闇……

 

見飽きたくらいの暗闇……

 

僕は、いつまでこの闇の中を歩くのか…

 

血を求めて、この刀を引きずりながら歩いた…

 

いつも、僕はそうしてきた…

 

暗闇を行く当ても無くさ迷い歩き…

 

肉を斬り裂く快楽を味わっていた…

 

だけど、こんな僕を嫌だと思った……

 

弱い者を切り裂いて強い物がその肉をむさぼる…それが僕達家系の掟…

 

弱肉強食……僕は家族の中で弱かった、だから誰よりも強くなりたかった…

 

結局は自分一人生きたいが為に……

 

僕はこの刀を取った……

 

僕を見下していた奴等をそれで斬った……

 

僕の目から…赤い涙が流れ落ちた…

 

赤くて…冷たい…凍て付くほどの…赤い血の涙……

 

それが刀に落ちた時、虚しくて…泣けてきた…

 

それから、僕はあても無く闇と言う闇を渡り歩いた……

 

いつか、僕を殺してくれる奴を探して……

 

この戒めの黒い刀『正幸』と後悔を引きずって……

 

冷たい雨の降る、暗雲の下を……

 

 

 

仮面ライダー・黒狼

プロローグ後編『変異』

 

 うーん…熱い…蒸し暑い。

「ほらっ、榊っ!起きなさい!」

 秋子姉の声が聞こえる、まったく…たまの休みだゆっくり寝ていたい。

「榊っ!もう……片付かないじゃない」

「くー」

「くー、じゃないわよ!榊っ!起きなさいよっ!」

「あーきこ、榊起きた?」

 この家のもう一人の住人である女の声が聞こえた。

「あ、春奈姉さん…」

「どうやら、切羽詰ってるようね……」

 城南大の学生でもある俺のもう一人の姉さんの声が聞こえた。

 名は春奈……秋子姉の姉だ。俺は秋子姉同様、春奈姉と呼んでいる。

 家事とかは母親の居ないこの家ではこの姉妹が当番っぽくやっている。

 料理とかは秋子姉の仕事だが、春奈姉の分は全部俺持ちだ……

すぅぅぅーーーー…

「起きろぉぉぉぉぉぉーーーーーー!!」

 俺は耳元ででかい声を出されたので驚いて飛び起きた。

「うわっ!何だよ春奈姉……たまの休みなんだ、もう少し寝かせてくれよ…」

「こっちもたまの休みなんだから、彼氏とゆっくりしたいわよ!」

「城南大の相沢さんでしょ…」

「なっ、何で知ってるのよ……」

「この前買い物して来た帰りに会ったんだよ、水瀬春奈さんの弟さん?って聞かれたから、俺は……違うといったら彼氏?ってすごく残念そうに聞かれたよ」

「嘘?マジ?」

「それも違うって言って、水瀬家のただの居候だって言ったら物凄く嬉しそうだったぜ。何度も関係無いか?関係無いか?って聞いて来るから、ビックリした…冗談の好きそうな面白そうな人だった」

「さぁーーかぁーーきぃぃーーーあんた、私に恥じかかせる気かぁ!」

ボカッ!

「いでっ!」

「さあ、くだらない事言ってないでっ!さっさと下りて朝ご飯食べなさい!」

 はぁ……今のパンチは咲耶のキック以上……

 俺は頭を押さえながら、ベットに倒れこむ。

 

 

「のぉぉぉ〜」

「大丈夫?じゃ、なさそうね、榊…立てる?」

 秋子姉が痛い頭を触りながら聞いてくる。

「いてぇ…」

「氷取ってくる?」

「いやいいよ、行こうぜ。秋子姉」

「そうね……でも冷やしてね」

「わかった……って、春奈姉は俺をもっと記憶喪失にする気かよ…」

 秋子姉は先に行って俺は後に行くことにした。

 秋子姉は、何かと俺を気遣ってくれている。記憶喪失だから仕方ないか……

 

 俺の記憶が戻るとどうなるんだろう……

 夢の俺のような、暗闇の中…日本刀で人も動物も斬っていたあの、残酷な…俺に。

「そうだったら、戻らなくてもいいさ」

「榊ぃ!早くしなさい!」

 春奈姉の気さくな声が聞こえてきて、俺は急いで着替えて下の台所へと行った。

 

