超弩級巡洋戦士ウラタンダー!
序章 ウライの章 「静かにしやがれってんだ!!」
 
 

チチチチチ・・・・

鳥が鳴いている・・・

その声に俺は目を覚まし、きたない4畳半の部屋の窓を開けた。

この町の清冽な朝日を体中に浴び、この町の清々しい朝の空気を肺いっぱいに吸い込んで俺の一日は始まった。

・・・この星はいいところだ。格別、この町は。

この星でも、大概の都市の空気はきたないことが多いが、この町はそれも清浄だ・・・

大体、俺は車があまり好きではない。俺の使っているマシンも車型が多いが、どうも好きになれない。

・・・言い忘れたな、俺はウライ。この町では浦谷竜蔵でとおっている。

ちょっと事情があって、この星の外からやってきた。

事情とはいってもね、大した事じゃないんだ。まあ、聞いてくれ。

・・・俺は故郷のことがあまり好きじゃなかったんだ。死ぬるほど多い車。なぜか、空気が汚くなるのをわかっているはずなのに、古典的なガソリン車に乗ろうとする馬鹿な連中・・・

そんなやつらの中には、ボー○ックみたいなやつらと付き合う、本物のタコスケ間抜けが大分含まれてた。

だから、そんなやつらから少しでも遠くに逃げるために、旅行の名目で俺は長期放浪に出ていた。

二ヶ月ほど宇宙をさまよいつづけ、燃料はともかく、食料が心もとなくなった頃、この地球と呼ばれている星を見つけた。

一発で地球が気に入った俺は、ここに不法移民することに決めた。(あくまで俺のいたところに比べるとだが)車は多くないし、空気も上手い。

家賃5000円の汚い部屋、なんでも昔死人がでて、借り手がいなくて困っていた部屋だと言う。気になった俺は、幽霊よけの精神波ユニットを持ち込み、ここで暮らすことに決めた。

近所でも評判の幽霊部屋に平気ですんでいる俺を変人呼ばわりするやつや、勇者扱いするやつもいて、俺はここらではちょっとした有名人になっていた・・・・まあ、あんまり関係ないけど。

そして、俺の宇宙要塞艦URAユニットを郊外のとある場所に隠して、この町に住み着いた俺は、町外れの自動車整備工場「ペガサス」で単純労働者として働いていた。
・・・時給800円で。

それでも、一日7時間働けば5600円になるし、何より故郷の実家からがめてきた車を改造したやつを、中古屋に売りつけたらちょっとした額になった。そんなわけでいまのところ、金には困っていない。

・・・後日談だが、その俺が車を売った中古屋の親会社から、俺が売ったやつそっくりの高性能車が発売されてた。これってもしかして・・・・・・

そういえば、売るときになんかすごく待たされた気がする。なんか、「どこで手に入れたの?」とか聞かれたし・・・・?

やっぱりまずかったのかね・・・外宇宙の車をここで売るのは・・・

・・・・・・・・・・・まあ、俺のせいじゃないよな、うん!

そんなわけで、俺は仕事も休みだし、今日は一日ぶらぶらすることにしていた。

だけどさ、そんなときに限って面倒が起きるんだよね・・・

でも、そんなことを恐れていたら何も出来ないし・・・

覚悟を決めた(決めることか、オイ)俺は、着替えて、朝食を取ろうと台所に向かった・・・・

「げ、ハム切れてんじゃん!後おかずになりそうなのは・・・お!カレーパンとアンパンがある!・・・たまごも一個あるし、バターもあるな。」

俺は、アンパンとカレーパンをオーブントースターであぶったやつと、スクランブルエッグにしょうゆをかけたやつを朝食にしようと考えた。

フライパンをかけたコンロの火でナイフを熱する。

そうするとパンが切りやすくなるのだ・・・

そのナイフで、アンパンとカレーパンの上部をふた状に切り離し、オーブントースターで焼く。

で、中身があったまったら、取り出して再び蓋をするのだ。

そうして暖めてる間に、スクランブルエッグを作ってしまう。

俺は、いつも使っているちゃぶ台に、できたパン2個とスクランブルエッグを置き、ご飯をよそった。

朝食に、茶碗飯にパン2個とは多いようだが、工場での仕事は肉体労働なのでこのくらい食べておかないと持たないのだ。今日は非番といったではないか、と言う意見もあるだろうが、日ごろの習慣と言うものである。

