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闇……

 

闇に終わりが無いと解ったのはいつだったか…

 

人に必要とされないと悟った時から…

 

僕は、この刀で斬って来た…

 

自分の虚しさから、決別するため……

 

暗闇の中、自分を殺そうとして来る者達を斬殺してきた……

 

この黒い刀を、血で真っ赤にしても……

 

この頬に、真っ赤な血が飛び散っても……

 

 

“自爆装置、作動を確認、全戦闘員は10分以内に基地内より退去してください”

「僕の命は……あと10分か…思ったより怖く無いや……」

 僕はその時、諦めかえっていた……人や色々な物をこの刀で斬ってきた。

 当然と言っては当然の報いだと思った……

 その時だった。

バコッ!

 鋼鉄の扉が開かれた。まだ、僕を殺そうとする怪人がいるのか……

 僕は、刀に手をかける。

 

 そう思ったら……扉の向こうに光が見えた。

「………」

「本郷!この子は……」

「ああ…おそらく、ここに捕まっていたと言われている子だろう…」

「かわいそうに……こんな子供をこんな所に閉じ込めやがって!」

 変な、バッタみたいな仮面をつけた奴等が、4人ほど入って来た。

 二人は緑色で、少し違うが同じような仮面をしている、もう一人は赤い仮面の奴…二人とは違うが、この二人と同類だろう…最後の一人は、右腕が人の物とは違い仮面から人間の顔が出ていた。

 まさか……彼らが、あいつ等が言っている仮面ライダー達?確かもう一人いるとか言ってた……

 その神々しい姿に僕は見とれていた。

 

「君、名前は?」

「………」

 ライダー達の一人が、僕に話しかけた。その時、僕は始めて…死ぬのが怖いと思った。

「名前が無いのかい?」

「……た……けて」

「えっ?なんていったんだい……」

「た…すけて……」

 そして、僕の目から枯れたはずの涙が……止めど無く流れた。

「助けて……僕を、助けて」

 僕は話しかけてくれたライダーに泣きついた。

「もう大丈夫だ…」

 

 

 始めてだった…死ぬのが怖いと感じたのは……

 気がついたら、バイクの後ろでライダーにしがみつきながら、眠っていた。

 けど……あの刀は放さなかった…

仮面ライダー・黒狼

プロローグ中篇『視線』

 

 

「ん……」

「どうしたんですか?榊さん」

「いや、俺…一瞬寝ていたような気がする。なんとなく……」

 観奈美と中庭で昼食を取っていると、なぜだかそんな気がした。

 俺の忘れ去られた記憶の断片か……でも、今のって…

「榊さん、大丈夫ですか?」

「ああ、すこしボーっとしていたがな、大丈夫だ」

「そうですか。きっといつもの様に眠くなったんですよ」

 観奈美は俺の隣の席だからな、俺が授業中寝ている事も知っているのだ。

「良ければ、どうぞ」

「………何のつもりだ?」

「何って膝枕ですよ〜。榊さん、少し眠そうですから。ちょっと寝ても構いません」

 さりげなく爆弾発言を言ってくれるな、この女……

 

 そういや、物心ついた時から観奈美とこんな感じだったな。

 

 

入学当時・3ヶ月前

 入学式が終わり、俺は秋子姉の高校に通う事になって数日もしない頃。

 秋子姉に叩き起こされずに、その時は珍しく起きて秋子姉と登校して入る時だった。

 校門前が異様に騒がしいのに気付いた。

 

