だっだっだっだ・・・・
 

10人あまりの怪しげな集団が、一人の少女を追っている・・・・
 

「うぐぅうううっ!!助けてぇぇぇぇぇぇっ!!」
 

その集団の長らしき、黒尽くめの怪しいスーツ男が叫んだ。
 

「うあははははははっ!!俺様の目の前で食い逃げなんぞぉしちまった、てめえさんが悪いんだべさーーーーーっ!!!!うははははははははっ!!!!!」
 

・・・格好から、せりふから、口調から・・・
 

何もかもがイカレテルとしか形容できない男だ・・・・
 

そして、さらに。
 

「ぬあああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!待ちやがれて言ってんだぞ?!!!貴様るぁぁぁぁっ!!!!!」
 

紅い、特撮ヒーロー風のスーツを着た男が叫びながら、そいつらを追っていた・・・・
 

「てめーらっ!食い逃げごときで、か弱い少女を追い掛け回すんじゃねぇェェェェェェッ!!!!!」
 
 
 

・・・これは・・・
 

平和なご町内を守るために戦った、外宇宙からやってきた、ちゃらんぽらんかつ馬鹿たれさんの不法移民の男と・・・・・・
 

意中の少女に振られちまった上に、なんか怪しい物体に操られて、世直しを敢行している、一人の少年の物語である・・・・
 
 
 

超弩級巡洋戦士ウラタンダー!

第一話「てめーら何やってやがるっ!!!」
 

話は10分ほど前にさかのぼる。

破壊されたタイヤキの屋台の前で、二人の男が対峙していた。

「・・・何奴・・・・」

「それは、こっちのせりふだ・・・・」

男達は冒頭に出てきた、イカレ男とヒーロー風の男であった。

二人の男のうちの一人・・・イカレ男を我々は知っているはずだ。

そう、彼は、高校生天才科学者にして、水瀬名雪という少女に、24時間ほど前に振られてしまった可哀想な男・鮫島やくとである!!!

スコーン!

ん・・・?

誰かにものをぶつけられた気がしたが・・・?

まあいいや、話を進めよう。

彼は、ものみの丘で拾った、妙な精神波を放つユニットに導かれ、次元転移装置を完成し、怪しい強化服を着て、Y(ヤクト)団首領を名乗り世直しのための戦いを始めたということは皆さんご存知のとおりである。

では、こちらのヒーロー風の男・・・・・・

彼は一体何者であろう?

さらに時間を数分巻き戻してみよう・・・・
 
 

「うはははははっ!!わしが本当の正義じゃぁぁぁっ!!」
『いーっ!』『ハイルッ!』『ヤートット!』『オルゲット!』

イカレタ声が町に響く・・・・

食い逃げ少女を追いまわしていたタイヤキ屋の親父の屋台を破壊したは、Y(ヤクト)団首領・・・・・

それを見ていた誰もが恐怖していた・・・・

そう・・・・・・・"この町に、また変人が増えちまった・・・・"と。

実際、一見平和そうに見えるこの町には、何かと変な人間が多かった。

よく知られている・・・・・・というより、一度でもそういった噂になった人間というと・・・・

「超ネボスケ人間」、水瀬名雪。

「狐が化けてるんじゃ・・・・?」、沢渡真琴。

「生霊食い逃げ少女」、月宮あゆ。

「魔物を討つもの」(お、これだけまともだ。) 、川澄舞。

「マジカルプリンセス?」、倉田佐祐理。

「恐怖バニラ雪女」、美坂栞。

「超シスコンアネさん」、美坂香里。

「年齢職業不詳のジャム大家さん」、水瀬秋子。

「その触覚はなんだ!?」、北川潤。

「超ストーカー」、久瀬。

「高校生天才科学者」、鮫島やくと。

「誰もすめなかった、幽霊がでる部屋に平然と2ヶ月も住んでいる」、浦谷竜蔵。

それだけではない。ラーメン屋や、近くの中学校には、宇宙人がそのまんまの姿で勤務している。

その上、郊外の自動車工場など、かつて地球を救ったヒーローの秘密基地だ。

等など・・・

枚挙にいとまがないのである。

それ故に、噂というものが好きな町民も、大概うんざりしていたのだ。

で、それが彼らが恐怖した理由である。

はなしを戻そう。

Y首領が、食い逃げ少女を追おうと、したその時!

一人の男が叫んだ!

耐え切れない、怒りを込めた声で・・・・

「静かにしろっちゅうんじゃぁぁぁぁぁっ!!!!!!」

その声の持ち主は・・・・

そう、あなたは知っているはず・・・・(こればっかやな・・・)

「誰も住めなかった幽霊が出る部屋に、2ヶ月も平然と住んでいる」、浦谷竜蔵その人の声であった!!!

スパコーン!

んがっ!

また誰かに叩かれたぞ・・・?

誰だ・・・・?

ほんと、まあいいや。

つづき、つづき♪

「・・・何奴・・・・」

Y首領はそうつぶやいた。

煙で相手の姿は見えない。

邪魔をするだと・・・・?

ふん・・・まあいいさ、誰であろうと邪魔する奴は容赦なく消す!誰であろうとだ・・・・

にしても・・・・・・嫌に聞き覚えがある声だな・・・?

なんでだ?

そうY首領が思ったとき、再び、彼の声がした・・・・

「くくくくく・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺様を怒らせたことを後悔させてやる!!!!!!!!」

そう叫ぶと、まばゆい光が辺りを包み込んだ!!!