朝食を食べ終えた俺は時計を見た。丁度9時。

・・・いまから歩けば、隣町のでかい本屋に10時には着くな・・・

そう考えた俺は、財布と携帯を持って外に出た・・・

外に出ると、いやでも隣の家が目に入る。

「鮫島」と書かれた表札を見ながら、俺は少し考えていた。

ここの主人は至って普通のサラリーマンだ。だが、声が大きくて強引な性格をしている。

町内会で呼ばれたときには、無理やり酒を飲まされ、おかげで一週間再起不能だった。

そう、俺は酒が飲めないのだ。日本酒をコップ半分でも飲めば、足腰が立たなくなる。

後、煙草も嫌いだ。理由は言わなくてもいいと思う・・・・

そして、ここの奥さんは、たまにパンや生活用品をこのアパートの独身男性に振舞っている。

かく言う俺も、それに甘んじているのだが・・・・

そんなわけで、ここの奥さんにはそれほど悪い印象はない。

最後に、ここの息子だが・・・こいつがわけがわからない。

高校生のくせに学者だと言うし、さらには、たまに俺の部屋にはいってきて、変な機械(おそらく精神波探知機だと思うが・・・)を使って、俺の部屋をサーチして、「あの・・・この部屋の霊的危険度は最高レベルのGなんですが・・・よく住めますね・・・・」とか、無礼なことをほざきやがる。

そのくせ、いっつもなよなよして、思わず蹴っ飛ばしたくなるような気弱な態度で俺に接してくる。

そういうわけで、こいつはかなり気に入らない。

しかし、こいつの義理の母親、つまり、ここの奥さんの人のよさに免じて、特に何も余計なことはいっていない。

そんな家だと言うことだ。

そんなことを思いつつ、俺は隣町へと足を向けた・・・
 
 

2時半ごろ、隣町の本屋を出た俺は、戦利品を持ってアパートの近くの高校の前を通っていた。

そういえば、ここには、うちのアパートの大屋さんの娘の「名雪」ってのが通ってたな・・・

うちの大家は恐ろしい人である。

まず、本職は不詳。

さらに、妖しいジャムを作っていると、娘さんから聞いた。

加えて、「おばさん」などと呼ぼうものなら、恐ろしい事態が起こると言う。

まあ、大家さんはどう見ても30代には見えない、明らかに20代前半くらいにしか見えない女性だが・・・

そんなことを思いながら、高校の前を通り過ぎようとしていた俺は異様な光景を目撃することになる。

・・・思えば、ここを通りさえしなければ、面倒なことにも巻き込まれず、仕事の時給も減らされずに平凡に暮らせたかと思うと・・・嗚呼・・・

ガシャコーーン!!!

「な・・・なんだ!?」

「うをわぁぁっぁぁっ!!なんじゃこいつらぁぁぁっぁっ?!」

高校から200mほど離れた、近所で評判のタイヤキの屋台が燃えていた。

それに伴う誰かの悲鳴や叫びも。

なんじゃ、と思い俺は近づいていった・・・・すると素っ頓狂な声が・・・・

「うはははははっ!!わしが本当の正義じゃぁぁぁっ!!」

スコケーーン!!

派手な音を立てて、俺はずっこけた!

「ぐぐぐぐぐ・・・・・静かにしろっちゅうんじゃぁぁぁぁぁっ!!!!!!」

こうして俺の戦いは始まった・・・町内の平和を守り、自らの生活を守り、愛するこの星の人々のささやかな平穏を守り、そして何より、俺自身の平和な生活を取り戻すための・・・

でもさ。

・・・・本当は・・・・本当は・・・・こんなことしたくないんだけどね・・・・

・・・・・おのれ・・・・・

・・・・し・
しろってんだ!!!!!!
 




 
 

あとがき

これはフィクションです。実在の人物団体及びあらゆる架空及びネット上の人物団体とは無関係であることを切に願います。(大爆発)

スイマセン。これはおふざけです。

発端はこうです。私とY(ヤクト)団首領のチャット中のおふざけがありました。

ある日、そのおふざけをSSにしないかと言う提案がどちらからかはともかく浮上してまいりました。

そんなわけで、これは、Y首領殿との合作です。

このSSの登場人物・浦谷竜蔵および、Y首領は、実際のわれわれとは別人格です。

どうかご了承とご理解の程を・・・・

では、最後に・・・・

どうもすみません!!!切腹!!!!!(ズシャッ!!!!)
 



 

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