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………
水の音が聞こえる。
暗く、先の見えない闇がまた俺を包み込んでいる。
まったく、たちが悪い……再び俺の腕に絡みつく漆黒の鎖…
子供の頃もよくこんな風にして、鎖に縛られて拷問を受けてたっけ…
今となっては、ただの面白くない断片的な思い出だが…
今となって、こんな風に思い出す物なのかよ……
ちくしょう…本当にたちが悪いぜ、咲耶のじいさん…
意識がハッキリしねえ……俺…本当に封印されちまったのかな……
なあ咲耶……本当にあれは咲耶か?聞こえたら何か言ってくれ…さくやぁぁーーーーー!!
「はっ!?」
俺が勢いよく、起きあがると……そこには…
仮面ライダー・黒狼
第4章後編『巨鳥』
食事の乗ったお盆を持ってきた、咲耶がきょとんとした顔をして鎖で繋がれている俺をじーっと見つめていた。
「咲耶…お前、どうして……」
「お食事です」
咲耶は驚くそぶりも見せずに、さらりと俺の台詞を返した。
「はい?」
「榊がお腹空いたと思いまして」
「確かに……腹は減ったけど……」
正直、今は食いたくない……
「第一、この格好でどう食えって言うんだ?ご覧の通り……俺は鎖でつながれているんだぜ」
「それなら、食べさせます」
咲耶は、無表情で茶碗の飯を箸で持っていき俺の口元に持ってくる。断るわけにもいかないので俺は仕方なくその飯を口に入れる。
「今はあんまり食う気になれないんだが……」
「では口移しで食べますか?」
「遠慮しときます……」
咲耶ならやりかねないなと思いとりあえず、飯を食うことにした。
俺が食いたいのを指定すると、咲耶が箸で持ってきて食べさせてくれる。何とも便利だが……居心地が悪いし、何しろ腕付きがゆっくり過ぎる……
「んで……今の俺の状況、見えてるのか?」
「はい、見えてます……」
飯を噛み締めながら、そう言うと、咲耶は少し暗い顔をして…
「ごめんなさい……」
「なんで咲耶が謝るんだよ、悪いのはあのじじいだろが…」
「お爺様は普段は本当に優しい人なんですが……」
「ですが?」
「あなたや、陣内家の話になると…夜叉のように人が変わるのです」
「………なんだと?」
「数ヶ月前までは、お爺様とは普通に接してきました……陣内家の壊滅を聞いた日も、お爺様は黙祷を捧げ……天に召されるように祈ったのです。それが、あなたが出現してから…急に人が変わったように……呪術の訓練が厳しくなりました」
呪術か……陰陽道である天野家ならでわの能力か…んじゃあこの鎖、呪術で操られているのか?だから引き千切ろうとしても…切れないのか…
「だけど、そんなに……善人がすぐに人が変わるものなのか?」
「解るんです……お爺様から邪悪な波動を感じるのが…」
「邪悪な波動か……何か思い当たる事は、それだけか?」
「はい、それ以外には特に…」
だとしたら、あのじいさん……ネメシスに…まさか俺をこの方法で戻そうと言うのか…
ちくしょう…それだけの為に咲耶まで巻きこむ気かよ!
そうだ……信一さんは!?…確か、さっきじいさんに…
「咲耶っ!信一さんはどうした!」
「ええ……水瀬さんなら、先に帰りましたけど」
「なんだと……」
咲耶の表情からすると、本当か嘘かどっちか解りにくい……多分、ここの何処かに監禁されているだろう……こうしちゃいられないっ!
「咲耶っ!この鎖どうにかならねえか?」
「私達天野の呪術は懸けた者でしか解く事は不可能です……」
結局は、あのじじいをぶっ飛ばさなきゃこの鎖は解く事は出来ないのか……
「じじいは何処だ……」
「今しがた…ジグロと言う兵器開発の会社の社長さんが来て…この上の御堂で話しています……なんでも空魔怪冶と言う人が来まして」
「ジグロ社!?」
それって、ネメシスの表の組織名じゃねえか…俺を連れに来たのか、万事休すか…
だが……今なら変異も可能なエネルギーも溜まってるはずだ。だけど、ここで変異したら咲耶を遅いかねない……どうする。
・
・
・
・
御堂
座布団に座り、老人と中年で渋めの男が睨み合っている。宮司とジグロ社の社長…空魔怪冶だ……お互い1歩も引けないような形相だ。
「さて、何処まで話しましたっけ……あなた達天野家は元来…先祖から受け継いできた能力を今でも持っていると聞きましたが……」
「そうです……それはこれからも我等が果てるまで尽きる事はないでしょう…そなた等は何用で我らの呪術のことを聞きにきた……インタビューでもあるまいな…」
「あなた達、天野家秘伝の呪術が是非とも私達の兵器開発に必要不可欠な材料なのです」
「ほう……それは何故に…」
宮司が聞き返すと、空魔はにたりと微笑み……
