手を携えて経済と環境保全の協調発展を促進
アジア・九州地域地方政府指導者江蘇会議が十月九日から十日まで、南京で開かれた。中国、日本、韓国、フィリピン、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、シンガポールの十一カ国三十一省・州(県)の地方政府指導者がこれに出席した。中国からは李嵐清国務院副総理が会議に出席し、「アジアの持続可能な発展の新紀元を切り開くために努力しよう」と題する演説を行った。
一九九四年から始まったアジア・九州地方政府指導者会議はアジア諸国の地域間の交流と理解を深め、共同発展を促進し、互恵、互利、健全なパートナーシップを構築することを趣旨としている。これまで五回開かれ、会議の主題としてアジアの経済の発展、展望、地域間協力、人材養成など当面の社会発展の重大な課題が取り上げられた。江蘇省人民政府主催の今回の会議は「経済発展と環境保全」というテーマをめぐって意見を交換した。
李嵐清副総理は中国の経済発展と環境保全活動の現状、持続可能な発展を実現するための政策・措置と発展の目標を紹介し、中国政府が経済発展と環境保全の相互関係を処理する原則的立場を示した。
今世紀以来、科学技術が目覚ましく進歩し、人類は未層有の物質的富を創造した。同時に、人口の激増によって、経済と社会の発展は一連の挑戦を受けている。自然資源の過度の開発と消費、汚染物質の大量排出は世界的な資源不足、環境汚染と生態系悪化をもたらし、世界各国が共に関心をもつ重大な課題となっている。
五十年来、特に改革・開放二十年来、中国は国民経済と社会発展など各方面で大きな成果をあげた。李嵐清副総理は「世界最大の発展途上国として、経済発展は中国にとって終始第一位的なものであるが、経済、社会、人口、資源、環境など各分野の協調的発展を堅持しなければならない」と強調した。
経済発展と環境保全を処理する上で、中国政府は次のような指導原則と方針を堅持している。
経済・社会発展と環境保全、生態建設を統一させる。経済建設を加速する同時に、環境保全と汚染処理を確実に強化し、生態建設を強化し、人口の増加を抑え、人口の資質を向上させ、人口の過度の増加による資源、環境への圧力を減らす。経済建設、都市・農村建設と環境整備は同時に計画し、実施し、発展させ、新しい環境汚染と破壊を防止する。建設プロジェクトはすべて環境保全の要求に合致しなければならず、資源開発と節約との結合を堅持し、節約を第一位に置き、農業・林業・牧畜業・副業の構造を合理的に調整し、長江、黄河中上流での天然林の伐採を停止し、林業を発展させ、草木を植え、水土流失を防止し、生態環境を保全する。科学進歩と技術創新による環境保全を進める。全社会の環境保全の宣伝と教育を強化する。社会各界が環境保全と生態建設に共に参与するよう積極的に導き、動員する。環境と発展面の国際交流と協力を展開する。対外経済往来の中で環境と資源の保護に力を入れ、国内外の二種類の資源、二つの市場をうまく利用し、国外の資金、技術、管理経験をより多く吸収し、中国の環境保全と生態建設を促進する。政府の規制と市場を結びつけたメカニズムを運用して環境を保護する。
李嵐清副総理は、発展途上国と先進国が手を携えて、国境を超え、異なった民族、文化、宗教と社会制度を超えて、人類の共通の利益、長期の利益のために、また各国の身近な利益のために、互いに力を合わせて困難を乗り越え、一致協力し、各国人民の知恵を発揮し、経済を発展する同時に、環境をよく整備、保護するよう呼びかけた。
会議を主催した江蘇省は中国の経済、科学技術、文化の発達した省の一つである。新中国成立五十年以来、特に改革・開放二十年来、江蘇省の現代化建設は大きな成果をあげた。一九九八年、同省のGDPは一九七八年と比べ九・七倍増の七千二百一億元に達し、年平均一二・六%伸び、一人当たりのGDPは千二百余ドルに達した。非農業産業の国民経済に占める比重は八五・八%となり、一九七八年より一三・四ポイント上がり、農業省から工業省への歴史的転換を実現した。経済と社会の急速な発展と同時に、江蘇省は環境保全意識を強め、生態環境と経済・社会の発展の協調な統一をはかっている。現在、自然保護区は二十カ所あり、江蘇省総面積の五・二%を占めている。省内の淮河、太湖と長江流域の汚染処理は段階的な成果をあげた。閉鎖、生産停止させられた汚染のひどい各種企業は千四百一社を数える。汚水処理とゴミ無害化処理工場も多く建設された。
代表たちは「経済発展と環境保全」という問題で、共通認識に達し、「 アジア・九州地域地方政府指導者江蘇会議共同声明」を発表した。
次回の会議は来年、日本の大分県で開かれる。