「スーツ召喚プログラム作成!ディメンションサーチ・オールグリーン!!・・・・行くぞっ!!!装着変身!!!!D・X!ウ・ラ・タ・ン・ダー!!!!!!!」

辺りを包む光は徐々に弱まっていく・・・・

そして、その光の後には、赤いメタリックスーツを着た一人の男が立っていた。

「俺は、ご町内の戦神!!超弩級巡洋戦士ウラタンダーーーーっ!!!!!!」

決まったな・・・・?

なんせ、こういう事態が万が一起こったときのために練習しといたからな・・・(ニヤソ)

そう思った彼だったが・・・・・・

周囲の死線は冷ややかであった。

Y首領を見る目と全く同じ目で、彼は見られていた。

それは当然であろう。彼ら町民は、変人はこれ以上増えてほしくないという思いでいっぱいであったのだ。

それは、羞恥心というものを少しは残しているウラタンダーにとって、地獄の辛さとなって襲い掛かった。

「ぐぁぁぁぁっ?!まさか、そんな目で見られるとはぁぁぁぁぁっ!!!!」

しらー・・・・・

そんな音が聞こえてきた(んだと思いたい)。

「くっ!まあいい・・・俺の平穏を破った罪はあがなってもらうぞ!?」

そう言った浦谷・・・ウラタンダーは銃を構え、ゆっくりと近づいていった。

そして、さっきのシーンに戻る・・・・

「・・・何奴。」

「それはこっちのせりふだ・・・」

銃に加え、剣を出して、なお近づいていく、ウラタンダー。

しかし、Y首領はきびすを返し、

「ふっ!きさんの相手なんぞしている暇は無いわ!!きさんの相手は、先ほどの食い逃げ少女を捕まえた後で行う!楽しみに待っているがよいわ!ふはははははははは・・・・」

そういうと、周りの戦闘員を引き連れ、走り去ろうとした。

「待ちやがれっ!俺を馬鹿にする気か、こら!!」

そういって、銃を発射しようとするウラタンダー・・・だがっ!

「ふん!戦闘員ども、煙幕用意!」

「イーッ!」

ばしゅうううううううう・・・・

煙があたりを見たし、奴らの気配が薄れていく。

「うばげはっ!まとわりつくだと?!なんだこの煙は!」

誰かが叫ぶ。

「うははっ!特殊高分子の煙だ。存分に味わうがいいべさっ!」

「てんめえ・・・無差別手段か?!こら!!」

怒りを込めたウラタンダーの声が響く。

そして。

粘着性を増した煙が、一般市民を巻き込んで広がっていく。

渦巻く怒号。

誰かが駈け去っていく跳ね音。

そして、奴らは消え去った・・・

無数に残された、粘着糸に絡みつかれ身動きひとつ取れなくなった聴衆を残して・・・・

・・・ここからは、ウラタンダーの視点から、あるいは、Y首領の視点から、はたまた第三者の立場から物語を見てみよう・・・
 

<Y首領視点>

ふふふっ、この俺様が納豆の粘着成分から作り出したY(ヤクト)煙幕弾のおかげで…さっき現れた変な奴は、動きを捉えられたろう……

この粘着力を無効化できるのは、このY(ヤクト)マントのみ…

後はあの、食い逃げ娘を追い、そして正義の鉄槌を与えるのみだ。

ドドドドドドドドドドドドッ

「行くぞっ!Y(ヤクト)兵どもっ!食い逃げ娘を捕まえるのだっ!!」

「「「ハイルッ!」」」

砂煙(立つと思って)を立たせながら、俺様とY(ヤクト)兵たちは食い逃げ娘を追って行った。
 

Y(ヤクト)スーツの身体能力向上は、足を早くして…食い逃げ娘を求め走って行った。

ふふふ、捕まえた暁にはどう料理してくれようか、あの娘…

火攻め?水攻め?それとも……ふふ…

「楽しみだべ…」

「首領っ!食い逃げ娘のデータが取れましたイーーーーッ!」

「ご苦労だべさ…ふむふむ…名は『月宮あゆ』ふむふむ…」

俺様は走りながら、Y(ヤクト)兵(戦闘員)にもらった食い逃げ娘のデータを見ていた。

「……胸がちっこい、まんま子供か」

スリーサイズに目が行ったが、どうも俺様好みの体つきではない…んー、まあいいか…

数時間前に水瀬名雪嬢に振られてしまって、俺様はご傷心だべ…この際子供体系でも我慢するべか…(爆)

ん?……見つけたべ!

「みーーーーっつけたーーーーーーーーっ!!」

「うぐ?」

街中で、堂々と食い逃げしたたい焼きを食いやがって…許さん!

食い逃げ娘ぇぇーーーーーーーーーっ!!!

「うぐ!?」

食い逃げ娘(あゆ)はたい焼きを銜えながら、我等の突進に驚き走り逃げた。

ちっ、今度は逃さん!貴様を捕まえて、あんな事やこんな事をして(古い)厚生させてやるべぇっ!!

「うぐぅぅぅぅーーーーーーーっ!!!」

「まてまてまてまてまてまてぇっい!!」

ドドドドドドドドドドドドドドッ!!

「うぐぅぅぅぅーーーーーーーっ!!!」

「まてまてまてまてまてまてぇっい!!」

「うぐぅぅぅぅーーーーーーーっ!!!」

「まてまてまてまてまてまてぇっい!!」

「まちやがれぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」

ん?なんだ?後ろから?

振り向くと、俺様たちの後ろからまたあの変なメタルスーツの奴が走ってきた。

「またあいつか…性懲りもない……」

「うぐぅうううっ!!助けてぇぇぇぇぇぇっ!!」

だが今はあいつの相手はしていられないんだ。

この意外に逃げ足の早い食い逃げ娘を捕獲して正義の鉄槌を与えねばならないのだっ!