「呪術のエネルギーとはまさしく未知……人類の謎とも言います…その奇跡の力の秘密にはかなり興味がありまして……もしかしたら、人類の追い求める永遠の命の鍵がその力に秘められているのではと……あ、失礼私とした事が…非科学的な事を……ですが、あなた達を見ていると、どうにも非科学的と片付けられない所が多い……是非、その力我等にお貸しできませんかね……」
空魔が不気味な笑みでそう言うと、宮司もにたりと微笑み……
「永遠の命か……人間とはつくづく愚かなり…金とか名誉の為に新たな力を欲しようとしているとは……」
「時代は常に新たな力を求めているのですよ……天野さん。この新しいエネルギーで革命が起こるやもしれん…」
「革命か…それはおたくらが勝手にやってくれたまえ……わし等は関係ない」
その時、宮司は空魔から邪悪な波動が放出されているのに気づいた。
(こやつの気只者ではない……やはり、水瀬や小僧の言った通り…ネメシスと言うものか)
「何か……」
「いや、それにお主は他に目的があってここに来たようだが……」
「他に目的?…私がここに技術提供に来ただけと思わないというんですか?」
空魔はそう言うと、くくくと笑い出し…徐々に高笑いに達してきた。
「あははははははっ!これは参りました…私の心の内を悟られましたね……そうです、私達は後二つ目的がありましてここを訪れました、一つは…女」
「女?咲耶の事か……」
榊視点に…
やはり、封印が施されているからか……黒狼のいつもの声が聞こえない。それどころか変異の兆候である左腕の痛みも無い…
黒狼の力も減量されてしまったのか……まったく体に力が入んない。
「なあ、咲耶……俺、これからどうなっちまうんだ?」
「私にも解りません…でも、この状態を保つ事事態不思議な事です」
「どういう事だ?」
「封印の鎖に繋がれた者は術者が死んでも永久にその呪縛からは逃れられない。話す事はおろか……動く事は不可能。でも、その魂は永久に生き続け…永遠の闇の中に葬られるであろう…お爺様から、この術は禁じてだと聞きました。榊がこうして話している事事態奇跡的なのです……」
まっ、永遠の闇とやらに行けないだけましだって事だな……何となく納得してしまう。
俺が首を縦に振ると、咲耶は後ろを向いて去ろうとした。ん?あれは……
「おい、咲耶!」
「はい?」
俺が見て、咲耶は後ろの首筋にある変に小さな機械に気づいてないのだろう…
「榊?どうしたんですか?」
「ああ……行くんだったらよ、暗くしていくなよ」
「そのつもりです…ろうそくが消える頃にまた来ます……」
「頼む…それと、咲耶」
「はい?」
「どんな風になっても……咲耶は咲耶だよな…」
そう聞くと、咲耶はまた赤くなって俯いて……
「はい…私は変わりません」
「それならいいんだけど……俺ら友達だよな」
「……友達?」
そう言うと咲耶の頭が少しぴくっと動いて…
「少し……しょ…昇格できませんか?」
「はい?」
何の事を言ってるんだ?咲耶は……
「私は……榊が好き…敵だと教えられても、私は……」
「………」
俺は驚きのあまり、言葉を失った。咲耶が俺を!?でも思い当たる事もいくつかあった。
だけど、こう言う時俺どう言えばいいのか判断出来ずに…ただ呆然と咲耶を見つめる事しか出来なかった。
「……ま…また来ますっ!」
咲耶は顔を真っ赤にして、地下室の階段を駆け上がって行った。
うーん…どうした物か……
だけど、今ここで咲耶を止めとくべきだったのだろう……。
「ちくしょう…この鎖が外せれば!」
そう言うと俺は、鎖がどこに繋がっているのか探し始めた。
やっぱ、引き千切るしかないのか……だけど、黒狼に変異も出来ないとなると…
どうしようもないな……でも、どこかに信一さんが監禁されているのは確かだ……
それに、もしかしたら……咲耶のあの首の根元にあったおかしな機械…あのじいさんに取り付けられている物だとしたら……
「じいさんの言った事はマジらしいな……」
俺はそう思いながらも、鎖を解く方法を探すことにした。
「女?咲耶の事か?」
「ご察しの通り……私の雇い主が自分の体を産んでくれる女を探してくれと、私に言って来ましてね……その咲耶さんを少しの間だけ貸して頂けたいとこうして参上仕りまして…まことに失敬ではありますが……」
紳士的に宮司に詰め寄る空魔……宮司は空魔の手を払いのけて……
「ならぬ……咲耶は大事な跡取娘だ、お主らの都合がどうであれ…渡すわけにはいかんな」
そう言うと、空魔はふぅとため息をつき…話題を変えることにした。
「もう一つは、少年が一人訪ねてきませんでしたか?黒めの銀髪で狼のような目付きをした少年が……」
その少年こそ、今この地下室で封印されている榊その物だった。
「………存じないな、ともかく…咲耶もわたせんし、技術提供とやらもできん!帰ってくれぬか!?」
