南京大虐殺を記録した日本のグラビア誌、長春で発見される
日本軍による南京大虐殺を記録したグラビア誌が先日中国の長春市で発見された。その上には、日本人従軍記者が南京攻略時に撮影した写真一組が収められている。
『近代百年史』と題されたこのグラビア誌は五〇年代に出版されたもので、表紙右上の隅には「昭和二十六年十一月十九日国鉄特別承認雑誌第二一三八号」、「画報近現代百年史通巻第十五号、昭和二十七年九月五日印刷発行」という文字があり、当時の日本株式会社国際文化情報社により編集、出版された。
グラビア誌の千百四十六頁および千百四十七頁に記された「南京大虐殺――日本軍の乱行」という見出しがひときわ人目を引く。グラビア誌には日本人従軍記者が撮影した日本軍による南京市民虐殺の写真八枚があり、これらの写真には、日本軍によって処刑場に連行された中国人、虐殺現場、婦人子供の虐殺、草地、廃墟、がれきの間に横たわる多数の死体などが含まれている。
見出しと写真の傍らには日本語で、「中島師団を主とする南京侵入日本軍部隊が市街区掃討作戦の際、残酷な虐殺を行った。目撃者によると、南京では四週間にわたり血の河ができ、年齢を問わずほとんどの女性が暴行を受け、略奪されなかった家屋はない」と記されている。
グラビア誌にはまた、「日本軍による南京での暴行が明らかにされれば、日本の名誉は地におちる。この事実の公開を日本軍は恐れ、あらゆる情報源に対し緘口令を敷いた。しかしながら当時南京には一定数の外国人が居住しており、事実隠蔽は根本的に不可能であった。」とも記されている。このグラビア誌は、長期間日本に在住していた長春出身の画家が数日前、古い雑誌を整理していた際に発見したものであるという。