「うあははははははっ!!俺様の目の前で食い逃げなんぞぉしちまった、てめえさんが悪いんだべさーーーーーっ!!!!うははははははははっ!!!!!」

メタルスーツの奴を思いっきりシカトして、食い逃げ娘を追っかけた。

だが、食い逃げ娘も俺様たちに引けを取らないくらいの、スピードで逃げる。くっ逃げ足が意外に早いのぉ!

「ぬあああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!待ちやがれて言ってんだぞ?!!!貴様るぁぁぁぁっ!!!!!」

五月蝿いのぉ…

「てめーらっ!食い逃げごときで、か弱い少女を追い掛け回すんじゃねぇェェェェェェッ!!!!!」

ピキッ…

食い逃げごとき!?そんな事で許されるようじゃ、このY(ヤクト)団首領様はいらんのんじゃっ!

ご町内のヒーローかなんか知らんが、こんな非人道的(自分らのやってる事も非人道的だが気付いていない奴)な事をほざく奴は極悪の二文字のつく悪人だべっ!

俺様はざっと飛びあがり、後ろを振り向き様に黒いバラを取りだし…

「Y(ヤクト)27の秘儀!
エレガント祭り!!」

チュドーーーーンッ!ドドーーーンッ!!

「ぐっ!!」

「さらばだ、メタルヒーローよ!!」

我が、考え出した27の秘儀で逃れられる物などいないっ!

ゆっくりと堪能するがいいべ…

「改めまして、食い逃げ娘捕獲すんべさーーーーーーっ!!」

「いーーーーーーっ!!」

「うぐぅぅーーーっ!!」

俺様たちは、上手く食い逃げ娘を追いまわし、人気のない場所まで追いこんで行った。途中でエレガント祭を食らってもしぶとく追ってくる極悪メタル(ウラタンダーの事です)だったが、途中でガトリング砲のような銃声と共に、追ってこなくなった。まあ、何とか巻いたと思っていいだろう。

廃工場前…ようやく、食い逃げ娘を狭い場所に追いこんだ。

「うっうぐぅ…」

もう疲れたのか、足が

「…ふふふっ、ようやく追い詰めたぞ食い逃げ娘」

「うぐぅ、何で追いまわすの?ボク何も悪い事してないのに(爆)」

「……この妖怪・食い逃げ娘がっ!!自分のそのちっこい胸に聞いて見やがれ!でらぼうめぃっ!!」

びしっ!と食い逃げ娘を指差して、江戸っ子風に決める。

「うぐぅっ!ボク妖怪じゃないもん!」

「ええい、黙れ、黙れ、黙れぇい!我等Y(ヤクト)団の目の前で、堂々とたい焼きを食い逃げするとは言語道断!よって、この首領直々に印籠を渡してくれようぞ、食い逃げうぐぅ娘っ!!!」

だんだん時代劇風になって来て、妖怪・食い逃げうぐぅ娘はもう泣き出しそうな顔になっていった。

「うっく…ひっく、だって…たい焼き食べたいと思って、いつもの様に20個買おうと思ったらお金が無くて…うぐぅ…」

涙ながらに娘は食い逃げの動機を洗いざらい話し始めた。その光景に、周りにいた戦闘員Y(ヤクト)兵達までもらい泣きしているではないべかっ!

「「い〜〜(貰い泣)」」

「てめぇらっ!もらい泣きしてんじゃないべっ!」

「ひっく…ひっく、うぐぅ…ごめんなさい」

「謝ってすむなら、わしはいらんべっ!さあ、観念するべ、妖怪食い逃げ娘!」

「…うぐぅ…」

食い逃げ娘は、何を思ったのか持っていたたい焼きを一つ俺様の前に差し出した。

「何のつもりだべ……」

「うぐぅ、これで許してください…」

涙目上目遣いで俺様の顔を見る食い逃げ娘……うっ、可愛い…こいつ…

やめるべっ!そんな汚れのない澄んだ瞳で、わしを見るなっ!!くそぅっ!

「あう…この…この……」

「だめ?」

ぷつん…
だーーべーーーーさーーーーーーっ!!!!

「ふっ、俺様も大人気無かったか、君のような子供にこんなにかっかしてしまって…」

エレガントにたい焼きを受け取り、食い逃げ娘の隣に座る。こんな俺様を安い男だと思いたければ思うがいい…思ったら、側…

「Y(ヤクト)爆弾」

ちゅどーーーーーんっ!!

「いーーーーーっ!!!」

「うぐぅ…許してくれるの?」

「今はな、だけど…次は絶対に金払うんだべよ、いいな」

「うんっ!わかったよ」

食い逃げ娘は俺の隣でニッコリと微笑んだ。何だか心が和む感じがするな…俺様はぱくりと食い逃げ娘のたい焼きを食った。

うん、美味い…

「……お前実はいい奴だな」

「うぐぅ、ボクいい子だもん…」

「いい子は食い逃げなどせん…」

「うぐぅ…」

「はははっ…」

すっかり、食い逃げ娘と馴染んでしまったY(ヤクト)団はもう食い逃げの事など忘れていた。

「そう言えば、名前聞いてなかったね」

「…そう言えばそうだな、いいか聞いて驚け」

食い逃げ娘が、そう切り出して…俺はヘルメットを外そうとした。

ボカッ!ドギャッ!
「「いーっ!?」」

戦闘員達の悲痛な叫び声が、聞こえ俺はとっさに振りかえった。

「うぐぅ…今度は何?」

「むむ?我がY(ヤクト)団に喧嘩を売ってくるとは…何奴」

暗がりから、我等に向かってくる影が一つ…

もしや、さっきのメタル野郎…いや違う、ではなんだ?

