アンノウンに襲われていた、あゆはウラタンダー、G3−X、仮面ライダー1号…それと言うべきものか、Y(ヤクト)団の活躍により助けられました。
けど、変人だらけの町にまた、何人かの変人が現れて…この街も本当に平和といえるのでしょうか……
そして、戦いが終わった後の榊荘と鮫島家では……
榊荘
「あの、黒服集団っ!特にあの仮面野郎…必ず消すっっっ!!」
ウラタンダーこと、浦谷竜蔵こと、銀河広域クル文化圏の第15太陽系の第7惑星・URA星からやってきたヒーローっぽい人物…本名はウライと言う人物は、今日のY(ヤクト)団との戦いにかなりおかんむりの様子です。
壁に無造作に立て掛けてあるぬいぐるみを、バコベコと叩きます。
ちなみに、ぬいぐるみは…某テレビ幼稚園児コメディーアニメの主人公のガールフレンドが八つ当たりする、ぬいぐるみです。
「あいつだけは、ギタギタのボコボコのいやんばかんにして、抹殺加減もはなはだしいっ!!」
本当にヒーローなのでしょうか、この男は……
そして……鮫島家。
「大丈夫、やくとちゃん」
「いてて、大丈夫ですよ…律子さん」
URAエンドの直撃を受けた、数十名もの戦闘員を束ねるY(ヤクト)団の首領こと鮫島やくとの頭に、大きなこぶができていました。
それを、彼の義理の母である律子に介抱されていました。
なんていい雰囲気なのでしょうか……
さて行って見ましょう……
超弩級巡洋戦士ウラタンダー!
第二話「てめーら静かにしやがれ!」前編
前回のでかなり長かった為、今回はウライとやくとの二人の一人称と三人称でいかせてもらいましょう。
まずは……Y(ヤクト)団首領ことやくと君視点からいきましょう。
<やくと視点>
はぁ…あの極悪メタルのせいで、頭におおきなたんこぶができちゃったよ…
それで今、律子さんに手当てしてもらっているんだけど。
「あの、極悪メタル……せっかくの髑髏男のインタビューだったのにぃ〜」
「ん?極悪メタル?やくとちゃん、もしかして喧嘩でもしたの?」
律子さんが凄く心配そうな顔で迫ってきたぞ…上目遣いしかも涙目で僕に迫ってくる。
「あっ、いや…違うんです……」
「違うの、よかった…私のやくとちゃんが傷付いたら、立っていられない」
「りっ…律子さん」
私のやくとちゃんってあんた!だっだめだべよっ!あんた何考えてんのっ!
「律子さん、僕達……これでも家族だし…」
「やくとちゃん、律子さんじゃなくてママって呼んでいいのよ……」
だめだ、完全にトリップしているよっこのままだと、くっ…くっ…食われる!!
「だべーーーーーーーーーーっ!!」
身の危険を察知した、僕は足早にその場から離れて、急ぎ足で自分の部屋に行った。
「はぁ……榊荘の大家さんと言い、律子さんといい、何で僕って年上の女の人に好かれるんだろう……」
まあ、とにかく今日の事を日記に記さないとな……
『9月●×日、正義の活動初日…たい焼き屋と妖怪食い逃げ娘を厚生してやったべ!初日から、悪の厚生はかなり体力をつかったべ、だけど食い逃げ娘と友人になったべっ!あいつがまたあの化け物に襲われたら、このY(ヤクト)団が助けてやるべっ!』
こんなもんかな、あっ……忘れていたべ!こいつの事を書かなくては…
『あの極悪メタルは滅殺だべっ!!必ずばらばらに死たるべ!そのためには怪じ…』
とは言ったものの…この次元転移装置こと、我等が大首領…ドクロべえ様はこの歴代の戦闘員しか転送できないんだよな…本当は強い怪人をここから引き出そうかと思ったけど…
今のドクロべえ様の力の限界なのか……うーん、どうした物か…
……………そうだっ!
「自分で作ればいいんだっ!」
よしっ、その為には!日記に記さないとっ!
『そのためには怪人ロボを造る必要があるベ…』
怪人ロボか…いい響きだべ、あの極悪メタルを倒すくらいの力を持つ怪人ロボを僕のい配下に付ければ、Y(ヤクト)団の勝利は間違いないべっ!
僕は、さっきの戦闘で取ったデータの詰まったY(ヤクト)ヘルを取り出して、僕のパソに繋いだ。Y(ヤクト)ヘルはあの極悪メタルとの戦いで、ちょっと傷付いてしまっているため、詳細なデータは取れていないが…戦闘の画像から色々なデータが取れる。
まずは、この髑髏男(仮面ライダー1号)、インタビューしたかったけど…あの極悪メタルに邪魔されたため…色々な事を知る事が出来なかった。
でも画像からなら、なんかいいデータが取れるかな?
