるやも知れない、それから守れる力は、皮肉だが黒狼しかないと思う……。変異する為には多量の体力を消費するかも知れない…腹も減ったな。

「……腹減った」

「そう言えば、退院してから何も食べてないよね。榊君は」

「帰ってからすぐに奴等を感じて走り出していましたから……」

「そうよね、まったく何処までほっつき歩いていたのかな…」

「「えっ?」」

 俺とは違う、もう一人の声が階段のほうから聞こえた。

「秋子姉、春奈姉っ!」

 階段の所に、秋子姉と春奈姉がそこにいた。

 俺に気がついた、春奈姉はずんずんと近づいて……

「あんた、友達ん家に行くんなら、一言いって玄関から行きなさいよ!」

「……春奈姉」

「秋子なんて、心配して今まで待っていたんだからね!」

「…マジですか?」

「おおマジよ…まったく」

 春奈姉の後ろで、恥ずかしそうに赤くなっている秋子姉を見て、物凄い罪悪感が襲った。

「……秋子姉、ごめん心配かけさせた…」

「………私の言いたい事全部春奈姉さんが言っちゃったんだけど本当に心配したわよ」

「…ごめん、秋子姉…」

 本当、俺バカだわ……申し訳が立たないくらい…秋子姉の事まったく考えずに…

「でも、今もこうして帰ってきたんだから、許す」

「秋子姉……」

「ご飯、あるわよ温める?」

「おおっ!すげぇ腹へってたんだ!頼むぜ、秋子姉」

「うんっ」

 そういう事で俺と信一さんは遅い夕食を取ることにした。

 

 ダイニング

「んぐんぐ……」

「しっかしまぁ…」

「良く食べるね、榊君…」

「お代わり、秋子姉」

「もう、空よ……榊、これで4杯目よ」

 俺はとにかく腹が減って減ってしょうがなくて、秋子姉の作ってくれた飯をたらふく食べていた。やはり変異の後遺症なのか、ともかく食べてエネルギーを溜めないとな。

 結局、俺は釜の飯を全て平らげて、ようやく満腹になった。

「胃の何処に入るのかしら……」

 春奈姉がからかうが、この体だから仕方ない……よな。

「んじゃ、風呂に入って寝るよ」

「お休み榊っ」

 春奈姉はふぁーっと大きなあくびをして、自分の部屋のほうへと向かっていった。

 風呂は秋子姉が沸かしたらしいな……

 風呂に行く途中で、信一さんとすれ違う。

「榊君、明日も早いし…今日は寝なさい」

「その前に風呂に入ります、食った後に寝ると太りますんで」

「そうだね、明日なんだけど…君の家系に詳しい人がいるからそこに行くよ」

「はい、陣内家の生立ちを知る所なんて、一つしか考えられませんからね……覚悟は出来てますし」

「場合によっては、三つ巴になる可能性だってあるんだよ」

 心配そうに、信一さんは俯いた。出来れば、あいつとは戦いたくないが…俺達は昔からそういう因果を持っているからな…三つ巴も避けられないかもな…

「やれるだけの事は出来るだけする…諦めたくないからな…」

「榊君らしいね…その人には電話はしておくからさ」

 でも、あいつはなんて言うか……俺の事。

 

 

 俺はようやく遅い眠りにつくことができた…。

 これからの事を考える……明日、何か収穫があれば奴等に対抗すべき力や、俺が死なずにすむように出来るかもしれない……でなければ、秋子姉が悲しむからな。

「…………」

 今はやれるだけやるしかない、俺のこの体がまだあるまでは……

 その事を考えながら、俺は…深い眠りへとはまって行った。

 











 

 ネメシス地下基地……

『黒狼を取り逃がしただと!?』

「申し訳ありませんっ!黒狼にあの糸が斬れるとは思ってもいなかったので……」

 黒狼を取り逃がしたことで、蜘蛛は世紀末王の間で説教を食らわされていた。その中には鬼塚と川澄の姿もいた。

「幹部クラスの暴走怪人を、量産型の怪人が回収できるわけ無かろう」

「そうね、彼はとてもデリケートだからねばねばした糸が嫌いだったらしいわね♪」

「うるせぇっ!外野は黙ってやがれっ!世紀末王様、次こそは黒狼の捕獲してまいりますっ!かならずやっ!」

『……黒狼は完全体に成らない限りは、寿命は我より少なき命ぞ…失態は許されん』

「くっ……」

「ならばその役目、私目にお任せを……」

「蝙蝠かっ!」

 蜘蛛はその声に気づき、天井を見上げた。天井に足をつきマントを羽織った男がそこにいた。

「あら、色男のご登場かしら…」

ばさっ!