宮司はそうきつく言い放つと…空魔はにいっと不気味な笑みを浮かべて…
「………ふふふ、できればエレガントに話し合いで事を進めたかったんですけど…無理のようでしたね…天野さん」
「……ならどうする、力ずくでも協力させる気か?」
「ははははははははっ!傑作だ……何処までも人の考える事がお見通せるのが得意なお方だ……ただな」
不気味な笑いを浮かべた後、空魔は立ちあがり……絞め切られた障子を開けて、夜の空をさらけ出した。
「ネメシスに逆らった罪……死して償わせてやろう!」
空魔はマントを翻すように背中から蝙蝠の翼が現れ…漆黒の空へと舞い上がって行った。
「そうか、それが主の正体か……化け物め」
宮司は外に出て、怪人と化した空魔を目で追った。空魔は翼を羽ばたかせこの神社で一番高い一本杉のてっぺんに降り立った。
『人とは非情と言う物ですよ、天野さん……あなたの野心には共感が持てますが…どうも、私らとは馬が合わなかったようだ…いいでしょう…ネメシスの幹部怪人、蝙蝠が直々にあなたを永遠の闇へと誘いましょう……』
蝙蝠はそう言うと、自分の両腕もまた翼に変えて4対の翼を羽ばたかせ……漆黒の闇夜へと飛びあがった。
「蝙蝠か、手強そうな相手じゃ……咲耶…」
「はい……お爺様」
宮司が後ろに控えていた咲耶を呼んだ。
咲耶は、これまでの表情とは違い……眼の色が変わり、もはや感情の無い人形のように見えた。
「あのうるさい蝙蝠と鴉を蹴散らせ……」
「はい……お爺様」
宮司の言葉に無表情で返し……持っていた剣を持ち、彼女は月の照らす夜空の下へと降り立った。宮司はそれを確認すると、榊の要る地下室へと降りて行った。
『ん?あの女……今回の獲物が自分から出てくるとはな…だが、天野が孫娘に任せると言う事は…天野の力も時が過ぎると衰える物か……それであの孫娘に戦わせるか…、美しくないねぇ………鴉天狗五人衆!』
『『『『ここに』』』』
蝙蝠が呼ぶと、4人の色違いの服を着た鴉の量産型怪人が姿を現した。
『手柄を君達に譲ってやろう……あの娘を捕らえよ!』
『『『『ははっ!』』』』
『だが相手は、天野の跡取娘……抜かると量産型怪人でも一溜りも無い、よってVR−19XX改の出撃を黒に言い渡す…黒が到着する間にあの娘を捕らえられるかな?』
『『『『ははっ!』』』』
4人の鴉は、蝙蝠に敬礼すると、素早くその場から消え去った。
そして、4人は四方に散らばり、無表情で佇む咲耶に向かって襲いかかってきた。
「………鴉が…四匹…」
咲耶は、自分の腰にかけてあった両刃の長太刀を引きぬくと天高く上げた。
ドォォーーーーン!!
地下室
地面が揺れ…地上の方から何かを爆発させたような音が聞こえた。
「なんだ!?今の音は…咲耶!どうした!」
俺は咲耶の名を呼んだが、地上からは何も応答は無い。
今の状況がわからず、俺は腕の鎖を引っ張ったが…切れる気配は無い。
「ちくしょう…コイツが外れれば……」
黒狼の力も封印されてるから全然力もでねえ……外の様子が知りたい…
「それが外れる事は無い……」
「なっ!?あんたは…」
階段の向こうから、あのじいさんの声が聞こえ…そして暗がりから、じいさんが現れた。
「ようじいさん……今上どうなってんだ?」
「ふん、お主には関係無い事だ……」
「ダチが上にいんだよ!教えやがれクソじじい!」
俺は今にも飛びつかんとする勢いで叫ぶ。すると、じいさんはくくくっと微笑…
「わしの孫がうるさいコウモリと鴉を退治している所じゃ…、あの子の事じゃ。4分もあれば片付けてくれるだろう」
「んだとっ!?咲耶一人に、何人もの怪人を相手にさせてんのか!それでもあいつの祖父か!?」
「天野家の力を舐めてもらっては困るな…あの子は主が考えている以上に強い」
「てめえら……自分の力に過信しすぎてんじゃねえか?」
「自分を過信しているのは貴様ではないのか?陣内 榊……」
スチャ…
じいさんは俺の首に両刃の刀の切っ先を首の根元にやった。
「そうさ……俺は自分の力に過信していた…だからこんな体にされた。それで自分のせいで大切な人を巻き込もうともしている…俺のせいで傷付くかも知れない奴がいる…俺はそんなの絶対いやだ」
「それが陣内家に生まれた者の運命と思え……」
「ああ……ガキの頃から耳にたこが出来るくらい、兄貴達に聞かされたさ…陣内家は人殺しの集団だってな……だけどな!てめえは、咲耶の力で人間を破滅させようとしてやがる…自分の力じゃ無くてな……」
「ぐっ……」
じいさんは、不適な声を上げる。
「なんだ?本当の事言われて、頭来たか?」
「黙れ!!ふっ…こちらはうるさい虫でも、駆除するか?どうだ?」
「ちっ……」
黒狼に変異さえすれば……こんな鎖…
『ぎゃーーーーーーっ!』
ゴォォーーーッ!