「うーん、戦闘能力は高い。さすがは噂になっただけのことはあるべ…うーん、歳は取ってもその力は衰えない…参考にしよう。すごい能力だ…」
うん、怪人ロボットを作るために参考になりそうなデータは画像から最低限取れた。えっと次ぎは……これ…青いメタリックスーツ。これは僕も覚えている…G3システムだ。
中学のS.U.P.で研究員の一人をやっていた時に、結城さんの誘いで警察の対未確認生命体兵器開発に携わった時に僕が発案したんだ。
小沢さん、元気でやっているかな…
でも、少し形状が違うような気がする、強化されている現われだと言う事は見て解る。
「このデータは僕のパソコンのデータベースに残っているはず、参考参考っ」
最後は、この極悪メタルか……うーん、見るからに悪の匂いがぷんぷんする奴だべ…能力も極悪級だべさ…もう少し詳細に調べたらこいつの弱点を知る事が出来るかもしれないべさ……
「ふむふむ…少し壊れていたから、正体までは解らないけど…こいつが画像から、この星の人間じゃ無い事がとってわかった…まさか、地球を侵略しに来た極悪宇宙人っ!やばいべっ!」
世界の危機には、このY(ヤクト)団が対処しなきゃならないべ…もっともっと調べて、あいつを一網打尽にする為のデータを集めなきゃ…
「ん?……こいつから、独特の精神波が出ている事が解ったべ…こいつを調べ上げれば…」
計算中だべ
CM入ります!
♪チャンチャラチャンチャラ♪
バニー秋子『築40年の静かな空間をあなたにっ!4LDK・立派な部屋から、幽霊が出るとうわさの4畳半までさまざまな部屋をご用意させていただきますっ!』
バニー名雪『うにゅ、今月は得々キャンペーン実施中だよ!祐一と北川君のプロマイドを先着100名様にプレゼントだよ〜』
バニー秋子『それと、先着1名の15〜21の美少年の方には…私からの感謝のき・も・ちをプレゼント♪』
バニー名雪『わ、それはそれとして…連絡先は(自主規制)だよっ、皆来てね♪』
♪チャンチャラチャンチャラ♪
CM終わり
計算終了だべ
??今、水瀬さんと大家さんのバニーさん姿が頭の中に不意に…
気のせいでも、なんだか得した気分……明日は何かいい事があるべ。
いやいや、そんなやましい事考えている暇なんてないべ!計算は終了…
「よし、この精神波を辿れるレーダーをこの人工知能SS(僕が以前に作った、特殊人工知能)に組みこめば、あの極悪メタルに対する怪人ロボットが開発できるっ!それじゃあ早速作るかっ!」
水瀬さんのバニー姿が少し頭に残るものの、僕は部屋のジャンクパーツをかき集めて…怪人ロボットを作ることにした。
うーん、コンセプトとしては、あの極悪メタルの発したレーザーブレードから放たれるURAエンドの威力を考えて、40t代。それを考えて……40t〜60t打撃系や間接系の必殺技に対する強固な装甲が必要だ。盾だ……盾が必要なんだ。
そして…あの極悪メタルを一網打尽にできる攻撃兵器。あいつの装甲は予想以上に高い物と画像から読み取れた事から、装甲を貫ける凄まじい攻撃力を持ち…あいつの隙を狙ってそして攻撃の隙を与えないようにする…狙撃砲台。いや、簡易型のバズーカ砲一本では無理だ…攻撃力の高いビーム砲が必要だ……
「ふふふっ…このパーツなら…」
このジャンク屋で5万(爆)で買ったMSのビームライフルを、改造して…出力アップさせたメガ粒子砲、自作のメガ粒子コンバーターでチャージする事により従来のビームライフルよりも高い攻撃力を誇る。
最強の矛と盾……両立するのは難しいけど、僕の技術なら…
その夜は、鮫島家の地下研究室で…けたたましい程の機械音が鳴り響いたのでした。
翌朝
はぁ、できた…できたよ!徹夜した甲斐があった……
色々総合計した結果、最強の矛と盾を持つ怪人ロボに相応しい形は、ズバリ『亀型ロボット』と言う事が判明した。
そして、亀型ロボットを実現させようとしたら、僕はこの雑誌に目が行った。『悪役怪人大集合』って言う雑誌に乗っていた、固定砲台にもなるカメバズーカと言う怪人と、格闘戦、白兵戦に適応させようと考えて…赤面ガメを参考にしてもらった。
それで、メガ粒子コンバータのチャージにこの怪人ロボットの可動間接部分に充電用バッテリーを取りつければ、激しい格闘戦をするとそのままメガ粒子砲のエネルギーとなり、チャージ時間が、10分〜5分に短縮されるんだ。
格闘戦には、腕に装備される可変型のL字ブーメランアームを…
背中の甲羅は、簡易型Iフィールドの発生できる特殊装甲の盾。可変して体の前に出すことも可能。そして背中に装備されたメガ粒子砲……
塗装は某ロボットアニメで僕が一番好きな大佐殿の専用カラーで仕上げて、完成っ!
「完成っ!怪人ロボット1号機、唸れ赤い閃光!レッドタートルっ!!」
ヴゥン…ウィーン…
僕の台詞と共に、レッドタートルの眼光が光って、グィーンと動き出した。
『ガメ…ガメガメ…マイマスター、始メマシテ…』
「マイマスターかなんだか歯痒いな、Y(ヤクト)ヘルも直したし…早速行こうか。あっ、そうだっ!戦闘員、全員集合っ!」
『いーっ!』『ギルッ!』『ハイルッ!』『ホイッ!』『ヤートット!』『オルゲット!』『イヤーッ!』
呼び声と共に、色々な種類の戦闘員がぞろぞろと集まって来る。でも各種類の代表一人だけ来たので、実際ここにいるは7人なのだ……他のは集団で何処かに住んでいるらしい。
ドクロべえ様(次元転移装置)から何人かいっぱい出したしな…
今度、榊荘の物件紹介しよう…
そんな事はどうでもいいんだ。戦闘員達に統一性が無いってファンから苦情が来たんだよな、という訳で、この特殊生地で作った戦闘服。従来の戦闘員の強さを…10倍に引き出す…
Y(ヤクト)兵特別スーツ!