 

 俺はトーストにイチゴジャムを塗っている。秋子姉特性のジャムである。

 秋子姉が趣味で色々ジャムを作っている、俺はみんな気に入っているが、1種類どうしてもダメなのがある。あのオレンジ色の謎のジャム……食って見て、これは危険な味かした…材料を聞いてみたら、秋子姉はこう言った。

「企業秘密よ♪」

 と言った。何だったんだ……あのジャムの材料は…

 

 そんな事考えていると……後ろから、春奈姉が俺の元にドーンッと弁当箱を置く。

「榊っ!仕事よ、お父さんの所にこれ届けてきなさい」

「ええっ!?春奈姉が行けよ……暇なんだし」

「言ったでしょ、今日は相沢さんとデートよ……それに榊だって暇じゃない」

「……はぁ、わーったよ。行きゃいいんだろ、城南大に…」

「よろしい!それでこそあたしの弟よっ!」

 俺はいつもこんな風に使いっぱしりをやられているが、5年になるとさすがに慣れる。

 仕方ない、信一さんの所に届に行くか。それにしても、どうして信一さんはよく弁当を忘れる癖があるんだろう……まっいいか、バイクで行こう。

 

 車庫に止めてある俺のバイクを引っ張り出す。

 へへっ、高1でバイクってのは結構スリルだぜ……

「榊、待って」

 ヘルメットをかぶって、エンジンをかけようとした時、秋子姉が俺に声を駆けてくる。

「どうしたんだ?秋子姉?」

「榊…お父さんの居場所わかるかなって思って……」

「ふーん、車庫の置くにもう一つ予備のヘルメットがあるから、持ってきなよ」

「えっ?」

「道案内……」

 俺はバイクの後ろを指差した。秋子姉は少し赤くなって…

「うん」

 秋子姉は車庫の置くの方から、ヘルメットを取ってきて、俺の後ろに乗った。

「しっかり捕まっていろよ」

「うん……あんまり飛ばさないでね」

 秋子姉はそう言うと、俺の腰にぎゅっとしがみついた。

 その時背中に、ちょうど柔かな感触が伝わる。

「………少し大きいかな?」

「え?何が?」

「いや、こっちの話しだ、行くぞ!」

「何なのよ……」

 秋子姉の複雑な顔をよそに俺はバイクを走らせ、城南大へと向かった。

 

 

城南大

「ふぅ、ついたか……で、秋子姉…信一さんの研究室はどこ?」

「うん…もうちょっと奥に入ったところよ」

「おっけー…行こうぜ」

 俺は駐輪場にバイクを置いて、秋子姉と城南大学に入って行った。

 しっかし広い大学だよなここ、迷子になりそうだ……いろんな学科があるんだって?

 よく春奈姉もこんな所迷わずに歩けるよな……

 

生物学科研究室

 研究室から、一人の青年が出てきて…俺達の横を通りすぎた。

「あれ?今の人……」

「知り合いか?」

「そうじゃないけど、ここの研究室でお父さんと一緒に研究しているお父さんの先輩の風祭先生の息子さんよ…あの人も休日なのに大変ね」

「ふーん…」

 何か、不思議な感じのする人だったな……

 

