/士郎・リバウンド

目が、覚めた。

体を動かそうと、もがく。

「―――つ、ぁ―――」

体が悲鳴を上げている。

何が悪いのか、何が起きたのか。

全身がハネ飛ぶような感覚、心臓が止まらない。

夢の続きは悪夢。

痛くて、熱くて、動けない。

「ぁ・・・ぐ・・・」

ただ、苦しむ。

声すら出ない。

布団をかきむしることすらできない。

指一本動かすことができない。

誰かの声が聞こえる。

ああ。

気がつけば視神経も磨耗している。

見えない、見えない。

焼けた鉄が全身に回っている。

暑い、熱い、アツイ。

あの獣が、鬼がまだ体の中にいるようだ。

ただ、ただ、体は悲鳴を上げ続けている。

聞こえる声は誰の声?

「シロウ・・・!シロウ・・・!」

これは、セイバーか。

「シロウ!シロウ!」

これは・・・イリヤの声だな。

だけど、ごめん。

体が今は動かない。

動かない。

まるで、まるで、鉄。

体が剣になったよう。

撃鉄はすべて落ちている。

魔力は十分にある。

それは間違いない。

なぜ動かないか、といえばそれは。

ギチリ。

体が剣になってるからで。

内側から何かが。

ギチリ、ギチリ、ギチギチギチギチと出てくるからで。

いた、イタイイタイ。

「ぎ。う」

声が出ない。

それでもなお、体を廻す。

回路を廻し、心は折れず、ただ体を動かせと。

“―――I am the born of my sword.体は剣で出来ている

あの言葉を、もう一度。

ああ、だから。

俺の体は動くはず。

そもそも、剣で出来ているのだから、中から剣が出てきたって―――


「ぐぁぁぁっ!」

叫びながら、体を起こす。

目は―――ぼんやりとだが、見える。

声も、「セイ、バー」苦しいけど、出る。

だけど、体に感覚はない。

体を起こしたと言ったが、本当に起きているのか自信がない。

「シロウ!大丈夫ですか!?」

セイバーの声がする。

姿も、見える。

「すまない、セイバー・・・どうなってるんだ・・・これ」

「覚えてないの?」

イリヤが心配そうに声をかけてきた。

「あなた、キャスターに操られて、バーサーカーの剣を振り回して、アーチャーに宝具まで出させたってアティが言ってたわよ?覚えてないの?」

―――言われてみれば、ぼんやり覚えている。

それはたとえば。

弓兵の殺意だったり、心を削る剣の丘だったり。

心に染みて来る鬼と、それを拒む鞘と剣だったり。

「あれ。どういうことだ・・・夢じゃない・・・のか」

漠然とした、夢みたいな出来事は確かに。

俺が言葉にしたものとは逆に、現実だと感じている。

「そう、か。じゃぁあの敵はキャスターだったのか・・・?あいつは、どうしたんだ?」

「彼女なら、」

「ああ。坊や起きたの?では手伝いなさい」

疑問に思った相手は、唐突に俺の前に顔を出してきた。

思考がとまった。

体はいまだにまったく感覚が戻らない。

だが、確実に現実は進行していて。

俺の寝ボケと感覚の消失でがたがたの体はようやく動き出そうとしていた。

続く。



おとがそ
中だるみ。
新PCのキーボードに中々慣れません。
メモリ2Gなんで、Fateとhollowとメルブラを同時起動してもへいちゃらです。
クロックアップは怖いのでしません。
それと、P○●房の店員許せない。打ち砕く。
ではまた。

WEB拍手返信
3月1日分
>Fate/Summon ataraxiaが冗談かどうかは、終わってからわかるでしょう?是非かいてください
その言葉に反逆する。
どちらにせよ、サーヴァントと豪鬼が殴りあう、まったく色気のない話になるでしょうが。
クロスしすぎなんで、SS-LINKSにも載せられないでしょうが。

嘘タイトル
「Fate/Tower&Knight 第一部-宝石に魅せられし者-」
「Fate/Tower&Knight 第二部-魔宮の英霊たち-」
「Fate/Tower&Knight 第三部-聖杯の滅亡-」
ドルアーガの塔。ギルガメッシュはギルガメス。


書いてくださると、筆者のペースが速まる可能性があります!