「なんだか騒がしいな……」

「そうね…野犬でも出たのかしら」

「野犬なんて出るのか?この学校に……」

「時々下りて来るのよ…去年も、先生が噛まれて大変だったわよ」

「はぁ?それはバットかなんかで刺激したんだろう、野生の奴等は刺激したら襲い掛かってくるのがわかんないのかな〜……」

「榊、解るの??」

 俺達は呆れながら、そのざわめきの方へと行った。

「おい、どうした…」

 とりあえず、手軽な奴に声をかける。

「ああ、野犬がまた出たんだ」

「あ、やっぱりね。校舎には入れないの?」

「それが昇降口を陣取っちゃったようなんだ…手も出ないから、保健所の人を呼ぶって」

「ふーん…」

 俺はその言葉を聞いた後、人ごみを掻き分け…その犬の方へと足を進めた。

「さっ榊!?」

 俺は、犬の方へと行き…腰を下ろすと、手を差し出した。

「さぁ、来い…いい子だ…こっちだこっち」

「榊っ何してるのよ!危ないわよ!」

「しーっ、秋子姉、刺激すんな……静かに」

 俺は指を前にして、秋子姉を止める。

「あの一年生、水瀬さんの弟?」

「弟さんなんて居たんだ…」

「……えっええ…変な子だけど…」

 そして、ゆっくりと犬を引き寄せ昇降口から遠ざける。

 俺の進路に居た奴等は、そそくさと退いて俺は犬を先導し、ある程度行った所で…指で合図をする。

 それを合図に昇降口に生徒達は入って行った。

「水瀬さんの弟さんって凄いっ!」

「なんか惚れちゃいそうっ」

「ちょっと、あの子はちょっと変な男の子だから…」

 後ろで秋子姉と同級生の人らしき女生徒達は感心している、いつしか…そこにはギャラリーが溜まっていた。

「よし、良くやったぞ。お前、前に人に飼われていたのか?」

 そう言って頭を撫でようとすると……そいつは…

かぷ

 …………俺の手をがぶりと噛みついた。餌と勘違いしたのか定かではないが…この瞬間一瞬空気が止まった。そして……

「………いってぇぇぇなこの野郎!」

パコーン!

「キャイーン!」

 犬は上空を舞っていた、俺の怒りの懇親の拳が犬にもろにあたったのだから……

 そして孤を描き、校門前に落下した。

「はっ殴り飛ばしちゃった…犬を…」

「水瀬さんの弟さんって、もしかしてきれやすいの?」

「あちゃー……」

 俺は、泡を吹いて目をぐるぐる回している野犬の元に行き…

「痛ってぇ…俺は撫でてあげようとしたのに、普通噛みつくか?」

「キューン…」

 じりっと犬を睨みつけながら話す。すると、背後に気配を感じ…

「あのー」

「なんだ、今この犬に言い聞かせている所だ……」

 俺が犬に説教をしている後ろで、誰かが声をかけた。

 女の子の声だと言う事は、秋子姉か?

「もしかしたら、お腹空いてるんじゃないんでしょうか……」

「秋子姉っ、いま大切な話しを……って、誰だ?」

「ふぇ?陣内さん?」

 この女の子…リボンの色からして、俺と同じ学年だな。にしても俺の名前を知っているとは……

「えっと、陣内さん?もしよろしければ、わたしのお弁当食べさせてあげてください」

「あいにく、俺はとっくに朝飯をすませてきた身でな、満腹だ」

「いえ、陣内さんではなくて……その子に」

 女生徒は俺の説教を受けている犬を指差している。

「こいつか?そうか、お前腹へってたなら、そう言えばいいのに」

「犬さんの言ってる事が解るんですか?」

「いや、全然」

「はえ〜…そうですか」

 なんかつまんなさそうに、俯いた。変な奴だな……俺も人の事言えた義理じゃないがな。

「それでは、わたしのお弁当を……」

「おう、さぁ…食ったら帰れ…」

 俺はその女生徒から弁当箱をもらい、開くと犬の前に置いたら犬はがっつく様に食べ始めた。

「うん、いい食いっぷりだ…気に入ったぜ」

「わうっ!」

「よしよし」

 俺は犬の頭をわしゃわしゃと撫でてやった。そして、弁当を全て食い終わった犬は何処へと去って行った。

 

「はぁ、完全に遅刻だな……って、まだ居たのか?」

「はい、お弁当箱を返してもらってないので……」

「あ、そうだな」

 俺は犬のために空っぽになった、弁当箱を女生徒に返した。

「んで、クラスは?見た所、俺と一緒の学年だが……」

「はい、1−D組の倉田観奈美と言います。陣内 榊さんであってますか?」

「1−D組……って俺のクラスじゃないか…それで俺の名前を知っていたのか……」

「席もお隣でしたけど、気付きませんでしたか?」

「いや、全然……」

 

 