マスク部分のYマークが特徴的なんだよな…
「みんな、今日はレッドタートルの完成記念だ、と言う事で…みんなに完成記念のプレゼントだよ!他のみんなの分も渡しとくから…これで、戦闘員の統一性が出来たし!完璧だよっ!」
戦闘員達にY(ヤクト)兵スーツを渡しながら、レッドタートルの元に戻り…
「そして、今からさっそくあの極悪メタルを一掃しに行こうと思う!ポイントX40、Y20の地点に集合っ!」
『いーっ!』『ギルッ!』『ハイルッ!』『ホイッ!』『ヤートット!』『オルゲット!』『イヤーッ!』
「レッドタートル、いいよね……」
『OKマイマスター』
「よしっ、早速行こうッ!」
Y(ヤクト)スーツ1式の入っているアタッシュを持って、僕は元気良く家から飛び出した。ふふふ、案ずるな…レッドタートルはこんな事があろうかと、地中を突き進めるように出来ている。
そして、レッドタートルが地中から出た先が、あの極悪メタルがいる所だ。
レッドタートルにも発信機をつけてあるから、何処に出てくるのかが解るのさ。
あ、こんな事して無いで行かないと!
20分後。
レッドタートルを追っていると、ある場所に到達した。
ここはただの喫茶店のようだな…喫茶「総進撃」…
「ここの人には悪いけど、世直しの為にはどうしてもあの極悪メタルを倒さなきゃならないんだ……ここは涙を飲んで…」
「武装装着っ!!」
僕は、Y(ヤクト)スーツ1式に武装装着する。そして、Y(ヤクト)ヘルの性格反転機能で、もう一人の俺が覚醒する。
「うははははははははっ!!!正義の世直しには、犠牲が付き物だべっ!!いちいち気にしていたら、世界なんて救えないべっ!!出でよY(ヤクト)兵っ!」
『ヤックッ!』
俺様の呼び声と共に、Y(ヤクト)兵がゾロゾロと集まってきた。ふん、俺様のやったY(ヤクト)兵スーツを着ているようだな。良き事かな……
掛け声にデカルチャーなんて付かないぞ!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
急に地鳴りがして…地面が揺れたと思ったら、アスファルトが砕け散り…怪人ロボット1号、レッドタートルが現れた。
『ガーメッ!!』
「サーモグラフィーで、あの極悪メタルらしき人物を発見した…ちっと壊れているせいで正体は定かではないけど、あいつだべ……レッドタートル、メガ粒子砲発射準備だべさっ!!」
『了解っ!マイマスター、メガ粒子砲発射準備…システムオールグリーン。長距離射程モードに変形…砲座展開』
レッドタートルの甲羅が開いて、中から大口径の巨大な大砲が現れる。レッドタートルは2足歩行から衝撃吸収用のクローを地面に突き刺して四つん這いになる。
『発射態勢完了、エネルギー充填確率100%、ターゲット確認、ロック完了』
キュィィぃーーーン!
背中のメガ粒子コンバータが緑色の光を発して、砲座にメガ粒子砲がチャージされる。
『メガ粒子砲、発射体制完了』
そろそろだべな、これで終わりだべ!吹っ飛ぶべ!極悪メタルっ!!
「てーーーーーっ!!!」
ズォォォォォォォォォオーーーーーーーーーーーーーーッ!!!
レッドタートルの、砲座から極太の光の矢が放たれ、喫茶「総進撃」に直撃した。
ふふふ、細胞の一粒残らず…吹っ飛ぶべさ……
いったいどうなってしまうのでしょうか、喫茶「総進撃」にいるウラタンダーの運命は…
<浦谷視点>
どごおおおおんん!!!!!
轟音。
ガラガラガラ・・・
はて、俺の上にどうして瓦礫が落ちてくるんだ?
俺は何か悪い事をしたか?
俺の故郷の祖神、白の聖神と黒の魔神に誓って絶対そんなことはしていない・・・はずだ。
思い起こしてみよう。恐らくは数秒に満たないであろうこの時間でここまで考えられるのは、死ぬからなのかもしれんが・・・
6時間ほど前。
午前5時のことだ。
俺は床から身を起こし、昨夜撮っておいたプロジェクトXの再放送を見ていた。
ちなみに今回は、日本列島最悪の風・清川だしに立ち向かい、希望の疾風に変えた勇気ある村人たちの話だった。
まったく、何処の星でもこのように自分の仕事に誇りを持って生きた者、逆境に耐え抜いて事を成し遂げた者たちの人生は輝いていると思う。
俗に言う、「あんたの男が光って見えるぜ」というやつである。
・・・違うかもしれない。
とにかく、今回も涙をこぼしてしまった。俺はこういう話に滅法弱いのだ。
5時50分、見終わった俺は深夜12時から朝9時までを営業時間としている近所の銭湯へと向かった。
ここの湯船は、贅沢なことによくプールについている、大型のポンプで給排水しており、どんなに客が多いときでもお湯がきれいだ。
後にとある人物に聞いたところによれば、25mプール用を改造したのを全開で使っているそうである。
・・・本気で贅沢だ。
そんなわけで、ここはトラックの運ちゃんとかビルの警備員、水商売などの深夜働く職種の方々に評判が良かった。
そう言う人が主な対象の商売であるがゆえに、この時間は混んでいる。
しかし、銭湯はそれが醍醐味とも言えよう。空いている風呂に入りたいやつは開店してすぐ行くのが礼儀である(?)