量産型怪人、鴉天狗の一匹が炎に包まれ地上に落ちた。
『青っ!!あの小娘……手強いぞ!』
『あれが、過去陣内家と並んでいた勢力の一つ天野家の力か……ほんと、アルティメット・コアを産むには、最適な女だぜ……』
外では咲耶と鴉天狗たちの激しい攻防が繰り返されていた。鴉たちの攻撃は咲耶の呪術で悉く返されて、手も足も出せない状況だ。
『どうする……一斉で懸かってもさっきの結界で防がれるだけだぜ…』
『近づけば、さっきの炎の札を投げられるだけだ…』
「何処を見ているの……」
ゴォォォー!!
昨夜の腕から、炎の札が放たれる、鴉たちは間一髪の所で避けたのはいいが、彼女の攻撃力は鴉には侮れないほどだ。
『ちぃっ!調子に乗りやがってっ!!』
“どきな!雑魚ども、俺に任せろ!!”
『なんだとっ!?』
『この声は黒か…と言う事は…』
ギュィィィィーーーーーン!!
飛行機のエンジン音らしき音が鳴り響き、上空から何かが飛来する。
『キェェェェェェェェェェッッッッッーーーーー!!!!!』
それは、巨大な嘴を開き息が続く限りの、咆哮が闇夜に響いた。
外装は鋼鉄でできているが、だが生物的な部分もあり…黒い巨大な鳥とでも言った方がいいだろう。
『やっぱ…これは戦闘機と言うより怪鳥だな……』
『蝙蝠様の能力か?』
すると、月で隠れていた蝙蝠が飛来してその巨鳥が到着したのを確認すると…
『天野を探せ……あの男の前で、この巨鳥を見せてやろう』
『蝙蝠様っ!その役目……我に』
『よし、銀行け!こちらは私も参戦しよう……多分天野の所に、黒狼もいるだろう…』
『ははっ!!』
鴉天狗の銀は、敬礼して神社の中に進入して行った。
『さて、天野のお嬢さん……我々とご同行願いましょうか……』
「……黒狼…榊…………」
その頃地下では…
俺の首筋に、じいさんの両刃の剣が触れる。
いつでも殺れるって事だ……だったら言いたい事はっきり言わしてもらうぜ…
「てめえは、咲耶の力無しでは生きられねえのか……」
「なんだと……」
「咲耶の力が無いと、敵も倒せないのか……天野も落ちぶれたもんだな…」
「黙れ小僧っ!そんなに死にたいのか……」
じいさんの怒りはピークに来たのか、俺の首筋に刃を伝わせる。
俺の首筋が少し切れ、血が流れる。
「俺は自分の家系が憎かった、人を殺し…金品を奪い…女を犯し…度重なる罪を幾年も続けてきた陣内家が憎かった!」
「自分の家系が憎い?笑わせる事を言ってくれるな小僧……」
「……今のてめえは、それ以下だ!何も知らない咲耶を操り、あいつの手を人の血で真っ赤に染めようとしている!この俺のように!」
「咲耶はわしの言う事を忠実に聞いてくれる、いわば操り人形だ……あの子の力があれば、人間なんて…虫けらのように潰してくれるさ…」
「…ふ……ふざけんじゃねえっ!!!」
俺はその言葉にカチンと来て…怒りが爆発し瞳は血のように赤くなり、獣の咆哮を思わせる叫び声を上げた。
左腕が痛くなり始めた、変異の兆候か……変異できる、だが…今はこのじじいを…許さない!絶対に……許さねえ!
「いいか、ゲス野郎!自分の野望果たしたいならよ!他力本願じゃなくて、自分の力でやりやがれ!!あいつは関係ねえ!咲耶はてめえ操り人形じゃねえ!普通の女の子なんだ!あいつは……俺のダチだ!勝手に人のダチを……巻き込むんじゃねえぇぇぇーーー!!」
「黙れっ小僧、ここで首を落としてやる!」
ブン!ガキィィィン!!
俺の首を落とすはずだった、俺の首に当たるが両刃の刀が音を立てて折れる。
「何っ!?」
「もうぶち切れた…いいか、俺は大切な人達を自分の手で守ってみせる!決して俺は、大切な人を傷付けさせねえ!俺の!この力で!!ぐぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーー!!」
俺は、全身の力を振り絞って腕の鎖を引っ張った。
「なっ何をするつもりじゃ!?どんな事をしても、わしの術はとけん!」
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーー!!!!!!」
ミシ…ミシッ……
壁が軋む音がじいさんの耳に聞こえ、じいさんは急に苦しみ出した…
「ぐぅぅっ!術が、わしの封印の呪術が……解かれて行く…もしや、この小僧の能力は…ぐはっ!」
ズガァァァァァァン!
ついに、壁が粉砕して鎖が俺の手から外れ床に落ちる。
体に自由が戻った瞬間、……俺は両手をクロスさせる。すると、左手首にあの腕輪が現れ……そして、俺は叫んだ。
「変異!!」
叫んだ瞬間、俺の意識は暗闇に飲まれて行った。
宮司と榊のいる地下室に入って行った量産型怪人…鴉の一人が地下室の奥へと辿りついた。そこには気を失ったかと思われ倒れている宮司の姿しかなく…榊はそこにはいなかった。
『黒狼は……黒狼は何処に消えた!!』
鴉は血眼になり周りを見渡したが、何処にも榊の姿はない……
『ここにはいない……の…か…』
鴉は突然背後に、とてつもない寒気を感じその嘴をカタカタと鳴らした。
『いっ……いた…』
………クラッシュ・ファング………
ガシュッ!
『うぎゃゃぁぁぁぁーーーー!!!』
丁度その頃、咲耶は蝙蝠とVR−19XX改の攻撃に耐えきれなくなり、その場に倒れていた。辛うじて命は取り留めているが虫の息だ。
蝙蝠達は、倒れた咲耶を見下ろしてそれを確認した。
『ふっ……私とした事が…少し手荒に女性を扱ってしまった…』
『ですが、これで目的が達成されましたね!!』
『この女を使いアルティメット・コアが完成すれば……私の地位も上がり、お前達も大幹部に昇格できる……』
不適な笑みを浮かべる蝙蝠……
『蜘蛛や蛇に先越される前に手柄はいただきっすね!』
『蛇はともかく……蜘蛛に先を越されるのは黙っておけん……それに、鬼塚にもな』
蝙蝠がいい終わると、空を飛んでいたVR−19XX改から無線で黒の声が蝙蝠の耳に届いた。
“蝙蝠様!その女、巨鳥に収容して先に本部に行きますか?”
『待て……黒狼も捕獲してから撤収する…多分、天野の首も銀が取っているであろう』
“了解!着陸します……”
VR−19XX改が地面に、着陸しようとした次の瞬間だった。
『ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!』
神社の地下室から、巨大な咆哮が外に漏れてきた。
『なんだ、この咆哮……まさか…』
『銀……しくじったか!』
咆哮が収まり……闇夜に冷たい緊張感が走った。神社の中から爛々と光る赤い二つの眼が見え……肉食獣の荒い息遣いが聞こえ、神社の外に鴉の首を持った黒狼が姿を現した。
『ぐぅぅぅー……』
『黒狼……なんて美しい体だ…』
黒狼の勇ましいその姿に、蝙蝠は見とれる……
『さぞかし、いい血が飲めそうだ!!行け!黒狼を捕らえよ!』
『きぇぇぇーーーっ!』
『くわぁぁぁーーっ!』
外に出てた残りの鴉達が、一斉に黒狼に向かって襲いかかる。
『グワウッ!!』
ドスッ!
黒狼は、手に持っていた鴉の首を放り投げ、左腕の爪をストライククローに変形させる。
『ぐぉぉっ!』
バシュッ!ガシュッ!
黒狼は一気に、ストライク・クローを振り襲いかかってきた鴉2体を簡単にいなして、上空の蝙蝠に向かって飛びあがった。
『おおおおおっ!』
上空でストライク・クローを蝙蝠に食らわせようとする、だが空を飛べる蝙蝠は直線攻撃のストライク・クローを避ける。
『くぅぅっ!』
『攻撃力は高そうだが…黒狼よ…空を飛べなければ意味があるまい!食らえ…キェェェェェェェェェェェェェ!!!!』
蝙蝠は口を大きく開け、耳鳴りがする程の強力な鳴き声を発した。
『ぎゃぅぅっ!』
黒狼は、その声に凄まじい耳鳴りを感じ…地上に落ちた。
“そこだ!!”
『くわーーーっ!』
ダダダダダだダダダダダダッ!!!!
VR−19XX改の右翼から、バルカン砲が発射され…マヒしている黒狼の体に直撃した。凄まじい攻撃力に、黒狼は吹き飛ばされ…、建物に直撃する。
『ぐぉぉぉっ!』
“ミサイル、発射準備…これで終わりにしてやる…”
『くえぇぇっ!』
VR−19XX改は翼を羽ばたかせ、黒狼の倒れた場所へと向かって行った。
『黒狼もこれで終わりか……よし、次立ち上がった時に超音波でマヒさせる…手柄はくれてやろう…』
“ありがたきお言葉……ミサイル、ターゲットロック…”
サーモグラフィーが、黒狼の高い体温を感知し、ターゲットのサイトにロックされる。
瓦礫のそこから、黒狼が立ちあがり……VR−19XX改を見上げる。
『ぐぅぅっ…ぐぁぁおっ!』
『きぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっーーーー!!!』
蝙蝠から超音波が放たれ、黒狼の耳に届く瞬間…黒狼は息を大きく吸い…
『ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!』
ありったけの力で、蝙蝠とVR−19XX改に向かって咆哮を上げる。それは蝙蝠の超音波を分散し……打ち消してしまった。
『なんという事だ……私の超音波が、打ち消されただと……』
“蝙蝠様!大変ですっ!先程の咆哮で巨鳥の計機に異常が生じました!”
『きゅぅぅーーっ……』
VR−19XX改は、動きが鈍くなり…徐々に高度が下がってきた。
『すぐ直せっ!』
“ははっ!”
黒がVR−19XX改の操縦桿を引き、離脱しようとすると……黒狼が上空から落下してVR−19XX改の頭部にストライク・クローを突き刺す。
『ぎぇぇぇーーーーっ!!!』
VR−19XX改は痛みからか、悲痛な叫びを上げ黒狼と黒を乗せたまま空の上で暴走してしまう。
“巨鳥制御不能っ!ミサイル誤作動!”
ズガァァァン!!
ミサイルが誤作動を起こし、左翼から発射される。発射されたミサイルは闇の夜空へと飛んでいった。
『何をやっている……役ただずが!』
蝙蝠は翼を広げ、VR−19XX改にの頭部にしがみつく黒狼に向かう。
VR−19XX改は黒狼を振り落とそうとするが、ストライク・クローが刺さり黒狼は落ちない。そして黒狼は激しい動きの中ストライク・クローでコックピット部分までよじ登り辿りつく。コックピット内の鴉を睨みつける。
鴉はそれに気付き…座席に隠しておいた拳銃を取ろうとした瞬間もう遅かった
“こっ黒狼!?……こっ…蝙蝠様ぁぁぁぁ!!”
バシュゥゥゥーーーッ!!
コックピットのガラスを右腕の拳で刺し貫き、その拳は鴉の心臓を抉った。
『ぐぉぉぉっ!』
コックピットは破壊されたが、VR−19XX改はまだ生きている。黒狼は刺した右腕で操縦桿を握り…強くひねると、VR−19XX改が旋回した。そしてジェットエンジンを作動させると、上空の蝙蝠向けて飛んでいった。
『何っ……まさか、黒狼が操縦しているのか…まさか、それを利用して…』
ズォォォーーーッ!
VR−19XX改は黒狼を乗せ、真っ直ぐと蝙蝠へ向かって行った。
『くそぉぉぉーーっ!』
蝙蝠は翼を広げ、迫りくるVR−19XX改から逃れる。
『私の早さに追いつけるか……』
『ぐぅぅぅっ!』
黒狼は操縦桿を持ったまま、頭部に足をつく。そして蝙蝠より向こうの夜空を見上げた。
キィィィィィィン!!
ミサイルだ……ミサイルは、黒狼をターゲットとして、真っ直ぐVR−19XX改へと向かってくる。肝心の蝙蝠は真っ直ぐ前からミサイルが来るのに気がつかない。
『こ…この音は…あれは!!』
ようやく気づいた頃には遅く、蝙蝠の目の前にミサイルが迫った。
『まさか……ここまで計算が尽くされていたのか!?ダメだ!間に合わない!』
黒狼は操縦桿から手を離し、ぶつかる瞬間VR−19XX改の背を蹴った。
そして、ミサイルは蝙蝠を挟みVR−19XX改に命中した。
ズガァァァァァーーーーーン!!!
上空で、大爆発を起こし…VR−19XX改は燃え上り断末魔の叫びが響いた。
『ぎぇぇーーーーっ』
その下で、黒狼は離脱して…地面に着地した。
『………ぐぅぅぅ、おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーー!!!!』
炎の雨が降る中、黒狼は勝利の咆哮をあげた。
変異が解け、俺は急いで天元神社へと戻る。あのでっかい鳥の化け物が撃ったバルカン砲で地面はめちゃめちゃになっていて…片隅に咲耶が寝ていた。俺は咲耶の首を抱き起こし……
「咲耶!…咲耶!!…」
『ふふふ、これで終わったと思うな……黒狼』
「何っ!?」
シュタッ!
俺たちの前に、ミサイルをまともに受けて黒焦げになったあの蝙蝠が降り立った。
『おかげで私の大事な新作を失ったではないか……許さんぞ、黒狼』
「ちっ……変異するエネルギーが足りねえ」
このままだと、二人とも殺されちまう……
『ぐっ…』
急に蝙蝠の動きが鈍くなり、奴は膝をついてしまった。
『さっきの攻撃で手傷を負ったか……』
『『蝙蝠様っ!』』
すると、潜んでいた鴉の怪人が二人現れ、膝をつく蝙蝠の元に飛来した。
『蝙蝠様!ここは一旦退却して体制を立て直しましょう』
『シャラップ!!私はまだ戦える!離せ!』
『天野の女は、アルティメット・コアを産むのには適正な体ではないと世紀末王様からご連絡がありました…それに日の出も近い…これ以上の深追いは危険かと…』
アルティメット・コア?なんだそりゃ…この前来た時は聞かなかったぞ。
『世紀末王様がか……ならば仕方があるまい…今日のところは引き返してやろう…黒狼、だが…次会う時は必ずやお前を捕らえる……さらばだ』
そして、蝙蝠と鴉達は羽ばたき、漆黒の闇へと消えて行った。
「………」
何とか、難は逃れたって感じだな。俺は倒れている咲耶に寄り…
「咲耶、大丈夫かっ!」
俺は咲耶の肩を揺さぶる。そうだ……咲耶は…
「コイツがあるから!」
俺は、咲耶の後ろの首筋についていた変な機械をガッと取り、放り投げた。
「これで……あのじじいに操られる事はないぞ…咲耶」
「さ……榊…」
俺の腕の中で、咲耶が目を覚ました。
「よかった……咲耶」
「榊…私は……」
「すまねえ…こんな事に巻きこんじまって…」
「あなたのせいじゃありません…ありがとう、榊……」
咲耶はそう言って、微笑んでくれた……俺はただ、咲耶と目線を合わせるだけで十分だった。それだけで、十分だった。
俺達の後ろに、朝日が昇って行った。
その後、俺は咲耶から信一さんが幽閉されている所を聞き、信一さんを助け出した後にあの地下室に眠るじいさんの元に行ったら…首筋に咲耶同様の機械があった。
じいさんも誰かに操られたって事だ……だが、さっきの蝙蝠と咲耶の行動を見ていると仲間割れというより…本当に最初から知らなかったと言った方がいい。ネメシスとは違う……何かが、じいさんと咲耶を何処からか操っていたのかも知れない……
俺の考え過ぎじゃなけりゃいいんだけど……
俺が知らない所で……別の組織が動いているってのか?