 とまあこんな具合に観奈美と知り合ったんだが…あの後、俺は犬に噛まれた所を手当てさせてもらって……借りが出来たから、彼女に学食の牛丼をご馳走してやった。

 それからだな……昼飯は、観奈美と一緒に取っていたのは……

 そして……

「観奈美…悪いが、少し待っててくれないか?」

「はぇ?どうしてですか?」

「出て来いよっ隠れてないで……」

 俺が言うと、中庭の草むらや色々な所から…何人かのこの学校の者だが明らかに不良の集団とわかる奴等が次々と出てきた。

「そういや、お前等が出てきたな」

「まったく、いつも見せつけやがって……陣内よ、この間の借りを返しに来たぜ」

 そう言うと他にもゾロゾロと出てきた。

「ひーふーみー、ふーん…ざっと15人か、質より量って事か?この間より8人増えただけじゃないか……って誰だっけ…」

 リーダー格の鼻に怪我の跡のある奴に狙いを定めながら、俺は聞く。正直名前も聞くのも嫌だが…ってあいつ、最初もこの前も鼻殴られて伸びてたな…

「けっ、お前に2回も病院送りにされた…さい」

ドゴッ!

 言い出す前に、瞬間的に奴の前に現れ、顔面に拳を叩きつけた。

 いちいち覚えるのも面倒だから、パンチ一発でかたをつけてやる。

「榊さんっ!」

「観奈美、そこでじっとしてろ!主格が一番強いって決まっているからな……後はザコ…ただ数が多いのは頂けないな…」

 俺は校舎の影に観奈美を隠す。

「んだとっ!やっちまえ!」

「なめんなよっ!陣内っ!」

「ふんっ…」

ヒュン…ドドドドドドド!

 俺の攻撃で一気に5人程、倒れこんだ。

「面倒だから、20秒でかたをつけてやる…」

 

20秒後…

「ふう、弱い弱い…」

「榊さんっ!」

「…?」

 急いで振り向くと、そこにはナイフを持った奴等の一人が、観奈美を人質に取っていた。

「動くんじゃねえよ、陣内……動いたら、倉田のお嬢様の顔に傷がついちまうぜ」

「……榊さん…」

 観奈美の白い頬に野郎はナイフを押し当てる。

「観奈美……そのままの体制でいろよ…」

「ふえっ?榊さん?」

 俺の下に落ちていた小石に目を落とす……

「動くんじゃねえって言ってんだよっ!」

「ナイフを使わなきゃ勝てないようだな、ザコ……」

「んだと!んじゃあ、てめえのお姫様の顔に傷を作ってやるぜっ」

「観奈美っ!目を瞑れ!!」

 奴がナイフを振り上げた瞬間、下に落ちていた、小石を蹴り上げて奴に向けて蹴り飛ばした。

カキィン!

「くっ!」

 小石は見事、ナイフを奴の手から落とし…俺はそれを見計らって、奴の懐に入り込み…

「ザコはすっこんでな…」

ドドドッ!

 拳を腹に3発叩きこんで、ねじ伏せた。

「ふぅ…大丈夫か?観奈美」

「はい…何とか……ふぇ」

「おっと」

 腰が抜けたのか、観奈美はぺたんと膝をついてしまった。

 俺はその観奈美を腰を支えてやる。結構細いんだな……

「これ以上世話かけるんじゃねえよ…まったく」

「…だって、とても怖かったんです……」

 恐怖に震えている、ふっあれくらいで震えるなよな…

 俺がガキの時はこんなもんじゃ……あれ?俺が小さかった時って何してたんだっけ…

 まあ、今はそんな事より……

「よっと…」

 俺は観奈美を抱え込んで立ちあがる、世に言うお姫様だっこと言う奴か?

「はえ?榊さん?」

「保健室につれてくよ、どこか怪我はないか?」

「ええ、ありませんし……一人で歩けます…」

「腰抜かして歩けないくせに強がるなっ!」

「ふぇっ!…すいません…榊さん、重くありませんか?」

「いや、女の子はこれくらいでちょうどいいって感じか……」

「………」

 観奈美は顔を真っ赤にして俯いてしまう。なんだよ、俺まで何か変な感じだ。

ピキーンッ!

 

 ……ん、なんだこの感覚…観奈美に感じる感情とは違う…誰かに見られている。

 どこだ…どこからか、俺を観察してやがる…強い……

 

ある教室内

「ふっ、20秒で15人を一撃で非戦闘員を……、あの運動能力…そして五感も鋭い…本当に面白い子ね、陣内 榊君って…『黒狼』にうってつけの体ね」

 観奈美を抱えている榊を見下ろしながら、川澄ははにかんだ。

 

保健室

「よっと…」

 保健室に、観奈美を連れ行き…ベッドに寝かせ俺もそばの椅子にこしをかけた。

「ありがとうございます…榊さん」

「いいんだよっ、友達だろが」

「友達……ふえ…」

 観奈美は真っ赤になって俯いた。

 でも……今さっき感じた視線って一体なんだろう…誰かが俺と見ていた。

 今までのならず者どもとは全然違う視線と、蛇が絡み付くような殺気を感じた。

 相当強い……この学校内にいるのは確かだが…

 

 

「榊さん?……あの、保健室の鍵壊してまで入って…いいんでしょうか」

「ん?いいんだって、鍵取りに行くの面倒だろが…それに保健室の先生もいないし」

 俺らが来た時は保健室は開いていなく、面倒だから鍵を壊したのだ。

「でも…怒られませんか?」

「まっ、どうせ夏休みだし…それに」

「それに?」

「せっかくの観奈美との時間が無駄になっちまうのが嫌なんだよ」

 なんだか照れくさかった。だけど当然の事だった。

「榊さん……」

「ん?なんだ…」

 観奈美はなんか真っ赤な顔で、俺と視線を離さない。

 なんだよ……鼓動が増している?…観奈美を見ていると、俺なんだか…

「……観奈美…俺」

「榊さん」

「………」

「うわっ!」

「ひゃっ!」

 俺らが見詰め合っているのを、いつのまにか居た女の先生がじーっと見ていた。

「ああ、気にしないで。そのまま続けて」

「あんたっ!いつの間に…」

「あら、お邪魔だったかしら」

 その女先生は、別に気にしてない様子で椅子に腰掛けていた。

「その前に……誰だったっけ…」

「川澄よ、川澄 零(レイ)あなた達のクラスの生物担当のね…陣内君」

「なんで俺の名前を知っている…」

「榊さん授業に、出て無さすぎです……」

「そういえば、陣内君は成績は赤点だったわね…」

「ぐっ…」

 川澄は、にこっと笑って…

「陣内君には素質があるんだから、もっと頑張りなさい」

「あいにくだが、俺に生物の素質なんて無いぜ」

「あら、そんな事言ったんじゃないわ。もっと他の色々な事」

 川澄は俺の額を人差し指でつついた。

 色々な事?

「わっ、わっ、ダメですぅ〜」

ドカッ!

「のわっ!」

 ベッドで横になっていた、観奈美がいきなり俺を押し倒した。

「なっ何すんだ!」

「榊さん、ダメですっ!禁断の愛ですっ!ダメなんですっ」

「何さっきから訳のわかんねえ事言ってんだ!」

 観奈美は真っ赤になって訳の解らない事を連発している。……色々な事?なんだ?

「若いっていいわね〜」

 その脇で川澄は微笑みながら見ていた。

「川澄先生もっ榊さんを誘惑しないでくださいっ」

「あら、ごめんなさいね。別に取るつもりは無いわよ〜」

「??」

 何が何やら…この二人は何の事を話しているのかさっぱり解らん……

「んで、あんたここに何のようだ?」

「あたし?少し保健室に借り物があってね……鍵が壊れているから何事かと思ったから」

「俺達がいたと……」

「そっ…そう言う事。陣内君、凄い腕力ね〜」

「まあな…んであんたの借り物って…」

「うふっ……ひ・み・つ…」

「変なの」

「あら、陣内君に言われた義理じゃないわよ、じゃあいいの見させてもらったし。失礼するわ」

「う〜…」

 観奈美はまだ真っ赤になってうなっている。

 そして、川澄は保健室のドアを開け

 