「データ解析…なぬ!?こいつ、人間じゃない…まさか、巷で話題になっている敵、アンノウンか……」

「あんのうん?」

休日を利用して、極東支部に行った時に小耳に挟んだけどまさか本物がこの街に出るなんて聞いてないぞ…

『ひゅーっ…』

だが……こちらとて、戦う力がないわけではない。

「ふはははははっ!!我がY(ヤクト)団に喧嘩を売るとは、笑止っ!!灰にしてくれようぞ!!化け物」

Y(ヤクト)爆弾を両手に持ちアンノウンに対抗する。戦闘員達もアンノウンを包囲して行った。

「えっええっ!?」

「食い逃げ娘、隠れてろ……あぶないべさ」

「うっうん…」

食い逃げ娘を後ろに下がらせて俺様は、アンノウンに向けて大ジャンプをした。

「行くべさっ!!行くぞY(ヤクト)兵っ!!」

「いーーーーーっ!!」

数分後…

「ぐっぐぐっ…こんなはずでは…」

敵の戦闘能力を甘く見ていた我等の敗北なのか……アンノウン一体に10数人の戦闘員が完膚なきまでに叩きのめされた。何とか最後まで残った俺様も、あとY(ヤクト)爆弾は一個だけ…予備がない…

「だべさ…もう爆弾は一発しかないべさ」

「うぐぅ、戦闘員さんもみんなぼこぼこに…」

「どうすべ、我等の増援を呼ぶにも時間が……」

『あ〜ぎ〜と〜』

アンノウンは血相変えて、俺と食い逃げ娘に襲いかかってきた。

「くっ来るよっ!!」

「だべーーーーーーーーっ!!」

ドゴォォォーーーーーンッ!!!!!

その時爆音をけたたましく上げて、何かが廃工場に入ってきた。

「!?」

そっそれは……
 

<ウラタンダー視点>

あ?俺の番?

めんどくせえなぁ・・・

でも、まあしゃあないか。

当事者の一人だしな。

あん時俺は・・・・こう思いながら走ってた。

あ、そうそう。後のほとんどは、「当時の」俺が話す。

ま、静かにして聞いてくれ・・・・
 
 

ぐああああああ!!!!!

がーむかつく!

あのやつらは必ずあの世へ送ってやるうわ!!!!!

俺をコケにしただけでなく、無関係な連中まで巻き込んで、その上爆弾をぶつけてくるとわ!!

俺の自由を侵すものには死だ!そう、「他人の酒と自由を奪ったものには罰を」がガンフロンティアの掟だ!!!(謎)

…そう考えながら、俺はやつらを追っていた。

そう、「絶対に俺はこいつらをギタンギタンにしてしまわなければならない、いや殺す、殺して犬のえさだ、もしくは東京湾の肥やしだ」と、ある種、ちょっと傍目から見れば、おかしい、いや、絶対逮捕されるであろう思考をしながら…

まったく厄日である。

本来なら、もう家に帰り着いて、夕食の準備をしている時間だと言うのに…

なぜ俺はこんなところで走っていなければならないんだ?

実に不可解である。

ちなみに、今日の晩飯はカレーうどんの予定だ。

そう言えば、今日は先勝だった気がする。

ふう・・・

「こらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!まちゃぐぁるぇぁぁあああああぁぁっ!!!!!」

後少し・・・後30mで、やつらを捕らえることができる!

そう思ったとき、黒いやつの声が響いた。

「Y(ヤクト)27の秘儀!
エレガント祭り!!

ごがっ!!

ぐはっ?!

・・・またか・・・あのガキ・・・・

煙幕だけじゃぁあき足らずに爆弾まで持ち出すとわ・・・・・

そこまで俺様に消されたいんだぬぁぁ・・・よぉし・・・思う存分消してくれるわ・・・・

ここまできては仕様がない(何が?)、半径数百mごと吹き飛ばしてくれるわ!!

「来い!URAユニッ・・・?」

やつらを原始雲まで分解してやるために、船を呼ぼうとしたとき、後ろから妙な格好したやつが現れた。

「待て、貴様何者だ?!」

その、ブルーのメタリックスーツを着た男(?)は俺にそう言って、銃を構えた。

「・・・てめえこそ何もんだよ・・・」

いきなり銃を構えるような無骨者に、名乗ってやる義理も、丁寧にしてやる義理も俺にはない。

乱暴な口調で問い返す俺に、そいつは明らかに戸惑ったようだった。

そう・・・

・・・俺はこのとき全然思ってなかった。

俺が追いかけてたやつらと、ここに現れたやつ。

こいつらと、だいぶ長い間の腐れ縁になるとは・・・・

ふ・・・嫌過ぎだ・・・・

まあ・・・・

続きを話そう。

俺はぶっきらぼうに、

「相手と話すときは、銃を置けよ。無骨者が。それじゃあ、友好的な態度にゃ見えねえぞ。」

と言った。

「無こっ?!・・・」

そいつは明らかに傷ついたようだった。ざまあ見さらせ。

・・・・ん?

あ?!!

あいつら、いねえ?!

