/Interlude イリヤスフィール・T
―――衛宮邸
まったく、呆れたものね。
二人とも、あっさり私のことを忘れていった。
特に、セイバーのほうは意図的に忘れていったというべきか。
いや、そうではない。
あの・・・アティとかいうサーヴァントは気づいていたはずだ、私がいたということを。
だから、この場にこの・・・
「―――」
物言わぬ機械の兵を残していったのだろう。
(後で聞いたところ、実は、アティは本当に私のことを忘れていたようだ。セイバーは、私の考えていたように、真実故意だったようだが。)
その兵を見つめながら、あの無骨な巨人を思い出す。
―――バーサーカーは、強いね。
あの、雪の園で、彼にそういった自分とともに。
巨人は、あのイレギュラーに殺されてしまった。
最強だと思っていたのに。
戦争の、たった一日目で、粉々になって負けてしまった。
でも、そんなことはもう、いい。
これは戦いなのだから、そういうこともある。
そして、私はあの男。
キリツグの息子のことを考える。
―――皮肉なものね。
殺すはずの相手に、庇護されている自分を滑稽に思った。
でも、全然不快じゃない。
むしろ、ここがホントの私の場所だ、って心が主張している。
事実、昨日、イレギュラーがいない間にシロウと交わした会話は楽しかった。
結局、シロウに抱いていたものは何なのだろう。
憎しみ、怒り、悲しみ、恨み、愛情・・・・
それとも。
そこまで考えて、私は思考をやめた。
それ以上考えても、仕方のないこと。
居間から持ってきていた、お茶請けのアラレを一口。
慣れない醤油の味が、口に広がる。
そうして・・・
目の前の庭にたたずむ兵を見やって、無駄と思いつつ声をかけてみた。
「―――あなた、なんていうの?」
その兵は、私の予想に反して、ぎこちない口調で言葉をつむいだ。
「―――ガ、ゴレム・・・我ガ名ハ・・・ゴレム・・・」
その言葉に、私はキョトンとして。
「―――くっくっ・・・うふふ・・・」
感情を制御できない、子供のように。
「あははははははははは・・・」
そうして、笑った。
こんなに笑ったのは、久しぶりだった。
なぜか、すごく笑えた。
面白くて、楽しくて。
まるで、失った何かを取り戻したようで。
しばらく笑って、そして私も言葉をつむぐ。
「私は、イリヤ。イリヤスフィール。よろしく、ゴレム。」
そういって、私はまた、少し笑ったのだった。
Interlude out
あとがく。
ぶっちゃけ、忘れてた。
前回イリヤの存在を。
ふぉろーはー。
今回はこれだけ・・・
他人を2ヶ月待たせてこれか・・・しかも、3ルート全てのイリヤとかけ離れたイメージ・・・
そう、残酷なベルフラウという感じになってきた・・・
ああっ!石をぶつけないでぇ(笑
うぐう。
終わる。