「アデュー、『黒狼』」

 ん?この視線……

「こくろう?俺は榊だぜ……」

「ごめんねっ、じゃあね…あっそうそう…この鍵の弁償代、陣内君がもってね」

「えっ?」

 そう言えば、俺が壊したんだっけ…

「それじゃーねー」

 川澄はそう言って出て行った。

「………何だったんだ、今の先生…」

「む〜、榊さん…」

「何いまさっきから、うなってんだ?」

「何でもありませんっ!」

「何怒ってんだよ…まあいいや俺は帰るが、送ってくか?」

「はっはい…」

 観奈美はまた真っ赤になって俯いた。

 

 俺は、観奈美を家まで送ってやり、自分の帰路へと付いた時にはもう暗かった。

 暗闇……そう、俺のまわりはずっとこんな暗い闇だった。

 光なんて、知らずに生きてきた…

 だけど、俺…いつかは知らないけど…一筋の光を見た気がする。

 いつだったっけ……

 

 

 ある地下施設・暗闇の中

 その漆黒の闇の中に赴く人物が一人居た。名は川澄 零。

 闇の中核まで来ると、彼女は止まる。

「どうだい、川澄君…その榊君と言う少年は…」

「鬼塚先生……」

 彼女の前に、白衣を着た鬼塚が現れる。

「とても面白い子だったわ…少し変な所があるけど、いい能力の持ち主だったわ」

「ふーん…やはり、彼には水瀬の言った通り何か秘密があるようだな…」

「あの子の保護者?」

「私の同僚さ、童顔のわりに利口でな…そのおかげで私は今の体を手にしたが…」

「あの気持ち悪いバッタのなんやらっての?レベルはどれくらい行ってるの?」

「レベル3は私だけだ…」

 そう話しながら歩いていると、けたけたと笑い声がした。

「けけけっ、来たな川澄に鬼塚博士…」

「ちっ、この耳障りな声は…」

「蜘蛛ね、出てきなさい」

 川澄がそう言うと、天井から一人のヒョロッとした青年が降り立った。

「どうした蛇…世紀末王様は、陣内 榊を拉致しろと命じたはずだが…」

「……彼結構面白い子よ、もう少し観察していたいわ…」

「けけっ、どうしようと勝手だが相手はあの陣内の生き残りだぞ……早めに片付けた方がいいぞ……」

「前から気になっていたんだけど……陣内家って一体何よ…あたしとか鬼塚先生は知らないけど…あなたや蝙蝠は知ってそうだけど」

「今は答えられねぇ……おっとお前の得意の色仕掛けは通じないぜ…オレ様は蝙蝠とは違うからな……」

「そうねぇ…見るからに、単純そうだからね」

 そう、川澄が言うと、蜘蛛と呼ばれた男は身構えた。

「けけっ、貴様…オレ様に喧嘩でも売ってるつもりなのか?」

 蜘蛛の背中から他に四本、2対の手が現れ計6本の腕となり異形の怪人となって川澄を睨んだ。

「それだったら、力ずくでも吐いてもらおうかしらね!」

 蜘蛛が怪人体になると、川澄も異形の怪人と化して対峙した。

 すると鬼塚が前に出て…

「待て、二人とも。今は四幹部がやりあう時ではあるまいっ…陣内家がどうだろうと関係あるまい……今はそいつを捕まえ、『黒狼』へとするのが先だ」

「……正論だわ、さすがにあんたの念動力が加わると無傷ではすまされないからね…」

「けけっ、命拾いしたな…」

 双方は人間体に戻る。それを見ると鬼塚はにぃっと笑い

「さて、私はレベル2の調整があるので、失礼する」

 そう行って奥へと歩いて行った。

「仕方ないわね…量産型の怪人に、陣内君の拉致をするように言うわ、蜘蛛あんたはどうすんの?」

「オレ様?……さてどうしようか…」

 蜘蛛もそう言って暗闇の方へと姿を消した。

 一人取り残された川澄は……

「あーあ、なんか機嫌が悪くなっちゃったわ…帰ろ」

 そう言って来た道を戻って行った。

 

  ToBe

Continue
 

登場人物紹介

川澄 零

またまた半オリジナル、でも本編で舞のお母さんとなり雪ウサギさんを教えた人です。このSSでは少し違って舞のお母さんになる前は榊のクラスの生物を担当している先生になっています。そして……その正体は…。そしてなぜ、舞を産んだ後…病弱だったのでしょうか。その理由は、この1シリーズの中で…明らかに去れます。