 まっ今はそんな事気にする必要は無いか、俺達は研究室のドアをノックした。

トントン

「どうぞ」

 信一さんの声が聞こえ、俺達は中に入った。

「失礼します…」

「失礼します」

「あれ?秋子に榊君じゃないか、どうしたんだい?」

 すると、向こうから信一さんの声がして、そしてその顔が出てきた。

「どうしたじゃないわよお父さん…今日もお弁当忘れたじゃない…春奈姉さんかんかんだったわよ…」

「あっ、また忘れてしまったね……春奈にはすまないと伝えといてくれ…」

「その癖直さないと、春奈姉さんに怒られるのは、私か榊なんだから……」

「わかった、これからは気をつけるよ、榊君もすまないね……迷惑をかけて…」

「いや、大丈夫ですよ。でも一番とばっちりを受けるのは秋子姉じゃなくて、俺ですし」

「ごめんっ、今度から気をつけますっ!」

 そう言って、手を合わせて頭を下げる信一さん。

「ああ、いいですって…信一さん」

「でも、お父さん…さっきの人、風祭先生の息子さんが出てきたけど、どうしたの?」

 さっきの男のことか……

「真君の事かい?先輩に会いに来たんだけど、今はいないって言ったら帰ったよ。なんの用だったのかな…」

「そんなの私にも解らないわよ……」

 何だったんだろう、あの男から感じられた異様な感覚……

「何やってるの?お父さんは……」

「うん、いつものようにこの論文の研究…。見るからに解らない所が多いんだ」

「ふーん、それでは俺らにも解らないよな、秋子姉」

「あはは、当たり前よ……生物学の権威の人が書いた物だもの…」

「生物学の権威ねぇ……ん?これ…」

 俺が、その机に置かれていた、ファイルをつかむ。

 そしてペラペラとめくるが、何やらわけの解らないことがいっぱい乗っていた。

「榊君、どうだい?」

「ぜんぜん解りません……」

「お父さん、風祭先生は実験室で何をしているの?」

「うん、先輩はね4ページの遺伝子の操作での免疫強化の研究を鬼塚先輩とやってるよ」

「ぜんぜん解りません……」

「榊、生物の成績いくつ?」

 秋子姉に成績の事を笑顔で聞かれてドキッとする……

「はっはぁ……そんなによくない」

「だめよ、授業サボってばっかりなのは…」

 っつー、いやな事を思い出させやがる……信一さんの前なんだぞ…

 でも…この論文、どっかで見たような……俺これ見るの初めてなのに……

 不思議と懐かしい感じがする……

「どうしたの?榊」

「あっああ……なんだか不意に、ぼーっとしちゃってな…すまない」

「もしかして、記憶が戻ったの?」

「いや、全然…」

「そう…よかった」

 秋子姉は安心したかのように言った。

「よかったって、秋子姉はいいのかよ…」

「だって、記憶が戻ったら榊が榊じゃなくなるかも知れないんだもん」

 俺が俺じゃなくなる…当然だよな、記憶が戻る前の俺って全然違う人間かもしれないんだし……戻ったら、当然秋子姉の事は忘れちまうんじゃないのかな……

 そしたら、今の俺は消滅するのかな、陣内 榊じゃなくて…もう一人の俺に…

「まっ…俺も今の自分がいなくなるくらいなら、記憶なんて戻らなくていいって思ってる」

「榊らしいわね……」

 秋子姉はそう言って微笑んだ。まあこの調子じゃあ等分俺の記憶は戻らないな…

 

 

「それじゃあお父さん、家でね」

「うん…二人とも気をつけて帰るんだよ」

「安全運転で帰りますから、安心してください」

「ははっ、そう言ってくれると助かるよ」

 そう言って、俺と秋子姉は研究室を後にした。

 

 駐輪場に向かう途中……

「あ、榊……私、ついでに商店街で買い物していくけど…いい?」

「ん?もしかして、俺の後ろに乗るのが怖い?」

「そんな事ないけど…それで、何か買ってくるものある?」

「いや、無い…秋子姉、帰る方法あるのか?」

「ええ、バスに乗ってきた事があるから、大丈夫よ。それよりも榊も気をつけてね…」

 事故にあわないように、気を使っているのか…ふっ、ありがたいが俺がバイクで転んだ所は全然無いし…

 もしかしたら…補導されないように……

ずごっ!

「あっ秋子姉っ…」

「だって免許持っててもまだ榊、高校生だし……」

「……はぁ、警察につかまるほど俺は柔じゃないぜ…秋子姉こそ、事故らないでくれよ」

 そう言うと、秋子姉は赤くなってうつむいく。

 俺はヘルメットをかぶって、バイクのエンジンをかける。

「ありがとう…榊…」

「また家でな、秋子姉」

「ええ」

 どうしたんだろう、秋子姉……変なの……

 俺はそんな秋子姉に手を振って別れた。

 

 

 城南大のある部屋で、榊がバイクで走り去るのを見届けた…鬼塚がいた。

「ああ、あの少年が動いた……これより、捕獲にかかる…間違い無い、見たとおり黒狼にうってつけのいい素材だ、C地点に行ったのを確認次第尾行を開始せよ…」

 そう言って、電話を切る鬼塚。そしてにやりと笑った。

 