うそだろ?おい・・・この野郎・・・・

「おい!?手前のせいで、追いかけてた連中見失っちまったじゃねえか!?この始末どうしてくれんだ!!責任者出せ!!?」

わめく俺に、そいつは困ったような声で、

「いや、そんな事言われても・・・小沢さん、どうしましょう?」

と言った。

その途端、スーツのソナーに特殊な波長の電波が入ってきた。

『んー・・・何かはわからないけど、とにかく敵じゃなさそうね。接触してみなさい、氷川君。』

「わかりました。・・・えーと、あなたは?」

・・・なんか知らんが、無線に出た女の声は、最高に俺の嫌いなタイプの声だった。

「・・・んなこたぁどぉでもよかろう・・・やつらの追跡を手伝うか、手伝わないか・・・つまり、落とし前をつけるかつけないかにしか、俺は興味がねえ・・・」

さっきより一段むかつく口調でそう言って、さらに、

「聞こえてんだろ?無線に出てる女?!責任者ならそのくらい決めろ!うすらとんかちが!!」

と続けた。

俺は、こう言う少々高圧的で、「自分で何でもできます」みたいな口調の女は、どんなに美人だろうがなんだろうが、大嫌いである。

すると、無線から、何かが切れるような音と、静かな・・・そう、とても静かな声がし始めた。

『・・・・・氷川君、そいつはアンノウンよ。撃ちなさい。』

・・・ちょっと待て。さすがにしゃれにならんぞ、それは!

さらに無線から、気の弱そうな男の声が聞こえた(ちなみに、これも、俺の嫌いな感じの声だった。)。

『ちょ、ちょっと、小沢さん!まずいですよ、それは!!』

『いいから、あなたは黙っていればいいの・・・今度口出したら、Gトレーラー磨き1年よ!!!!!?』

『・・・・』

・・・どうやら、これはまずそうだ。

「小沢さん、僕もそれはまずいと思います!もう少し話をしてからでも・・・!」

こっちの青いのも、それはそれでしゃれになってねえ事言ってやがるし・・・

「・・・・じゃあ、手伝う気がねえんだな?なら、邪魔すんな!!たこ!」

頭来た俺は、思わずそう言ってしまった。

思えば、こんなこと言っちまったために、この青いのと腐れ縁になっちまったんだよ・・・ふう。

そしたら、一際大きいなんかが切れるような音がした。

『・・・氷川くうん・・・今すぐ、GX-05を起動しなさい・・・でないと、後でひどいわよ・・・うふふふ・・・・』

その声は普通の男なら、大抵が恐怖するであろうほどの抑揚の無い、静かな恐怖を煽り立てるようなものだった。

「…わ、わかりました。GX-05アクティブ!!」

…どうやら、こいつもその口らしい・・・・

「どこの誰だか知らないけれど、すみません!なるべく当てませんから!!」

バリバリバリバリ・・・・!!!

そう言うと、青いのは、まじで撃ってきやがった。

そのGX-05とか言うガトリングガンから猛烈な勢いで、弾丸が飛び出してくる。やべえ。

ガンガンガン!!!

しかも、おもいっきしあたってるし!!!

死の恐怖を感じた俺は、もうこの場は打っちゃって逃げることに大決定した。

「痛て、痛てて、痛てえよ、ボケ!!!付き合ってられっか!!!来い、URAマシーン!!!!!」

グオオオオオンン!!!!

キキキキーーーーーーっ!!!!

俺が呼ぶと、あっという間に俺の車は来た。

乗りこみながら俺は、

「覚えてろよ、こら!次あったときはギタンギタンに熨してくれる!!!」

と言った。

結局俺は、べたな捨て台詞をはいて、この場を退散することになってしまった。

カッコ悪りい…

それも、死ぬほど。

・・・それもこれも、やつらのせいだ・・・必ず消す!!!

絶対に許してなるものか!

やつららしい反応を郊外の廃工場に見つけた俺は、マックススピード600km/hで、急行した。(注:道交法違反です。)

着いた!!

クックック…必ずあの世へ送ってやる。滅ぼしてくれるぅううううう!!!!

ダーッハッハッハッハッハッハ!!!!!!

ドゴォォォーーーーーンッ!!!!!

壁をぶち破って工場内へ侵入すると、さっきのやつらがぼろぼろになって転がって・・・

そして、明らかにこの星の現存生命体とはまったく違う"もの"が、さっきの少女に襲いかかろうとしていた。

バン!

乱暴にドアを開けて、俺は、

「・・・・何やってんだ、そこの変態生物っ!!!」

と叫んだ。

後で知った。

こいつらはアンノウンと言って、人を邪悪生命体呼ばわりするくそむかつく黒服の使者なんだそうだ。

そして、これが初の戦いってわけである。

そのときの俺は、こう思っていた。

・・・誰だろうが、俺の邪魔をするやつは、滅ぼしてくれるわ!!!!

こいつらとも長い付き合いになることになる。

それから・・・
 
 

あ?時間?

ああ、そう・・・

と言うわけで、この件に関して俺がしゃべれんのはここまでのようだ。

後は他のやつにでも聞いてくれ。

じゃ。
 
 
 
 

<小沢さんの視点>

え…私?

なんで私なの……

なに?あの時の事を話せ?

……ふ、あの時は…私の人生最大、一番腹が立った時だったわ。
 

Gトレーラー内

カショ〜(氷川君がG3−Xを脱いでる音よ)

今日もいつものようにアンノウンが出て(爆)出撃したまではいいけど、ここまで遠出するなんて思って無かったわ……

それで、やっとの事さでぶったおして…、今こうして戻ろうかと思ったけど…

「はぁ…」

「どうしたんすか?小沢さん」

こいつは尾室君、紹介する必要もないか……

「ガビーーーーーンッ!酷いっ!!」

「はぁ、誰かさんのせいでG4のデータが盗まれて、結局G4はパー…」

「うう、あの時は酔ってて……(それに美人だったし…)」

「小沢さん…もう過ぎた事ですし…」

「それで、G3−Xの修理代も多く取っちゃったし、G4システムの方はS.U.P.に分析の為に回収されちゃったし…ぶつくさ…」

そう、あの事件の後、G4システム自体はS.U.P.に回収されて、そのシステム面を分析して改良を加えられるそうなのよね…本当なら、こっちで処分するはずだったけど、結城さんは本郷警視総監と友人だから、頭は上がらないし…優秀だからね〜