・・・常々疑問に思うことは、ここや自分のアパートなどを含め、この辺にはどうやって採算を取っているのかが不明な店や施設が多いということである。
まぁ、それは良いとして、今日はそこでとんでもないものを見た。
なんと、うちの大家・水瀬秋子が番台に座っていたのである。
暖簾をくぐると突如として、あの柔和な笑みが俺の視界に飛び込んできたのだ。
(なんでこの女がこんなところに・・・?というよりいつ寝てるんだ?)
疑問に思いつつも、見てみぬ振りをしようとしたが、気づかれてしまった。
「あらあら、浦谷さんじゃないですか?おはようございます。」
「む・・・おはようございます。」
友好的に声をかけてきた彼女に俺は、いかにも不機嫌にそう言った。
こんなところで彼女に会うなどとは思っていなかったし、なによりこんな時間にここにいる彼女のほうが不思議である。
曲がりなりにも彼女は主婦。
農家のお袋さんでもないのに、この時間に起きている可能性は低いはずだ。
それに俺の把握するところによれば、娘一人居候3人という養うべき対象がいるからには、番台などという職業のわけがない。(ナレーター注:これらは彼の偏見でしょう。よい子の皆さんは職業で収入や生活状況を判断してはいけませんよ。私からのお願いです。)
不躾だとは思ったが、俺は彼女に質問した。
「あの・・・何故、ここに?バイトかなにかですか・・・?」
よりいっそう柔和な笑みを浮かべて、
「それは、乙女の秘密です♪」
と彼女は言った。
俺は思った。
(高校生の娘がいるくせに、何が”乙女の秘密”だ?なめてんのか?)
・・・これか?これが悪かったのか?
年上(?)の人間に対してこんな事思ったから罰があたったのか・・・?
まあそんな風で、大家と話しこんで10分ほどしたときに良い情報を仕入れた。
「ああ、そうだ!浦谷さん、今月お金ないって言ってましたよね?」
・・・言って無い。
しかしあっている・・・
確かに俺の財布は今月ピーンチ!
昨日の本屋での収穫で命削るほど金を使ってしまった俺の財布は素寒貧。
給料日まで後一週間もある俺にはマジ大ピンチである。
貯金に手をつけるのは最後の手段である。
はっきり言ってかなり困っていたことは事実だ。だが・・・
どうやって知ったんだ、このアマ・・・
「美味しくて安いお米が売っているところを見つけたんですよ。浦谷さんは車持ってましたね。ちょっと遠いですけど、交通費を差し引いても、十分安いはずです。ちょっと待ってくださいね。住所、書きますから。」
変わらぬ笑みで、何処からともなくメモと鉛筆を出した大家はサラサラと筆を動かし俺に渡した。
「何々・・・遠野精米店、住所○○県 ×▲町 字○■・・・」
「だいぶ離れてますけど、とってもおいしいです。まさに主婦の味方って感じです!」
余程この店を見つけたことを言いたかったのか、似合わぬガッツポーズをして力強くそう言った。
「ありがとうございます。では、俺はこの辺で。」
メモをしまうと、俺は男湯に入っていった。
湯船にはいつも俺が通っている、というか職場の先輩に連れて行かれる焼肉屋に勤務する”異星人”、ガイナモさんがいた。
元は暴走族だったそうだが、今は足を洗って頑張っている。
将来は自分の店を持つのが夢だそうである。
言い忘れていたが、朝早くから営業する職種にもこの銭湯は評判が良いのだ。
で、彼の言う事には、
「農○省も雪○も人を馬鹿にしてる!このままじゃ、お飯の食い上げだ!!」
らしい。
どうやらBSE(狂牛病)対策の不備が祟った上に、今回の雪○の農家を舐めた所業のせいで更に客が入らなくなってしまったらしい。
「・・・だからよぅ・・・」
よそ者である俺が言うのはなんだが、この国の悪いところであろう。
そう、リーダーシップの有る有能な政治家や企業人、サラリーマンを、身内とマスコミ、リストラで潰しておいて、こういう事態になると責任がどうのこうのという、集団無責任体制はどうにかしたほうが良いと思う。
「・・・聞いてんのか?・・・」
「・・・ああ、聞いてるっすよ。」
それでもこの国が何とか持っているのは、S.U.P.最大の軍事基地があることと、なにより軍需・建設景気が続いているためだろう。
なにしろこの国は軽く50を越える侵略者や悪の組織によって、幾度も甚大な被害を被っている。
「・・・でさあ・・・」
それを復興してきたのは政治家のおかげでは無い。
そもそも、未だに国防軍の存在を違憲だのどうのと、まじめに国会で言っている輩がいる時点でこの国の政治家がいかに現実を見据えていない、見ていても目先だけの「政治屋」と化しているかがわかるだろう。
復興の原動力となったのは、各種スーパーロボットや超兵器、通常兵器の生産をこの国の企業に生産委託するS.U.P.の存在と、それを支える民力だった。
はっきりいって、この国の政治家も官僚も無能ぞろいである。
「・・・ヤッパリ聞いてねえだろ・・・」
よそ者の俺でもはっきりこうわかるのだから、この国の民はもっと失望してるだろうな、と思いつつガイナモさんの話を聞き流す俺だった。
(NR注:現実もそんな感じですね?よいこの皆さんは選挙権が持てる年になったら、きちんと選挙に行って、利権がらみの政治家の当選確率を少しでも下げるようにしましょう。)
7時。銭湯を出た俺は、昨日吉野屋で買っておいた牛丼弁当の存在を思い出し、家路へと急いだ。
牛丼弁当の変わった食べ方を鮫島奥さんから聞いていた俺は、早速試すことにした。
「ええと確か・・・」
まず、フライパンを熱する。
次に一番置いて油の浮いた牛肉を入れる。
そうすると炒めるための油がほとんど要らない。
牛肉がいたまったら、ご飯を入れる。
充分炒めて完成!!
「・・・・うん、うまいな。」
思わず声に出して、美味さを称えた(大げさ)
・・・ヤッパリ油をしいて、中華鍋で炒飯のようにやったほうが良いかも。
8時。腹ごしらえの終わった俺は、会社に今日は休むとの旨を伝えた。
「・・・・あ、もしもし、自動車整備会社ペガサスですか?浦谷です。」
「浦谷君でございますですか?土門ですよ。」
この人は土門直樹。
職場の先輩で、コンピューターのプロだ。
それにしても。
・・・相変わらず変な口調の人だ。
「おはようございます、土門さん。あの・・・」
「わかってるです。用事があるのでございましょう?」
そう言われて俺はちょっとビックリした。
「エ・・・何故それを?」
「まあ、蛇の道は蛇でございまして。では、今回は欠社を見とめます。頑張ってくださいですますヨ。」
がちゃん!つーつーつー・・・
・・・なんで知ってんだ?
不思議に思いつつ、俺はもう一眠りし始めた・・・・
9時。起きた俺は、喫茶「総進撃」を目指して家を出た。
今日はちょっと人と会う用事がある。
察しがついてるやつはついてるだろうけど、前回のクソむかつく出来事に関してである。
「総進撃」近くののっぱらで、ということだったから、時間をつぶすために「総進撃」の暖簾をくぐった。
・・・二時間後。
注文した一杯のコーヒーで間を持たせつづける俺は、店の人から睨まれていた。
と、そんな時である。
外が騒がしい・・・
『発射態勢完了、エネルギー充填確率100%、ターゲット確認、ロック完了』
キュィィぃーーーン!
何の音だ・・・?
外を見ようとしたとき・・・・
ズォォォォォォォォォオーーーーーーーーーーーーーーッ!!!
以下、冒頭の瓦礫シーンである。
待て。
・・・俺は特になにもしてないぞ?
ちっ!!
死んでる場合じゃねえっ!!
「装着変身!!」
キュピーン!
瓦礫が俺を直撃する一瞬前に俺の装着は完了した。
ごがごごごごごっ!!!
スーツのおかげで、瓦礫は俺に何のダメージを与えることもなく重力の法則にしたがって地面に落ちた。
装着完了!
そう思った俺は、次の行動を開始した。
早速瓦礫からでねえとな・・・・
がらがら・・・
瓦礫を押しのけて外へ出る。
・・・そして、そこにいたのは、
・・・殺しても飽きたらんクソの顔だった・・・
<再び、Y(ヤクト)団首領視点>
ふふふ、我等Y(ヤクト)団に再び出番が回ってきたぞっ!
ならば爽快に行くべかっ!
「ぐはははははっ!悪は滅びたりぃっ!」
レッドタートルメガ粒子砲の直撃を受けて、目の前の喫茶「総進撃」は瓦礫の山と化していた。
これで、あの極悪メタルを滅したと思われる。この喫茶店には悪いがこれも正義の為…
「南無阿弥陀仏……むっ!?」
『マイマスター、前方カラ高エネルギー反応アリ……』
レッドタートルのセンサーがこっちのY(ヤクト)ヘルにも転送されてくる。
前の瓦礫に高いエネルギー反応が集中している。
ガラッ
その瓦礫が崩れ、その中から赤い極悪メタルの姿が現れる。
「ふははははははっ!一瞬の変身で直撃を免れるとは、悪運のいい奴だべさ」
「てめえら・・・!俺の静かな一時を邪魔したなぁ!俺が一体何したっ!!」
極悪メタルは俺様にビシッと指さして言い放った…俺様はにたりと笑い。
「髑髏男へのインタビューを邪魔した罪だべっ!しかもっ!前回は散々と我等Y(ヤクト)団の邪魔をしくさってくれた罰じゃっ!」
今度は極悪メタルに対してこっちからビシッと指差して言い放つ。
「我等の正義の活動を邪魔する者は皆悪なりっ!きさんにも正義の鉄槌をおみまいしてやるべさっ!レッドタートルっ!」
『OK マイマスター、メガ粒子砲発射まで後5分、コレヨリ近接戦闘モードヘト移行』
レッドタートルは砲座を引っ込めて、立ち上がり腕のブーメランアームを展開させる。
「はっ、言う事言って所詮はロボ任せかっ!!」
うっいますっごくむかつく事言われたような気がする。だが、俺様のY(ヤクト)スーツ1式ではまだこの極悪メタルに対する力に達していない事が解った。
何だか凄く悔しいけど……仕方がないから作ったんだーっ!(やけ泣)
「ふふふっ!その為に作ったレッドタートルよっ!!行けっレッドタートル!極悪メタルを粉砕せよ」
『了解っ!』
「くそガメが・・・返り討ちにして、次ぎはてめえをボコだっ!アドバルーンビームっ!」
近接戦闘モードに移行したレッドタートルに、極悪メタルは銃を向けて発射した。
『間接攻撃防御……タートルシールド』
ヴゥゥン
レッドタートルの甲羅が半分に割れ、体の前方でまた一つにしてIフィールドを展開させる。極悪メタルの放ったビームはIフィールドに跳ね返された。
「なんだとっ!?アドバルーンビームがきかねえっ!」
おおっ!いい感じだべっ!
ビームを跳ね返しタートルシールドを背中に戻すとレッドタートルの口が開き4本の牙がミサイル状に極悪メタルを襲った。
「あまり、俺を怒らせんなっ!のろまガメっ!」
牙ミサイルを剣で全て弾き返し、大ジャンプして剣を全体重をかけて振り下ろした。
「対抗しろっ!レッドタートルっ!!」
『了解……』
カキィィンッ!
ブーメランアームで、極悪メタルの剣を受けとめ、そして弾き返す。
「ちっ!図体所か、パワーも上かよっ!だったらっ!」
あの構えは、剣にエネルギーを溜めこんでいる…URAエンドかっ!
「戦争は先手を出したほうが有利なんじゃぁっ!!!電人爆裂ッ!URAエンドっっ!!!」
極悪メタルは気付いていないだろうが、もう5分経っているんだべさっ!!
「ふっ掛かったべなっ!てぇぇぇっ!」
先手を取ったはずの極悪メタルだが、その刃がレッドタートルの頭部に到達する瞬間、体制を前屈みにして極悪メタルの目の前に砲座を向けると全エネルギーを込めたメガ粒子砲を放った。
ふっ、先手を打つのは基本中の基本…だが、それが仇となる時がくる事もある…
「ぐふぁぁっ!!」
青い閃光の矢が極悪メタルを包み込み、雲を貫きながら上空に光の柱を形成した。
『メガ粒子砲作動限界…冷却システム作動…チャージ開始』
上空高くその柱は消えると、そこには極悪メタルの姿はもう消えていた。
勝った…レッドタートルが!このY(ヤクト)団の勝利だっ!!
完璧だぜっ!作った甲斐があったと言う物だ…予想以上の性能だべさっ!
「ふははははははっ!見たか極悪メタルめっ!正義は必ず勝つのだべさぁぁーー」
『ヤックッ』
初勝利でY(ヤクト)兵達も気分が良いのか、かけ声がいつもより大きいく聞こえる。
うんわしも気分がいいっ、まさに勝利を手にしたと言う物だっ!
「よっしゃぁ!今日は気分がいいっ!レッドタートルもY(ヤクト)兵達もこれにて解散っ!!ふははははははははっ!」
『ヤック!ヤックッ!』
そして、俺様は人目の付かぬ所でY(ヤクト)ヘルをカポっと脱ぐと…いつもの僕に戻る。
「ふぅ、みんなもう疲れていると思うし……帰って休んだ方が良いよ」
『ヤックッ!』
「レッドタートルも、家でエネルギー補充してきなよ…僕は、近くの喫茶店で昼飯にするから」
『了解、マイマスター』
がちょん、がちょんっとレッドタートルは足音を立てて家に向かって歩いて行った。エネルギーチャージの為、地中には潜れないらしいけど…目立つな。まあいいかっ!
さて、僕も武装解除して……昼ご飯食べにいこっと!
「何をしているのかな、やくと君」
「ふえっ!?」
後ろからいきなり声がして、心臓が飛び出そうなくらいビックリする。しかも知っている声だからだ。
「大家さんっ!?」
恐る恐る、後ろを振り向くと…そこには榊荘の大家さんがいつものあの柔和な笑みが僕の眼前にあったからだ。
「秋子で、構いませんよ……やくと君」
(もしかして、武装解除を見られたのかな……としたら、この人の場合だ…)
想像中
『うふふ、あなたの大好きな名雪にばれても良いんですか?』
『あっ、だめです大家さんっ!彼女だけには秘密にしたいんですっ!!』
僕は必死で大家さんを説得するけど、大家さんは頬に手を当ててうーんと項垂れるだけ。
『大家さんっ!何でもしますよって!』
痺れを切らし、僕はついカッとなって大家さんの手を強引に引いてしまった。
『あんっ……』
『あっ、すいません…』
でも、大家さんは少し妖艶に微笑み、僕の首に色っぽく手を回して…
『何でもするんですね?』
『はっはい…』
『了承……でも、私の言う事を何でも聞いてくれたらの場合』
『えっ!?それって……』
『やくと君が……私のぺ…』
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあーーーーーーーーーーっ!!!」
「あらあら」
キッとこうなるに違いないっ!いやだ、きっとあんな事やこんな事をするに違いない。
だめだ、僕はなんて卑猥な想像しているんだっ!?
いけない、僕は天才科学者なんだぞっ!どんな逆境にも絶えぬいたはず…
でも、……ポチは嫌だぁっ!
「やくと君ご乱心のようね……それで、何をばらして欲しくないのかしら?」
「えっ?」
大家さんはいつもの笑みで、俺に優しく聞いて来た………
「見てないんですか?」
「何を?」
大家さんはきょとーんとして、逆に聞き返してきた。よかった、何とかばれてない様子。
「ああ、忘れて構いませんそれではっ!」
「待って、やくと君」
そう言って去ろうとした所、大家さんに後ろから抱きつかれる。うわっ!背中に胸が当たってるよ…すごい大きくて柔らかいよ……いやそうじゃなくって…
「何か隠している事でもあるの?」
「ふぇぇぇーーっ!」
だべっ!このままだと、やばいっ!くっくっ!食われるよーっ!
いっ息が耳にっ!?
「大丈夫、ここはそんなに人が通らない所ですので、ゆっくり話してくれます?」
だめだ、このままだと!このSSが公共で出せなくなっちまうっ!こうなったら奥の手だっ!
「秘儀っ!クラスの綺麗所三人集のプロマイド集っ!!体育の授業前の着替えから、普段の生活まで赤裸々に紹介っ!!」
ふぅ、クラスの美少年の綺麗所3人(相沢君:北川君:陣内君)を他のクラスの女子に頼まれて大量に作っておいて良かったよ…
えっ?なんで大量に?そのクラスの女子が欲しいって人が沢山いるからっていっぱい頼まれたんだよ……大家さんには溜まらない一品だ…
「………」
おお、見入っている見入っている……この隙に逃げろっ!
僕は目にもとまらぬ早さで大家さんの手を逃れてその場から逃げ押せた。
ふぅ〜どうにか、巻いたようだよ……ふぅ、あれを沢山作っておいて良かった。
少し疲れたな、行き付けの軽食屋「伊吹」でカツ丼食べるかいつもの様に……
その頃、秋子さんは…
「祐一さんに北川さんに陽介さん……皆さんいつ見ても逞しい……」
うっとりしていた……でも…最後の一枚まで来た時
「やくと君が入ってないわね……や…あれ?いない」
少しがっかりした様子で、秋子さんはプロマイドを仕舞うと…その場を後にした。
やくと君に戻る。
はぁ、危なく18禁SSになって、公開できるもんじゃ無くなっちゃう所だった……(竜さんごめん…)
でも気分はいいっ、なにせ一つの悪を滅ぼしたからね…だけど、ここの喫茶店には悪い事したな…正義の為、犠牲は付き物だってよく僕は言うけど……
レッドタートルの攻撃で灰燼と帰した元喫茶店『総進撃』を通りすぎる。
正義……か、一つの悪を倒す為に、こんな大きな犠牲が払われるんだよね……
少し複雑だ……
ぐぅ〜
そう考えている内にお腹が空いてしまった。そう言えば…朝から何も食べてなかったな。
僕は喫茶店『総進撃』跡地を離れて軽食屋「伊吹」へと走ることにした。
軽食屋「伊吹」
「ちわーっ」
いつもより軽快に、伊吹の店内に入り適当に空いてる席を探した。うーん、今日は少ないな……そんなに人が居ない。
「ん?あの人……」
あそこに座っているのは、僕の隣りのアパートに住む浦谷竜蔵さんだ…何だかむすーっとしているけど…
「浦谷さんっおーい」
「・・・あ?」
わ…いきなりがん飛ばしてきたぞっ!かなり機嫌悪そうだべ…
「なんだ、やくとか…」
「今日は何だか機嫌が悪いですね」
「そう言うキサマは、かなりご機嫌だな…」
「そーですか?」
他人から見ても今の僕はすごく機嫌が言いように見えるのかな…僕は…
「ほう・・・あれか、また新しい部品が手に入ったのか?」
「いえいえ、今日は僕の大勝利っ!」
「勝利?」
あっ、この人には僕がY(ヤクト)団首領なんて言えないな、だって絶対バカにしそうなんだもん……
『やくとみたいな、ひ弱っちいガキがか・・・?セイギノミカタ?だーははははははっ!』
うん、考えただけでも馬鹿にされた気分……
「ええ、ジャンク屋のおやっさんを落として、いいパーツを予約済みなんですっ!」
まっこれぐらいで誤魔化せたら良いんだけど。
「ほうう、そりゃ良かったな…」
ああ、浦谷さんらしく気分悪い時に気分のいい奴を見るとムカツクらしいな…
頭に血管が浮き出てるよ…
「本当に機嫌が悪そうですね〜」
「見てわかんねえのか?このあほっ!」
ポカッ
「あいでっ…酷いですよ…」
よく浦谷さんには科学者の魂とも言える頭をポカスカ叩かれる。
でも浦谷さんは友達だし(浦谷はただのひ弱なガキだと思っている)、聞いてやるかっ!
「僕で良かったら、相談に乗りますよっ!あっ、変な科学者卵に話すとろくな事がないなんて言わせませんよっ」
「ぐっ!」
図星だったらしいな、この手の人の思考なんて所詮はこんなもんだろう(酷い)
「ともかく・・・!はったおされたくなけりゃ、これ以上聞くなっ!」
「遠慮はお肌に毒ですよ」
「俺はホモじゃねえよっ!!」
ポカッ
「あいでっ!」
「あの……ご注文は」
僕の後ろで小さな声が聞こえた気がした。後ろを振り向くと…店員らしき女の子が声をかけてきた。あっ、注文か……それにしても見ない顔だな、バイトの子?
少しウェーブの効いた髪の毛を短く切って…見た目としては可愛い顔立ち。あれ…この子どこかで会ったような…
僕は、随分前の冬に学校の正門でよく誰かを待っていた女の子を、窓からずっと見ていた子だ。
「あれ?君……僕の学校の子だよね」
「……ご注文をお聞きします」
「君をよく見かけたよ、学校の窓の所で…」
「……ご注文をお聞きします」
「僕は鮫島やくと、3年…」
「……ご注文をお聞きします」
「……カツ丼一つ」
「かしこまりました」
彼女に凄く体よく無視を決め込まれ愕然としてしまった。何だか悪い事でも聞いたかな…
「気分がいいから調子に乗ってナンパするからだ、アホが。」
「うー…ナンパしたつもりは無いんだけどな」
「それにな、あの手の女は絶対無視を決めこむ。お前には無理って事だ。」
浦谷さんは、絶対僕がアルバイトの店員をナンパしているようにしか見えないのか…
「まあいいですよ、多分…彼女なりの事情があると思います」
少し名残惜しいけど、前向きな答えを出してやる。
あの子とは…いつかゆっくりと話しができる時がくればいいな。
「ご注文のカツ丼です……」
さっきの子が、この店で僕が気に入っているカツ丼を持ってくる。
上質のお肉とは言いきれないけど、カツの揚げ方とこの特性のタレと卵の絶妙なマッチが僕のお気に入りだ。
カツ丼を持ってきてくれた子に僕は景気よく礼を言う。
「ありがとうっ」
「ふむ、ふられたくせに、元気な奴だ…見習いたいね。」
「えへへっ」
まあ、このカツ丼には色々とお世話になったし。父さんが僕を一流の大学(5歳の時)に合格させる為にここに連れてきてもらったな。
見事合格した…思い出の味だ。
「それより、浦谷さんはなんでここにいるんですか?」
「んあ?とあるめんどくさい用事をある喫茶店でに近くでしてたんだがな、あいにくそこを変な変態集団が怪人の大砲でぶっ壊しやがって、急遽ここに変更になったんだよ!ああ、思い出しただけでもぶちきれ加減がメルトダウンだっ!」
「……」
僕等の事じゃん……思いっきり…
それで機嫌が悪いのか…喫茶店『総進撃』で誰かと待ち合わせをしていて、僕等が極悪メタルと一緒にぶっ壊しちゃったから、浦谷さんにこんなに迷惑かけちゃったよ…
「すいません…」
とりあえず謝っておく、もし僕のせいってわかったら頭叩かれるじゃすまされないし…それに友達との約束を壊しちゃったのは僕の正義に反している。
「何ゆえお前が謝る……」
「うぇっ!?」
「ふん・・・何がうぇ?だよ、変なガキだ」
浦谷さんに変な奴って言われるのは少し凌ぎないけど、浦谷さんは僕の頭をぽんぽんと叩いて、何だか恥ずかしくなる。
「まあ、そう言うことだ。でお前は何でここに来たんだよ……まさかマジでナンパしに来たとかよ?」
「僕はただの、昼食です……ここは行き付けなんで」
「ふうん・・・簡単な目的だなっ?!」
「他の理由で来た事なんてありませんよ…ちなみにナンパで来た事もありません」
そういう事で、僕はお気に入りのカツ丼をたいらげてこの時間の目的は一応果たした。
「んじゃ、浦谷さん…僕はこれで」
「おう、夜道には気をつけろよ。バット持った変な男に襲われるかも知らんぞ?」
「まだ昼ですよ……じゃっ」
カウンターで会計を済ませると、店を後にした。
店のドアを開けると、すれ違いに背の高い男の人とすれ違った。
ん?さっきの人……どこかで見たような…
気のせいか、さあ帰ってレッドタートルのメンテでもするかっ!
だけど、僕はこの後訪れる惨劇を全く予知はしていなく…機嫌よく家に向かってあるいていたのだった。
この時は絶対に早く家に帰って、レッドタートルをメンテしていれば良かったと思った。
喫茶店『総進撃』前の道路には、警察が廃墟になった現場を捜査していた。その中に、あの男の姿も……
「…この焼け方に破壊力、通常のアンノウンには不可能……ビーム攻撃で破壊したように見えますね…ん?なんだこれは……コンピューターのマイクロチップ」
警視庁捜査一課の北条 透が、レッドタートルの餌食となった現場を検証して、道路で小さなマイクロチップらしき物体を拾った。
それは……実はウラタンダーとレッドタートルとの戦いの時、落ちたレッドタートルの最も大事な部分の一部とは…その時の北条も気付く由も無かった。
さて・・・これからどうなってしまうのでしょう?
浦谷はリベンジを果たせるのか?抜け落ちた部品とは?
・・・時間のようですね。
では、続きをお楽しみに・・・
あ、後編へ続くぅ〜〜〜。
浦谷竜蔵の後書くことには・・・・
・・・また長い・・・・
しかも前後編・・・・
すいません。切腹します。
ざしゃっ!
・・・・・・・
NR:その後、彼の姿を見たものはいたとか、いなかったとか・・・・(ぉ
Y(ヤクト)団首領の後書くことには・・・
長いですね……ほんと長い…でも勝てるシーンが書けて楽しかった。
中篇もつくらないように、後編で終わらせるように頑張りましょうね〜
でわ、私も……
えっ?ギロチン…こらぁーってめぇらっ!!我はY(ヤクト)団の首領ぞっ!!
団員ウルル「うう、さよならです首領さん」
団員プチン「自分の罪を悔い改めて死ねぇぇーーーいっ!」
ギロチンなんてヤーッ!!(ギロチン刃が降りてくる)
パコーーーン
ぎゃぅっ!!