 川澄がそう言うと、天井にいた黒服の男は床に翼を広げるように地面に降り立った。

『蝙蝠よ、遅かったではないか……ノルマは達成したか』

「ここに……」

 蝙蝠と呼ばれた男は、左腕をグッと上げる。手首に黒狼に変身する時の月影の石がそこにいあった。

『確かに……ノルマ以上の魂を入れてきたな』

「全ては、世紀末王様のお命の為……」

『うむ、大儀であったぞ』

「有難き幸せ……」

『これで、1千人分の人間の魂が集まった……蝙蝠よ、後で神の間のアグルストーンに魂を移すが良い』

「はっ!それと、世紀末王様……黒狼の捕獲はこの私目にお任せできませんか?」

『いいだろう、黒狼も我等同胞でもあり我が子でもある、早急に頼む』

「ははっ!仰せのままに!」

 蝙蝠はざっとマントを翻し、頭を下げた。

「ちっ……蝙蝠め…ぬけぬけと」

「あんたよりかは頼りになるんじゃないの?」

「うるさいっ!」

『我が同胞達よ!よく聞けっ、1千人の魂は集結し我が命の源はアグルストーンへと移され、究極の命へとなるだろう!だが、まだそれをいれる器がないっ…器を形成するには、新たなる命を産むべき母が必要となる!究極の体、アルティメットコアを産むに相応しい女を捜し!我が眼前へと!』

「「「「ははっ!」」」」

 世紀末王の言葉に幹部怪人達は敬礼した。

『そして、我が同胞である黒狼を捕獲しなんとしても、脳手術を成功させるのだ』

「「「「ははっ!」」」」

 











 

翌朝、水瀬家

 

「うん……」

 今日はめずらしく早く起きて、俺はカーテンを開けた。

シャッ!

 眼に刺すような朝の光が飛び込んでくる。

「黒狼に変異するようになって、体質も変わってきたのか……」

 日光から眼を手で庇い、俺は服に着替えた。

 今日から、反撃が始まるのか……それとも、三つ巴が待っているのか?

 どちらにせよ、俺がこの体である限り…全てはいつまで経っても終わる事がない……

 ネメシス…世紀末王は、絶対俺がぶっ飛ばす!

 

 

 

 

 ToBe

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データ集

怪人集01

蜘蛛(くも)

主体 タランチュラ

人間名 雲海 有(うんかいたもつ)

身長 196センチ

体重 112キロ

パンチ力 1トン

使用武器 トリプルクロー(六本腕の爪)蜘蛛の糸

必殺技 デストスパイダー(蜘蛛の糸で絡め、毒牙で止めを刺す)

ネメシスの伍幹部怪人の内の一人、アマゾンに生息する毒グモタランチュラを主体に人間、雲海 有を改造した怪人。特徴は背中に4本の腕を持ち合計して6本の腕を持っていて、それぞれに鋭い爪がついて四方八方からの攻撃が可能。蜘蛛の糸は粘着力が優れ、ネット状に吐いて敵を捕らえる。また、その糸で巨大な蜘蛛の巣を作りそこで捕らえた人間を自分の能力で蜘蛛人間へと変えてしまう。勝つ為には手段も選ばない非情な性格を持つ。

量産型怪人は、地上系の怪人が主

 

量産型怪人(豹)

主体 ヒョウ

身長 198センチ

体重 100キロ

パンチ力 50キロ

使用武器 スラッシュクロー

上官 蜘蛛

 

ネメシス五幹部、蜘蛛に配備された量産型怪人。運動性と格闘力を重視して作られた。足に念動力を加えて100mを5秒で走れ、キック攻撃が得意。
種類が多く、隠密性を重視した黒豹や、ジャングル戦を目的とした邪牙(ジャガー)、攻撃力とか装甲を全て運動性に継ぎこんだ血汰(チーター)とかがある。『チーターは、100mを1秒で走る』等、蜘蛛には地上系の量産型怪人が多い。

 

あとがきっす

ゲスト:あきこすぁん

どうも、後書きたいーーーーむ!