でも……G4は彼がいれば、G3−Xに変わる対アンノウン対策に加わるシステムとなるかもしれないんだけど……

鮫島やくと、彼と会ったのが数年前…G3の開発にS.U.P.が協力してくれた時で、その時は結城さんが来るはずだったけど、その時結城さんは別件で来れなくて、変わりに来たのが……鮫島君だったのよね…

まだ中学生で、少し生意気と思ったけど…意外とセンスが良くてそれまで人造人間路線で行っていたG1やG2の路線を強化服に変更して、開発を一からやり直したのよね…

彼がいなかったらG3は生まれなかったわよね〜

今は、高校に通う為S.U.P.には協力していないって聞いているけど、生きてるかしら…

「うう〜G3マイルドで活躍したのに〜」

こいつはどうでもいいと……

「ともかく、早く署に戻って焼肉よっ!!」

「小沢さん太りませんか?」

「ふふふ、甘いわね氷川君…肉は!別腹よっ!!」(By.あぎと日記)

「はっ…はぁ…」

そうよ、憂さ晴らしには尾室君の肉を盗み食いする事よ…

さぁ、そうと決まれば焼肉屋へ直行よっ!!
 

そして、Gトレーラーは焼肉屋に向けて直行するはずだったわ…

けど……

ピーッ!

『市内の公園で、不信爆発があった模様…走行中の各車は現場に直行してください』

「爆発?」

「アンノウンでしょうか……」

「不発弾が爆発したんでしょ、アンノウンじゃないと思うわ」

「でも……小沢さん、あれは一体何でしょう…」

尾室が、また余計な物に指を刺す……って、なによ…あの連中…

「うぐぅぅぅぅーーーーーーーっ!!!」

「まてまてまてまてまてまてぇっい!!」

「まちやがれぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」

羽リュックを背負った子供っぽい女の子を先頭に、黒ずくめの変な奴と何種類かの全身タイツ男数十名…そして、それを追う赤いメタリックな何処と無くG3を思い浮かべるやっぱり変な奴……

「何なのよ、あの連中……」

思わず目を疑うくらいのモニターの光景に思わず心の声が出したわ…

「うーん、僕には少女を黒服の連中が追っかけて、その黒い連中を後ろのメタリックな奴が追っかけてるように見ますが……」

「そうですね、アンノウンじゃ無い事は確かですね……でも、どう見ても彼等を放って置くことも出来ませんし…どうします?小沢さん…」

『緊急入電、市内の爆発事故現場で不信な黒服の集団を目撃した模様…』

くっ…黒服?集団?

「小沢さん、あいつ等じゃありませんか?」

「どうします?もしかしたら爆破の犯人グループかもしれませんよ」

「……くくく、面倒くさい事になったわ…氷川君、G3−X出動よ…」

「えっ、相手はアンノウンじゃありませんよ、小沢さん」

「応援待つより、ここでG3−Xで全員逮捕すれば、手っ取り早いわよ」

「はっはぁ……」

そんなこんなで、氷川君は今日は2回目のG3−Xを装着してガードチェイサーに乗って黒い連中に向かって行ったわ。

その途中で…

『小沢さんっ!連中のボスらしき人物が、メタルな人(笑)に爆弾を投げた模様…』

「やっぱりあいつ等が犯人ね、氷川君っ!追うのよっ!」

『了解っ!』

ガードチェイサーで、黒い連中を追っかけて行ったら…黒い煙がG3−Xのモニターを塞いだ。

『小沢さん、目標を全員ロストしました…』

「なんて逃げ足の早い奴らなの……ガードチェイサーが追い付かないなんて…」

『凄い逃げ足ですね…』

「小沢さん、メタルスーツの奴はまだそこにいますよ…」

「ん?……あいつ、まだいるようね」

煙の奥に、あのメタルスーツの奴が

『アギトでしょうか……』

「違うかもね…とりあえず、GM−01アクティブ」

『了解』

『来い!URAユニッ・・・?』

あいつは、変な奇声を上げようとした所を氷川君が止める。

『待て、貴様何者だ!』

氷川君がGM−01を向けて、そのメタルな人に向けると…そいつはぶっきらぼうに…

『相手と話すときは、銃を置けよ。無骨者が。それじゃあ、友好的な態度にゃ見えねえぞ』

『無こっ!?・・・』

あーあ、言ってはいけない事を……氷川君にとってそれは禁句なのに…多分こいつ人間ね…それも非常にたちの悪い……

『おい!?手前のせいで、追いかけてた連中見失っちまったじゃねえか!この始末どうしてくれんだ!!責任者出せ!!』

ん?私?……こいつ、私を呼んでいるの?…

『いや、そんな事言われても・・・小沢さん、どうしましょう?』

そんなに私を頼りにされてもね…こいつ見るからにあれなやつね…とりあえず…

「んー…何かはわからないけど、とにかく敵じゃなさそうね。接触してみなさい、氷川君」

『わかりました。・・・えーと、あなたは?』

あいつは、絶対私の嫌いなタイプね…

『・・・んなこたぁどぉでもよかろう・・・やつらの追跡を手伝うか、手伝わないか・・・つまり、落とし前をつけるかつけないかにしか、俺は興味がねえ・・・』

さっきより一段むかつく口調でそう言ってるわこいつ…生意気ぃぃーーーこいつ絶対に友達いないわ…

『聞こえてんだろ?無線に出てる女?!責任者ならそのくらい決めろ!うすらとんかちが!!』

うっ…
うすらとんかちがぁぁ??