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ともかく、今回の一件は謎と言う言葉を残して終結した。
帰るときに神社の鳥居で俺と信一さんは、咲耶とじいさんに見送られた。
「今回は私達が、ご迷惑をおかけしました」
「まったくだぜ!」
「榊君…」
「お詫びと言ってはなんですが……もって行きなさい」
じいさんが、詫びのつもりで俺の前にあの俺の刀『正幸』を持ってきた。
確かに俺の刀だ……俺は、その刀をじいさんの方に押し戻した。
「まだ、いらねえよ……」
「なんですと!?」
「俺にはまだ必要ない…コイツは呪いの刀だ…もう少し封印しておいてくれ。本当に必要になったときにまた取りに来るぜ!」
「畏まりました……それでは、また地下に封印して置きましょう…咲耶」
「はい……」
じいさんに呼ばれ、咲耶が俺の前に出てくる。赤面しているのも当然だ……
だけど…俺は…
「ごめんな、咲耶…俺には守りたい人がいるんだ……だから、あの返事は…」
「いいんです、解ってました」
「何!?」
「榊が、私とは違う人を見ていたのは……最初から、解ってました」
「それじゃあ、なぜ……」
「榊と私はただの友達……そう言う意味です」
咲耶はそう微笑んでそう言ってくれた。そうだな……そうだよな、俺達はかつて敵同士だった。だけどそんなの関係ねえじゃねえか……俺らは友達なんだから…
「そだな!俺らはたんなるダチだよな。だったら…俺も咲耶が好きだぜ!」
「はい……たんなる友達です」
「はははっ」
咲耶と榊を微笑ましく見ていた信一と宮司は…
「水瀬さん……、やはり今の時代となっては陣内家も天野家の因縁は絶ち切れないのでしょうか……」
「多分…数百年の因縁は…絶てるかどうかは私にも解りません。……ですが、僕は信じています…榊君が運命を変える事を…」
「運命を変える少年……いい子を持たれましたな。水瀬さん」
「自慢の息子です…」
「それより、あの時私を撃とうとした拳銃は……あれは…」
「ただの水鉄砲です…脅してしまってすいません。あの時は非常時でしたし」
「解ってましたよ、水鉄砲だと言う事に…あなたのような人に銃は扱えません」
「そうですか……ありがとうございます」
そう言い、笑い会う二人。そして、榊と咲耶は…
「んじゃな……今度あいつ等が来たら、すぐ俺を呼べよ…早めに助けに来るからな!」
「……別に何も出しませんよ」
「知ってる!だけど、ダチだからな!手取り足取り守ってやるぜ」
「榊っ…」
「はははっ、行くぞ!ルガー」
俺はそう言うとそこに待機してあったルガーに飛び乗り、エンジンをかけた。
「じゃ、信一さん俺先戻ります!」
「うん、僕もすぐに帰るって伝えといて…」
「わかりましたっ!じゃーな咲耶!」
俺は咲耶達に別れを告げ…ルガーで車道へと出て水瀬家に帰ることにした。
当然その後、春奈姉と秋子姉にたっぷりとお小言を貰ったのは言うまでもない。
ToBe
Continue
登場人物紹介
天野断一郎
完全オリジナルで…天野咲耶の祖父で、天元神社の宮司を務めている。陰陽道としてはエリート級の腕前だったが、老いがその力を鈍くして後継ぎとして孫娘の咲耶にすべての奥義を授けた。普段は優しく包容力のある近所でも評判も上々。そのため全国から悪霊を御払いしてくれと言う依頼が殺到する時がしばしば……。
データ集
メカ合成獣ファイル01
VR−19XX改 (巨鳥)
主体 コンドル+迎撃戦闘機VR−19XX
全長 9メートル
重量 7トン
最大速度 マッハ2
搭載武器 嘴 バルカン砲 誘導ミサイル
搭乗者 量産型怪人、鴉天狗五人衆 黒
ジグロ社製の迎撃戦闘機VR−19XXを幹部怪人蝙蝠の能力で改造を施されて生物の細胞組織と機械をうまく合成させ自己進化させたメカ合成獣。通称『巨鳥』と言われて生物面も残すように羽毛が翼部全体に生え…頭部には嘴もあり近距離攻撃も可能。しかも脳髄まで持っていて…パイロットが死んでも活動する。誘導ミサイル搭載で遠くの敵も仕留められる。ハリヤーと同じように垂直飛行が可能で主体となったVR−19XXの目玉とも言え、航空自衛隊や空軍に配備される。
名刀『正幸』
陣内家に古くから伝わる刀で、裏世界では有名な刀。1000年前から伝わる代物で陣内家の次期党首になる際に、その刃を抜いた者が次期頭首となり莫大な資産を相続する事となる。その刃は1000年の年月で錆びて金属製の刃とくっ付いて抜けないが、次期党首となる能力者のみその刀を抜くことが可能で、漆黒の不気味な光を放つ。陣内家壊滅後、クライシス帝国、GOD、ゲドン・ガランダー帝国、デルザー軍団にと度々狙われ立花氏の死後…信一の手で天野家の地下室に封印された。
後書きのお時間でーすっ!
ゲスト:天野美汐
後書きタイムですっ!いぇい!
美汐「ぴーす」
美汐ちゃん、後書きタイム2度目ですが……今回はどうでした?
美汐「本格的な戦闘シーンが見れて良かったと思います……」
どうも、ありがとうございます。今回の戦闘は本当に映像が頭の中で浮かんだようなものですから。
美汐「特に、戦闘機との戦いは力を入れましたね」
はい、戦闘機との戦いは当初予定外でしたが、戦闘機とコンドルの融合機、メカ合成獣が頭に浮かんだとたん…妙にやりたくなりまして、あとそれから量産型怪人『鴉天狗五人衆』です。
美汐「これも予定外?」
はい、モチーフは戦隊物で量産型怪人の5人で構成させました。これもかなり力を入れました。あ、その一人がメカ合成獣の戦闘機を動かしていたんですが…どうでしょう。
美汐「でも、戦隊物はチームワークが最大の武器…この五人衆は組織性がまったく感じられませんが……」
それも、考えて…悪の戦隊は一人一人の野望のために動いているという設定にしています。
美汐「Y(ヤクト)さんには珍しい、力の入れようですね……あと力を入れたのは?」
あなたの母親、咲耶さんと主人公榊君のからみシーンですね…やはりこれも戦闘シーンよりは重要なポイントでしょう…主人公のヒロイン達とのからみシーンは…
美汐「でも結局はふられましたね」
………それ言っちゃーダメでしょ…
美汐「でも、気になるのは陣内 榊さんがなぜ陣内家を破滅させなければいけなかったのかと言う疑問点ですね……」
それは、外伝としてまた後々に出す予定です!
美汐「外伝編というのも、出す予定ですか?」
かも知れません……後、『ダイダルの野望』で出てきたライダー達が榊君を助けた話しとか色々外伝にして行きたいと思いますので……いつか楽しみにしててください。
美汐「結構楽しみ……です」
さて、今回は…黒狼(変異体)の必殺技について語っていきましょう。
美汐「必殺技ですか?」
はい、強いて言うなら多用する技と言いましょう。
01:ストライク・クロー
左腕の人差し指、中指、薬指の爪をブレード状に変形させ相手に斬り付ける技、量産型怪人戦に多用。
02:クラッシュ・ファング
巨大な口にある牙で首筋に噛み付き、首を粉砕する。食いついたら最後、死ぬまで離さない。使用する直前に技名が言われるのはこれと『滅殺斬』だけ
03:ウルフパンチ
左腕が使えない時に使うオーソドックスな右腕のパンチ技。
04:ウルフキック
敵との間合いが近すぎるときに使う離脱技、近距離から相手を階段のように駆け上がり頭か肩のところで力を入れてジャンプして離脱する。
05:咆哮
息を大きく吸い、飛びきり大きい吠え声を上げる。怪人や機械をマヒさせる。
06:滅殺斬
変異体では使用する機会が少ない技、大ジャンプの後に回転ながらストライククローで敵を滅多切りにするまさに必殺技。使用後かなりの体力の消費で榊に戻ってしまう。
とまあ、こんなもんです。滅殺斬は私の好きな必殺技の中の第一位の『大切断』をモチーフにしています。
美汐「やっぱりアマゾンが変異体のモチーフだったんですね」
まあ、そんなもんでしょう、野生ライダーとしたら…アマゾンくらいでしょう…
美汐「そうですね、でも見た事はないと…」
ぐっ……だが、大切断はめっさ好きなのだぁぁぁーーー!!
私の中で一位なんだぁぁぁぁーーー!!!
(走り去ってしまうY(ヤクト)団首領)
美汐「………帰ってしまいましたね…私も帰ります…」
<美汐、退場>
つづく