商業分野で外資利用の試行を着実に拡大
先ごろ、国家経済貿易委員会と対外貿易経済合作部は「外資系商業企業試行規則」を共同で公布した。同「規則」の施行は、中国が商業分野で開放をいっそう拡大していることを示している。
試行の拡大
中国の商業分野での外資利用は一九九二年から試行を始めたが、当時の試行地区は北京、上海、天津、広州、大連、青島の六市及び深せん、珠海、廈門、汕頭、海南の五つの経済特別区であった。
現在、これまでの試行状況を総括した基礎の上で、国内商業の改革と発展状況と結び付けて、関係部門は次のいくつかの面で試行を拡大することを決定した。
一、 試行地区は前記の範囲からすべての省都、自治区区都、直轄市、計画独立市に拡大する。
二、 試行の都市が一社ないし二社の中外合資、中外合作の商業企業を設立するのを許し、そのうち北京、上海、天津、重慶、広州、沈陽、鄭州、武漢、蘭州、成都などの経済中心都市あるいは商業・貿易中心都市は、一社ないし二社を増設することができる。
三、 経営の類型は小売りから卸売りに拡大し、四つの直轄市がそれぞれ卸売業務を扱う企業を試しに一社設立するのを許し、その方式は、一定の条件に合致した小売り企業が同時に兼卸売業務を扱う方式をとってもよく、また合営の卸売企業を新たに設立してもよい。
四、 チェーンストア経営の試行は、以前は北京、上海がそれぞれ二社の合資、合作のチェーンストアを設立することしか許さなったが、今は拡大されて、前出の経済中心都市と商業・貿易中心都市がいずれも合営の商業チェーンストアを計画的、規制的に設立することができるようになった。
国家経済貿易委員会の陳邦柱副主任は商業開放の試行拡大について次のように語った。
現在の中国の開放の枠組みによれば、サービス貿易は次の段階の開放拡大の主な内容である。そのため、商業分野の外資利用の試行を段取りを追って計画的に拡大するのは、一定の外資利用規模を保つのに役立ち、国外の先進的なセールス技術と管理経験を参考して、在来商業の近代的商業へのシフトを促し、国内商業企業の競争力を高めることにも役立つ。
「規則」の公布は、国際情勢ががどう変わろうとも、中国がこれまで通り対外開放の基本方針を堅持することを十分に示している。しかし、国内市場と商業企業の受容能力を考慮し、試行の拡大は慎重、穏当を期し、計画的に段取りを追って行わなければならない。
重点はやはり小売り業
統計によると、現在、国務院の認可を得て設立された中外合資と中外合作の小売り企業の売上高は、中国の社会商品小売り総額の三%しか占めておらず、各省の認可した合資商業企業を加えても、総額の一〇%にもならない。しかし、中国の小売り市場の発展速度は世界で最も速いものであり、潜在力の大きな市場の一つであり、社会商品小売り総額は長年続けて一〇%の増加率を保ち、現在の年間売上高は三兆元に近い。
商業を主管する国内貿易局の黄海総経済師はこのほど、中国商業分野の対外開放の動きは逆転できず、小売り業の対外開放には依然としてゴーサインが出されており、中国の商業分野の外資利用試行のさらなる拡大の重点はやはり小売り業で、特に国際的に実力があって、技術が進んでいる有名な商業グループが中国に進出し、商業の物資流通分野、特に倉庫、近代的な配送センター、商品の加工・包装など中国小売り業の最も弱い節目から着手して国内の実力のある小売り企業と合資、合作し、ともに国内市場を開拓することを奨励すると語った。
中国消費市場の現状に基づいて、ベテランの商業経済専門家は、外国業者が中国の小売り商業分野に進出する際には、次の三方面に注目するよう提案した。
一、 外国投資者は中国の経済発展の地域間のアンバランスな性質に基づいて、東部沿海の発達地区と大都市の小売り業への投資を適当に減らし、投資の重点を中小都市、都市の新興地区および中・西部の未発達地区に移すべきである。
二、 当面の中国住民の収入が全体として高くなく、高級・高価な商品とサービスに対する需要がまだ普遍的でない状況に基づいて、外国投資者は異なる商業分野への投資の比率を調整し、大型デパートへの投資を減らし、スーパーマーケット、チェーンストア、特許経営およびコンビニエンスストアを多く設立し、市場の発展状況に応じて適切に調整することを考慮すべきである。
三、 中国にショッピング、飲食、娯楽を一体にした大型ショッピングセンターがまだないことにかんがみ、投資者は人口の密集した消費水準のわりに高い特大都市で一つか二つ設立するのを試してみるべきである。
注意すべき問題
一九九二年から商業分野で始まった外資利用試行の過程で、一斉にそれに取り組む現象が現れたことがある。今回の試行拡大では、試行の盲目性と無秩序な発展を防ぐため、「規則」は、各試行地区が商業の外資利用プロジェクトを都市発展計画に組み入れ、計画の中で試行企業の数量、分布、業態、規模、設立、および経営方式などを統一的に按配し、これをプロジェクト申告の根拠とするよう求めている。
「規則」の公布は、長期以来の商業分野の外資利用によるべき規則がないという問題を解決した。「規則」は中外投資者双方の資格、試行企業の条件、審査・認可の権限と手続きおよび申告資料に対し明確かつ具体的な規定を行い、公開、透明の原則を体現している。同時に「規則」はプロジェクト建議書とフィジビリティー・スタディー報告を一緒に審査、認可し、手続きをさらに簡略化させると規定している。
調べによると、一九九二年以来、地方政府が政策に違反し、越権して二百七十七社の外資商業企業を審査、認可した。試行拡大の順調な進行を保証するため、主管部門は国務院の要求に基づいて、地方政府が越権して審査、認可した外資商業企業を、整理、整とんし、適切に処理することにしている。