一生涯そんな屈辱を言われた覚えは無いわ!

天才と呼ばれて…何年経ったかしら……

ふふ…ふふふふふっ今日は厄日だわ…まさにこんな、厄日は無いわ

後悔させてやるわ…このアンノウン…

だから…私は言うの………

『・・・・・氷川君、そいつはアンノウンよ。撃ちなさい。』
 
 

そして・・・駒はそろったらしい。

廃工場の中で対峙するウラタンダーとアンノウン。

工場の隅で竦んでいる、先ほどの食い逃げ少女・月宮あゆ・・・

そこらへん中に転がる、ヤクト兵の残骸(?)・・・

そして、同じように倒れているY首領が口を開いた。

「ベ・・・べさぁ・・・そいつを侮るなだべ・・・めっさつよひ・・・・・・ガク」

そう言って倒れたY首領を、補充の兵なのだろう。工場に入ってきた戦闘員が他の戦闘員の残骸と共に、手際良く回収していった。

「ぐぁ!逃げるんじゃねえよ、こら!!待ちやしもぐしもっ!?」

ゴゲラッと、ウラタンダーの頭が鈍い音を立てた。

撤退するY団を追おうとしたとき、アンノウンが動いたのである。

頭に思いっきり不意打ちを食らわせられたウラタンダーは、怒りをあらわに叫んだ!

「てんめえ・・・ぶっ壊す!!!!!!!!!」
 
 

緊迫した空気が数分・・・いや、数秒ほどだったに違いないが、この場を満たしていた。

その緊張を破ったのは(怒りが収まって冷静になってきた)ウラタンダーだった。

「・・・てめえ・・・俺の邪魔しようってんだな・・・?
必ず消す!!!」

「グ・・・グァッ!」

怯えたような声を出し、アンノウンが襲いかかった!

口から針のようなものを飛ばしながら、ウラタンダーへと近づいていく。

キィン!キィン!!

その全てをスーツの装甲で弾き飛ばしながら、ウラタンダーも攻撃を開始した。

「俺を怒らせた罪は重いぞ、こら!
 トウァ!」

ゴガスっ!

「グォッ!?」

彼の蹴りがヒットし、アンノウンはよろけた。

「・・・・・・滅殺・・・だぜ?」

廃工場に、ウラタンダーの勝利を確信した声が響いた。
 
 

そして、数分後・・・

ウラタンダーは確実にアンノウンを追い詰め、(残忍と言うか、卑劣というか・・・・)殺さないように、気絶とかもさせないように、じわじわと嬲っていた。(まあ、一応彼も相当のダメージを負ってはいたけれども。)

ゴゲシッ!

アンノウンの頭を踏みながら彼は、

「俺の邪魔した罪は、死刑・・・だぜ?ゴルァ!」

ゲシゲシと、敵の体中を蹴りまくる彼は、空気の異変に気づいていなかった。

「あの・・・その辺でやめたほうがいいと思うよ・・・?」

そういいながら、あゆが近づいてきた。

はっきりいって、危険極まりないことであるが、ウラタンダーが怒りに任せてアンノウンを苛め抜いていたことがこの事態を呼んでしまった。

ウラタンダーは後悔し、叫んだ!

「馬鹿やろう近づくなっ!!・・・これはっ、まさか!?」

ぶわっ!

キィィィィィィンンン・・・!!

耳鳴りのような音を響かせて、上空から別のアンノウンが出現したのである!

「クソっ!まじかよぉ!!」

そう叫んで、あゆの元へ走ろうとしたウラタンダーだったが、

「グ・・・」

先ほどまで嬲っていたアンノウンが、彼の足をつかんで・・・

「はっ・・・離しやがれッ!?」

「やっ・・・・!」

あゆがしゃがんで・・・・

(もう、間に合わないかっ!!?)

彼がそう思ったとき、アンノウンの凶爪があゆの命の炎を奪い去ろうとしたとき、奇跡が起こった!

「ライダァァァァッキィィィィィィィック!!!」

ズドゴァァァァァァン!!!!!!

何者かの放った、強力な飛び蹴りがもう一体のアンノウンを吹き飛ばした!

一陣の疾風が吹き、そして、ウラタンダーは何者かがその場に立っていることに気がついた。

「・・・・・何もんだ、あんた。」

ウラタンダーの問いに、その何者か・・・ともすれば髑髏にも見える飛蝗の仮面をかぶった男はこう答えた。

「人々のささやかな平和を脅かす『悪』の野望を打ち砕き、人類の自由を守るため・・・大自然が遣わした正義の戦士、仮面ライダー1号。」

「・・・あんた、もしかして、改造人間か・・・?」

ウラタンダーは一目でそう思った。そして、この男は自分たちの味方だとも。しかし、その疑問は答えられることは無かった。

「・・・今は、その疑問に答えている場合ではないだろう?行くぞ!」

「・・・ああ!」

ウラタンダーも、その質問を打ち切って戦闘態勢に入った。

「てめえら・・・残らずあの世だッ!!!」
 
 

あとは、一方的だった。

ウラタンダーの剣が、1号の拳打が、徐々にアンノウンを追い詰めていった。

そして、G3-X、そして替えの爆弾をわざわざ家から取ってきた(笑)Y首領も乱入し、そして・・・
 

「GXランチャー・アクティブ!!」

「電人爆裂ッ!URAエンドっっ!!!」

「うはははっはははははっ!Y(ヤクト)27の秘儀がひとつッ!人機爆裂・戦闘員キャノン!!!」

「ライダァァァァァァッ月面キーーーーーーーークッ!!!!!!」

ズドゴガーーーーーーーーーーンン!!!!!!!!!!
 