 

 俺は、いつもとは違う道を通り…家へと帰ろうとしていた。

 そして、信一さんから見せてもらったあの論文の事が少し気になっていた。

 不思議だ……さっきから、あの論文を見た事があるような気がする……

 5年前、いやそれ以前に俺はどこかであの論文を見た…それも完全な形で…

 

 そう考えていると、俺は後からつけられている事に気づいた。

 人数は、3人…バイクで付けてきている。ヘルメットをしているためか、全然顔が見えない。

「ちっ、また変な奴等か!?」

 俺はスピードを上げて、バイクの集団との差を広める。

 俺に絡んでくる奴等はごまんといるから、珍しい物でもない…

 このまま巻くか…いや…そうそう安心できないか……

 

ブロロロロロッ!

 前から別の奴等がやってきた。

「ちっ、挟み撃ちか…やってくれるじゃねぇかよ…」

 俺はバイクを止めて、後ろを見る…後ろからついてきた奴等も追いついて来た。

 前と後ろには同じようなバイクの集団…横は、雑木林…ここを抜けて何も無い所に追い込むか…そこできっちりカタをつけてやる!

 

 俺はバイクを雑木林の方に向けて一気に走らせた。

「ここには、着いて来れるか!?」

 木の間をくぐり、雑木林の中に入っていく。

 だが、入った瞬間…突然目の前がブラックアウトして、首や体中に鋭い痛みが走った。それと同時に、バイクは俺の体から離れ俺を乗せずに雑木林の奥に走っていった。

「ぐぅっ!」

 何かが俺の首を締め付け、叫び声も上げられなかった。

 

 体中に糸が絡まって俺の体の自由さえも奪っている…糸?これは…蜘蛛の巣か!?

「けけっ、意外と簡単に捕まったな……こんな小僧があの陣内家の生き残りとは笑わせるぜ…」

 辛うじて開いている目に写ったのは、俺がいままで見たことの無い奴だった。

 木の上から…普通の手とは違い背中から4本の別の腕が生えている異形の黒き怪物が俺の目の前に現れる。くっ蜘蛛の怪人!?

 奴はその蜘蛛の姿から、人間の姿へと戻っていった。

 この化け物、俺の名前を知ってやがる……陣内家?

 俺は蜘蛛の巣からはいでようと、必死にもがいた。

「動くと、首が落ちるぜ……陣内くん…」

「んっ!!」

 蜘蛛の糸が、俺の首をしめる。やはり……抵抗したら首が落ちる!

「世紀末王様じきじきのご指名だ、ありがたく思え…けけっ」

「おらっ蜘蛛野郎っ!これは俺ら蛇の獲物だ!勝手に横取りすんじゃねぇ!」

 後ろから俺をバイクで追ってきた奴等の一人が、蜘蛛人間に怒鳴る。

 仲間割れか!?

「けけっ蛇女の手下の戦闘員か……オレ様は気が短いんだ…お前等のボスがちんたらしてるから、オレ様が変わりにやってやったのよぉ………」

「なっ!あの人を!侮辱するかぁっ!」

バシュッ!

 ナイフを持って蜘蛛人間に飛びかかろうとした奴が、一瞬でばらばらになる。

 蜘蛛人間は1歩も動いていなかった。

「けけっ、弱い…伍幹部の蜘蛛様に喧嘩を売るからこのような姿になるんだ…けけっ」

「……くっ」

 他の奴等も、蜘蛛に近づこうとしない…

「さて、お前を世紀末王様の所に連れて行く……恨むのだったら自分の産まれを恨めよ、けけけっ…」

 そう言い、奴は俺の首に巻かれていた糸を強くした。鋭い痛みが体中に走る。

「ぐっぐぁっ!」

 俺の意識は徐々に薄れて行った。脳裏に、秋子姉の顔がフラッシュバックのように写る。

 くっ、秋子姉……このまま、死ぬのかよ…







 

