向こう二十年間に中国の経済を支えるもの


鄭新立

 改革・開放の二十年間に、中国の経済は新たな発展段階に入った。この新たな段階においては、売手市場が全面的に形成され、低いレベルでの生産過剰が現れている。主な農産物、エネルギー、原材料、軽工業・紡績品の生産量は世界トップとなっている。より長い期間から見て、経済の急速成長の勢いを維持していくためには、経済成長を支えるものを模索し、体制と政策の面で、その形成と発展のための条件をつくらなければならない。

 産業構造から見れば、新たに支えるものを形成できる産業は次の通り。@居住・交通条件を改善することと関係のある産業として、不動産、交通、通信、生態環境などのインフラおよび自動車、水運、航空輸送などの輸送設備製造業がある。Aエレクトロニクス技術による技術設備工業。B新興産業とハイテク産業。C近代的流通業とサービス業。これら産業の振興は、中国住民の消費構成のグレードアップの客観的な要求であり、産業構造の調整と最適化のグレードアップの客観的な要求でもある。これまでの二十年間における中国経済の急速発展はかなりの度合いにおいて、経済構造の調整に支えられたものである。例えば、八○年代、衣食などのレベルアップの需要に適応するために、農業と軽工業・紡績業の急速な成長があった。九○年代、住民の「電話を掛けることの難しさ」、「交通難」、「給電難」の矛盾を解決するために、国は交通、通信、エネルギー工業への投入を増やして、長年来国民経済の発展を制約してきた「ボトルネック」は著しく緩和した。

 所有制の構成から見て、非国有経済の成長の活力と発展の勢いが引き続き維持されている。これまでの二十年間に、GDPの成長の中で、非国有経済は約七〇%を占め、年間伸び率は国有経済と比べて一倍以上高かった。当面のGDPにおいては、非国有経済が四分の三を占め、国有経済は四分の一に減ったが、ここ二年間には、市場ニーズ、心理的予測、資金供給などの面での影響を受けて、非国有経済の伸びは著しくスローダウンしている。特に一九九八年に、国有企業の投資は二二%増えたが、非国有企業の投資はゼロ成長ひいてはマイナス成長となった。これは非常に異常な現象であった。改革・開放の二十年来、非国有企業の投資は年平均二八・六%増え、国有企業と比べて十・二ポイント高かった。これは非国有経済の成長を支える重要な要因である。今後の二十年間に、中国は非国有経済の持続的成長に必要なサポートと政策環境を提供することになろう。

 企業の組織構造から見て、中小企業の発展を重視し、中小企業に経済成長を支え、就職を拡大する重要な役割を果たさせることになろう。中国では労働力資源が豊かで、各地区の経済発展は非常にアンバランスである。中小企業を大いに発展させることを通じて、中国経済の強みを生かし、経済成長の潜在力を掘り起こすことができる。そのため、大型基幹企業を重視すると同時に、中小企業の発展を奨励する。

 当面、中国の工業分野で中小企業は七百三十二万社あり、工業企業総数の九九・七%を占め、従業員数は一億八百四十四万人で、工業分野従業員総数の七三・六%を占めている。工業総生産額は五万千三百九十一億元に達し、全国工業総生産額の六二・五%を占めており、そのなかで、集団企業は五一%、個人・私営企業は二三・三%、国有と三資(合資・合作・全額外資)企業はそれぞれ一三・一%を占めている。

 中国の多くの小企業はここ二十年間の経済体制と経済構造の激しい変動の中で設立されたものである。現在、中国では、中小企業に対する政策・法規が充実しておらず、助成の度合いも足りず、負担がより重く、社会化サービス体系がまだ形成されておらず、企業体質が劣り、技術設備と管理水準が立ち遅れているという問題が存在している。そのため、国は、中小企業の発展を奨励する政策の制定に力を入れ、小企業の借入金担保の問題を解決し、小企業の株式上場を認め、直接融資のルートを切り開き、信用のよりよい小企業に経営自主権を与え、小さな企業の製品品質の向上をサポートし、技術者がハイテク小企業を設立することを奨励し、情報、技術、管理、トレーニングなどの面で、小企業にサービスを提供することになっている。

(筆者は国家発展計画委員会副秘書長)

 

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