 

後書きだお〜♪ゲスト:なゆちゃん、秋子さん

そう言う事で秋子さんになゆちゃん、プロローグ第2部が終了しましたっす。

秋子「お疲れ様です」

名雪「お疲れだお〜」

いや〜どうって事無いっすよっ!これも改造をすませた後ですからっ!(ぶんぶん)

名雪「お母さんのおかげだねっ」

ぶるぶるぶる…なゆちゃん、その事は言わないで。怖い……

名雪「どうしたの?」

 

さっさあ!気を取りなおして!主人公でもあり秋子さんの旦那さんになる人でもある、陣内 榊君の生体についてお二人と語り合いましょう。

名雪「お父さんか〜、そう言えば覚えてなかったから楽しみだよ」

んでは、なゆちゃん!ご質問をどうぞっ!

名雪「えっ?わたしが質問するの?」

そうよっ!何でもお兄さんに言いなさい!私と秋子さんがわかりやすく説明いたします!

名雪「うーん、そうするよ…じゃあ、お父さんはどんな人だったの?」

おっ!いい質問だね。その時は、秋子さん!

秋子「はい、朝が弱くて、良く寝坊して朝食のパンにたくさんイチゴジャムを塗って食べる人です」

名雪「お母さん、それわたしだよ〜……」

秋子「あら?お母さんはお父さんの特徴を言ったのよ」

遺伝だったのか……なゆちゃん…

でも天然のような所もあったんですよね。

秋子「そうね、なにより女心に疎かったわね。学生の頃は…」

名雪「うーわたしもそうなるのかな…」

秋子「大丈夫よ、今の名雪なら」

名雪「良くわからないけど、安心」

バイクにも乗りますから、学校面では真面目ってわけでもないですね。

秋子「はい、学校にいた時は午前の授業は全部サボってました、よく屋上で寝てました」

名雪「お父さんって、不良さんだったんだ…だから先生の顔も解らなかったんだね」

秋子「でもタバコとかお酒には手をつけてませんよ」

それにしても良く寝る人だったんですね。

秋子「はい、学生の頃はあの人は8時に寝てました」

名雪「わ、私より早いよ〜」

秋子「早い時は、学校から帰ってからすぐに寝ていた日もありましたね」

す……すげぇ…彼の一日の生活を円グラフにして見たくなってきました。

きっと一日の70%は寝るがついてると思いますね。

名雪「わたしはどれくらいかな……」

多分60%位だと思う……

名雪「うにゅ〜…なんだか失礼な事言ってない…」

いや、聞き違いでしょう。それではこれを最後の質問にしてください!

名雪「ええ〜もっとお父さんやお母さんが若かった頃の話しを聞きたかったのに〜」

それは今後の展開をお楽しみ…

秋子「そうよ名雪、続きはお話でね。それと…お母さんはまだ若いわよ(にっこり)」

はっ、あっ秋子さんは笑ってるけど怒りのオーラが…ね、念が…強化系だ!…

そっその壷はっ!おっオレンジ色の……

秋子「うふふ、名雪…おいたをしちゃったわね…お仕置きよ」

あっ秋子さんの謎ジャムの色が…私を改造した時と同じような赤い色に…変色して…

名雪「うにゅ〜」

秋子「うふふふふふふふふふふふふふ♪さあ、名雪…それでは失礼しますね」

名雪「いやぁぁぁぁぁーーーーっ!ゆーいちぃー、あのジャムは嫌だおぉぉぉぉーーーー」

そう言う事で、秋子さんとなゆちゃんをゲストに、榊さんの生態について解りやすく語り合いました。でも最後の質問を前に、なゆちゃんが連れ去られてしまいましたのでこれで終わりにします。今後とも、仮面ライダー黒狼をよろしくっ!

次回の後書きは仮面ライダー黒狼に出てくる他の登場人物にスポットを当てて行きたいと思います。次のゲストは舞さんに佐祐理さんに美汐ちゃんにかおりんを迎えます。

さあ、なゆちゃんはどこに連れてかれたんだろう……きっとあの地下だと思いますが…

グッバイ・マイ・なゆちゃん……永遠はあるよ…(爆)

 

きゅー…(改造音)

声「だおおぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

つづく♪


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