その頃水瀬家では

「秋子、榊はまだ帰らないの?」

「ええ…先に帰ってるって言ってたけど…何かあったのかしら」

「大丈夫よ、榊なら……その内ひょっこりと戻ってくるわよ」

「そうね……(もしかして、記憶が…榊、どこに行ったの)」

 

 18日後

 

 暗闇の中…

「まだ生きているのね、彼……」

「ああ…普通なら、蜘蛛の糸にあそこまで首を絞められたら死んでいる所か、首が落ちているはずだが…驚異的な体だ…」

「まったくもう、あたしの手柄だったのに……」

 

 榊の体は、手術台のような場所に両手と両足を固定され、体には色々管が通され…そして特に左手首に集中していた。

 そして…榊の隣には…同じような手術台に……5メートル程の巨大な黒いオオカミの死体が横になっていた。

 

「あれが先日、ニュージャージーで捕獲された幻の黒いオオカミ?」

「ああ、またの名を『ジャージーデビル』と言い、犬科の動物では最大級の大きさを誇る獣だ…。絶滅したと思われていたが…その生き残りがまだいたとは…彼の遺伝子とこの黒いオオカミの遺伝子は融合するのにとても適した素材、完成すればかなり強い怪人になる」

「あたしより強くなる?」

「さぁな……」

 そして…鬼塚と川澄がモニターで手術の様子を見物している時…室内に数人の医師らしき白衣を着た人物が入ってきて、榊と黒いオオカミとの融合手術は開始された。

 

 装置のボタンをその一人が押すと黒いオオカミの体からでるエネルギーが、榊の躯の中を駆け巡っていく。

 だが、まだこの二人、いやこの組織全体は知らない…これが予想を遥かに越えた力の暴走の前触れとも知らず……榊は、黒狼へと徐々に体を変えていった。

 そして黒いオオカミが徐々に干乾び、ミイラとなって行く瞬間…手術室内に、不気味な声が木霊する。

『陣内の申し子よ、主は余の幹部の一人『黒狼』として選ばれた…その黒いオオカミの力を物にし…余のために働け…余のために動け…余のために人を殺せ!!』

 この声を持つ者…永遠の命を持つ者と言われる、世紀末王ドラゴノソードの声である。

 だが、世紀末王の言葉が終わる直前、何かが破裂したような音が手術室内に響き渡る。

バシュゥゥゥーーーー!!

「なっ何っ!?何が起きたの!?」

 室内を凄まじい霧と煙が、あっという間に飲みこんでしまった。

『手術中止っ!手術中止っ!作業員は速やかに、室内より避難してください!』

 

 

「この煙は…機械の故障とかじゃない……彼の体から出ているんだ…」

 手術室の様子をモニターで見ていた鬼塚達の表情に不安がよぎる。

「えっ!?でも手術はまだおわってないんじゃ…」

「思い出したぞ……陣内家の秘密、そう言う事だったのか……」

 鬼塚は何か感付いたように、モニター室から出ていった。

 そして、モニター室から左の通路を走り手術室のほうに走る。

 

 

手術室内

「緊急事態だっ!早くっ装置を止めろっ!」

「ダメです!制御不能っ!なっなんだ、こいつ……うわぁぁぁぁぁーーーー!!」

ガシュッ!

「ひっ!?」

 一人の作業員の足元に、人間の首が転がってくる。

 そして、霧の中…作業員の前に黒い影が近づく。ただはっきりと真っ赤に爛々と光る目が見えたのを最後に、その作業員の首が飛んだ……

 首は、地面を転がり…鮮血が手術室内を飛び散った。

『グルルルルルルッ……』

 獲物を狩った獣のように低く唸る声と、重い足音を立てながら…それは閉ざされた扉の前にやってくる。

『グァァッ!』

 高質化した筋肉がはりめぐる、左腕…その指の特に発達した中指の爪を鋼鉄の扉に向けて一気に振り下ろされた。爪は鋼鉄の扉を一気に引き裂いた。

ザシュゥゥゥゥーーーーー!!!

『うぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーー!!!』

 

 ようやく、手術室前に来た鬼塚の前に、鋼鉄の扉が破壊され…そこから、煙と共に…異形の怪物が現れた。それは、狼のごとく犬科の動物の頭部をして体は人間に近い物だが…筋肉の発達した両腕から鋭い爪が伸びている。

「なんだっ、こいつ……こっ黒狼なのか!?」

 まさに鬼塚の前にいる者は手術を施された、榊その者だった。

 霧から現れる赤い眼の異形の狼男……

 黒狼……それは、天使となるか、悪魔となるか…

 榊の過去に秘められた陣内家の謎とは……

 世紀末王ドラゴノソードと黒狼となった榊との戦いの火蓋が今、切って落とされる!

 

 

  ToBeContinue


 

あはは〜後書きですよ〜♪ゲスト:さゆりん、まいまい、かおりん、みしおちん

司会:Y(ヤクト)団首領

香里「ちょっと待ちなさいよ、何よ↑のは…みんなあだ名じゃ解りにくいわよ」

佐祐理「あはは〜っ、でも可愛いですよ〜」

美汐「みしおちん……ですか?」

舞 「……かたつむりさん(ぽっ)」

 さて、今日はプロローグ最終章ですですっ!いやー、長かったな。

香里「それにしても、ようやく変身したのはいいけど、ただの狼男じゃないっ!」

 ぐはっ!それまだ言わないで……

美汐「それにまだバイクにも乗ってませんね…ライダーとも名乗ってませんし」

 そっそれはまた次回からのお楽しみと言う事で…まだプロローグだし…

 それではっ今回は、この仮面ライダー黒狼で出てきます半オリジナルのあなた方のお母様方にスポットを当てて見ましょう!

 まずは榊のクラスメートで出てきました、佐祐理さんと美汐ちゃんのお母さんにもなる人、倉田観奈美さんと天野咲耶さんです。

佐祐理「あはは〜、佐祐理のお母様ですね〜」

美汐「母さんですか?」

 はいですっ、彼女等は今も言いました通り、榊君のクラスメートとして出しています。

美汐「でも、私の母は結婚前から天野と言う苗字ですね」

佐祐理「佐祐理のお母様もそうですよ〜これはどう言う設定ですか?」

 良くぞ聞いてくれました佐祐理さんっ!

 まずは、佐祐理さんのお母さんである観奈美さん。倉田家が昔っからの議員の家系だと考えて、佐祐理さん同様観奈美さんも議員の娘と言う事にしてあります。そして佐祐理さんのお父様でもある人が入り婿として、倉田家に入ってくれば……と言う設定です。

佐祐理「はえ〜、と言う事はお母様は結局ふられてしまうのですか?」

 いや、解りませんよ……もしかしたらと言う事もあると想いますから(ニヤソ)

美汐「あの、私の母さんの方は……」

 えっ?あ…美汐ちゃん、そんな座った目で見ないで……(汗)

 お次は、美汐ちゃんのお母さんの咲耶さん…です。この人は設定では神社の巫女さんと言う事にしてます。

美汐「そうなんですか?」

 いや、美汐ちゃんの実家のこととか不明な所が色々ありますので、由緒正しき家系と言う事にしてありますので、後は観奈美さん同様です。でも、咲耶さんの場合も解りませんよ……(ニヤソ)

 えっと最後は、舞さんのお母さんである川澄 零さんですが……この人ですが、舞さんが生まれる前は元気に先生をやっていたと言う設定です。

 でも、その実態は、敵組織の幹部の一人です…

舞 「…怪人?」

スチャ…

 わぁぁぁーーー!剣は出さないでぇ!ゆるしてぇぇーーー!!

舞 「お母さんを悪者にした……殺る」

 でっでもっ!怪人体と言っても人間の原型は止めているからっ!

 それにそんなに悪人じゃないからさぁ!

舞 「問答無用…」

ざしゅっ!!

 ぎゃぁぁぁぁーーーーーーー!!!そな殺生なぁぁーーー!!

香里「あっ、あたしの両親は?ねえっちょっと…まあいいわ、今度みっちり聞かせてもらうわ……あと次回は、誰がゲストかわ言わないわ…作者さん伸びてるし…」

佐祐理「舞、かっこよかったよ」

舞 「…(ぽっ)」

美汐「時間もそろそろですし、帰りましょう」

香里「そうね…」

佐祐理「舞、一緒に帰ろうっ♪」

舞 「はちみつくまさん……」

 

 

 つづく?

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