中国に投資する多国籍企業


 世界の大企業五百社のうち、中国に投資した企業は百余社を超えている。ここで紹介するのはそのうちの一部分であり、括弧内の順位は一九九八年のランキングである。

[自動車]

 ゼネラル・モーターズ(一位)

 同社は中国で自動車工業プロジェクトを十八件実施した。そのうち、上海ゼネラル・モーターズ公司は、現段階では中米最大の合資企業であり、ゼネラル・モーターズが五〇%の株式を保有し、投資総額は十五億二千万ドル。同公司は一九九八年末から新型乗用車のビュックの生産を開始した。金杯ゼネラル・モーターズ有限公司は一九九二年に設立され、その投資総額は一九九八には二億三千万ドルに増え、シボレットワゴン車とバンを製造する。

 フォード(三位)

 一九七九年、フォードは中国に七百五十台のトラックを輸出したが、これは一九四九年以来アメリカが中国に輸出した最初の自動車である。フォードと江鈴自動車製造工場は共同で全順(Transit)自動車を開発し、一九九七年末から量産に入った。同車は中国が外国と共同で開発した最初の自動車である。

 フォルクスワーゲン(十七位)

 一九八四年十月、上海フォルクスワーゲン自動車有限公司が設立された。一九九七年現在、同公司の投資額は累計五十六億元、サンタナ乗用車の年産能力は三十万台、国産化率は九二・九%に達した。第一自動車フォルクスワーゲン自動車有限公司は、フォルクスワーゲンが中国で設立した二社目の合資企業で、投資総額は八十九億元、登録資本は二十二億五千万元であるが、そのうち、フォルクスワーゲンが四〇%を保有している。

 本田(三十八位)

 一九八一年、本田はオートバイ技術の提供で中国と提携を始めた。一九九八年七月、本田は広州市で「本田」の完成車とエンジンを生産する合資企業を設立し、投資総額は二億七千五百万ドルで、広州市最大の外資プロジェクトである。

 ボッシュ社(百五位)

 ボッシュ社は一九八四年にディーゼル噴射装置と自動車用電気製品の製造技術を中国に譲渡した。現在、ボッシュ社は中国で自動車装備、消費用品を生産する十二社の合資企業を持っている。

[電信]

 NTT(十八位)

 一九八〇年以来、NTTは前後して中国で、中国の郵便貯金キャシュカード工事プロジェクト、上海市郵電管理局と合資で設立する上海NTT通信工事有限公司(SNTE)、中国電信と共同で実施する中米海底光ケーブルを敷設プロジェクト、北京市電信局と合資で設立する北京電信NTT通信工事有限公司(BNTE)などのプロジェクトに参与している。

 AT&T(三十位)

 一九九三年、AT&Tは中国国家計画委員会と通信の十分野における長期全面提携了解覚書に調印した。現在、AT&Tは中国の郵便電信部門と提携して、ユーザーに中米間長距離直接ダイヤル電話サービスを提供している。

 モトローラ社(百位)

 一九九七年末現在、モトローラ社の対中国投資額は十二億ドルを超えた。同社は天津で同社一〇〇%出資の企業を設立し、また傘下に七社の合資公司がある一社の持株公司を登録した。このほか、四件の協力プロジェクトと十数件の重要投資に参与した。

 エリクソン社(百四十八位)

 一九九四年、本社が北京にあるエリクソン(中国)有限公司が正式に設立された。エリクソン社は中国に八社の合資企業を擁しており、同社の中国での売上高はその世界総売上高の一〇%を占めている。エリクソンの対中国投資額は二〇〇〇年には六億ドルに達するという。

 ノキア・グループ(二百八十三位)

 一九九五年、ノキア(中国)投資有限公司が設立された。現在、同グループは中国に六社の合資企業をもっている。一九九八年六月、ノキアはまた蘇州工業団地でノキア(蘇州)電信有限公司を設立し、GSM基地局とハニカムネットワーク伝送製品などを生産している。

[石油工業]

 エクソン社(八位)

 エクソンは中国西北地区で探査・採掘権を取得した最初の外国石油企業である。一九九七年、エクソン、中国の福建精油化学工業有限公司、サウジアラビアのアメイ社の三社は、福建省内のある大型精油・化学工業一体化プロジェクトについて共同でフィージビリティ・スタディを行う取り決めを結んだ。同プロジェクトの投資額は数十億ドルに達する。

 シェル社(十一位)

 現在、中国で操業に入ったか建設中のシェルの投資した石油と石油化学企業が二十余社ある。一九九七年末現在、シェルの対中国投資額は実行ベースと確認済みベースで約十億ドルに達した。一九九八年二月十六日、シェルは、オランダのハーグで中国の数社の大手企業と合資で南中国海石油化学工業プロジェクトについての枠組み取り決めに調印した。同プロジェクトの投資総額は四十五億ドル(シェルの持株は五〇%)で、中国最大の合資プロジェクトとなる。

 仏トタル社(百十四位)

 九〇年代に入って以来、トタルは中国の最初の合資精油工場――大連西太平洋石油化学有限公司に投資し、その建設に参加した。現在、トタルの対中国投資総額は約二億四千万ドルに達した。

 シェフロン社(百十六位)

 一九九六年五月、シェフロンは南中国海の二千平方キロの海域で海底天然ガス探査を行うため、同社一〇〇%出資で、中国海洋石油総公司と生産量分益契約を結んだ。一九九七年、シェフロンは華北勝利油田の産油層以下の深層探査権を取得した。

[金融業]

 香港上海銀行(四十七位)

 一九九七年、香港上海銀行は最初に上海浦東地区で人民元業務を取り扱う外資銀行の一つとなった。一九九八年には、同銀行は率先して全国人民元インターバンク市場の一級メンバーとなり、また同市場で人民元債券の買い戻し業務を扱うことを認められた。現在、同行は中国大陸部で八軒の支店を設けている。

 東京三菱銀行(九十一位)

 一九九六年十二月、中国が外国銀行に人民元業務取扱いを開放してから、東京三菱銀行は人民元業務取扱い権を取得した第一陣の外国銀行の一つである。一九九七年末現在、東京三菱銀行は北京、上海、大連、深せんには支店を、広州、成都、無錫には事務所をそれぞれ開設した。

 仏ソリエテ・ジェネラル(九十八位)

 ソリエテ・ジェネラルは一九八一年に北京で事務所を設立した第一陣の外国銀行の一つである。同行は続いて深せん、天津、広州、上海、武漢で五軒の支店を開設し、また中国の二つの金融機関と上海で合資の上海連合財務有言公司を設立した。

[保険業]

 仏AXA(十五位)

 AXAは北京、上海、広州、武漢、成都、大連で事務所を設立した。一九九七年、AXAは中国政府から、上海で中外合資生命保険公司を設立することを認められた。

 ALLIANZグループ(二十三位)

 ALLIANZ大衆生命保険有限公司は一九九八年末、営業を認可され、ALLIANZは同公司の五一%の株式を保有し、最初に上海で生命保険業務を扱うヨーロッパの保険会社となった。ALLIANZは再保険分野で中国の保険業界と提携して、二灘と小浪底の水利中枢工事、上海フォルクスワーゲン自動車、広州地下鉄、香港新空港など一部の国の重点建設プロジェクトに担保を提供した。

 GENERALI(三十九位)

 GENERALIは一九七八年から中国の保険業と提携し始めた。世界の宇宙と航空に担保を提供する最も主要な会社の一つとして、GENERALIはここ十年来、中国長城工業公司の「長征」シリーズ運搬ロケットの打ち上げに一連の再保険サービスを提供した。

 AIG(七十六位)

 一九七五年、AIGは最初に中国と提携するアメリカの保険機構となった。一九九二年、AIGは中国人民銀行(中央銀行)の認可を得て、上海で支店を開設し、中国で保険業務を扱う最初の外資系企業となった。その後はまた広州で生命保険と他の保険業務を扱う許可証を取得した。

[宇宙・航空]

 UNITED TECHNOLOGIES(百二十五位)

 一九七二年以来、UNITED TECHNOLOGIESのすべての子会社は中国と提携している。その中国での「協力的投資」はすでに三億ドルに達し、中国にある合資企業の一九九七年の売上高は十五億ドルに達した。

 ボーイング社(二十九位)

 一九九七年末現在、中国で運航する四百機のジェット機のうち、二百八十八機はボーイング社のものである。中国の民用航空機市場では、ボーイングは七二%のシェアを占めている。ボーイング社はすでに中国に総額百四十五億ドル、七シリーズのジェットと総額四十四億ドルのMD-八〇シリーズジェット機を輸出した。中国は七〇年代末からボーイング社と提携し始め、現在、全世界で運航している約二千九百機のボーイング機の主要部品は中国で製造されたものであるという。

 ルフトハンザ社(三百三十七位)

 ルフトハンザ社は北京に投資して、北京航空機保守・修理公司(ルフトハンザの持株は四〇%)、ルフトハンザ航空食品公司、北京燕莎商城(ルフトハンザ・センター)などの企業を設立した。

[電器]

 ゼネラル・エレクトリック社(九位)

 ゼネラル・エレクトリック社が中国で設立した合資あるいは一〇〇%出資の企業は二十四社あり、資産総額は十一億ドルを超えた。ゼネラル・エレクトリック社の航空機エンジン、動力システム、水力発電面の技術は中国に広く応用されている。GE金融サービス・グループはすでに中国で五つの運営機構を設け、上海で最初の外国一〇〇%出資の財務公司を開設した。ゼネラル・エレクトリック社はまた照明技術、医療設備、プラスチック、工業コントロール・システム、家電製品、投資情報サービス、輸送などの分野で中国に投資し、合資企業を開設した。

 シーメンス社(二十二位)

 シーメンス社は中国の電信分野で七社の合資企業、エネルギー分野で八社の合資企業、工業分野で十一社の合資企業、医療工学分野で二社の合資企業と一社の一〇〇%出資企業を擁している。

 日立製作所(二十四位)

 日立は中国ですでに二十社の企業を設立した。一九九四年十月、中国政府の認可を得て、日立は日立(中国)有限公司を設立した。同公司は中国にある日立製作所の唯一の代表機構である。

 東芝(四十八位)

 東芝は一九九一年から中国に投資し始め、同年に東芝大連有限公司を設立して、工業用モーター、テレビおよびビデオの部品などの生産を始めた。現在、東芝は中国で東芝(中国)有限公司など十六社の合資と独資企業を擁している。

 ELECTROLUX(二百七十四位)

 ELECTROLUXの商用電器は一九九七年から中国に進出し、中国市場で四〇%のシェアを占めている。現在、同社は長沙、天津、青島など各地で数社の合資企業を設立し、家庭用冷蔵庫、冷凍圧縮機、商用冷凍設備と小型家電製品を生産している。

 アルストム社(三百五十五位)

 ここ数年、アルストム社が中国に提供した発電設備容量は合計三万七百メガワットに達した。現在、アルストム社は長江三峡水力発電所と広東嶺澳原子力発電所の建設に参与し、長江三峡水力発電所に水車発電機八基、広東嶺澳原子力発電所に関係装置を提供した。

 LGエレクトロニクス(四百七十位)

 LG電子は北京、天津、秦皇島、瀋陽、上海、長沙、恵州、泰州、南京など各地に投資し、地元の一部企業と十社の合資企業(秦皇島の工場は同社の一〇〇%出資)を設立し、投資総額は八億ドルに達した。一九九五年、持株会社のLGエレクトロニクス(中国)有限公司を設立した。

[コンピューター]

 IBM社(十四位)

 IBM社は中国で四社の製造型の合資企業をもっているほかに、二社のソフトウエアを開発する合資公司を設立した。

 COMPAQ(八十七位)

 一九九四年、COMPAQは中国にコンピューターを輸出する最大手企業となった。COMPAQは中国でインタープリティブ・バーション協力センターを設立し、中国現地のインタープリティブ・バーション開業者をサポートしている。

 INTEL(百二十一位)

 一九九四年九月、INTEL社は上海で同社一〇〇%出資のINTEL技術発展有限公司(iADLと略称)を設立した。一九九八年五月にINTELの高速イレージング・ライトストア装置埋封/テスト工場は上海で操業に入った。同プロジェクトの一期、二期工事の投資額は累計一億九千八百万ドルに達した。一九九八年、INTEL社は今後五年間に五千万ドルを投資して、INTEL中国開発センターを設立することを明らかにした。

 ゼロックス(百八十二位)

 一九八七年、ゼロックスは上海に投資して上海ゼロックス複写機有限公司を設立した。一九九五年、同社は北京で一〇〇%出資のゼロックス(中国)有限公司を設立し、登録資本は三千九百万ドルで、傘下に合資企業が四社、独資企業が一社ある。現在、ゼロックスの対中国投資総額は一億ドル近くに達した。