 

・・・・盛大な爆発とともに、アンノウンは倒された・・・
 
 

「ンべさ・・・怖い目にあわせちまったべ・・・すまんべさ。」

「ううん・・・僕はもう気にしてないよっ!」

「そうだべか・・・ありがとう。」

戦い終わって、なんか良い雰囲気を作り出しとる二人だが・・・

「・・・そのタイヤキ小娘が、てめえらの事を許しても・・・・俺はゆるさねえぞ?ああ?」

「べさっ?!そう言えばお前がいたべ!極悪メタル!それに、あれは・・・昔噂になった、髑髏男?」

「そう言えばじゃねえええええええええ!!!!!何が極悪メタルじゃぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!電人爆裂URAエンド!!」

どっごぉぉぉぉぉぉん!!

「だっべさぁーーーーーー!!!髑髏男にインタビューする絶好の機会がぁぁぁぁぁぁっ!!!!?覚えておれよーーー!!!!?」

ウラタンダーに見事吹っ飛ばされました♪

こうなってしまうのは、まあお約束ってやつですか?

「ったく、いったいなんだったんだ・・・?で、あんた・・・一体。」

「そうです。あなたは・・・?」

ウラタンダーとG3-Xに交互に質問される1号。だがその疑問には答えずに、

「今は、話すときではない。それより、そこの赤い仮面。私に付いて来たまえ。」

と言った。

そして、即座に「わかった。」と答えたウラタンダーは、1号と共にマシンに乗って消えてしまった。

G3-Xもガードチェイサーで追いかけたが、全然追いつかなかったことを付記しておく。
 
 

ここは、町外れのジャンク屋の裏・・・

変身を解いた1号は、同じく変身を解いた浦谷に奇妙な話をした。

「私は、警視庁総監本郷猛。またの名は・・・もう言ったかな?君に話しておくことがある。聞いてほしい。」

「警視庁・・・総監?!なんでまたそんなのがこんな辺鄙な場所に・・・?」

浦谷の疑問には答えず、本郷は、

「今、人類に・・・いや、この星に重大な危険が迫っている。そして、その危機を回避するために必要な、同志を探しているのだ。」

「危機だと・・・?」

「君のことは、君の上司から聞いている。君の上司もまた、かつて地球を救った英雄なのだ。」

「はい?まじですか?!」

いまいち状況が飲み込めないと言う感じの彼に対し、本郷は言った。

「そこで君に、同志となってもらい、そしてこの男を探し出してほしいんだ。」

そして、写真と、書類らしきものを彼に手渡すと、

「頼む。この男の力が必要なんだ。なんでもいい・・・わかったことがあったら、ここまで連絡してくれ。」

と、書類に書いてある電話番号をさした。

「はあ・・・わかった。面倒だが、調べましょう?何せ、知り合いの旦那のことだし・・・」

「そうか、調べてくれるか!」

「ああ、でも、同志ってのはしばらく考えさせてくれ。それなら受ける。」

「わかった。ではな・・・そうだ。」

「ン?」

思い出したように、彼は、

「さっきの青いメタルスーツ・・・彼が苦戦していたら、助けてやってほしい。そして、彼には私の正体をくれぐれも秘密にしておいてくれ。」

「・・・わかった。元からそのつもりだよ。」

G3-Xの話を出されたからか・・・急に不機嫌になった浦谷を一瞥すると、本郷は去っていった。

「・・・俺も、帰るか・・・って、買い物してねえし!?」

・・・間抜けな話であった。
 
 

「あ・・・浦谷さん、今帰りですか?」

「ン、ああ・・・」

浦谷とやくとは暮れゆくアパートの前で、ばったり会ってしまった。

「・・・?どうしたんですか。ずいぶん疲れてる様に見えますよ?」

「お前こそ・・・部活でもあったのか?」

買い物袋の中身を気にしながら浦谷が言うと、

「いえ・・・僕は、部活じゃないです。その・・・ええと。」

「?・・・なんだって?」

「いえ、何でもないです。では、また・・・」

「ああ・・・わかった。元気でな。」

二人はそれぞれの自宅へと入っていき、物憂い逢魔ヶ刻もやがて夜の景色に覆われていった・・・
 

<浦谷の恨み言>

オノレ・・・やつらは必ず消す!いずれ、必ずだッ!!メタメタのギタギタにして、地球の中心部に放り込んでやるッ!
 

<やくとの1行恨み日誌>

あの極悪メタルは滅殺だべっ!!必ずばらばらに死たるべ!そのためには怪人ロボを造る必要があるベ・・・
 

さて、この物語・・・こう始まったわけですが・・・どう終わるかは・・・さて?

では、お時間となりました・・・長らくお付き合いくだすった皆様に感謝いたします・・・

第1話了



 

あとがき

無駄に長い・・・・

何故だろう・・・

次はもっと短く話をまとめたいです。

原作ありヒーローの活躍をもう少し長くしたいし。

ではっ!!

シュワッチュ!!

Ps、やくと&小沢女史の回想部分を書いてくれた、Y(ヤクト)団首領よ、永遠に栄えあれ!!!サンキューーーーーーー!!!!!!!



 

 Y首領より後書き。
久々に、熱くならせてもらいました。今回はライダー中心に話しを進めましたべな!今度は短くまとめようべ!

 でもこれも我等の努力のたまものだべさ!二話は私から始めてやったりますっ!

 では!

 とうっ!ピュゥ〜〜ッ!
 
 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル