前回までのあらすじ

非常に大事な用のために近所の喫茶店で待ち合わせなんぞしていた浦谷だったが、Y(ヤクト)団のおかげで待ち合わせ場所は消滅してしまった!

さらにウラタンダーも、Y(ヤクト)団の新兵器・怪人ロボットレッドタートルに完膚なきまでに敗れ去ってしまう・・・

緊急に待ち合わせ場所を変えた浦谷と、そこに勝利のお祝いのために食事にやってきたやくとはしばし会話を楽しむ(?)

そして、店を去るやくととすれ違いに入ってきた長身の男・・・

彼との出会いが、そしてこれから起こる出会いが、浦谷とやくとの運命を大いに変えていくことを彼らはまだ気づいていなかった・・・・・

「家帰って、レッドタートルの修理〜♪」

「あ〜あ・・・割にあわねえの・・・」

おいおい!そんなこと言ってる場合じゃないぞっ!?

運命が変わるんだってばさぁ・・・ねえ?

ま、劇中時間外なあらすじで、そんなことを言っても、屁のツッパリにもなりませんわな。

では、本編をどうぞ〜〜〜〜〜今度は浦谷からだ〜〜〜〜!!



超弩級巡洋戦士ウラタンダー!
第弐話「てめーら静かにしやがれ!」後編


軽食屋「伊吹」

「おせえ・・・」

はっきり言って、俺はいらついていた。

外はパーカーのサイレンがうるさいし、やくとの間抜けは自慢話・・・

人が最悪な気分のときに、気分良いやつ見ると、やけにむかつかないか?

・・・ただ俺が歪んでるだけかも知れんが・・・

まぁ、それを抜きにして時間がゆっくり感じられる。

「・・・君が、浦谷竜蔵か?本郷さんの言っていた・・・」

そんな時、不意に声をかけられた。

目の前にいたのは、少し気障な感じのする面構えに、どこか寂しげで失うべきものをどこかに忘れてきた・・・というか、手に入れられなかった・・・と言うか、そんなものを張り付かせた男だった。

「・・・あんたか、いい加減遅いね・・・何分待たせるんだよ。」

すぐに彼が、俺が待ち合わせをしていた件の人物であることはわかった。

俺が、不機嫌そうに言うと彼は「悪いな」とだけ言った。

はっきり言って、むかつく。

俺は気障に振舞う人間に殺意を覚える性質だ。

大概、気障に振舞う人間は実力が伴っていない。

この日、俺のそんなくだらない固定概念は完膚なきまでに崩されてしまうのだが、それはもう少し後。

「俺は風見志郎。本郷さんの古い知り合いだ。今はそれしかいえない。」

ぶっきらぼうにそういう彼に俺は、

「わかってるよ。聞こうとも思わない。」

と答え、そっぽを向いてしまった。

彼は、懐から一枚の写真を取り出すと、俺に告げた。

「これを、見てくれ。何に見える?」

「なんじゃ・・・これ?大きさから言うと、惑星・・・じゃないな。デザインは見てみると、竜?」

「ご名答だ。それは、これからいう話に非常に関係ある。聞いてくれ」

そして、彼は俺にひとつの話をし始めた。

はっきり言って、そのときの俺には理解不能な話だった・・・

それゆえに、今はその内容は明かさない。

しかし、この星が狙われてるらしいことはわかった。

「今、この星は狙われている。大地に眠る、古き闇・・・空からの侵略者・・・」

「・・・言ってる意味がわからんな」

「今はわからなくともいい。しかし、いずれ君も気づくだろう・・・」

「ふーん・・・」

そのときだった、警察・・・私服警官・・・おそらくは刑事がこの店に入ってきたのは・・・

からーん。

全く・・・なんでこう、嫌なやつと付き合わなきゃならんのか・・・俺は、そのとき心底運命と言う意地悪な馬鹿野郎を叩きのめしたくなっていた。

なぜなら、そいつの顔は、間違いなく目の前のこの風見と言う男の数百倍は、(嫌な意味での)気障さをぷんぷん匂わせていたからだった・・・・

そいつはきょろきょろと周りを見回すと、俺に向かって一直線に向かってきた。

・・・ナゼだ・・・

俺は・・・ああいう手合いとかかわるのが嫌(むしろ誰でも嫌だろうが)・・・と言うより、面倒事はすべからくごめんだというのに・・・

間違いなく、俺のほうにまっすぐ、よどみなく向かってきやがる・・・

ヤメロ・・・クルナ・・・・

たぶん他人が見てたら、顔に縦線、脂汗、そしてひくつき笑いを見事にこぼしているのをわかっただろう。

そいつは、俺の席の前まで来ると、警察手帳を出して、尊大に・・・そう、いきなりぶん殴ってやりたいような仕草で・・・

「警察のものですが、先ほどこの近くで起こった爆発事件について、少し聞きたいことがあります。」

と言った。

そこからしばらく、俺の意識はなかった。





気がつくと、風見さんと一緒に、俺は全力疾走していた・・・

「無茶するな」

「・・・スマン、途中から意識なかった。」

「本当か?」

「マジ。」

「・・・なかなかやるな」

「それほどでも・・・(苦)」

変わらず全力疾走を続けながら、会話しているいい大人・・・

・・・絶望的に最悪だ・・・

風見の話を聞くに、俺はあの刑事をぶん殴って店から出てきちまったらしい。

我ながらシャレになっていない。

「あの男・・・北条といったか、彼の話をおとなしく聞いていると思ったら、突然震えだしてね。はは、後はあのとおりさ。」

「スイマセン・・・ああいう手合いは許せない性質で・・・」

「まあ、いいさ・・・では、この場所で落ち合おう。」

そういって、俺に紙片を渡すと、橋の下の駄菓子屋の屋根にジャンプして乗り、そのまま走り去っていった。

素早い・・・

気障だが、それなりに強そうな感じのする男だな・・・



それから数分。

あの刑事が追ってこないことを確認すると、俺は歩みを止めた。

そこは、前回の廃工場だった。

「ちっくしょう・・・もう大丈夫か・・・・」

忌々しげに吐き捨て、俺は周りを見回した。

しばらくぐるぐるとその辺を歩く。

・・・見事に何も無い。

「・・・帰るか・・・」

「うぐぅ〜〜〜!!どいてぇ〜〜〜!!!」

ドン!

そういって立ち止まった俺に、何か叫びつつぶつかるもの・・・いや、人がいた。

「うぐぅ・・・いた〜い・・・・」

・・・こないだの、タイヤキ娘だった。

ウンザリした表情で俺は、

「また、お前か・・・今度はナンだ?イカ焼きでも盗んだか?」

「違うよ、追われてるんだよぉ〜〜〜あっ!!」

どうやら追っているやつが来たらしい・・・

「ふう・・・って、ありゃいったいなんだ?」

そこには、奇妙な仕草をしながら近づいてくる、蟻と人間を合わせたような化け物がいた・・・

「うぐっ!あいつだよ、変な液かけようとするんだよ・・・(泣)」

半べそになりながら、俺の後ろに娘は隠れた。

「おいおい・・・マジかよ」

間違いなく、それはこないだ俺が戦った化けモンの同類だった。

・・・シャレになってない。

こないだにも増して、今日は最悪の日だと、俺は心の中で絶叫していた・・・




<やくと君サイド>

さーって、僕の番だ。長い事久しぶりだけど…作者の片方(竜さん)の人、ご苦労様。Y(ヤクト)団の全団員は、心よりのこの言葉を送ります。お疲れ様と…

えっと、おしながきはここまでとしといて、進めよう。


僕はすごくいい気分でいた、レッドタートルの一撃があの最悪極悪メタルを消し飛ばし、遥か天空へと、飛ばしていった。

僕達の活躍で、一つの悪は滅びたのだ……それで今、こうして鮫島家の研究室でジュースをちゅーとすすりながら、パソコンの前で…レッドタートルのメンテナンスをしていた。

そして、もし極悪メタル級の敵が現れた場合の対処法として、レッドタートルに必殺技を付ける事にした。

キーボードにカタカタと、プログラムを打ち込んで行く。

「えっと、亀型という点生かして、メガ粒子砲のエネルギーをそのまま転換して…高速回転して、ブーメランのような動きをして敵に突っ込む。よしっ!プログラム打ち込み完了、シュミレート開始」

リターンキーを押し、パソコンのモニター画面に3Dポリゴンゲームのような画面が映し出され、レッドタートルがキャラクターとして出ていた。

ガシャッ!ガシャッ!

レッドタートルは必殺技を繰り出す為に、頭と両手両足を引っ込め……メガ粒子砲のエネルギーを転換して、自分の動力として…高速回転し始めた。

そして、ブーメランのように旋回して敵キャラクターである極悪メタルを葬り去った。

「よぉしっ、これがレッドタートルの必殺技、『レッドストライク』だべ!これで怖い物なしだべっ!!」

ううん、今日は言い気分だべ…正義の為に色々したし。極悪メタルも倒したし……

でも、気になることがあった…僕達が極悪メタルを倒すのに犠牲にしてしまった。喫茶店『総進撃』の事だった。店の人には悪い事をしたと思っている。

正義の為の犠牲…か……複雑な感覚だよ…

そうだっ!SUPなら…すぐに直す事が出きる、あの組織は戦隊とかの巨大ロボ戦闘の歳に崩壊するビルや家屋の損害を、復旧してくれるはずだ。

結城さんのメールアドレス……あっ、Y(ヤクト)団だって事は書かないでと。

僕は結城丈二さんに、喫茶『総進撃』の復旧を頼むメールを送信していると…研究室のドアをノックする音が聞こえた。

「はーい、律子さん?」

「やくとちゃん、あなたにお客様よ」

僕にお客さん?誰だろう……そうそう滅多に僕に客なんて来ないんだけど…

「はいっ、今行きます」

そう律子さんに言うと、僕は研究室から出て、玄関へと向かった。玄関では、バリバリスーツ姿でメガネをかけた細めの青年が僕を待っていた。

「こんにちは…」

「どうも、鮫島やくと様でいらっしゃいますか?」

「はっ、はぁ…そうですが…」

「そうですか、ならば話しがお早い…私、こう言うものといいます」

青年は、友好的ににこりと笑いながら、胸ポケットから名刺を取り出すと…

「激安兵器売買株式会社?相ケ瀬亮太(あいがせりょうた)?」

「はい、私どもの株式会社では…レア物の特殊兵器を激安で販売している会社でして…」

つまりは、なんら役に立たない物の訪問販売する…つまり悪徳セールスって奴だね…

特殊兵器…と言っても、こう言う手の物は絶対にあてにならない。すまないけど、帰ってもらおう。

「あの、家そう言うの間に合っているんで……」

「あなただから買って欲しいんですよ、Y(ヤクト)団の首領さん」

「だから…家はその手はってぇぇぇぇーーっ!?」

なっ、なんでこの人…僕がY(ヤクト)団の首領だって知ってるの!?って言うか、秘密とか言っておいて、さっそくバレバレじゃん。しかも、登場人物の誰も存在しない…脇役セールスマンにぃーっ!?

「だべぇ〜…」

「……取り乱しちゃったようだな…」

「んで、何で僕が首領だって知ったんです?」

もしかしたら、新たなる悪の手先かっ!?一瞬身構えようとした僕を彼はまたにこやかな笑顔で制して…

「まあまあ、落ち付いて…私どもは色々な組織に兵器をSUPよりお得に、しかも民間団体であるあなた達のような組織に訪問販売するだけのただの会社ですので、そう警戒しないでください」

うーん、でも怪しい…こう言う手の者が一番心の内が解らない…ううん、心理学なんて専門外だし…

「あなたの事を知ったのは、以前にアンノウンと戦っていた黒ずくめの集団の正体を追ったら…そしたら、あなたに辿り付いたまでで……」

「そうなんですか?」

それにしても、誰かに似ている……でもそれが誰か思い出せない。でも怪しいことには変わりはない。

「大丈夫です、我々はどんな組織でも平等に兵器を商売する所ですので、買いたくなければ結構ですはい」

「ん…じゃあ、カタログだけ」

少し怪しい部分も残るが、彼が僕の正体を知ってここまで着たって事は余ほど凄い兵器が取り揃えているのだろう……。彼はにこやかに鞄からカタログを出すと…僕に渡した。

「はい」

「うーん…むむっ!?これは…」

メガブースターにハイブリットエンジン、なんとっ!戦艦級ハイメガ粒子砲も、核パルスエンジンまで…こんなに。それにこれは…

「縮退炉の設計図…旧兵器の中でも核をも超える破壊力を生み出す…最悪の兵器だった為…設計段階で開発は中止された…こんな物まで」

「よくご存知で、お目が高い…」

知ったのは、SUPの特別資料室で日本の『記憶』と言う本当の歴史を見たからだ…あれが暴走すれば…日本列島が海に沈むほどの破壊力があるから…設計図はどこかへと封印されたはずだった……

科学者の卵として、今…喉から手が出るほど欲しいのが…これと……光明寺博士の完全なる良心回路だ。だけど、この良心回路はカタログにはそこまでは乗っていないようだ。

「縮退炉の設計図は、ある場所に保管してあります…SUPの情報網より先に見つけましたから…」

SUPより早く、見付けるなんて…不可能に近いなのに、このセールスマン…できる。いいや、ガセネタの可能性も否定できないし…うーん。

「まだ疑ってますね、仕方ない。大好きな首領様だ…月一度…1万で、これらのカタログのパーツを進呈します。しかも、ご入会の特別得点として、その縮退炉の設計図のある場所をただで譲りましょう…」

「ただでっ!?」

月に一万で、これほどのパーツを月に一度の割合で貰えるなんて……なんとおいしい話しなり…あのジャンク屋の親父に10万こびらなくても、ここまで凄いパーツが揃うなんて。

それに、縮退炉の設計図だ……この話しが本当なら…やって見る価値はありそう…

「いいですよ、ただし…僕がY(ヤクト)団の首領だって事は公表しないでくださいよ」

「はい、それではこの契約書にサインを……」

僕は、契約書にY(ヤクト)団首領とサインをした。これが吉とでるか凶とでるか、僕には想像できないけど…

「毎度っ、それでは…数日後その場所にご案内しますので、伺わせていただきます」

「はっはい…それでは…」

そう言うと、セールスマンは出ていった…うーん、どっかで聞いたような声だったけど、でもかなり怪しかったのは言うまでも無いな。

家の外では…

やくとの家を出た、セールスマンの前に1台のリムジンが止まった。そのセールスマンは掛けていたサングラスを取り…オールバックの髪を下ろす。

「やはり…俺の読みは当たったな」

その少年、陣内陽介の前にリムジンから一人の少女が降りた、倉田佐祐理だ…

「陽介さん、お疲れ様です…」

彼女に進められ、陽介はリムジンに乗り込んだ…そのリムジンにはSUPと書かれている。

「あはは〜っ、上層部の読みは当たりましたね〜」

「俺の読みも当たりましたよ」

「縮退炉の設計図は?どうしましょう……」

「俺が見込んだ奴です、必ず作り上げますよ…その為の前進です。俺達の支援と言うのは……そして、いつかこの二人が互いの関係に気づくときが来るでしょう」

そう言い、陽介は浦谷、そしてやくとの写真…ウラタンダーと首領の写真を見比べ、眉をしかめる…

「そうでないと、この星の運命が…」

「……あっ、風見さんですっ」

佐祐理はリムジンの中から、歩道を走る風見志郎を発見した。

「風見さんは確か、浦谷竜蔵にコンタクトを取っているはずでしたね…拾いましょう」

「はいっ、運転手さんっ、止めてください〜」

そして…風見の前で、陽介達を乗せたリムジンが止まる。


再びやくとん家。

うーん、その場の乗りでつい手が出てしまった…あんなレアなパーツは怪人ロボット作りに非常に役に立つから…

特に、縮退炉…これは、このドクロべえ様につけよう。

部屋に戻って、改めてあの人から貰ったパンフレットを見なおす。

これなら色々なロボットが作れる…この世の悪を陰から制す、正義の集団である僕達なら。

ピコーン、ピコーン、

突然、レッドタートルの警報装置が鳴り…

『マスター、10キロ四方に極悪メタル反応を確認…イマージェンシー!』

「何だってっ!?あの一撃で吹き飛ばしたはずなのに」

でも、確かに反応は示しているっ、確かにこれはあの極悪メタルだべ!生きていたとはしぶといべっ!

「……なら、行くべさっ!今度こそ、木っ端微塵に吹き飛ばしてやるべ!!レッドタートルっ!スクランブルっ!!」

『了解…』

Y(ヤクト)スーツ1式が入っている、鞄を手にして外に繰り出した。

レッドタートルも、体を動かして…庭の秘密カタパルトから発進して、地中を掘り進んで僕の後ろからついて来た。

だけど、僕はまだ気付かなかいでいた。この後メンテナンスを完全にしていない事に、大変後悔する事になる…



えっと、ここ等辺からか、極悪メタル反応は…。

僕が、Y(ヤクト)兵達と探していると、男の人が頬を押さえながら通りすぎて行った。

私服警官のようだけどどうしたんだろう…

「いてて、何でこの私が…あのような下賎な者に…」

「あの、すいません…どうかしたんですか?」

「ん?何です、君は…私は忙しいんだ、後にしてくれたまえ」

その警官は、うざったそうに僕を突き放すが…僕は…

「誰かに殴られたんですか?」

「……ああ、先の爆発事件の関係すると思われる男に、聴取を取ろうとしたのですが…いきなり何も言わずに殴られ……って、私はなぜこんな、高校生に…」

「………」

なんかムカツク…Y(ヤクト)爆弾を投げつけたいほどの…

「んで、その男を追っ掛けてきたのですね。解りました、後はこの僕にっ!」

付き合ってられないと言わんばかりに、僕は彼から逃げるように走って行った、その後ろからY(ヤクト)兵達がぞろぞろ追っ掛けてくる。

「…何なんだ、あの子供は…それにあの奇妙な全身タイツの集団は…」

北条はあっけに取られながら、走り去るY(ヤクト)団を見送った。


あの刑事を殴った男、刑事の人間性には問題があったけど、そんな悪どい事をするのは、極悪メタルしかいないべっ!

武装装着

Y(ヤクト)スーツ1式に武装装着して、俺様は天下無敵の首領様に変身した。

ピコーン…

むむっ、極悪メタルの反応が向こうからビンビンするべっ!!

って、この前の廃工じゃないかいっ!

という事はここが、極悪メタルの本拠地だべか!ならば手っ取り早いべ!!

ズガァァァーーン

地中から、レッドタートルが飛び出してきた。

『マスター、極悪メタルとアンノウン数体の反応を確認……』

「何っ!?この前の化け物もいるべかっ!?よーし、レッドタートルっメガ粒子砲スタンバイ!」

『了解っ!マイマスター、メガ粒子砲発射準備…システムオールグリーン。長距離射程モードに変形…砲座展開』

甲羅が開いて、中から大口径の巨大な大砲が現れる。レッドタートルは2足歩行から衝撃吸収用のクローを地面に突き刺して四つん這いになる。

『発射態勢完了、エネルギー充填確率100%、ターゲット確認、ロック完了』

「全部まとめて吹き飛ばしてやるべさ……てぇぇぇーーーーっ!!」

メガ粒子砲が発射され、廃工場に向かって突っ込んで行った。

廃工場の壁に大きな穴をあけて、その光の矢は廃工場を貫いた。

ドドーーーンッ ズガァァーーンッ 

中から3体ほどの爆発音がしたのが聞こえた。

『極悪メタル、メガ粒子砲回避……チャージに入ります』

「おのれぇ、すばしっこいや極悪メタルっ!行くぞっ、レッドタートル、おい…レッドタートル」

レッドタートルは、臨戦体制のまま固まったように、動かない。

『……ハッ、申し訳ありません…首領、戦闘続行…目標を撃破します』

「よしっ!行くぞっ!野郎どもっ!!」

俺様たちY(ヤクト)団は総動員で、メガ粒子砲で空いた穴から入り込む。

そしたら丁度、あの極悪メタルと以前の食い逃げ娘がいた。

「ぐはははははーっ!正義…それ即ち、この世に蔓延る『悪』を根こそぎ討つ」

「でやがったっ!」

「うぐっ、しゅ…首領さん!?」

ふっふっふっ、食い逃げ娘も極悪メタルも我等の登場に驚いておるな…俺様は黒いバラを取り出して…

「エレガントに、悪は容赦しない…怒涛正義集団!Y(ヤクト)団っ!あ、見惨」

ふっふっふっ、この私のエレガントなキメ台詞どうだったかな諸君……あれ?

「おい、そこでわーって…黄色い歓声を上げるのが普通だろう」

「うぐ?そうなの?……わー…」

食い逃げ娘の放った黄色い歓声は、何とも棒読みで…後味が悪いものだったべ…

そして極悪メタルは…

「ぷっ…」

鼻で笑われた……なんか、すっごくムカツク…

「ちっ!極悪メタルめっ、ゴキブリの如き生命力も、もはやここまでだべさ…このY(ヤクト)団が今度こそ全力を持ってきさんを、消滅すべっ!!」

「へっ、さっきフッ飛ばしてくれた礼をくれてくれよう…東京湾の肥やし、いやヘドロの塊に変えてくれるわっ!」

「うぐっこんな所で喧嘩するの〜っ!」

食い逃げ娘を差し置いて、睨み合う我等Y(ヤクト)団と極悪メタル。

「今度こそ粉々に吹きとばすべっ!レッドタートルっ!!」

「へんっ、またノロマ亀かっ!?」

俺様の指示で、レッドタートルが地中から飛び出して極悪メタルに襲いかかった。

ブーメランアームと、極悪メタルの剣が激しく交差して激しい金属音が響く。

ギリィィン

「Y(ヤクト)兵っ!27の秘儀っ!!アツアツ点心丼・火あぶりの舞」

ズガガガガがァァーーーンッ

説明しよう、アツアツ点心丼・火あぶりの舞とは、Y(ヤクト)兵が油風火薬をまき、それに、首領が点心型の爆弾を巻いて、あたり一体を火の海にする。ウラタンダーの一対一での対決の時にバトルフィールド形成に使用するぞっ!!

「食い逃げ娘を確保っ!安全な場所にかくすべ!」

「やっく、ささ…食い逃げ娘さん」

Y(ヤクト)兵が数名で食い逃げ娘を安全な場所に匿った。

「あ、うん…」

炎がバトルフィールドを形成して、その中で極悪メタルはレッドタートルと戦闘している。

「かっかっかっ、この炎の中からじゃ抜け出す事など不可能じゃっ!!」

「ちっ…黒服変態集団がっ…ぜってぇ、骨の隋まで粉々に砕いたらぁっ!ごるぁーっ!」

俺様に向かってくる、極悪メタルをレッドタートルがタートルシールドで制して、ブーメランアームで応戦する。そろそろメガ粒子砲も温まってきた頃だべさ。

「良しっ!一気に押さえ込めっ!レッドタートル!!」

『了解…タートルハンマー』

ガキィィィーーン!

「ぐぉぉああっ!」

レッドタートルは両腕を合わせて、極悪メタルは体にそれを叩き付けられ、大きなダメージを食らったかのように、吹っ飛んだ。

「かっ、ノロマの亀の癖に……」

「これで最後だべさ、レッドタートルの最強必殺技で灰にしてやるべ!レッドタートル、フォーメーションD!発動っ!!」

『了解っ、レッドタートル・フォーメーションD…危険ですので、関係者の皆さんは半径2k圏内に入らないでください……』

レッドタートルはそう言うと、四つん這いとなり、メガ粒子砲発射体制に入る。

『メガ粒子砲エネルギーを高性能モーターへと転換開始……』

「一体何がはじまるの……」

『エネルギー50%を転換、後60秒後に必殺…レッドストライク発動…システムオールグリーン…ターゲット確認、ロック完了…』

「けっ、何が来るかしらんが、こなごなに吹き飛ばす!この亀っ!!」

「果たしてその減らず口がこの技には通用するべかっ!もうお終いだべっ!極悪メタルっ!!レッドタートル最終奥義で木っ端微塵に吹き飛ぶべさっ!!」

『エネルギー100%転換…レッドストライク発動』

そう言うと、レッドタートルは手足を甲羅の中に引っ込めた…後は頭だけ……

「食らうがいいべっ!!
レッドストライィィィーーーーーク

……………………ぷしゅぅ…

気合の篭った俺様の叫び声とは裏腹に…レッドタートルの反応は、煙が頭から吹き出た。

そう、まるで…お湯が沸いたように…

その瞬間、周りの空間が凍り付いた…もうさっきまでのバトルフィールドとなっていた炎も消えるほどに…

「あ…あれ?…どしたの、レッドタートルちゃん……どーしていきなり止まっちゃったのよ……」

「動かなくなっちゃったよ…亀さん……」

リモコンでもある、腕時計型を見ると…モニターに…『エラー、プログラムにエラーが入りました…』

「何ぃーっ!エラーやとぉーっ!せっかくここまで持っていってそれがオチかいっ」

ごごごごごごごごごご…

ギクリ…と来るほどの寒気が私の身に降り注ぎました…

「……何だよ、この後何が来るのかって…少し期待しちまった俺は何者ですか?馬鹿ですか?」

何だか、絶対マスクの中では目が座ってそうな極悪メタルさんがこっちをギロリと寒気がするほどの殺気を放ってきました…

危険レベル…G…

「あっ…ああ…」

「これで心置きなく………
滅殺豪○龍?

この時、僕は思いました…撤退…の二文字を…

「逃がしてたまっかぁぁーーっ!細胞の一欠けらも残さずに消すっ!消すっ!消す消す消す消す消す!!けぇぇぇーーーしてくぅぅぅぅれぇぇぇぇるぅぅーーっ!!」

「だぁぁぁーー完璧に切れたべぇぇーーっ!」

「URAユニットぉぉーー!来いっ!」

ドドドドドドドドドドッ!

「んっ…何だ、何かすっごいやな予感が……」

そして、恐る恐る…上を見てみると…

巨大な車型の宇宙船が上空にドドーーーンとあるではないですかいっ!?

「ていっ!!」

極悪メタルが飛びあがった瞬間、その車型の宇宙船は変形をし始めて…人型に変形し始めた。あんなデカ物が変形っ!?宇宙刑事並だぁぁーーっ!

そして変形しきって、数百メートルくらいある巨大ロボットへとなった宇宙船の肩に極悪メタルは飛び乗った。

にしてもデカイ、デカイっ!でかすぎるぅぅーーっ!こんなん相手にしろってのが無理に等しいっ!!

「う…うぐぅ、首領さん…」

やばい、あの食い逃げ娘がそのデカ物を見上げながら近づいてきた。

「はっ、反則だべよーーーーっ!!けた違いじゃねぇべかっ!!」

「はんっ!!戦争に反則も豚足も加速も規則も結束もねぇんだよ、ボケ変態黒服野郎には特にっ!!」

「だけどここには、食い逃げ娘もいるべっ!!一般人も巻き込むべかっ!?」

後ろでは食い逃げ娘がうぐぅと奇妙な鳴き声を上げている…こいつがここにいる以上、撃てる物も撃てまい!

「………関係ナッシング・・・地球は綺麗だから♪」

「…ウゾ…」

「うぐぅ、ウラタンさん…さっきボクを助けてくれたのに……」

無情にもそのロボットの腕のエネルギーキャノン砲がチャージし始めた…くぉぉ、やはり極悪メタルだべさぁぁーー

「もうあの極悪メタルに何言っても無駄だべさ…レッドタートル…再起動!補助回路切り替え…緊急回避急げっ!!」

「首領さん、みんな逃げないと!」

「解ってるべっ!!どうした……早く動くべっ!レッドタートル!お前等も、お祈りしてないで穴でも掘るべよ!!」

後ろではY(ヤクト)兵どもが、泣きながら手を合わせて念仏唱えていた。

『レッドタートル、再起動……完了、全メガ粒子砲エネルギータートルシールドに集中……』

よしっ!何とか起きたべさっ!その瞬間…我々に向かって極悪メタルの戦艦から強烈なビーム砲が放たれた。

「消えろ変態集団っ!!一撃撃砕、即身成仏!!バルキャノォォォーーン!!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!

ズバガァァァーーーーーァァァァァーーーーーーン!!!




廃工場近くの人気の無い所……

その地面が盛り上がりそこから、もはや半壊状態のレッドタートルが出て来て…その穴から我等Y(ヤクト)団と食い逃げ娘が何とか這い出してきた。

「うぐぅ…むちゃくちゃだったよー」

「ああ…生きているのが不思議だべさ……」

向こうでは、大爆発の後と思われるキノコ雲が立ち上っていた。

「はぁ…今度からウラタンさんが切れないように気をつけないと……」

「まったく、危険な敵だべ…」

がぽっ

そう言うと、Y(ヤクト)ヘルを取り…いつものボクに戻った。

「大丈夫だった?怪我とかは……」

「うん、大丈夫だよ…(何だか、急に人が変わったような……)」

何だか疑りの目で見てるな…やっぱ、人格変わると変か…

「あ…素顔を明かすのは君が特別だよ、食い逃げ娘さん……」

「うぐぅ、食い逃げ娘じゃないもん。ちゃんとあゆって名前がついてるもんっ」

「あゆちゃんか、解った覚えておくよ……でも今度は食い逃げは駄目だよ」

「うぐっ!?」

どうやら、今回もしたなんて言えないあゆだった……

「僕は鮫島やくと…困った事があったらここに電話入れて…すぐに掛け付けるから…特に、極悪メタルには気をつけてね」

「うん、解ったよ…やくと君」

それにしても本当子供っぽい子だな…歳いくつだろう…

「とにかく、この穴からまた極悪メタルが追ってくるとも限らないから……あゆちゃんはもう、ここで家に帰るんだ…」

「うぐぅ、亀さんもうボロボロだね……」

あゆちゃんがレッドタートルを見て言う…

「ああ、こりゃ修理が必要だな…」

「それじゃあ、ボクは帰るね……今日は本当に楽しかったよ、ばいばい〜」

「できれば、もうあんな目には会いたくないけどね……気をつけて帰るんだべよ〜」

「(だべ…あっ、やっぱり首領さんだ……)」

そして、あゆちゃんはそこから大通りを抜けて自分の家へと帰っていった…

「さあ、これから帰って…レッドタートルの修理だ…そして今度こそあの極悪メタルにリベンジだべ!!」

僕はレッドタートルを緊急帰還モードへと以降して、家に帰る事とした。だが…僕は気付いていなかった、自分が後ろから付けられている事に……

『ぎゅるる…』



<浦谷サイド>

・・・我を忘れるって怖いね♪

ひゅううううううう・・・・

俺の目の前には、「廃工場であったらしき空間」が広がっていた。

先ほどまで、ももーんと立ち込めていた煙も薄れ、あたりには何もない・・・

地面に降り立った俺は周りを見回す・・・

「・・・・・・・・・・・・・・」

当然、俺が吹っ飛ばしたのである。

ああ・・・空が蒼いなぁ。

あまりの怒りの中で、タイヤキ居ることもお構いなしにバルキャノン撃っちまった・・・・

おそらく、あの連中が生きていてもタイヤキは助からないだろう・・・

すまねえ、タイヤキ。

おとなしく成仏してくれ・・・

ナレーター注:あゆは死んでません。わかってるとは思いますが・・・

「解除変身・・・はぁ・・・」

変身を解き、俺は途方に暮れてしまった。

「これ、どうしようか・・・?」

いや、それよりも。

「俺は犯罪者になってもーた・・・」

これはいけない。

この星で犯罪を働けば、俺のようなうつーじんは間違いなく強制送還・・・下手すれば、わずか20年の間に、十数の侵略者どもを根こそぎ滅ぼした、あの名高いスーパー戦隊やS.U.P.の手で始末されてしまう。

困った。

このままでは風見さんに会いに行くこともままならん。

とはいえ証拠隠滅するにも、この規模では不可能だ・・・

・・・とりあえず、しらばっくれよう。

おそらくS.U.P.のレーダーとかには探知されてるだろうが、あの型の船の資料は地球人にはないはず。

さらに、この星に侵入したときは、ちょうど「大消滅」とか言う大規模空間異常が起きてたときだったから、この星の人間で気づいているのは少ないはず・・・

よし、しらをきろう!

考えをまとめた俺は、財布がポケットに入っていることを確認し、その場を立ち去った。

そして、さっき渡されたメモを見る・・・

待ち合わせ場所・・・

ふむふむ・・・

アパート「榊荘」666号室?

俺の部屋じゃねーかっ!?

・・・もしかして、やっぱりばれてんじゃねえのか?

というか、連中が接触かけてきた時点で気づけよ、俺!

・・・こうなれば腹括るしかあるまい・・・・

ああ・・・

この星での快適ライフも、今日で終わるかもしれない・・・

そう思うと、激しく鬱な俺であった・・・



・・・俺は部屋に着いて、思った。

部屋にあるのは、ちゃぶ台ひとつ、テレビひとつ、冷蔵庫とオーブントースターもひとつずつ。

殺風景やなあ・・・

ついでにと買ってきた、すき焼き用の肉と白滝、椎茸、白菜を冷蔵庫に入れる。

ちゃぶ台に乗っている、麦茶の入った茶碗を流しにおいて、俺は座った。

考えても見れ。

この、誰も入りたくなさそうな内装を気に入って、ここに来たのだ。

客を入れることなんぞ、最初から意識してないからな。

そもそも、友人を作らんように生活しているのだ、当たり前。

そう思った。

たとえ大家でも、この部屋に入れたことはない。

唯一入れたのは・・・やくとのみだ。

野郎、おれが最初に「嫌だ!」とのたまったら、忍び込もうとしやがったからな・・・

それも窓から・・・

それ以来、体の弱そうな彼奴が、無茶して怪我でもされても寝覚めが悪いってんで出入りを許している。

何より、この部屋は危険なのだ。

前にも言ったが、ここは本来マジもんの心霊ルーム。

40年以上前、この部屋では血も凍るような残虐な殺され方をしたやつが居たらしい。

以来この部屋には、そいつの霊が住み着いたらしく、甚く恐ろしい心霊現象が起こるスポット。

いわくつきという点でなら、某女神○生シリーズを作っているア○ラス社に勝るとも劣らない(偏見)。

前の経営者が30年ほど前に、とある建設会社に土地ごと売ったのだが、謎の事故が相次ぎ取り壊しを断念。

以降、今の大家が買い取るまで無人の廃墟・・・

それ以降の改築・増築も秋子さんの時代になってからである。

無茶苦茶な改装のおかげで、実に入り組んだわけのわからんアパートになったが、秋子さんが言うには・・・

「ウィンチェスター婦人の邸宅をモデルにしました」

と言うことである。

俺はこの星の歴史にそうは詳しくないが、なんでもウィンチェスター婦人というのは前西暦末に「ウィンチェスター小銃」という、当時では画期的な銃を作った会社社長の奥さんらしい。

夫と義父、さらに子供をも謎の死で亡くし、その後降霊術に取り付かれた彼女は、霊の導きで洒落にならんほど入り組んだ家を建てたそうだ。

何度も何度も、改装を続けながら・・・

ウィンチェスター銃で亡くなった人々の霊を鎮めるためだったのかもしれない・・・

参考にしたと聞かされて、少し調べたのだが、妙に納得してしまった。

彼女はこのアパートの怨念の鎮めようとしているのかも・・・?

納得はしたが、彼女の謎はいや増しに増したと思った・・・

もしかして、本気で降霊術を行っているんじゃあるまいな・・・?

・・・ますますわからん。

そんなわけで、ここは昔から興味本位で近づこうものなら、祟りがあって3年で死ぬとか言われていたらしい。

現在は、精神波ユニットで「負の感情」を持つ物理精神干渉精神波(長い)を打ち消している・・・つまりアナログに言うなら、「封印」しているから何も起こらなくなったのである。

とはいえ、効力がある空間もそれなりに限定されてくる。

窓の外や庭でそういったことが起こらんとも限らん。

何より、俺はそういう方面に詳しくない。

こういうとき、先祖が陰陽師やってましたとか、そういうやつが近くに居るとあれなんだが。

あいつが居なくなると、困ることもある。

なぜか奴は、たまにうちのアパートにやってきては共同トイレや洗濯場、OAルームや各部屋なんかに、わけのわからん機能を付けていく。

(共同トイレなんぞがあるのは、先の増改築の無節操さのおかげで、トイレのある部屋とない部屋が出てきてしまっているからだ。何せ、ほとんど世界中の建築様式を試しているとしか思えないほど、たくさんの“違った”趣の部屋があるのだ・・・)

それは精神波検知ユニットだったり(たぶん幽霊対策)、はたまた謎のバージョンアップだったりもする。

最近役に立ったのは、DDS-NET主催の無料LANを取り付けたことか。

おかげであと一年くらいはただでネットにつなげて、こりゃ便利♪

そこからそんなモン持ってくるのかは知らんが。

居なくなれば、はっきり言って皆悲しむに違いない。

便利な奴だし、性格も悪くないから、アパートの連中に好かれてるからな・・・

・・・それにやくとが居なくなると、あいつの母親の差し入れが無くなるだろうからな・・・

そっちも死活問題だ。

・・・話が逸れた。

というわけで、俺の部屋は客を迎えるセッティングはされてないし、しようとも思わない。

・・・まずい。

どうしようか・・・

今からそんなセッティングできるわきゃねえし、仕方もわからん。

はてさて・・・・

がしゃん。

とそうやって、途方に暮れていた俺の耳にガラスの割れる音が聞こえてきた。

何じゃ・・・?

ごそごそ・・・

引き出しから、護身用のレーザーナイフを取り出すと、俺は部屋の外に出た。

「・・・誰もおらんのう・・・」

もしかして、封印を破って幽霊でも現れたかぁ?

そう思った矢先・・・

がっしゃあああああん!!!

目の前のガラスが割れた!!

「なんじゃい!?」

身構える俺の前に現れたのは・・・

「ああっ!助かったよっ!!」

・・・・・タイヤキ・・・・・

生きてやがったか・・・

これで犯罪者にならずに済む。

そう思って、心底安堵したのだが・・・・

それだけでは済まなかったようだ。

『キシャアア・・・』

また・・・

「化けもんですかっ?!」

「うぐう〜〜〜〜なんで?首領さんと別れた矢先に、なんでぇ・・・?」

もう嫌だっ!

死いいいいいいねええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!

叫んで、俺は手ごろな漬物石(なぜあったのかは説明不要!)を、化け物にぶん投げた。

がつっ!!

「お前らああああああああああああああ!!!どこの誰の差し金か知らんが、俺の快適ライフを邪魔するんじゃねえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!」

叫んで、俺は右手を上に上げた。

「装着変身!」

かっ!

「手前らみてえな、意思を解せぬ化けモンに名乗る名はねえ!!アドバルーンビーム!!」

どむっどむっ!!

ばしっ!

変身するなり、俺が放った光弾は、化けモンの頭に着弾した。

『?』

・・・利いてません。

ぜんぜん平気そうでふ。

エネルギーが足らない・・・?

ゴーグルの表示をよく見る・・・

地球の言葉ではない、俺には見慣れた言葉で『チャージ未終了』と出ていた。

「まじかぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁっ?!!!」

『グロオオッ!!』

それは、俺に、おもいっきし襲い掛かってきやがった。

がっ!がっ!どげしっ!!!

「ぎゅぱっ?!」

声にならない声を上げて、俺は転げた。

『グッ、シュウウ・・・・』

がん、がんがん!!

まだ・・・殴ってきやがる・・・

俺は、まだ少し動く指で、タイヤキに『逃げろ』と合図を出した。

『ギュウウウ・・・・』

・・・まじいい・・・・

こいつ・・・勝負かける気か・・・?

・・・もうだめっしか?

「ああ・・・ウラタンさん・・・」

・・・バカチンがぁ・・・早く逃げんかい・・・

あ、やべえ、意識薄れてきやがった。

すまん、タイヤキ・・・

一般市民すら守れねえカスだよ、俺は・・・

もう、俺は死を覚悟しまくってた・・・

その時だ。

声が、響いた。

「待てぇい!!」

『グルウウ?!』

「立ち上がれ、ウラタンダー!お前には、その子を助ける義務がある!!」

力強い声。

「だ・・・誰だ・・・バカヤロ・・・」

薄れる意識の中で、俺はそいつに呼びかけた。

すると・・・

仮面ライダーV3!!!

と返された。

仮面ライダー・・・?

本郷さんの・・・同類・・・か。

クソおお・・・・

おきろ、俺の身体ぁあ・・・・

ぐ・・・・ぐぐ・・・・

「義務だと・・・・・・・・・・・・・・馬鹿言ってんじゃねえっ!!!俺は、被害者だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」

俺は、気力を振り絞り、立ち上がった。

「その意気だ、やるぞ」

赤い仮面のその男・・・V3は、そういうと化けモンに向かっていった。

つええ・・・

「とおっ!」

ずがしゃっ!

「V3・・・パンチ!!」

ぐしゃああっ!

見る見る、化けモンは傷だらけになって行く。

「ウラタンダー、見て置け・・・これが本物のキックだ・・・V3ジャンプ!!!」

そういうと、男は空高くジャンプした。

当然、アパートの屋根をぶち破って・・・

V3が叫ぶ。

V3!!!反転キィィィィィィィィック!!!!!

づがっ!!

空高くから放たれたけりが、化けモンに吸い込まれる。

くるりっ!!

空中で一回転すると、そのまま先ほどと同じ体勢で・・・

どがぁぁぁぁぁっ!!!

二発目の蹴り・・・が決まった!!

すたっ!

V3は地面に降り立つと、そのまま、歩みだした。

まるで、その後のことがわかっていたかのように。

『グッ!グルルルルルゥ・・・・』

ど・・・・どんっ!

化けモンはひざをつくと、そのまま、爆散した。

手ぇ出す暇もなかった・・・

なんて強さだ・・・

V3は徐々に、人間の姿に戻ろうとしていた・・・

「風見さん・・・・」

V3・・・風見さんは、俺に向き直ると、ニヤッと微笑った。




<やくとさいど、エピローグ>

う…うかつだったべ…

まさか、このY(ヤクト)団首領が、不意打ちを食らうとは…

あゆを逃がして正解だったべよ

「くぅぅ…あの、固い甲羅が…爆弾の爆発力を半減させてしまうべさ…」

あゆを見送った後、このわし…Y(ヤクト)団首領は突然の不意打ちを食らってしまった。

さっきの蟻の化け物とは違い、こいつは亀の化け物…量より質か…

Y(ヤクト)兵達はもう…ごらんの通り、こてんぱんにのされてしまった。

「ちぃっ、レッドタートルさえ動ければ……」

さっきの、極悪メタルとの戦闘で、レッドタートルは全てのエネルギーを使い果たしたどころか、中破しているため…自力では動けそうに無く…あの亀の化け物に対して攻撃しようとしたが…攻撃が当たる前に倒れてしまった。

くぅ…それもこれも、あの極悪メタルの戦艦のせいだ!

だが、あれだけの大被害…もしかしたらSUPが動く可能性が高い。

SUPさえ動けば、極悪メタルなんぞけちょんけちょんにしてくれるであろう…

「けど今は、俺様がけちょんけちょんになりそうっ!!」

『ギュルル…』

亀型の化け物は、わしを睨みつけながらにじり寄ってきた…

「こうなったら、腹を狙うしかなさそうだべっ!Y(ヤクト)27が秘儀の一つ!」

俺様はマントから黒いバラ(これも爆弾)を両手に持つと…バッと、投げ放った。

「エレガント祭っ!!」

バラの花びらが亀の化け物の腹に向かって一点に搾られて発射される。

「これで終わりだべさ」

さっ!

チュドォォーーンッ!!

「やったべさっ!?」

爆音と煙が立ち込め…勝利を確信した…よしっ!これで……

と思った瞬間、俺様の足元のアスファルトが波打つように揺らいだ。そして、その地面からさっきの亀が現れた。

「げっ!!」

ガシッ!っと、足を捕まれ…俺様は地中に引きずり込まれそうになった。

「ぐっああっ!!」

こいつの能力…地中を海のように泳ぐ事が出きる…故に人を地中に沈めてしまうんだった。

だめだ!離れない!やっくんダブルぴんち

「たっ…助けて…」

その時…何処からとも無く…トランペットの音が響き渡った。

「!?…どこだ?」

そのメロディーはどこかで聞いたことがあった…これは…まさかっ!

「悪のあるところ必ず現れ、悪の行われるところ必ず行く。正義の戦士、キカイダー01」

音のする方を向くと、家の屋根にはトランペットを持つヘルメットをした男が立っていた。あっ、あの姿は…SUPの資料室で見たことある…

あれは、キカイダー01…のイチローさん?

「君っ!大丈夫かっ!?」

「ああ、早く!助けて!」

「解った、チェンジキカイダー!ゼロ!ワン!!」

彼は両腕を旋回させて、頭の上でクロスさせると…頭部のヘルメットが開きまばゆい光が出て…彼の体を光が覆い…彼は赤と青のツートンカラーのロボットへと変身した。

「やっぱり、あれは…俺様が欲しかった完全の良心回路を持っている、光明寺博士が作ったロボット……キカイダー01だっ!!…うっぷ」

その合間にも俺様は首の根元まで、地中に生め込まれようとしていた。

「行けないっ、とうっ!!」

キカイダー01は飛びあがり、体をぐるぐると横に回転させた。

01っ!ドライバーッ!!

おう、説明しないと、説明しよう!

01ドライバーとは…自分の体を一個のドリルにして標的を貫く荒業だ!

ズドドドドドドドッ!!

彼の01ドライバーは、地中を掘り進み地中で俺様を引っ張っていた…亀の化け物を引っぺがし…地上へと出た。

俺様も間一髪の所で地上へと這い出した…

「はぁ、はぁ…ありがとうキカイダー…」

「君は離れてるんだっ!!」

「解ったっ!」

にしても、援護は出来ないか…

爆弾はもうさっきの戦闘と、あの極悪メタルの為に使いきったし…

「さあ、見ていろ!Y(ヤクト)団首領っ!」

えっ?我等の事を知っているだと?いくら2話に何ヶ月かかかったけど、有名じゃない

(うぐぅ、ひどいよ)

キカイダー01は両腕をクロスさせると両腕のクリアな部分が青い光を放った。

「とうっ!」

ジャンプして、錐もみ回転を加えると…クロスさせた両腕を敵に叩き付けた。

ブラストエンド!!

ズバァァァーーーンッ!!

亀の化け物に叩き付けた両腕は、スパークして…爆発した。

すっ凄い威力だ……

『ぐぅぅ……がぁぁーーーっ!』

亀の化け物の頭に天使の輪のような発光体が現れ…そして…奴は爆発し四散した…

ズガアァァーーーンッ!

甲羅の防御なんぞあったもんじゃない。

援護の必要も無かった…キカイダー01、凄い…強い

キカイダー01は、人間体のイチローさんに戻って行った。

俺様は心が踊った…彼は僕が欲しかった、完全な良心回路を持っている。

聞かなくては、そうすればもっと…凄いロボットができる!彼に勝る…強力な怪人ロボットを…

カポッ

僕は、頭のY(ヤクト)ヘルを脱いで…イチローさんに走り寄った。

「すいませんっ!」

イチローさんは、ダブルマシーンに乗って去ろうとした所を僕に引きとめられて…僕のほうを向いた。

「やはり、Y(ヤクト)団の首領は君だったか…鮫島やくと君」

「はっはい!良くご存知で…」

「君を良く知る人間からY(ヤクト)団の事を聞いてな…もしやと思ってな」

「はい…でもSUPには僕の正体は明かさないでください…」

「……(既にばれている事を知っているのか?)」

イチローさんは少しため息を付いた…どうしたんだろう??

「君の発明も大した物だな」

倒れこんだレッドタートルや、僕の持っているY(ヤクト)ヘルを見てイチローさんは言った。

「ありがとうございます、全てあり合わせの物で作っていますので」

「それでも君の腕は目を引くものだ……SUPの技術者だと言う事は頷ける」

中学の時は、SUPで戦隊のロボットのメンテナンス主任を任された時もあったけど、今考えると照れるや。

「あっ…でも、僕でもできないものが一つだけあります」

「それは?君にもできないものがあるなんて」

「はい、光明寺博士の良心回路です……それも、えっとすいませんが…あなたのような完全な良心回路は…」

その事を言うと、イチローさんは少し顔をしかめた…やっぱり資料によるとこの良心回路にはかなり曰くのある過去があったんだよな。

「君は、父の良心回路を作りたいのかい?」

「え?はっ、はいっ!出きれば…科学者の卵として、僕は完全な良心回路を!!」

それがあれば、極悪メタルなんて……僕の敵じゃないんだ…

イチローさんは少し遠い眼差しをして……

「君は知ってるかい?良心回路の意味を…」

聞いた事無いな…、脇ではY(ヤクト)兵達が補充のY(ヤクト)兵に抱えられ…帰っていっている。

「俺の完全な良心回路は…『善』にも『悪』簡単になれる…その使い方を間違えたら、それは完璧なる『悪』となりうるのさ」

「イチローさんが悪に?」

「そう、それもハカイダーを越える程の……」

「ハカイダー…」

資料で見た事があるぞ…なんでも、イチローさんやその弟のキカイダーであるジローさんを苦しめたって言う…そんな奴に…イチローさんもなりうるという事か?

「不完全な良心回路は、それこそ不安定だが…善と悪の狭間で悩む、それは人間の心そのものなのさ…解るよね」

「……弟さんのジローさんや…ビジンダーのマリさんですよね」

良く知ってるねと言われた。まあ科学者の卵なら…

「君は、正義の集団を目指しているんだよね……」

「そうですが……」

「君は今の、不完全な良心回路と同じに見えてならない」

僕はその言葉にビクリと反応した…確かに、僕はY(ヤクト)ヘルを被ると性格が反転するけど、正義の心は揺るぎ無いと思っていた。

だけど…Y(ヤクト)団の首領となってからは、正義の為には多少の犠牲もやむ終えないとメガ粒子砲で建物を破壊してしまった。

「今の君は…善にも悪にもなりきれていない。その君には悪いけどこの完全な良心回路を操れる保証は無いかもな…」

何だかやるせない気持ちでいっぱいになった…

「いずれ解る時が来るさ…自分が本当に戦わなくては鳴らない時…それが自分の『正義』となる……君も科学者なんだから、気を落とす事は無い」

そう言い、イチローさんは肩に手をぽんと置いて笑った…励まされたような気持ちになり少し嬉しくなった。

「はっ…はいっ!」

「そう、その意気込みを大切にするんだぞ…、そうだ!これ…何かの参考になるなら持って行ってくれ」

そう言うと、イチローさんは僕に一枚の紙を渡した…それは、いまイチローさんの乗っているダブルマシーンの設計図だった。

「あっ、ありがとうございます!!是非!有効に使わせていただきますっ!!」

「ああ…これからも共に正義の為に頑張ろう、やくと君」

「はいっ!」

イチローさんはそう言い残して、ダブルマシーンで去って行った…

「武装解除」

僕は物陰で武装解除して、レッドタートルを運ぶY(ヤクト)兵達を見送った。

凄い壊れようだ…一度、SUPに引き取ってもらおう…その間に僕の物じゃないって、全ての証拠も隠滅しないとね。僕が回収したって事で…

良心回路は手に入らなかったけど…いい参考にさせてもらいました。

僕は正義…悪には絶対なりたくないっ…特にあの極悪メタルみたいには…


その頃…離れた公園では…前回Y(ヤクト)団により投げられたなっとうネバネバ爆弾の掃除がSUPの技術者行われていた。

SUPの鑑識もいて、そのネバネバ爆弾の解析もされている

ベンチに、座ってバニラアイスを食べる…栞ちゃんじゃない…スーツ姿の陣内陽介がそこにいた。

そこにイチローのダブルマシーンが止まる。

「どうでした?イチローさん…鮫島は…」

「君の言う通りの男だったよ、積極的ではあるがどこか脆い面もある」

「そうですね、あいつの人格ですから…でも、それが危険なんだな」

「……友人として、心配かい?」

「まあ……ね…風見さんもすぐに帰ってくると言ってました」

陽介はそう言いながら、バニラアイスを口に運ぶ…

「風見さんの報告が終われば……次のステップですね…、次は二人の前には俺自身が出ます」

「君がかい?お父さんの探索もあるのでは?」

「ギャラクシアンが太陽系に来るまで時間は限られています、その前に何とかしてあいつ等を、仲間にしなきゃならない…だけど、今のままでは…あの二人は」

そう言い、陽介はもう一口…バニラアイスを食べた…




浦谷エピローグ

・・・あの後。

俺は、風見さんにおもいっきり説教をかまされた。

やれ、ヒーローがどうの、男がどうの・・・

もう、ひとつも頭に入っちゃ居ない・・・

後は・・・

まぁ、まだ言うべきじゃないいろいろを聞かされた。

それが、自分に関係するなんて思っちゃ居なかったが。

それより痛かったのは・・・

くっ!

風見さんはさっさと帰っちまったから、結局俺は、大家さんにしこたま怒られまくったのだ。

「この天井の穴は何ですか・・・?浦谷さん?」

笑顔でそう詰め寄ってこられると、こちらもただ、あうあう言ってる事しか出来ん。

風見さん・・・後先考えずに技使うなっ!(怒

そうだ・・・そういえば、タイヤキどこ行きやがった?

「うぐぅ・・・ここだよう・・・」



どこだ・・・?

・・・まさか・・・

俺の部屋か?!

・・・そこでは、俺の部屋のちゃぶ台でくつろぎながら、すき焼きをつついている、大家とタイヤキ。

さらには、大家の娘さんに居候AとB・・・

「こんにちは、浦谷さん。」

「あ、いただいてます、浦谷さん♪」

「あう〜祐一、肉ばっか取るな〜〜〜!!(怒)」

「早いモン勝ちだっ!」

「ウラタンさんもどう?」

「あゆちゃん・・・ウラタンって何?」

「あ、んーん、秘密だよっ!」

ああ・・・ああ・・・

「よう。」

そして、壁に寄りかかって立っている。

気障そのものの格好でたたずむ、風見さんが居た、

・・・ちょいと待ちな・・・

俺の夕飯が・・・

説教嫌で、逃げただけか・・・風見さん・・・

俺の・・・安息は・・・もうないんか・・・?

ぐわあああああああああああああああああ!!!!!

逢魔ヶ刻に絶叫が響き渡り、日は落ちていく・・・





やくとエピローグ

はぁ、今日も疲れたな…気付けば夕方だよぅ…

レッドタートルはY(ヤクト)兵達がSUPに電話して、回収を頼んだし…

まあいいか、イチローさんからはいいアドバイスと…このダブルマシーンの設計図も貰った事だし。

正義と悪…僕はどちらにも慣れない存在。だけどいつかは…正義になって見せるべさっ!!

でも、あの極悪メタルは許すまじっ!

あの巨大戦艦もあれだけ騒げばSUPが気付いてけちょんけちょんにして来るれるけど、いかんせん僕が倒さないと、後味が悪い!!

よーしっ!今度は、あの巨大戦艦妥当の為に!!

「巨大ロボを作るぞぅ!!」

「うるつぁし…へっぽこサイエンティスト卵」

「うわっ!びっくりした、浦谷さん…どうしたんですか?」

家の前に、性格には榊荘の前に浦谷さんは何だかもう、疲れきったって顔で立っていた。

そういや、軽食屋「伊吹」で解れてから…随分時間が経ってるしな…待ち合わせの人は来たのかなってかなり機嫌が悪そう…

「ああん?すこーし、知り合いに耳に痛い事言われてな…後は…ああ、言いたくない…部屋に帰りたくない…」

「……」

ああ、多分浦谷さんの性格が、女心(違う)を傷付ける事言って、説教でも食らったんだろう。相手の女の人(違う)も可愛そうに…

「浦谷さん…女心は紙一重ですよ」

「・・・俺の待ち合わせ相手は男だっっ!!何を考えてやがる!」

「……いえ、待ち合わせといえば恋人か、昔の女か…」

「お前俺が一体いくつに見えるんだ?30?40?それとももっとか?」

あっ、また怒らせそうだからここ等変で切り上げよう。

「それにしても、お前は結構うれしそうだなぁ…(いらいら」

「いえ、僕はこれを…」

僕はダブルマシーンの設計図を浦谷さんに見せた。

「ん…何だか小難しい事書いてあるが…まあ頑張りゃ。」

「はっはぁ…浦谷さんも…ああ、浦谷さんの部屋の換気扇が壊れていたので、改造しときました」

「また勝手に入ったのか…てめぇさんは…」

降りかえり様に浦谷さんはずいっとにじり寄ってくる…

「それに直したはいいが、改造って何だよ…?」

「部屋に涼しい空気が入って来れるように、扇風機の機能も搭載したんです」

「はぁ…じゃな」

浦谷さんは最後に、また部屋に訳の解らんものが増えたと付け加えて…榊荘へと帰っていった。

まあいいか…さて、僕はこれで自分専用のマシンを作ろうっ!!

バイクの免許は取ってないけど…(爆)




こうして・・・

この日も過ぎていきます・・・

さて、次なる戦いは・・・?

そらに一番近いところ・・・

・・・

続く