三峡ダム工事を回顧して
一九九四年十二月十四日、李鵬総理は三峡ダム工事の本格的着工を宣した。それ以来、三峡ダム工事の建設者全員は社会主義市場経済メカニズムを十分に運用し、プロジェクト法人責任制、入札請負制、建設監理制、契約管理制を全面的に実行に移し、心をこめて設計、管理、施工し、工事建設の段階的な勝利を収めた。
一九九七年十一月八日、三峡ダム工事は長江のせき止めに成功し、第一段階の施工任務を円満に成し遂げ、第二段階の工事建設に入った。経営者および施工、設計、監理など各方面の人の共同の努力の下で、一九九八年五月一日、三峡ダムの二期工事の導流期の通航の重任を担う臨時水門が計画通りに通航し、三峡ダム二期工事のコッファーダムを高品質に完成し、一九九八年の長江の大洪水と八回の増水期の試練に耐え抜いた。永久水門の土石掘削は九五%完成し、コンクリート流し込みが始まった。第二段階の堰堤および発電所建物工事の土台づくりのための土石掘削が全面的に完工してコンクリート流し込み段階に入り、付属設備のコンクリートミキサーシステムの建設が急いで進められているかすでに完成し、各種の先進的な施工機械と設備が工事現場に据え付けられ、テストされ、稼動し始め、大規模のコンクリート流し込みは四月から始まった。
今年五月現在、三峡ダム工事の固定資産投資額は三百八十四億元に達し、土石掘削量は一億六千五百三万立方メートルで、そのうち、主体工事は一億千十六万立方メートル完成した。土石の埋め立ては六千八百四万立方メートルに達し、そのうち、主体工事は二千四百四十七万立方メートル完成した。コンクリート流し込み量は七百十万立方メートルで、そのうち、主体工事は五百七十八万立方メートル完成した。
一九九八年末現在、三峡総公司は三峡ダム工事の七万二千六百三十五件の単体工事に対し品質評定を行ったが、合格率は一〇〇%、優秀率は七九%に達した。さまざまな入札方式で結ばれた契約は合計三千八百四件あり、総額は三百十一億七千三百万元に達した。
三峡ダム工事は六年余りにわたる建設を経て、予期の建設計画目標を達成し、工事の進度が設計進度の要求を満たし、工事の質は全般的に良好で、設計の要求を満たし、工事の静的と動的投資はいずれも国の認可した最初に設定した概算および予測投資の範囲内に抑えられている。西陵長江大橋など三つのダム区の建築物は建設部の「魯班優良工事賞」を獲得した。
三峡ダム工事の第二段階工事は一九九八年から二〇〇三年までの六年間に行われ、目標は二〇〇三年に最初のユニット発電、ダムの初期貯水、二線五級水門の通航を実現することで、工期がきつく、強度が高く、プロセスが複雑で、技術の難度が高いという特徴があるが、コンクリート流し込み総量は千八百万立方メートル、年間のコンクリート流し込み量は最高五百万立方メートルに達するが、これは世界の水力建設の中で最高のものである。この目標に基づいて、一九九九年の主体工事の重点は土石の掘削・埋め立てから堰堤、建築物、水門のコンクリートの大規模な流し込みに移り、コンクリート流し込み量は四百万立方メートルを超え、工事投資総額は百十一億七千万元に達する。一九九九年一月から五月までの固定資産投資は三十一億元を完成し、土石を二百七十七万九千百立方メートル掘削し、百四十六万六千百立方メートルを埋め立て、コンクリート流し込みを百十二万四千五百立方メートル完成した。今年六月にコンクリート流し込みは世界記録を破り、月間流し込み量は三十九万五千六百立方メートルに達した。
三峡ダム工事経営者の中国長江三峡ダム工事開発総公司は、国務院の認可を経て一九九三年九月二十七日、湖北省宜昌市に設立された。同総公司は独立採算、損益自己負担、自主経営の国有企業で、国務院の認可した多項目の計画指令権を享有している。同総公司は三峡ダム工事の法人であり、三峡ダム工事の建設、資金の調達と返還、完工後の経営管理を全面的に担当する。葛洲は水力発電所はその構成部分の一つである。三峡ダム工事完工後、同総公司は二千九十一万五千KWの発電能力を持ち、年間発電量は一千億KWHに達し、その巨大な経済的効果によって、三峡ダム工事建設期のすべての債務を返済する能力がある。三峡ダム工事完工後、同総公司はその強大な経済的実力を生かして長江上流の幹流と支流を引き続き開発し、渓落渡、向家はなど一連の大型水力発電所を建設し、企画に基づいて長江の整備と開発を速めるであろう。