秋子「本格的な戦いになってきましたね〜」

はい、本格的にならないとライダーではないでしょう。

秋子「でもまだライダーには程遠いですねっ…」

まだ変異体ですから…、榊君の成長がこの話で折り込めますので!

秋子「でも、榊はデリケートな人でしたからね」

くっ……さすがは、夫婦。

ともかく、今回は……榊君たちが住む世界観について語りましょう。

秋子「はい、よろしくお願いしますね」

この仮面ライダー黒狼の世界は、『スーパーヒーロー作戦ダイダルの野望』でのライダーエリアが榊君たちの住む世界になります。

秋子「だから、榊はライダー達に助けられたわけね」

はい、過去に榊君は過去にライダー達に助けられています。そこから考えて…榊君は昔は生田市のアミーゴに何年か住んでいたと言う事になります。

時代背景は次回の後書きにやるとして、ライダーエリアも時代が過ぎて結構変わりました。

 

生田市 アミーゴ閉店
平山市 新拠点、水瀬家がある
上原市 植物園が一大テーマパークに…人口増加
長堀市 城南大がある
折田市 ジグロ本社ビルがある
川吉町 天元神社がある
木原市 倉田観奈美の家がある
月影市(元月影山)日本有数の温泉街となる。ネメシス本拠地がある。
地獄谷 観光スポット(※ショ注意)
砂漠地帯 観光スポット(※ショ注意)
ディアブロキャンプ場 閉鎖(※ショ注意)
 

※野良ショッカー出没注意の看板が立ててある。

 

秋子「あら、野良ショッカーって何ですか?」

ほら、ダイダルの野望で、アミーゴに帰る途中でよくランダム戦闘に入るといっつもショッカー戦闘員が出てきますあれです。ダイダルが崩壊して、次元も元に戻ったのにもかかわらず性懲りも無く野良犬の如く現れるというんです。ショッカー残党兵のまた残党です。

秋子「もしかして、地獄谷の売店で名物のショッカー饅頭を売っている変な仮面を被った人達ですか?」

あ、少数のショッカー戦闘員は改心して真面目に働いているようです。なあみんな…

ショ「いいっっ!」

秋子「あらあら、皆さんおそろいで」

巷では、ビジュアル系のバンドならぬショッカー系のバンドがあるらしいです。

秋子「あっ、商店街で街角ライブをやっていた変な仮面をしていた人達がそうね」

と言うわけで、ショッカーの皆さんは…真面目に働いている人もいれば、相変わらず野良犬のように潜んでいる人もいます。だから、よく地獄谷に観光する人にはこの看板を見せるのです。

秋子「Y(ヤクト)団の従業員さんも殆どショッカーの皆さんですね」

ショ「いいっーーー!」

こいつ等も野良ショッカーが改心した人達です。

秋子「それでは、皆さんに差し入れです」

はい……なんでしょう。

秋子「これです♪」

こっこれは、濃厚どろり…(汗)

ショ「いいーーーーっ…(人数分)」

しかも……謎ジャム味…(どろっとした口当たりで、失神するほどの美味しさ)

しっ…失神するほどの美味しさ!?(汗)

秋子「自信作ですわ、皆さんお仕事大変そうですから…おすそ分けです」

ショ「いい〜(汗)」

秋子「あら、遠慮はいらないのよ、それではお夕飯の支度がありますのでこれで」

 

さよーならー…(秋子退場)

ショ「………首領どうしやす…」

捨てようにも絶対何処かで監視されているさ……ここは、選択肢は一つしかあるまい…

 









 

現在水瀬家

祐一「おーい、名雪…ニュースであのY(ヤクト)団が全員意識不明だと」

名雪「ええっ…首領さんも?」

祐一「殺しても死なないY(ヤクト)団首領が意識不明だからな…よほどの事だぜ」

 

玲子『なお、Y(ヤクト)団の従業員全員がうわ言のように「じゃむ…」と訴えている事から、警察では未確認生命体の線も調べていますが、ハッキリとした事は解っていません』

 

名雪「…ジャム?」

祐一「ジャム?はっ!!」

秋子「ふふーん♪♪」

 

 つづくかな?

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