「医薬・バイオ]

 デュポン社(五十五位)

 過去十五年間に、デュポン社は中国で八社の合資企業、三社の一〇〇%出資企業を設立した。現在の対中国投資総額は三億ドルを超えた。

 NOVARTIS(百五十九位)

 NOVARTISは中国に一億三千万ドルを投入して五社の企業を設立し、医薬、農薬、滋養品などを生産している。NOVARTIS種子部は一九九七年に本格的に中国に進出し、また野菜、草花の種子の普及活動に携わっている。

 Glaxo Wellcome(三百二十六位)

 一九八八年、Glaxo Wellcomeは中国の企業と合資で重慶Glaxo Wellcome製薬有限公司を設立し、一九九七年にGlaxo Wellcome蘇州製薬有限公司を設立した。

 RHONE―POULENC(二百七十九位)

 一九九五年、RHONE―POULENC(中国)有限公司が北京で設立された。同公司はフランスが中国で設立した最初の持株公司である。現在までにRHONE―POULENCは中国に四億五千万ドルを投資し、一六社の合資企業、三社の一〇〇%出資企業を設立した。一九九七年の中国での売上高は二億六千万ドルであった。

[工農業生産]

 バスフ社(九十三位)

 一九九六年、バスフ社は中国化学工業に投資した最大の外国企業となり、投資額は契約ベースと実行ベースで約十億マルクに達した。一九九七年の同社の中国での売上高は十一億マルクに達した。二〇〇〇年の売上高は二十億マルクに達する見込みで、そのうちの三〇%は中国に再投資するという。

 ホチェスト社(百三十四位)

 ホチェスト社は一九八七年に中国で合資の農業化学企業を設立した。これはホチェスト社が中国で最初に実施するプロジェクトである。一九九四年、ホチェスト社は中国での投資企業設立を認められた最初のドイツ企業となった。ホチェスト社は中国ですでに二十四社の一〇〇%出資企業と合資企業を設立し、投資総額は五億三千万ドル前後に達した。

 デェル社(三百三位)

 世界最大の農業機械メーカーとしてのデェル社は一九八二年からコンバイン、トラクターの製造技術を譲渡し始め、一九九七年には中国東北地区のチャムス・コンバイン工場と合資企業を設立して、コンバインとその他の農機具を製造している。

[その他]

 伊藤忠商事(六位)

 一九九三年九月、伊藤忠商事は、北京で伊藤忠(中国)グループ有限公司を設立することを認可された。ここ数年、同社の中国での年間売上高は日中貿易の一〇%を占める約六十億ドルである。

 丸紅(十二位)

 一九九七年の丸紅の対中国貿易額は三十億ドルに達し、日本の総合商社のなかで上位にランクされた。現在までに丸紅は中国で百三十社の合資企業を設立し、投資総額は三十五億ドルに達し、そのうち丸紅は二五%を占めている。

 ネスレ社(三十六位)

 ネスレ社は一九八七年に中国最初の合資企業――双城ネスレ有限公司を設立し、現在までに中国で八社の合資企業と八社の一〇〇%出資企業を設立し、投資総額は三十二億元に達した。一九九七年のネスレ社の中国での売上高は三十億余元であった。

 三星(百二位)

 三星グループは一九七八年に香港経由で中国の石炭を輸入し、中国と最初の取引を行った。一九九二年、三星は中国に投資し始めたが、投資額はすでに十八億ドルに達した。

 SAINT―GOBAIN(百八十八位)

 SAINT―GOBAINは中国で合資企業八社、一〇〇%出資企業八社、財務的持株公司一社を擁している。一九九八年の同社の中国での売上高は八億フランで、在中国企業の製品の輸出率は三〇%に達した。

 3M(二百七十位)

 一九八四年、3M中国有限公司が上海で設立された。これは当時経済特別区以外に設立された最初の外国独資企業である。一九九八年の中国での売上高は初めて一億ドルを突破した。

 マクドナルド(三百六十一位)

 マクドナルドは一九九〇年に深せんで最初のファストフード店を開いたが、続いて北京、厦門、広州、上海など各地に広げていった。現在、中国の二十八の大中小都市にマクドナルド・ファストフード店が二百余軒あり、材料の九五%以上は中国国内で賄われている。

 

 

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